ヤフーとイオン九州が「PayPayダッシュ」の実証実験、食品が最短30分で届く

3月12日、ヤフーとイオン九州は、即時配達サービス「PayPayダッシュ」の実証実験を期間限定で開始すると発表しました。「PayPayダッシュ」とは、弁当、パン、飲料、お菓子などの食品が最短30分で届くネットスーパーです。

ヤフーの親会社であるソフトバンクは物流ビジネスに注力しており、イオン九州はネットスーパーを拡大したいです。「PayPayダッシュ」の実証実験には、両社の事業に役立つノウハウを蓄積する狙いがあります。

「PayPayダッシュ」は品揃えは少ないものの、配送は早く、このようなネットスーパーを求めているお客さんはいると思います。

「PayPayダッシュ」とはなにか

3月12日、ヤフーとイオン九州は即時配達サービス「PayPayダッシュ」の実証実験を行うことを発表しました。

「PayPayダッシュ」とは、注文した商品が最短で30分(配送時間の目安は30分~1時間)で届くショッピングサービスです。

「PayPayダッシュ」の実証実験は2020年3月16日から始まり、サービスが提供される地域は福岡県天神エリア限定です。

「PayPayダッシュ」で注文できるのはイオンショッパーズ福岡店の約150種類の商品で、弁当、パン、飲料、お菓子などの食品があります。

送料は2020年3月16日~3月31日の期間は無料、4月1日以降は注文状況などによって変動します。最低注文金額は700円~2,000円で、注文状況などによって変動します。

「PayPayダッシュ」の配送員は注文を受けた後、イオンショッパーズ福岡店で商品をピックアップして、自転車で配送先に届けます。配送先は自宅だけではなく、対象エリア内のスポットを指定することも可能です。

支払いは商品受け取り時にPayPayアプリで行うPayPay決済、または、商品注文時に「PayPayダッシュ」のアプリ上で行うクレジットカード決済が選択できます。

イオン九州とソフトバンクは2019年6月に、ネットスーパーの商品を22時以降に配送する、夜間配送の実証実験を行っています。今回の「PayPayダッシュ」の実証実験は、ネットスーパーの物流を検証する第2弾の取り組みです。

ヤフーとイオン九州は「PayPayダッシュ」の実証実験により、実店舗から配達先のラストワンマイルの即時配達ニーズを把握するとともに、今後の取扱商品の拡大、他の地域での展開を検討、さらなる買い物体験の向上に努めるとしています。

「PayPayダッシュ」の実証実験を行うヤフーの狙い

ヤフーはイオン九州とともに「PayPayダッシュ」の実証実験を行います。

ヤフーがイオン九州とともに「PayPayダッシュ」の実証実験を行う狙いは、ラストワンマイルのノウハウを蓄積するためではないかと考えられます。

ヤフーの親会社であるソフトバンクは、物流分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)に注力しています。

物流は社会変化による様々な問題を抱えており、テクノロジーの活用、生産性の向上が不可欠になっています。物流はソフトバンクにとってテクノロジーが活かせるビジネス領域であるだけでなく、ヤフーが運営するYahoo!ショッピングとも関係しています。

「PayPayダッシュ」の実証実験も、ソフトバンクの物流事業の一つだと言えます。「PayPayダッシュ」の実証実験で得られたラストワンマイルのノウハウは、ソフトバンクの物流事業で活用できます。

サービス名にPayPayが付いていることにも意味がありそうです。

PayPayはソフトバンクが大きな投資を行っている事業で、加盟店とユーザーの獲得を進めています。「PayPayダッシュ」は期間限定の実証実験ですが、将来的にPayPayのサービスとして実現する可能性はあります。

PayPayの加盟店には、大手チェーンの店舗だけではなく、地域の店舗も含まれています。地域の店舗の商品が「PayPayダッシュ」でまとめて届けば、お客さんは便利です。

「PayPayダッシュ」は物流とPayPayに関連しており、ソフトバンクとヤフーにとって重要な実証実験です。

「PayPayダッシュ」の実証実験を行うイオン九州の狙い

イオン九州はヤフーとともに「PayPayダッシュ」の実証実験を行います。

イオン九州がヤフーとともに「PayPayダッシュ」の実証実験を行う狙いは、ネットスーパーのノウハウを蓄積するためではないかと考えられます。

ネットスーパーは配送効率が悪いことが課題の一つです。

ネットスーパーは利用者が少ないため、配送効率が悪く、利益の確保が難しいです。ネットスーパーが儲かっているという情報はなく、多くのスーパーマーケットがどうすれば利益を確保できるのか模索を続けています。

イオン九州もネットスーパーの利益の確保が難しいのではないかと推測されます。「PayPayダッシュ」の実証実験では、商品のニーズ、注文数、客単価、配送効率など、多くのノウハウが蓄積できます。

将来的にネットスーパーの配送はスーパーマーケットが自社で行うのではなく、外部の物流企業が行うのではないかと予想しています。

人手不足で人材の確保が難しくなっており、スーパーマーケットがネットスーパーの配送を自社で行うのは難しいです。スーパーマーケットは外部の物流企業に配送費用を支払い、利益を確保できる体制を構築したいです。

「PayPayダッシュ」の実証実験においても、イオン九州がヤフーに配送費用を支払った後、利益を確保できるかどうかというのは重要なポイントです。最低注文金額を高めに設定すれば、各注文で利益を確保することは可能です。

「PayPayダッシュ」は利便性の高いサービスなので、客単価の高い注文をたくさん取れれるチャンスがありそうです。

「PayPayダッシュ」を利用するのはどのような人か

「PayPayダッシュ」は食品が最短30分で届くショッピングサービスです。

「PayPayダッシュ」を利用する人は、食品を店舗に買いに行きたくない人、買い物の時間を節約したい人です。

食品をネットスーパーで買うというのは新しいライフスタイルです。

コンビニ、スーパーマーケット、ドラッグストアなど、食品を売っている店舗は多くの人の身近にあります。食品を店舗で買うのはそれほど大変なことではないので、ネットスーパーで食品を買う人は少ないです。

食品をネットスーパーで買えば、店舗に買い物に出掛ける時間を節約できます。節約した時間は仕事、趣味など、他の活動に使うことができます。「PayPayダッシュ」を利用する人は、このようなライフスタイルを好む人です。

「PayPayダッシュ」は出前館、ウーバーイーツの代替えになります。

出前館、ウーバーイーツは店舗に食事に行きたくない人が利用するサービスです。「PayPayダッシュ」も出前館、ウーバーイーツと同様に、店舗に食品を買いに行きたくない人が利用するサービスです。

「PayPayダッシュ」は弁当、パン、飲料、お菓子など、約150種類の商品を品揃えしています。出前館、ウーバーイーツの料理よりも、「PayPayダッシュ」の食品を好む人もいるはずです。

「PayPayダッシュ」は最短30分の配達、約150種類の品揃えを備えており、時間を節約するショッピングサービスとして魅力があります。

「PayPayダッシュ」の良い点は最短30分で商品が届くこと

「PayPayダッシュ」は品揃えは約150種類、配送時間は最短30分のネットスーパーです。

「PayPayダッシュ」の良い点は最短30分の配送時間で、配送時間の短さで差別化を図りたいです。

「PayPayダッシュ」は商品がすぐに届く、ストレスが小さいネットスーパーです。

ネットスーパーで買い物をすると、配送を待つストレスがあります。ネットスーパーの商品は当日の夕方以降、または、翌日に届くことが多いですが、配送時間の幅は1~2時間程度あり、受け取りに時間を取られます。

「PayPayダッシュ」の場合、注文完了から最短30分で商品が届きます。すぐに商品が届くので、ネットスーパーのように配送を待つストレスはありません。

「PayPayダッシュ」は品揃えを増やさない方がいいです。

「PayPayダッシュ」の品揃えが増えると、お客さんが商品を選ぶ時間、配送員が商品をピックアップする時間が長くなります。お客さんに商品が届くまでの時間が長くなるため、最短30分で商品が届く買い物体験の価値が下がります。

「PayPayダッシュ」の良い点は、最短30分で商品が届く、配送を待つストレスがない買い物体験です。品揃えの充実と配送の早さを両立することが難しいのであれば、品揃えを増やす必要はありません。

「PayPayダッシュ」の強みは注文したらすぐに商品が届くことで、配送の早さは何よりも重要です。