ラオックスが希望退職者を募集、インバウンド事業の不調・人員構成の最適化

6月26日、ラオックスは250人程度の希望退職者を募集することを発表しました。ラオックスは2月にも希望退職者を募集しており、今年2回目になります。

ラオックスが希望退職者を募集する理由は、新型コロナウイルスが早期に収束せず、インバウンド事業の回復が見込めないためです。4月以降、中国人観光客が激減しており、希望退職者の募集はやむを得ないものです。

ラオックスは日本の商品を海外(主に中国)に販売する、グローバル事業を行っています。ラオックスは先行きが不透明なインバウンド事業よりも、今後の成長が見込めるグローバル事業を強化したいです。

ラオックスの希望退職者募集の内容

6月26日、ラオックスは希望退職者の募集を発表しました。

希望退職者の募集人数は250人程度、退職日は8月31日、希望退職者には規定の退職金に特別退職金が加算されます。

新型コロナウイルスにより、外国人観光客がほぼゼロの状況が続いています。ラオックスのインバウンド事業も影響を受けており、一部店舗、従業員の休業が発生しています。

ラオックスは希望退職者を募集することにより、人員構成の最適化を図るとともに、従業員の社外でのキャリア構築を支援します。

ラオックスは2月にも希望退職者の募集を行っており、ラオックスで90人、子会社のシャディで20人が退職しました。

ラオックスのホームページによると、2019年12月時点で、従業員数は1,855人(アルバイト・パート除く)です。

2月に退職した90人、今回募集する250人を合計すると340人となり、ラオックスの全従業員の約18.3%に当たります。

なぜ希望退職者を募集するのか

ラオックスは250人の希望退職者を募集します。

ラオックスが希望退職者を募集する理由は、新型コロナウイルスが早期に収束せず、インバウンド事業の回復が見込めないためです。

ラオックスの2020年12月期第1四半期のセグメント売上高、利益は次のようになっています(単位は百万円)。

【セグメント売上高】

2019年12月期第1四半期 2020年12月期第1四半期 増減
インバウンド 10,610 3,434 -7,176
グローバル 3,913 3,953 40
生活ファッション 13,971 10,488 -3,483
エンターテイメント 403 4,079 3,676

【セグメント利益】

2019年12月期第1四半期 2020年12月期第1四半期 増減
インバウンド 210 ▲754 -964
グローバル 0 81 81
生活ファッション ▲796 ▲694 102
エンターテイメント ▲356 113 469

近年、中国人観光客の爆買いが減ったことで、ラオックスのインバウンド事業は減収・減益の傾向にありました。新型コロナウイルスにより、中国人観光客はほぼゼロになり、ラオックスのインバウンド事業はさらなる打撃を受ける形になります。

ラオックスの2020年12月期第1四半期は、2020年1月1日から2020年3月31日までです。4月以降、中国人観光客は急減しているため、ラオックスのインバウンド事業の減収・減益は拡大する見込みです。

新型コロナウイルスの影響は、当初想定されていたものよりも大きいです。

新型コロナウイルスは早期に収束せず、3月24日には、東京オリンピックの延期が発表されました。新型コロナウイルスの感染拡大は世界各国で続いており、いつ収束するのか分からない状況にあります。

中国人観光客が日本に来れない状況が続くため、ラオックスのインバウンド事業も減収・減益が続きます。ラオックスが2月に続き、今年2回目の希望退職者を募集することもやむを得ません。

世界的に見ると、中国は新型コロナウイルスの感染拡大をある程度防止できていると評価されています。中国人観光客が日本に来れるようになれば、ラオックスのインバウンド事業も一定の回復が見込めます。

インバウンド事業からグローバル事業へのシフト

ラオックスはインバウンド事業の回復が見込めないため、希望退職者を募集します。

ラオックスが業績を拡大するには、インバウンド事業からグローバル事業へのシフトが重要になるのではないかと考えられます。

ラオックスのグローバル事業とは、日本の商品を海外(主に中国)に販売する事業です。

中国での販路は、中国企業が中国で運営している実店舗とECモールです。ラオックスのホームページによると、実店舗ではカルフール、ECモールではT-mallなどで、中国のお客さんに商品を販売しています。

日本で中国人観光客に売れている商品は、中国に住んでいる中国人にも売れるはずです。買い物をするために日本に来る中国人観光客は、中国で日本の商品を買えば、飛行機代・宿泊代を節約できます。

ラオックスのグローバル事業も新型コロナウイルスの影響を受けますが、売上高、利益ともに堅調です。4月以降の業績についても、インバウンド事業よりも減少幅は小さいと予想されます。

グローバル事業はインバウンド事業よりもローリスクです。

日本に来る中国人観光客よりも、中国に住んでいる中国人の方が圧倒的に多いです。中国に住んでいる中国人のお客さんに商品を販売するグローバル事業は、売上を大きく伸ばすチャンスがあります。

グローバル事業はインバウンド事業のように、店舗、店員を保有する必要がありません。グローバル事業では、マーケティングだけに注力できるのでリスクが小さいです。

ラオックスはインバウンド事業の先行きが不透明なため、相対的にリスクが小さく、成長が期待できるグローバル事業を強化したいです。

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