すかいらーくホールディングスが深夜営業を原則廃止、深夜の時間帯のニーズ減少に対応

5月26日、すかいらーくホールディングスはグループ全店舗について、2020年7月1日より、深夜営業を原則廃止すると発表しました。

すかいらーくホールディングスが深夜営業を原則廃止する理由は、新型コロナウイルスにより、お客さんのライフスタイルが変わり、深夜の時間帯のニーズが減少すると予想しているからです。

深夜営業を原則廃止すると、深夜の時間帯の売上はなくなり、従業員は仕事がなくなります。深夜の時間帯に働いていた従業員はランチ・ディナーの時間帯、需要の拡大が見込まれるテイクアウト、デリバリーで働くようになります。

すかいらーくホールディングスは深夜営業を原則廃止

5月26日、すかいらーくホールディングスは深夜営業を原則廃止すると発表しました。

すかいらーくホールディングスは、ガスト、バーミヤン、ジョナサン、しゃぶ葉、夢庵などを展開しています。2020年7月1日より、すかいらーくグループ全店舗の営業時間は原則23時30分に変更され、日をまたぐ深夜営業はなくなります。

すかいらーくホールディングスが深夜営業を原則廃止する理由は、新型コロナウイルスによる、お客さんのライフスタイルの変化に対応するためです。

すかいらーくホールディングスは生活の中心がランチやディナータイムへ移行し、深夜の時間帯のニーズは減少すると想定しています。また、テイクアウト、デリバリーの需要が拡大し、店舗では顧客サービスへの期待が高まると予想しています。

深夜営業を原則廃止することは、女性や高齢者が働きやすい労働環境を整備することにもなります。

これまで深夜の時間帯に働いていた従業員については、別の時間帯への変更、テイクアウト、デリバリーへの配置変更が計画されています。

すかいらーくホールディングスは1月20日に、働き方改革の一環として、全店で24時間営業を廃止すると発表しています。

深夜営業の原則廃止は新型コロナウイルスによる、お客さんのライフスタイルの変化に対応するものです。ただ、深夜営業の原則廃止は、すかいらーくホールディングスがこれまで進めて来た、働き方改革に沿うものでもあります。

なぜ深夜営業を原則廃止するのか

すかいらーくホールディングスは深夜営業を原則廃止します。

すかいらーくホールディングスが深夜営業を原則廃止する理由は、お客さんの新しいニーズに対応して、業績の拡大を実現するためです。

新型コロナウイルスにより、テイクアウト、デリバリーの需要が拡大しました。新型コロナウイルスは収束せず、共生することになるとの見方もあります。テイクアウト、デリバリーの需要の拡大は一時的なものではなく、今後も続くものです。

テイクアウト、デリバリーの利用が増えると、店舗で食事をする機会は減ります。店舗で食事をすることは当たり前ではなく、わざわざ時間を掛けてするものになり、丁寧な顧客サービスが求められるようになります。

新型コロナウイルスと共生する「ウィズコロナ」においては、飲食チェーンはテイクアウト、デリバリー、丁寧な顧客サービスを強化しなければなりません。

すかいらーくホールディングスは深夜営業を原則廃止することで、深夜の時間帯の従業員をテイクアウト、デリバリー、顧客サービスに割り当てます。

以前より、すかいらーくホールディングスは24時間営業を廃止して、ランチ・ディナーの時間帯の顧客サービスを強化する計画でした。

新型コロナウイルスにより、テイクアウト、デリバリーの重要性が高まりました。顧客サービスを強化する、すかいらーくホールディングスの従来の計画に、テイクアウト、デリバリーが追加された形です。

深夜の時間帯で働いていた従業員を新しいニーズである、テイクアウト、デリバリー、顧客サービスに割り当てるのは順当です。

深夜営業の原則廃止は業績にどう影響するか

すかいらーくホールディングスは深夜営業を原則廃止するため、業績にも影響が出ます。

すかいらーくホールディングスはランチ・ディナーの時間帯の生産性を向上させれば、売上・利益を増やすことは可能だと思います。

深夜営業を原則廃止すると、深夜の時間帯の売上はなくなります。深夜の時間帯で働いていた従業員は、ランチ・ディナーの時間帯、テイクアウト、デリバリーで働き、売上の増加を目指すことになります。

すかいらーくホールディングスはランチ・ディナーの時間帯において、店舗、テイクアウト、デリバリー、それぞれの販路で販売数量を増やしたいです。

ランチ・ディナーの時間帯の販売数量が増えれば、魅力的なキャンペーンが実施できる、調理が効率化するなど、生産性の向上を実現できます。

一人のお客さんに店舗、テイクアウト、デリバリー、すべての方法で食事をしてもらいたいです。お客さんの利用回数が増えるほど、売上も増えます。

もともと、すかいらーくホールディングスはランチ・ディナーの時間帯の従業員を増やし、生産性の向上を目指す計画でした。新型コロナウイルスにより、テイクアウト、デリバリーの需要が拡大したことで、さらに生産性の向上が実現しやすくなりました。

深夜の時間帯の売上減少をランチ・ディナーの時間帯の売上増加で補うことが目標になります。テイクアウト、デリバリーの需要が拡大しているため、顧客サービスの強化と合わせて、ランチ・ディナーの時間帯の売上を増やせるはずです。

既存店の売上がどこまで戻るかは不安

すかいらーくホールディングスは新型コロナウイルスへの対応として、店舗の営業時間の短縮、一部店舗の休業を実施しています。

新型コロナウイルスが収束した後、既存店売上がどこまで戻るのかは不安です。

既存店売上は3月が23.9%減、4月は58.2%減でした。4月は緊急事態宣言が発出されたため、既存店売上の減少幅が拡大しています。

ある外食に関するアンケートでは、新型コロナウイルスが収束した後、外食をしますかという質問に対して、1~2割がしないと回答しています。人との接触を避けるため、これまでのように外食をしなくなる人が一定数存在します。

新型コロナウイルスが収束した後、飲食店は感染防止対策として、客席を減らさなければならないと考えられています。客席の減少は売上の減少と同じことで、すべての飲食店で売上が減少することになります。

すかいらーくホールディングスは深夜営業を原則廃止して、テイクアウト、デリバリー、顧客サービスの強化で売上・利益の増加を目指します。

しかし、既存店売上がある程度戻らなければ、テイクアウト、デリバリー、顧客サービスの強化でカバーすることは困難です。

特に客席を減らすことによる売上減少の影響は大きく、他の方法でカバーするというのは非現実的なようにも感じます。