良品計画が2020年春夏商品の価格の見直しを実施、約300品目を値下げ

2月12日、良品計画は2020年春夏商品について、約300品目の値下げを発表しました。良品計画の値下げは、ここ1年で3回目になります。

良品計画の値下げは基本的な経営方針によるものですが、それ以外にも、節約志向の強まり、人口の減少とも関係していると考えられます。良品計画は商品の価格を下げることで、客数、購入点数の増加を期待できます。

良品計画は幅広いカテゴリの商品を販売していて、値下げは多くの小売業にも影響します。良品計画と競合する、総合スーパー、ホームセンター、衣料品店、100円ショップなどでは、売上に影響が出るかもしれません。

良品計画の値下げの概要

2月12日、良品計画は2020年春夏商品について、約300品目の値下げを発表しました。良品計画は2019年2月に約60品目、8月に約1,100品目の値下げを実施しており、今回の値下げはそれらに続くものです。

良品計画のニュースリリースのなかで、主要な値下げ対象商品として、次の四品目が紹介されています。

主要な値下げ対象商品
  • 綿平織ふとんカバーセット – 3,990円 → 2,990円
  • 脚付マットレス・高密度ポケットコイル – 32,900円 → 27,900円
  • アルミ角型ハンガー – 1,290円 → 990円
  • 超音波アロマディフューザー – 4,890円 → 3,990円

良品計画は生活者の視点で適切な価格の検討を重ね、適正な品質を維持しつつ、生産や流通に係る無駄を省き、適切な産地や素材を選定し直すなどの方法によって、生産者にも無理のないように、お買い求めやすい価格を実現させるとしています。

なぜ良品計画は値下げを行うのか

良品計画は2020年春夏商品について、約300品目の値下げを発表しました。

今回発表された約300品目の値下げは、2019年2月、8月に実施された値下げと同様に、良品計画の経営方針に沿ったものだと言えます。

良品計画は商品の企画、製造、流通、販売を行う製造小売業です。

良品計画は企画、製造、流通、販売の多くの部分に関与できるため、コストを削減できる余地は大きいです。企画、開発、製造、流通、販売でコストを削減できれば、商品の価格を引き下げることも可能です。

昔は高かった商品が時間経過とともに安くなるというのはあり得ることです。今回発表された値下げでは、「脚付マットレス・高密度ポケットコイル」は32,900円から27,900円へと5,000円も値下げされています。

良品計画の海外事業が好調なことも、値下げと関係しているのではないかと思います。

2019年2月期の良品計画の決算では、国内事業の営業収益は246,269百万円(前期比4.9%増)、海外事業の営業収益は163,425百万円(前期比12.9%増)でした。海外事業は国内事業を上回るペースで伸びています。

東アジアを中心に海外事業が成長しており、海外事業の成長がスケールメリットの拡大にも貢献しています。日本、中国、台湾、香港、韓国で同じ商品が売れるようになれば、企画、製造、流通、販売が効率化され、商品の価格が下がります。

良品計画の値下げは外部環境の変化と関係があるか

良品計画は2020年春夏商品について、約300品目の値下げを発表しました。

商品の値下げは、良品計画のコスト削減によって実現されたものですが、外部環境の変化に対応する目的もあるのではないかと思います。

節約志向の強まりは、小売業が対応しなければならない外部環境です。

給料が増えない中で、お客さんの節約志向は続いています。2019年10月には消費税が10%に増税され、2019年11月以降、小売業の売上は前年割れが続いています。多くの小売業が前年割れを続ける一方、良品計画の既存店は前年を上回っており、商品の値下げが貢献していると推測されます。

節約志向の強いお客さんに対しては、価格の高い商品は売れません。良品計画は商品の価格を引き下げることで、客数、購入点数を増やし、売上アップに繋げています。

人口の減少は、小売業が対応しなければならない外部環境です。

人口が減少すると、小売業が客数を増やして売上を伸ばすことが困難になります。また、価格が高い商品を購入するのは購買力がある人ですが、人口が減少すれば、購買力がある人も減少します。

小売業が人口の減少に対応するには、価格の高い商品を値下げして、客層を拡大することです。商品の値下げは、人口の減少に対応するために効果的です。

2019年以降、良品計画は3回目の値下げを発表しました。これは製造小売業である良品計画の経営努力によるものであるとともに、節約志向の強まり、人口の減少といった、外部環境の変化に対応するためでもあります。

良品計画の値下げは他の小売業にどのように影響するか

良品計画は2020年春夏商品について、約300品目の値下げを発表しました。

良品計画が展開する無印良品は人気チェーン店で、幅広いカテゴリで高付加価値の商品を販売しています。良品計画の値下げは、他の小売業へも影響を与えます。

良品計画の値下げは、高付加価値の商品でも、高価格での販売が難しくなっていることを意味しています。

無印良品は人気のチェーン店で、お客さんのなかには、何十年も買い物を続けているファンもいます。無印良品のファンは無印良品の商品に魅力を感じていて、少々価格が高くても、商品を好んで買います。

良品計画は2019年以降、継続的に値下げを行っています。節約志向が強まったことにより、無印良品のファンであっても、高価格の商品を買わなくなっていると考えられます。

良品計画の値下げにより、幅広い小売業に値下げ圧力が掛かります。

無印良品では、衣料品、雑貨、日用品、家具、家電、食品など、幅広いカテゴリで高付加価値の商品を販売しています。高付加価値の商品の価格が下がるため、無印良品とカテゴリで競合する小売業には影響があります。

総合スーパー、ホームセンター、衣料品店、100円ショップなどは、特に影響が大きいのではないかと思います。無印良品の商品を買いたいけど、価格が高いので、他の小売業の店舗で買うというお客さんは一定数いるはずです。

無印良品は品揃えが豊富で、多くの小売業と競合しています。良品計画が値下げをすることによって、多くの小売業に値下げの圧力が掛かります。

商品の価値よりも価格の重要性が増す

良品生活は付加価値の高い商品を販売しており、小売業のなかでも収益性が高い企業です。業績が堅調な良品計画が継続的に値下げを行っていることは、小売業が今後どのような商品を販売するべきなのかヒントになります。

良品計画は高付加価値の商品を高価格で販売してきましたが、高付加価値の部分の価値が小さくなっているというのはありそうです。

小売業では業種の垣根を超えた競争が激しくなり、多くの店舗で同じ商品が買えるようになっています。お客さんはどこの店舗で商品を購入しても、期待通りの品質を得ることができ、不具合に遭遇する機会は減っています。

良品計画と他の小売業の商品を比較した時に、良品計画の商品に価格ほどの価値を感じなくなっている人が増えている可能性はあります。商品の開発競争が成熟したことで、良品計画の商品の優位性が小さくなったというのはあり得ます。

小売業の立場では、高付加価値の商品を高価格で販売したいです。しかし、品質での差別化は難しくなっており、小売業の期待通りには行かないかもしれません。

小売業がどのような商品を販売するにしても、手頃な価格、あるいは低価格であることが望ましいです。お客さんの立場では、品質が優れているかどうかよりも、まずは購入できる価格であるかどうかの方が重要です。

良品生活の値下げは、高付加価値・高価格の商品の販売が難しくなっていることを意味しています。お客さんに商品の品質の差を感じてもらえなくなれば、まずは価格が高くないことが求められます。

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