NTTドコモが来店予約を拡大・サポートを有料化、小売業・EC企業にも影響

NTTドコモが来店予約を拡大・サポートを有料化、小売業・EC企業にも影響 小売業
NTTドコモが来店予約を拡大・サポートを有料化、小売業・EC企業にも影響

10月29日、NTTドコモはお客さんのサポートを強化するため、来店予約の拡大・サポートの有料化を発表しました。サポートの範囲は初期設定に限定され、ドコモショップ以外の店舗でスマートフォンを購入したお客さんは、ドコモショップでのサポート1回あたり3,000円(税別)の料金が掛かるようになります。

来店予約の拡大・サポートの有料化により、ドコモショップでサポートが受けにくくなる人が出てきます。特に高齢者は気軽に質問できなくなれば、分からないままになってしまうため、スマートフォンの活用が停滞してしまいます。

ドコモショップでサポートが受けにくくなることは、小売業・EC企業にも影響があります。小売業・EC企業は、お客さんにスマートフォンを使って買い物をしてもらいたいと考えています。スマートフォンを使いこなせない高齢者が増えれば、実店舗・ECサイトの買物においても、スマートフォンの活用が停滞してしまいます。

来店予約の拡大・サポートの有料化はどのような内容か

NTTドコモはドコモショップにおける、お客さんのサポートの強化を発表しています。お客さんのサポートを強化するため、来店予約の拡大、サポートの有料化をする予定です。

来店予約とは、ドコモショップでサポートを受けるにあたって、事前に予約をしてから利用するというものです。来店予約を拡大しているドコモショップは既に1,043店舗あり、2020年3月末までに1,500店舗へ導入する予定です。

NTTドコモが来店予約を拡大する目的は、お客さんの待ち時間を減らし、快適にサポート受けられる体制を作るためです。

NTTドコモの資料によると、従来店舗では事前予約が2割、順番対応が8割であるとのことです。8割のお客さんは店舗に来てから待ち時間が分かるので、待ち時間が長い場合はストレスを感じたり、途中で帰ってしまう可能性もあります。

来店予約拡大店舗では、事前予約が6割、当日予約が2割、順番対応が2割になります。8割のお客さんが予約をしてからサポートを受けるので、待ち時間でストレスを貯めたり、途中で帰ってしまうことも減ります。

NTTドコモは12月1日より、店頭で端末を購入し、希望されたお客さんに対して「初期設定・データ移行」という無料サポートを開始します。サポートの範囲は、OSアカウント・dアカウントの設定、ドコモサービスの初期設定、データ移行です。

ドコモショップがサポートする範囲が明確に設定されていて、これ以外のサポートはしないということになりそうです。

「初期設定・データ移行」のサポートを無料で受けられるのは、ドコモショップで端末を購入したお客さんです。オンラインショップ、量販店、一般販売店で購入したお客さんがサポートを受ける場合は、1回あたり3,000円(税別)の料金が掛かります。これまで無料であったサポートの一部が有料化されることになります。

来店予約の拡大、サポートの有料化は、お客さんのサポートを強化するためのものです。

来店予約の拡大については、待ち時間が減るため、多くのお客さんにとってありがたいものです。サポートの有料化については、これまで無料で受けていたサポートが有料になる利用者も出てくるため、評価は分かれそうです。

来店予約の拡大・サポートの有料化をする理由

NTTドコモが来店予約の拡大・サポートの有料化を行う目的は、お客さんのサポートを強化するためです。お客さんのサポートを強化することに加え、過剰なサポートを抑制することで、店舗の生産性を向上させる狙いもあると考えられます。

各種アンケート調査によると、スマートフォンの保有率は上昇を続けていて、若い世代だけではなく、高齢者もスマートフォンを使うようになっています。

スマートフォンは通話をするだけでなく、メール、ネットショッピング、コミュニケーション、ゲームなど、様々な機能があります。これらの機能は便利で楽しいものですが、使いこなすためにはある程度の勉強が必要です。

スマートフォンが好きな人は自分で勉強をして使いこなせますが、自分で勉強してもわからない人は、スマートフォンを購入したドコモショップに質問します。

ドコモショップがどこまでをサポートするのかというのは、これまで明確にされて来ませんでした。ドコモショップはスマートフォンを販売していますが、他社が開発したアプリの操作方法までサポートしなければならないというのは負担が重いです。

ドコモショップはスマートフォンの販売者であり、対面で接触できる唯一のサポート窓口でもあるため、お客さんは質問をするために店舗にやって来ます。ドコモショップもスマートフォンの販売者であり、お客さんの質問をきっぱりと断ることもできず、サポートの範囲はずるずると広がってしまいます。

来店予約の拡大・サポートの有料化が実施されることで、ドコモショップがサポートする範囲が明確になります。サポート内容に含まれないことについては、拒否できるようになり、店舗の生産性は向上します。

サポートが無料になるか有料になるかの基準は、スマートフォンをドコモショップで購入したかどうかです。ドコモショップで買わないとサポートが有料になるのであれば、ドコモショップで購入しようと考えるお客さんが増え、売上の増加にも繋がります。

来店予約の拡大・サポートの有料化による影響

NTTドコモはお客さんのサポートを強化するため、来店予約の拡大・サポートの有料化をします。来店予約の拡大・サポートの有料化は、お客さんのサポートの強化だけではなく、店舗の生産性の向上、売上の増加にも繋がります。

来店予約の拡大・サポートの有料化は、NTTドコモにとって効果的な施策です。ただ、サポートが受けにくくなるお客さんが出てくることになり、スマートフォン活用の点ではマイナスの影響もあります。

スマートフォンは便利ではあるものの、購入するだけでは効果を得られません。スマートフォンを使いこなして効果を得るためには、勉強が必要です。スマートフォンを使ってネットショッピングをする場合、アプリをインストールする、アカウントを作成する、クレジットカードを登録するといった設定をしなければなりません。

ドコモショップにおいて、アプリをインストールする、アカウントを作成する、クレジットカードを登録するなど、各種設定のサポートを受けていた利用者もいたのではないかと考えられます。ドコモショップがこのようなサポートをしなくなれば、スマートフォンをうまく使いこなせない人が増えることになります。

特に影響がありそうなのは、高齢者のスマートフォン活用です。ドコモショップのサポートが受けにくくなれば、高齢者のスマーフォン活用が停滞する可能性があります。

スマートフォンを使ったビジネスを行っている企業の立場では、NTTドコモの来店予約の拡大・サポートの有料化は残念なことです。ドコモショップのサポートが受けにくくなったことにより、スマートフォンの活用が停滞すれば、スマートフォンを使ったビジネスを行っている企業の成長にもマイナスです。

来店予約の拡大・サポートの有料化は小売業・EC企業にも関係

NTTドコモが来店予約の拡大・サポートの有料化をすることにより、サポートを受けにくくなる利用者が増え、スマートフォンの活用が停滞する可能性があります。スマートフォンの活用の停滞は、小売業・EC企業にも関係するものです。

小売業はECサイトへの対抗、生産性向上のため、店舗のデジタル化に取り組んでいます。小売業の店舗のデジタル化には、スマートフォンの活用が不可欠です。

小売業の店舗のデジタル化で導入が進められているものには、スマホアプリ、スマホ決済、レジなし店舗などがあります。

スマホアプリはスマートフォンにインストールするだけなので、多くの人が気軽に利用できます。スマホ決済、レジなし店舗はアカウントの作成、クレジットカードの登録、銀行口座との連携などが必要なため、利用するハードルは高いです。

高齢者が自分だけで、スマホ決済、レジなし店舗を使いこなすことは、難しいのではないかと思います。

ドコモショップのサポートが受けにくくなると、高齢者のスマートフォンの活用は停滞します。高齢者のスマートフォンの活用が停滞することは、スマホアプリ、スマホ決済、レジ無し店舗など、小売業の店舗のデジタル化にもマイナスです。

EC企業にも、小売業と同じような影響があります。

ECの市場規模は拡大が続いていますが、主に若い世代の利用によるものです。高齢者のECの利用率は若い世代より低く、EC企業は高齢者を十分に取り込めていません。

ドコモショップによる高齢者へのサポートは、ECの市場規模の拡大にも少なからず貢献していると考えられます。来店予約の拡大・サポートの有料化により、サポートを受けられない高齢者が増えれば、ECの市場規模の拡大にもマイナスです。

小売業、EC企業はお客さんにスマートフォンを使って買い物をしてもらいたいですが、コストの掛かるサポートはしたくありません。お客さんのスマートフォンの活用をサポートしてくれる、ドコモショップは貴重な存在です。

小売業、EC企業にとっては、ドコモショップでサポートを受けられない人が増えるのは残念なことです。

スマートフォン利用者をサポートするコストは誰が負担するべきか

NTTドコモが来店予約の拡大・サポートの有料化をすることにより、サポートが受けにくくなる利用者が増えます。多くの人がスマートフォンを使いこなせることが好ましく、誰がスマートフォン利用者をサポートするコストを負担するかが問題です。

NTTドコモはスマートフォン販売者ということで、スマートフォン購入者のサポートをしています。NTTドコモのサポートの中には、人気アプリの使い方など、特定企業の利益に繋がるものもあったと考えられます。

スマホアプリの使い方を説明するといったサポートのコストは、スマホアプリを開発した企業が負担することが望ましいのではないでしょうか。

NTTドコモとメルカリは2019年10月より、全国のドコモショップ34店舗のスマホ教室において、フリマアプリ「メルカリ」の使い方を学べる「メルカリ教室」を開催しています。「メルカリ教室」の参加者は全3回のカリキュラムで、アプリの使い方、購入方法、出品方法が学べ、参加費は無料です。

「メルカリ教室」の運営に掛かるコストは、メルカリが全部、または一部を負担しているのではないかと思います。

メルカリは若い世代には人気ですが、高齢者が利用するにはハードルが高いです。高齢者はメルカリに出品できる不要物を多数保有していると考えられ、メルカリにとっては、ぜひともアプリを使ってもらいたい潜在顧客です。

メルカリは高齢者の利用者を増やすため、NTTドコモと共同で教室を開くというのは良い方法です。高齢者が独学でメルカリを使ってくれること、ドコモショップで質問することを待つよりも、教室を開いた方が短期間で利用者を増やせます。

スマホアプリを提供する企業は、これまでNTTドコモのサポートに依存していたと言えます。スマホアプリの活用を停滞させないためには、スマホアプリを提供する企業もサポートのコストを負担するべきではないでしょうか。

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