上場小売業の平均給与は494万7,000円、9年連続で増加

9月11日、東京商工リサーチは上場企業1,803社(2020年3月期決算)の平均給与を調査した結果を発表しました。上場企業1,803社の平均給与は630万5,000円(前年同期は629万円)、小売業の平均給与は494万7,000円(前年同期は483万5,000円)でした。

小売業は厳しい競争環境にありますが、平均給与はイメージほど悪くはありません。市場規模が拡大しているドラッグストア、一部の業績が好調な小売業では、今後も給与の増加が期待できます。

2020年4月より、正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇格差を禁止するため、同一労働同一賃金の取り組みが始まっています。小売業はアルバイト・パートが多いため、正社員の待遇改善が後回しになる可能性があります。

上場小売業の平均給与は494万7,000円

9月11日、東京商工リサーチは上場企業1,803社(2020年3月期決算)の平均給与を調査した結果を発表しました。

調査によると、上場企業1,803社の平均給与は630万5,000円(前年同期は629万円)でした。平均給与は2012年3月期以降、9年連続で増加しています。

小売業の平均給与は494万7,000円(前年同期は483万5,000円)となり、9年連続で増加しています。業種別に見ると、小売業は平均給与が最も低い業種です。

平均給与が最も高い業種は、建設業の756万1,000円(前年同期は748万6,000円)でした。建設業が業種別最高の平均給与になったのは4年連続です。

小売業の平均給与はイメージほど悪くない

東京商工リサーチの調査によると、上場小売業の平均給与は494万7,000円(前年同期は483万5,000円)でした。

上場企業1,803社の平均給与630万5,000円と比べると、上場小売業の平均給与は約130万円ほど低いです。小売業は厳しい競争環境にあることを考えると、平均給与はイメージほど悪くはありません。

少子化、高齢化、所得格差、業種の垣根を超えた競争、Eコマースの拡大など、小売業の競争環境は厳しいです。

人口が減少するとともに、Eコマースが拡大すれば、小売業の店舗で買い物をする人は減少することになります。今後も、小売業の競争環境には大きな変化がないと予想されるため、小売業の店舗で買い物をする人は減少を続ける可能性が高いです。

新型コロナウィルスの発生により、出生数は減り、Eコマースの利用者は増えました。これまでも小売業は厳しい競争環境にありましたが、新型コロナウィルスの発生により、さらに厳しくなったと言えます。

小売業全体を見ると、成長が期待できる業界、企業はあります。

ドラッグストアは小売業の中で最も好調な業種です。低価格の食品、日用品、化粧品が消費者に支持され、市場規模の拡大が続いています。ドラッグストアで働いている人たちは、これからも給与の増加が期待できます。

ファーストリテイリング、ニトリホールディングス、良品計画、ワークマン、セリア、神戸物産など、業績が好調な小売業も多数あります。これらの企業は消費者のロイヤルティが高く、従業員の給与が増加を続けることはほぼ確実です。

小売業が給与を増やすためには、生産性の向上が必要になります。

小売業の競争環境を考えると、今後、売上が大きく増えるというのは起こりにくいです。小売業はPB商品の拡大による売上総利益率の改善、テクノロジーの導入によるコストの削減に取り組み、生産性を向上させたいです。

生産性を向上させることができれば、売上が増えなくても、給与を増やす余力が生まれます。PB商品の拡大は多くの小売業が取り組んでおり、売上総利益率の改善に成功しています。

小売業は同一労働同一賃金の影響が大きい

東京商工リサーチの調査によると、上場小売業の平均給与は494万7,000円(前年同期は483万5,000円)でした。

正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇格差を禁止するため、2020年4月より、同一労働同一賃金の取り組みが始まっています。小売業はアルバイト・パートが多く、同一労働同一賃金の影響を大きく受けます。

正社員と非正規雇用労働者の不合理な待遇格差は、非正規差別、女性差別であるとして、社会問題だと考えられるようになっています。

小売業はアルバイト・パートを採用していますが、その多くが女性です。小売業の主たる業務である、商品の補充、レジ、接客は単純労働だと認識されており、時給は低いです。

小売業のアルバイト・パートの場合、数年、または十数年働いても、時給がほとんど上がらないことが普通でした。しかし、非正規差別、女性差別が社会問題だと認識されるようになれば、このようなアルバイト・パートへの冷遇は是正しなければなりません。

小売業では、正社員の待遇改善よりも、アルバイト・パートの待遇改善が優先されます。

業種にもよりますが、小売業の店舗では従業員の2~3割が正社員、7~8割がアルバイト・パートである場合が多いです。アルバイト・パートは商品の補充、レジ、接客を担当しており、店舗の運営に不可欠な存在です。

アルバイト・パートの時給を継続的に上昇させることになれば、小売業の利益を圧迫することになります。小売業の中でも、アルバイト・パートの比率が高い企業ほど、正社員の給与の増加が期待しにくくなります。

小売業では、より少ない従業員数で運営できる店舗作りが求められます。

小売業で導入が進むセルフレジ、セミセルフレジは、レジの従業員を減らすためのソリューションです。セルフレジ、セミセルフレジでは、お客さん自身が会計、商品の袋詰を行うため、レジの従業員を減らせます。

小売業は売上・利益を減らすことなく、店舗運営に必要な従業員を減らしたいです。売上・利益を減らすことなく、店舗運営に必要な従業員を減らせば、正社員、アルバイト・パートの給与を増やす余力が生まれます。

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