セブン&アイ・フードシステムズがファーストフード店「ポッポ」に調理ロボットを導入

セブン&アイ・フードシステムズがファーストフード店「ポッポ」に調理ロボットを導入 飲食業
セブン&アイ・フードシステムズがファーストフード店「ポッポ」に調理ロボットを導入

株式会社セブン&アイ・フードシステムズは、新店の「ポッポ幕張店」に調理ロボットを導入したことを発表しています。セブン&アイ・フードシステムズが導入した調理ロボットは、コネクテッドロボティクス株式会社が開発したものです。調理ロボットが調理する商品は、ソフトクリームとたこ焼きです。

調理ロボットには、人手不足・人件費の問題を解決できる、商品の品質を安定できる、店舗にエンターテイメント性を取り込めるといったメリットがあります。

人手不足と時給の上昇が起こっており、飲食チェーン店は労働環境・収益性が悪化する問題を抱えています。人材の問題を解決するため、調理ロボットは人間に代わる労働力として期待が大きな注目を集めています。

ポッポ幕張店にソフトクリーム・たこ焼きの調理ロボット

株式会社セブン&アイ・フードシステムズは10月17日、千葉県千葉市のイトーヨーカドー幕張店内に「ポッポ幕張店」をオープンしています。ポッポはラーメン、たこ焼、薄皮黄金焼、ソフトクリーム、お好み焼、ポテトなどを販売するファーストフード店です。

「ポッポ幕張店」では、ソフトクリームとたこ焼きの調理ロボットが導入されています。調理ロボットを提供しているのは、コネクテッドロボティクス株式会社です。

たこ焼き調理ロボットは生地の流し込み、焼き上げを行います。人間が行う作業は、食材の仕込み、トッピングです。AI機能により、焼きムラがないかを確認することも可能です。1回あたりの調理数量は96個(約12人分)です。

ソフトクリーム調理ロボットは、人間がロボットにコーンを設置すると、クリームを受け、商品をお客さんに提供します。ソフトクリーム1個を作る時間は30~40秒です。

セブン&アイ・フードシステムズが調理ロボットを導入する目的は、従業員の労働環境改善のためです。人口の減少で人手不足の状況にあり、人材の採用が難しくなり、時給も上昇しています。人材の採用が難しくなると、既存の従業員の負荷も高まることになるため、単に人材を採用できないだけではなく、労働環境の悪化にも繋がります。

セブン&アイ・フードシステムズは、ソフトクリームとたこ焼きの調理ロボットを導入することで、いくつかのメリットを期待しています。

調理ロボットのメリットは、「商品の品質が安定し、美味しい商品を提供できること」、「熱いたこ焼き鉄板の前で調理する時間が減り、従業員の負担が軽減できること」、「人間の調理とは異なる、ライブ感や見る楽しさを演出できること」、「ソフトクリーム、たこ焼きの調理について、教育時間と食材のロスを大きく削減できること」などです。

ポッポにはソフトクリーム、たこ焼き以外にも、様々なファーストフードメニューがあります。「ポッポ幕張店」でソフトクリームとたこ焼きの調理ロボットがうまく機能すれば、他のメニューでも調理ロボットの導入が進むかもしれません。

調理ロボットのメリット – 人手不足への対応・人件費の削減

企業が調理ロボットを導入するメリットは、人材の問題を解決できることです。企業が解決したい人材の問題は、人手不足への対応と人件費の削減です。

人口の減少によって、アルバイト・パートの採用が難しくなっています。アルバイト・パートは企業に働かせてもらうというよりは、仕事を選ぶ立場です。時給が安い、体力的に大変など、労働環境が悪い店舗は、アルバイト・パートの採用が難しいです。

たこ焼きの調理は、どちらかと言えば、アルバイト・パートに不人気の仕事ではないかと思います。一日中熱い鉄板と向き合わなければならないので、体力的な負担は非常に大きいです。店舗でたこ焼きを焼いているスタッフを見ても、男女ともに健康的に見える人が多く、誰にでも簡単にできる仕事ではありません。

セブン&アイ・フードシステムズはたこ焼き調理ロボットの導入によって、1日10時間営業した場合、1日あたり約7時間の人時を削減できるとのことです。たこ焼き調理ロボットを導入すれば、人間の作業は食材の仕込み、焼きムラの確認、トッピングになるので、鉄板と向き合う、きつい時間は大きく減ります。

調理ロボットの導入には、人件費の削減も期待されます。時給の上昇はすべての企業にとって負担ですが、薄利多売の飲食チェーンでは特に負担が大きいです。

人手不足でアルバイト・パートの時給は上昇しており、人口の減少が続くことを考えると、時給の上昇も長く上昇が続くと予想されます。アルバイト・パートへ依存している企業は、何らかの方法で人件費を削減しなければなりません。

飲食チェーンにとって、調理ロボットは人件費の削減に最適なテクノロジーです。調理ロボットの導入により、人間の作業時間が減るので、確実に人件費が減ります。

将来的に、調理ロボットの価格がどれくらいになるかはまだ分かりませんが、人間を雇うよりも安くなるという見方が多いようです。調理ロボットの価格が人間の人件費よりも安くなれば、店舗の人件費の削減が一気に進む可能性もあります。

調理ロボットのメリット – 提供される商品の品質の安定

企業が調理ロボットを導入するメリットは、商品の品質を安定させられることです。調理ロボットと聞くと、人手不足への対応、人件費の削減のイメージが強いですが、商品の品質を安定させられることは、調理ロボットの重要なメリットです。

飲食チェーンでは調理がシステム化されていて、誰が調理をしても、同じ品質のものができあがるように設計されています。飲食チェーンで食事をするお客さんの立場では、商品の品質のバラツキを感じることはあまりないかもしれません。

調理ロボットの導入により、できあがった商品の品質が安定するだけではなく、商品を作る作業も安定することになります。飲食チェーンとしては、商品の品質に加え、商品を作る作業が安定することにもメリットがあります。

調理ロボットを導入すれば、食材のロスの減少が見込めます。教育中のスタッフ、熟練していないスタッフは、食材のロスを発生させることが多いです。また、熟練したスタッフであっても、調理ミスで食材のロスを発生させる可能性はあります。

調理ロボットが調理をすれば、常に同じ品質の商品ができあがり、調理ミスによる食材のロスが減少します。売上の増加で利益を増やすことが難しくなる中で、食材のロスの削減は利益に直結するもので、優先的に取り組みたい課題です。

スタッフの教育が不要になることも、調理ロボットのメリットです。セブン&アイ・フードシステムズの場合、たこ焼きのスタッフを一人前に育てるまでに20時間掛かるとのことです。調理ロボットを導入することで、このような教育時間を削減することができ、訓練の途中に止めてしまうといった損失も発生しなくなります。

商品の品質の安定化は、人材の問題の解消とともに、調理ロボットの重要なメリットです。食材のロス、教育コストを削減できることで、利益の増加が見込めます。

調理ロボットのメリット – 食のエンターテイメント化

企業が調理ロボットを導入するメリットは、店舗にエンターテイメント性を取り入れられることです。調理ロボットはこれまでにない、新しいテクノロジーなので、お客さんの関心を引き付けることができます。

百貨店、総合スーパー、ショッピングセンターなどの商業施設において、飲食のスペースを拡大する動きが見られます。小売事業の不振で売り場が余っていることもありますが、お客さんの飲食への関心が高まっていると見ることもできます。

ソフトクリーム調理ロボット、たこ焼き調理ロボットの動画はYouTubeにありますが、調理ロボットが調理しているのを見るのは楽しいです。継続的に関心を引き付けることは難しくても、一度食べてみようと考える人はいるはずです。

ソフトクリーム、たこ焼きともに人気の商品ですが、多くの人にとって真新しいものではありません。百貨店、総合スーパー、ショッピングセンターなどで販売している店舗を見つけても、お客さんは特に強い関心を持ちません。

人間ではなく、ロボットがソフトクリーム、たこ焼きを調理している店舗があれば、立ち止まる人はいるはずです。ソフトクリーム、たこ焼きは高価格の商品ではないので、興味を持ってもらえれば、迷わずに購入してもらえます。

ソフトクリーム、たこ焼きのような定番商品は、ありふれていることもあり、最初の一回の注文をもらうことが難しいです。どんなに美味しいソフトクリーム、たこ焼きがあったとしても、一度食べてもらわないことには価値を分かってもらえません。

最初の一回の注文をもらう機会を作るという点でも、調理ロボットにはメリットがあります。商品の価値だけではなく、調理ロボットのエンターテイメント性も気に入ってもらえれば、リピーターとして何度も注文をもらえます。

ソフトクリーム、たこ焼きのような定番商品ほど、調理ロボットのエンターテイメント性の効果が大きいのではないかと思います。

お客さんは調理ロボットが作る商品に抵抗感を感じるか

調理ロボットには、人手不足・人件費の問題を解決できる、商品の品質を安定できる、店舗にエンターテイメント性を取り込めるといったメリットがあります。これらのメリットは、店舗に調理ロボットを導入すればほぼ確実に得られます。

調理ロボットの導入で問題になるのは、お客さんが調理ロボットが作った商品を購入してくれるかどうかです。お客さんの反応はこれから検証されますが、お客さんは調理ロボットが作る商品にあまり抵抗感を感じないのではないかと思います。

お客さんは調理ロボットが作る商品にあまり抵抗感を感じないだろうと考える理由は、人手不足の状況が広く認識されているためです。社会のあらゆるところで、テクノロジーが導入され、省人化が進められています。飲食チェーンの商品を調理ロボットが作るようになったとしても、そういう時代だと受け入れられるのではないでしょうか。

SNSで情報がすぐに拡散することも、調理ロボットが作った商品への抵抗感を和らげる効果があります。初めての人は、調理ロボットが作った商品に少なからず抵抗感を感じます。しかし、SNSで他の人が調理ロボットが作った商品を購入したり、食べているのを確認すれば、抵抗感をあまり感じなくなります。

調理ロボットは導入する企業にメリットがありますが、飲食チェーンを利用するお客さんにもメリットがあります。

飲食チェーンは調理ロボットの導入により、店舗の生産性を向上することができます。飲食チェーンの利益が増えれば、新商品の開発が活発になる、商品が低価格になるなど、お客さんにもメリットが出てきます。

調理ロボットについてのお客さんの理解が深まれば、調理ロボットが作った商品への抵抗感も薄れていくと考えられます。また、調理ロボットの導入が商品の低価格化に繋がるようになれば、節約志向のお客さんからの支持を得られるはずです。

調理ロボットは調理が複雑な商品も作れるようになるか

セブン&アイ・フードシステムズは「ポッポ幕張店」に、ソフトクリームとたこ焼きの調理ロボットを導入しています。ソフトクリームとたこ焼きの調理ロボットは、コネクテッドロボティクスが開発したものです。今後、調理ロボットがどのように進化して、調理できる品目が増えて行くかというのも注目です。

ソフトクリームの調理ロボットは、作業はクリームを受けるだけなのでシンプルです。最初のコーンは人間が設置する必要がありますが、ほぼ全自動と言って良いです。

たこ焼きの調理ロボットは、食材の仕込みを人間が行います。複数の食材を用意するのは複雑な作業なので、調理ロボットが行うのは難しそうです。トッピングも人間が行いますが、トッピングは組み合わせが多いので、調理ロボットが行うのは難しそうです。

調理ロボットがどのように進化して行くかは分かりませんが、ソフトクリーム調理ロボット、たこ焼き調理ロボットを見ると、当面は複雑な調理は難しそうです。調理ロボットの開発に掛かるコストと、導入後のパフォーマンスの不確実性を考えると、調理が複雑なロボットの開発はリスクが大きいです。

セブン&アイ・フードシステムズが運営するポッポは、ソフトクリームとたこ焼きが以外にも、ラーメン、薄皮黄金焼、お好み焼、ポテトなどのファーストフードがあります。ラーメン、お好み焼は調理が複雑なので難しそうですが、薄皮黄金焼、ポテトは調理ロボットが調理できるようになるのではないでしょうか。

調理する作業の一部だけであっても、調理ロボットが行ってくれるのはありがたいです。ただ、店舗の生産性を向上させるという点では、注文の受付、調理、商品の提供までを、すべて調理ロボットが行えるようになることが望ましいです。

複雑な商品の一部を調理するロボットよりも、すべての行程を調理できるロボットの開発が優先されるのではないかと思います。飲食チェーンの立場では、複雑な商品の一部を調理するロボットよりも、すべての行程を調理できるロボットの方に価値があります。

注文の受付、調理、商品の提供まで、すべて調理ロボットが行えるようになれば、人員が少ない、生産性の高い店舗運営が可能です。調理ロボットの導入により、店舗運営に必要な人員が減っていけば、最終的には無人店舗が実現されることになります。

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