楽天が購入金額3,980円以上で送料無料になる「39ショップ」をスタート

楽天は3月18日より、購入金額3,980円以上で送料が無料になる「39ショップ」をスタートしました。料無料ラインは全店舗一律に導入される計画でしたが、新型コロナウイルスの拡大を受け、希望する一部の店舗のみが導入しています。

楽天市場では出店者によって送料が異なっており、お客さんに買い物の負担が掛かっていました。楽天は送料無料ラインを導入することで、お客さんの買い物の利便性の向上、出店者の売上の増加を見込んでいます。

楽天が送料無料ラインの構想を発表して以降、様々な動きがありましたが、希望する一部の店舗のみの導入でスタートすることとなりました。

楽天が導入した送料無料ラインの概要

2020年3月18日より、楽天市場において、3,980円以上の購入で送料が無料になる送料無料ラインが導入されました。当初は全店舗一律に導入される計画でしたが、新型コロナウイルスの拡大を受け、参加するかどうかを出店者が選択できるように変更されました。

送料無料ラインに参加している店舗は「39ショップ」と呼ばれ、商品検索ページ、商品ページにマークが表示され、検索条件としても指定できます。

送料無料ラインは2019年1月の「楽天新新春カンファレンス2019」で構想が発表され、2019年8月には、送料無料ラインの金額が3,980円になることが決まりました。

2020年3月18日のスタートを迎えるまで、様々な動きがありました。

2019年10月には、楽天の送料無料ラインの導入に反対する任意団体「楽天ユニオン」が設立されました。また、2020年3月5日には、有力出店者約100店舗が参加する、送料無料ラインに好意的な「楽天市場出店者 友の会」が設立されました。

2020年2月10日には、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑い(優越的地位の濫用)で楽天に立入検査を行いました。

2020年2月28日は、送料無料ラインが出店者に不利益をもたらすとして、公正取引委員会は東京地方裁判所に緊急停止命令を申し立てました。その後、緊急停止命令の申し立ては2020年3月10日に取り下げられました。

公正取引委員会が緊急停止命令の申し立てを取り下げた理由は、2020年3月6日に、楽天が全店舗一律の導入を当面見送ると発表したためだと見られています。

2020年3月18日より、楽天市場では送料無料ラインが導入されました。これまでの経緯を見ると、導入後も様々な問題が噴出する可能性があります。

なぜ楽天は送料無料ラインを導入するのか

楽天は3月18日より送料無料ラインを導入しました。

楽天が送料無料ラインを導入する理由は、送料無料ラインが楽天市場の利用者、出店者の利益になると考えているからです。

楽天市場には店舗によって送料が異なる問題があります。

楽天市場で商品を検索すると、同じ規格の商品が大量で出てきます。商品の価格は店舗によって異なり、送料も異なります。お客さんは価格を見るだけでは最安値が分からず、各店舗の送料をチェックしなければなりません。

送料をチェックすることは手間であるだけでなく、間違って高い価格で購入してしまうケースもあります。店舗によって送料が異なっている状況は、楽天市場での買い物の満足度を下げる要因になっています。

送料無料ラインを導入することで、お客さんは買い物がしやすくなり、店舗の売上の増加にも繋がります。

送料無料ラインの導入により、購入金額が3,980円を超える場合は送料無料(送料無料ラインに参加している店舗のみ)です。お客さんはこれまでのように店舗の送料をチェックする手間がなくなり、より快適に買い物をすることができます。

楽天市場での買い物が快適になれば、購入回数、購入点数が増えるというのは起こりうるシナリオです。お客さんは送料のチェックに費やしていた労力を節約できるので、より多くの商品を見て、買うことができます。

送料無料ラインには一部の出店者からの反発もありますが、お客さんの買い物体験を改善することは良いことです。

送料無料ラインの導入は出店者にどう影響するか

楽天は送料無料ラインを導入することで、出店者の売上の増加を見込んでいます。

送料無料ラインの導入には賛成と反対の意見があることから、売上が増える店舗、減る店舗が出てきそうです。

商品の価格が最も安い店舗は売上が増えます。

送料無料ラインの導入前は、お客さんは商品の価格と送料をチェックする必要がありました。送料無料ラインの導入後はそうした作業がなくなるため、買い物を途中でやめたり、間違って最安ではない商品を買うことが起こりにくくなります。

送料無料ラインの導入後は商品検索ページ、商品ページに「39ショップ」のマークが表示されるので、お客さんは迷わずに最安値の店舗を選ぶことができます。これまでも最安値の商品は売れやすかったですが、さらに売れる確率が高まります。

送料無料ラインの導入により、ネガティブな変化が起こる可能性もあります。

想定されるネガティブな変化には、価格が高い商品が売れにくくなる、客単価が下がる、粗利益率の低い商品を出品できなくなるといったものす。こうしたネガティブな変化が多く起こった店舗は、売上が減少する可能性があります。

お客さんは送料無料となる3,980円を強く意識するため、3,980円を超えると買い物を止めてしまいます。こうしたお客さんの心理は客単価の低下に繋がります。

送料無料ラインの導入には出店者の売上の増加が期待されていますが、実際の効果はやってみないと分からない部分が多いです。

楽天は出店者が退店しても困らないのか

送料無ラインの導入で利益の確保が難しくなった店舗の中には、楽天市場を退店する店舗も出てきます。

送料無料ラインの導入に対する楽天の姿勢を見ると、退店者が一定数出ることは想定内のようです。

楽天の立場では、送料無料ラインの導入についてこれない店舗は、退店しても仕方がないということです。

楽天市場の送料が店舗によってバラバラなことは、楽天市場の流通総額を伸ばすうえで障害になっています。送料無料ラインの導入はお客さんの買い物体験の改善、楽天市場の流通総額の拡大に不可欠なものです。

送料無料ラインの導入により、利益の確保が難しくなる店舗も出てきます。しかし、送料無料ラインの導入は楽天市場全体の利益に繋がるもので、一部の店舗に不利益が生じてもやむを得ないという判断です。

楽天は楽天市場の出店者数を減らしたいと考えているのかもしれません。

これまで店舗数が多いことは楽天市場の魅力だと考えられてきましたが、競争環境の変化で必ずしもそうだとは言えなくなっています。店舗数が多いと、お客さんは商品を探すのに時間が掛かり、楽天は管理コストが増えます。

楽天市場全体の流通総額が変わらないのであれば、店舗数は少ない方が生産性が向上します。楽天としては、売れない店舗を売れるように支援するよりも、売れている店舗にさらに売ってもらう方が簡単です。

送料無料ラインの導入に対する楽天の姿勢を見ると、店舗数が減ることはそれほど大きな問題ではなさそうです。

楽天は買い物体験の効率性を高めたい

送料無料ラインの導入により、楽天市場の買い物体験は効率が良くなりました。

これまで楽天市場は店舗の多様性を強みとしてきましたが、お客さんのニーズに合わせて、買い物の効率性を高めたいです。

楽天がAmazonに負けている点は買い物の効率性です。

楽天市場には同じ規格の商品ページが複数あり、ページの内容も店舗ごとに異なります。また、送料も店舗ごとに異なっています(送料無料ラインの導入で一部是正)。楽天市場にはお客さんが確認しなければならないことが多く、買い物には時間が掛かります。

Amazonは商品ページは規格に対して一つ、送料無料ラインは購入金額2,000円以上と分かりやすいです。お客さんはECでの買い物に効率性を求めるようになっていて、効率よく買い物ができるAmazonの評価が高まっています。

送料無料ラインの導入に続き、楽天は買い物の効率性を高める取り組みを進めたいです。

多様な店舗が出店しているというのは、お客さんの立場ではもはや魅力とは言えません。お客さんはたくさんの店舗を見る喜びよりも、商品の情報収集に時間が掛かることに疲労を感じます。

同じ規格の商品については、Amazonと同じように一つの商品ページであることが好ましいです。出店者はオリジナルの商品ページを作れなくなりますが、お客さんは効率よく買い物ができるようになります。

買い物の効率性に優れたAmazonの評価が高まっており、楽天は店舗の多様性を維持しながら、買い物の効率性を高めて行きたいです。

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