ペッパーフードサービスが114店舗を閉店、約200名の希望退職者を募集

7月3日、ペッパーフードサービスは114店舗の閉店、約200名の希望退職者の募集を発表しました。店舗の閉店はペッパーランチ、いきなり!ステーキの二つの業態、希望退職者の募集はいきなり!ステーキで行われます。

いきなり!ステーキは新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、既存店売上は落ち込んでいます。いきなり!ステーキはメニューの価格が高く、テイクアウト、デリバリーには不向きで、新型コロナウイルスの収束まで既存店売上の回復は難しそうです。

いきなり!ステーキの商圏はペッパーフードサービスが当初想定していたよりも、もっと広いと考えられます。不採算店舗の閉店により、店舗同士の距離が広くなれば、客数が増え、既存店売上が増加する可能性は十分にあります。

114店舗の閉店と約200名の希望退職者の募集

7月3日、ペッパーフードサービスは114店舗の閉店、約200名の希望退職者の募集を発表しました。

閉店する114店舗はペッパーランチ、いきなり!ステーキの二つの業態、約200名の希望退職者の募集はいきなり!ステーキに従事する従業員です。

約200名の希望退職者については、閉店する予定の114店舗から150名、それ以外の店舗から50名を募集する予定です。

ペッパーフードサービスが店舗の閉店、希望退職者の募集を行う理由は、新型コロナウイルスの影響により、既存店売上が減少しているからです。

ペッパーフードサービスはいきなり!ステーキの自社競合を解消するため、2019年7月以降、出店戦略の見直しを行っています。2019年11月14日には、いきなり!ステーキの44店舗を閉店することを発表しています。

いきなり!ステーキは新型コロナウイルスの影響を受ける

ペッパーフードサービスは主にいきなり!ステーキについて、114店舗の閉店、約200名の希望退職者の募集を発表しました。

いきなり!ステーキは新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、既存店売上は落ち込んでいます。

いきなり!ステーキの1月~6月の既存店売上高は前期比42.8%減でした。

月ごとに既存店売上を見ると、1月は33.5%減、2月は38.7%減、3月は48.9%減、4月は62.6%減、5月は50.6%減、6月は42.4%減でした。

既存店売上は3月以降急速に落ち込み、4月、5月は緊急事態宣言の影響もあり、減少幅が大きいです。緊急事態宣言は5月25日に解除されましたが、6月も既存店売上はそれほど戻ってはいません。

いきなり!ステーキは新型コロナウイルスが発生する前から、既存店売上の大幅な減少が起きていました。新型コロナウイルスの発生により、既存店売上の減少幅が拡大する状況になっています。

新型コロナウイルスの状況下において、いきなり!ステーキはお客さんから選ばれやすい飲食店ではありません。

新型コロナウイルスの状況下において、お客さんが飲食店に期待するものは、テイクアウト、デリバリー、豊富なメニューといったものです。こうしたお客さんのニーズに合った飲食店チェーンは、新型コロナウイルスの影響が小さいです。

マクドナルド、ケンタッキーフライドチキンなどのファストフードは、飲食チェーンの中でも、新型コロナウイルスの影響が小さいです。

いきなり!ステーキはメニューの価格が高く、テイクアウト、デリバリーには不向きです。いきなり!ステーキがテイクアウト、デリバリーを強化しても、積極的に利用したいと考えるお客さんは少なそうです。

新型コロナウイルスが収束して、安心して店舗で食事ができる状況になるまでは、いきなり!ステーキの既存店売上が回復するのは難しそうです。

いきなり!ステーキの商圏は当初の想定よりも広い

ペッパーフードサービスは主にいきなり!ステーキについて、114店舗の閉店、約200名の希望退職者の募集を発表しました。

いきなり!ステーキの商圏はペッパーフードサービスが当初想定していたよりも、もっと広いと考えられます。

いきなり!ステーキで自社競合が発生する原因は、店舗同士の距離が近すぎるためです。

いきなり!ステーキのメニューは価格が高く、最も安いのはミドルリブステーキの1,320円(200g定量カット*6.6円)です。グラム単価が高いステーキを選び、増量すると、価格はいくらでも高くなります。

多くのお客さんにとって、いきなり!ステーキは気軽に食事をする店舗ではなく、計画的に食事をする店舗です。店舗が遠くにあったとしても、いきなり!ステーキが好きなお客さんは、時間を掛けてでも食事に行きます。

いきなり!ステーキは自社競合が発生しており、店舗同士の距離が近いことが原因です。不採算店舗を閉店して、店舗同士の距離を広くすることは、いきなり!ステーキの既存店売上を増加させるために効果的です。

不採算店舗を閉店することによって、いきなり!ステーキの既存店売上が増加する可能性は十分にあります。

いきなり!ステーキはお客さんからの人気が高いです。いきなり!ステーキはインターネットで言及されることが多く、話題性があります。

いきなり!ステーキの既存店売上が急減している理由は、リピーターが獲得できていないのか、自社競合によるものなのか評価が難しいです。いきなり!ステーキのインターネットでの人気を見ると、リピーターが少ないようには見えません。

いきなり!ステーキのリピーターは、近所にある店舗が閉店すれば、少し遠くにある店舗まで食事に出かけるはずです。店舗数の減少により、既存店の商圏が広くなれば、売上が増加するチャンスがあります。