ジョイフルが約200店舗の閉店を発表、消費者の行動、外食に対する価値観の変化に対応

6月8日、ジョイフルは収益性の改善が見込めない約200店舗について、7月以降に順次閉店する計画を発表しました。ジョイフルが約200店舗を閉店する理由は、消費者の行動、外食に対する価値観の変化に対応するためです

消費者の行動、外食に対する価値観の変化とは、消費者が人との接触を減らすために店舗を避けること、店舗での飲食よりもテイクアウト、デリバリーを選択することです。

ジョイフルは約200店舗を閉店した後、テイクアウト、デリバリーを拡大して、既存店の強化を進めると考えられます。飲食業界の不確実性が高まる中、テイクアウト、デリバリーにはニーズがあり、既存店の売上を増やす堅実な方法です。

ジョイフルが200店舗を閉店

6月8日、ジョイフルは退店計画を発表しました。

ジョイフルは2020年7月以降、ジョイフル業態を中心とした200店舗程度を順次閉店する計画です。

ジョイフルが約200店舗を閉店する理由は、消費者の行動、外食に対する価値観の変化に対応するためです。ジョイフルは収益力の強化を図るため、収益性の改善が見込めない約200店舗を閉店します。

消費者の行動・外食に対する価値観の変化とはなにか

ジョイフルは約200店舗を閉店する理由として、消費者の行動、外食に対する価値観の変化を挙げています。

消費者の行動、外食に対する価値観の変化とは、消費者が人との接触を減らすために店舗を避けること、店舗での飲食よりもテイクアウト、デリバリーを選択することです。

お客さんの店舗離れは飲食業界全体の問題です。

店舗での飲食は三密であると考えられています。ニュースでも、新型コロナウイルス感染者の行動履歴に、店舗での飲食を見ることがあります。

5月25日に緊急事態宣言が解除されましたが、以前のように飲食店にお客さんが戻って来るかどうかは不確実です。飲食店を利用しない生活に慣れた人は、そのまま飲食店を利用しない生活を続ける可能性があります。

テイクアウト、デリバリーが拡大したことで、店舗の存在感が低下しました。

緊急事態宣言が発出された4月7日から5月25日までの間、多くの人がテイクアウト、デリバリーを利用しました。マクドナルドとケンタッキーフライドチキンは、4月と5月の既存店売上高、客単価が大きく伸びています。

テイクアウト、デリバリーに満足した人の中には、もう店舗で食事をしなくてもいいと考える人もいます。店舗に問題があるわけではありませんが、お客さんと接触しない期間が長くなったことで、存在感が低下しました。

ジョイフルは消費者が店舗での飲食を避けるようになり、テイクアウト、デリバリーを利用し続けると予想しています。

ジョイフルは200店舗の閉店でどう変わるか

ジョイフルは収益性の改善が見込めない約200店舗を閉店します。

ジョイフルは約200店舗を閉店した後、テイクアウト、デリバリーを拡大して、既存店の強化を進めると考えられます。

約200店舗の閉店により、ジョイフルの収益力は強化されます。

ジョイフルの2020年6月期の第2四半期決算は、売上高は36,311百万円(前期比2.6%減)、営業利益は494百万円(前期比52.8%減)でした。ジョイフルの店舗数は2020年5月末時点で706店舗です。

ジョイフルが閉店する約200店舗は全体の約28%に当たります。ジョイフルは全体の約28%の店舗で収益の改善が見込めないにもかかわらず、営業利益を確保できています。約200店舗を閉店すれば、収益性が改善する可能性は高いです。

ジョイフルはテイクアウト、デリバリーを開始しています。

ジョイフルがテイクアウトを開始したのは2月4日、デリバリーを開始したのは5月26日です。多くの飲食チェーンと同じように、ジョイフルもテイクアウト、デリバリーを拡大して行くことになります。

ジョイフルは好きだけど、店舗での飲食を避けたいお客さんは、テイクアウト、デリバリーを利用してくれます。

飲食業界の不確実性が高まる中、テイクアウト、デリバリーにはニーズがあり、既存店の売上を増やす堅実な方法です。

ファミリーレストランは脱コミュニケーションの店舗作りが必要

ファミリーレストランは新型コロナウイルスの影響を大きく受けています。

ファミリーレストランが進めるべき改革は、脱コミュニケーションに対応した新しい店舗作りです。

ファミリーレストランの問題は、お客さんが複数人で来店して、コミュニケーションを取ることを想定した店舗作りです。

ファミリーレストランは複数人の来店を想定した店舗です。店舗面積は大きく、複数人で食事をするテーブルが多く、メニューは老若男女に対応するため幅広いです。

恋愛離れ、非婚化、晩婚化、少子化、SNSの普及などにより、複数人でファミリーレストランで食事をする機会が減っています。ファミリーレストランは必要な客数の確保が難しくなり、生産性が低下しています。

新型コロナウイルスによる、消費者の行動、外食に対する価値観の変化は、ファミリーレストランの生産性をさらに低下させるものです。

ジョイフル以外のファミリーレストランチェーンでも、新型コロナウイルスへの対応が発表されています。

すかいらーくホールディングスはグループ全店舗について、7月1日より、深夜営業を原則廃止する計画です。

ロイヤルホールディングスは不採算店舗約70店を閉店する計画です。

ファミリーレストランは生産性を向上させるため、新しい店舗フォーマットが必要になっています。

脱コミュニケーションの新しい店舗フォーマットは、従来の店舗よりも面積が狭く、複数人で利用するテーブルを減らしたいです。また、1人での飲食、テイクアウト、デリバリーへの対応も強化したいです。

ファミリーレストランは従来の店舗を閉店して、新しい店舗フォーマットを出店して行くことになります。