セブン&アイHDがIYネットスーパーの受け取りボックスをセブン-イレブンでテスト運用

3月4日、セブン&アイホールディングスは「イトーヨーカドー ネットスーパー(IYネットスーパー)」の商品を受け取る、受け取りボックスを都内のセブン-イレブン2店舗に設置し、テスト運用を開始したと発表しました。

セブン&アイホールディングスは受け取りボックスを活用することで、IYネットスーパーの利便性向上、売上の増加を狙います。また、受け取りボックスを設置するセブン-イレブンも、客数の増加、売上の増加が期待できます。

受け取りボックスはセブン&アイホールディングスグループの経営資源を活用したもので、効率よくシナジー効果が得られます。

セブン-イレブンに設置する受け取りボックスの概要

3月4日、セブン&アイホールディングスはIYネットスーパーの商品を受け取る、受け取りボックスを都内のセブン-イレブンでテスト運用することを発表しました。

受け取りボックスが設置されたのは、セブン‐イレブン荒川南千住3丁目店、セブン‐イレブン荒川町屋5丁目店の2店舗です。

受け取りボックスは冷蔵・冷凍・常温の三温度帯に対応しています。温度帯区分に統一の基準はありませんが、冷蔵は5~マイナス5℃、冷凍はマイナス15℃以下、常温は10~20℃程度が目安になります。

受け取りボックスが冷蔵・冷凍・常温の三温度帯に対応していることで、お客さんは幅広い温度帯の食品をまとめて受け取ることができます。

IYネットスーパーで注文した商品がセブン-イレブンの受け取りボックスに届いた後、お客さんは注文完了メールに記載された専用番号を受け取りボックスのディスプレイに入力して、商品を受け取ります。

お客さんは受け取りボックスを利用することで、都合の良い時間に商品を受け取ることができ、自宅で待つ時間も不要になり、利便性が向上します。また、再配達がなくなり、配送の効率化にも繋がります。

セブン&アイホールディングスがテスト運用する受け取りボックスは、冷蔵・冷凍・常温の三温度帯に対応しており、近所のセブン-イレブンでIYネットスーパーの商品が受け取れるというものです。

なぜ受け取りボックスを設置するのか

セブン&アイホールディングスは都内のセブン-イレブン2店舗に受け取りボックスを設置し、テスト運用を開始しました。

セブン&アイホールディングスが受け取りボックスを設置する目的は、お客さんの利便性を向上させ、IYネットスーパーの売上を増やすためです。

ECで注文した商品の受け取り方法の多様化はお客さんが望むものです。

ECの買い物体験は年々便利になり、ECで買い物をする回数が増えています。ECで買い物をする回数が増えると、商品の受け取り回数も増えます。自宅で何度もECの商品を受け取るのは大変で、お客さんはストレスを感じています。

自宅で受け取る以外にも、ECの商品を受け取る方法があれば、お客さんの負担は減ります。受け取りボックスはECの商品を受け取る方法の一つで、セブン&アイホールディングスの受け取りボックスは、お客さんのニーズに応えるためのものです。

ECで注文した商品の受け取り方法の多様化は、ECの売上の増加にも繋がります。

ECで買い物をする回数が増えると、自宅で商品を受け取る回数も増えます。自宅でECの商品を受け取ることにストレスを感じるようになったお客さんは、ECで買い物をする回数を減らそうとします。

ECの受け取り方法を多様化すれば、お客さんのストレスは軽減され、ECで買い物をする回数も増えます。セブン&アイホールディングスの受け取りボックスには、お客さんのストレスを軽減する効果があり、IYネットスーパーの売上の増加に貢献します。

セブン&アイホールディングスの受け取りボックスは、お客さんの利便性向上、IYネットスーパーの売上の増加が見込め、両者にメリットがあります。

どのような人が受け取りボックスを使うのか

セブン&アイホールディングスの受け取りボックスは、IYネットスーパーで買い物をするお客さんの利便性を向上させるものです。

受け取りボックスを使う人はIYネットスーパーの利用者で、かつ、セブン‐イレブン荒川南千住3丁目店、セブン‐イレブン荒川町屋5丁目店の2店舗周辺に住んでいる人です。

受け取りボックスの環境を考慮すると、多くの利用者を獲得することは難しいです。

ネットスーパーで買い物をする理由は、遠くのスーパーに出掛ける必要がなく、重い商品を持ち帰る必要がないからです。ネットスーパーのニーズを考えると、IYネットスーパーの商品をセブン-イレブンで受け取りたい人は少ないかもしれません。

コンビニは狭い商圏をターゲットにするストアコンセプトで、買い物に来るのは近隣に住んでいる人、または、近隣で活動する人です。IYネットスーパーの利用者で、かつ、セブン-イレブン2店舗の周辺の住んでいるという条件を満たす人は少ないです。

受け取りボックスの利用者が少ないからといって、サービスに価値がないというわけではありません。

IYネットスーパーを利用していて、かつ、セブン-イレブン2店舗の周辺の住んでいるお客さんにとっては、受け取りボックスはありがたいです。IYネットスーパーと受け取りボックスの買い物体験は便利なので、固定客になってくれる可能性もあります。

人口が減少するため、小売業では既存店の客数減少が始まっています。小売業は既存顧客を大事にしなければない状況にあり、セブン&アイホールディングスの受け取りボックスは、既存顧客を大事にする施策です。

セブン&アイホールディングスの受け取りボックスの利用者は、IYネットスーパーの利用者で、かつ、セブン-イレブン2店舗の周辺に住んでいる人です。利用者は少ないと想定されるものの、サービスとして価値があるものです。

受け取りボックスの課題はなにか

セブン&アイホールディングスは受け取りボックスの設置して、IYネットスーパーの利便性向上、売上増加を見込みます。

将来的に受け取りボックスの設置店舗を拡大するためには、受け取りボックスを確実に利用できる環境を作ること、安定的に利用者を確保することが重要です。

お客さんにとって、受け取りボックスが確実に利用できることは重要です。

お客さんが受け取りボックスで受け取るのは生活に不可欠な食品です。何らかの理由で受け取りボックスが利用できない場合、お客さんの失望感は大きいです。

設置する受け取りボックスの個数が少ないと、利用者が多くて使えないというケースはあるかもしれません。お客さんに安心して受け取りボックスを利用してもらうためには、受け取りボックスの個数には余裕があるのが好ましいです。

受け取りボックスの利用者を安定的に確保することは重要です。

受け取りボックスの設置には店舗面積が必要です。コンビニは店舗面積が狭い一方、お客さんのニーズは多く、店舗面積は常に不足している状況です。受け取りボックスは貴重な店舗面積を使って設置することになります。

受け取りボックスを設置したのに、利用者がいないとなると、店舗面積がもったいないです。受け取りボックスを設置するのであれば、安定的に利用者を確保したいです。

セブン&アイホールディングスは受け取りボックスのテストは始まったばかりですが、設置店舗数が増えるとお客さんは便利です。

受け取りボックスはグループの経営資源を活かした施策

セブン&アイホールディングスはIYネットスーパーの受け取りボックスをセブン-イレブンに設置します。

受け取りボックスはセブン&アイホールディングスグループの経営資源を活かし、グループの売上の増加を狙う効率の良いものです。

IYネットスーパーは受け取り場所としてセブン-イレブンを活用することで、買い物体験を改善し、売上の増加が期待できます。

ネットスーパーで注文した商品をコンビニで受け取るのは、これまでにない新しい買い物体験です。競合のネットスーパーが同じ買い物体験を提供しようとしても、難しいのではないかと思います。

仕事が朝早い、夜遅いといった理由のため、日中にネットスーパーの商品を受け取ることが難しいお客さんもいます。IYネットスーパーはセブン-イレブンを活用することで、こうしたお客さんを取り込めるチャンスもあります。

セブン-イレブンはIYネットスーパーの受け取り場所になることで、来店動機を増やし売上の増加へ繋げることができます。

IYネットスーパーの利用者は、注文した商品を受け取るためにセブン-イレブンに来ます。セブン-イレブンに来たお客さんがついで買いをすれば、売上が増えます。

コンビニ業界では既存店の収益性が悪化しており、売上を増やす施策が必要になっています。受け取りボックスの設置は、売上を増やすために効果的な施策です。IYネットスーパーの利用者が増えれば、セブン-イレブンの売上も増えるシナジー効果があります。

セブン&アイホールディングスはコンビニ事業の売上が大きく、グループのシナジー効果が弱いとされています。受け取りボックスはIYネットスーパーとセブン-イレブンのシナジー効果が見込めるので、成功させたい施策です。