グリーが松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入、社内でランチを食べたいニーズに対応

11月上旬、ソーシャルゲームを開発するグリーは、牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入しています。グリーが松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入した理由は、社内ランチのニーズに対応するためです。

飲食チェーンが企業内に設置した自動販売機で商品を販売することは、これまでにない新しい試みです。飲食業界ではフードデリバリーが拡大しており、自動販売機はフードデリバリーに続く新しい販路になる可能性があります。

自動販売機は企業内に設置するため、需要を予測しやすく、商品の製造・補充も計画的に行われます。自動販売機で計画通りに商品が売れれば、高収益も期待できます。

グリーは松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入

11月上旬、ソーシャルゲームを開発するグリーは、牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入しています。グリー、松屋フーズが牛丼の自動販売機の導入を発表したわけではなく、グリーの社員がツイートしたことで話題になりました。

グリーの社員のツイートを受け、メディアがグリー、松屋フーズに取材を行い、牛丼の自動販売機のニュース記事が出てきています。

グリーによると、牛丼の自動販売機の導入は「社内でランチを食べたい」という社員のニーズに対応するためのものです。グリーが自動販売機の導入を検討していたところ、松屋フーズも自動販売機の提供を検討しており、両社のニーズがマッチしたとのことです。

松屋フーズの牛丼の自動販売機のメニューは4~5種類です。「プレミア牛めし」、「キムカル丼」、「キーマカレー」などが販売されていて、価格は450円~500円です。「プレミア牛めし」の価格は450円で、店舗の価格380円と比較して高くなっています。

商品の補充については、店舗で作った商品を午前中、昼過ぎの1日2回補充します。購入するタイミングによっては、牛丼が冷めてしまっています。暖かい牛丼を食べたい購入者は、電子レンジで温めてから食べることになります。

グリーに導入された松屋フーズの牛丼の自動販売機は実験的なものです。牛丼の自動販売機が利用者に好評であれば、設置台数を増やして行くとのことです。

グリーが松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入する理由は社内ランチ

グリーが松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入する理由は、社内でランチを食べたいという社員のニーズに対応するためです。社内でランチを食べたいニーズは、グリーのオフィスの立地、ビジネスとも関係していると考えられます。

グリーの本社は東京都港区六本木にある「六本木ヒルズ森タワー」で、グループ全体の従業員数は1,729人(2019年9月末時点)です。

六本木ヒルズ森タワーは複合商業施設で、オフィスで働く労働者と買い物客が周辺で活動しています。周辺に飲食店、小売店は多数ありますが、活動している人も多いため、計画的にランチを食べにくい問題があります。

毎日ランチのたびに高層ビルディングを上下することも、グリーの従業員にとっては大変な作業です。外に出掛けなくても社内でランチが手に入るのであれば、従業員の負担も軽減されます。

グリーはソーシャルゲームを開発しており、プログラマー、エンジニア、マーケターなどが働いています。これらの職種はデスクで長時間業務を行うことが多く、ランチのために外に出掛けることは億劫です。

外に出掛けなくても社内でランチを食べれるのであれば、ランチに時間を取られず、効率よく業務をこなすことができます。

グリーの従業員の立場では、社内でランチを食べる方法があれば、ランチの負担が減り、仕事がしやすくなります。松屋フーズの牛丼の自動販売機は、社内でランチを食べる方法の一つとして、グリーに導入されたことになります。

松屋フーズが牛丼の自動販売機を導入する理由は新しい販路の拡大

松屋フーズがグリーに牛丼の自動販売機を導入したのは、牛丼の自動販売機を検討していた松屋フーズと、社内ランチのニーズに対応したいグリーの考えが合致したためです。松屋フーズは牛丼「松屋」で牛丼を販売していますが、店舗でお客さんを待つだけではなく、新しい販路の拡大にも取り組んでいます。

飲食店は店舗でお客さんがやって来るのを待ち、店舗で食事を提供する販売方法が長く続いています。しかし、社会環境の変化によって、店舗で待っていてはお客さんを獲得することが難しくなりつつあります。

フードデリバリーの市場規模が拡大していて、お客さんのところへ食事を届ける販売方法が広まっています。また、企業のオフィスに自動販売機、無人店舗を導入する事例もあります。お客さんが社内でランチを食べるようになれば、飲食店は店舗で待っているだけではお客さんを失ってしまいます。

松屋フーズも店舗以外の販路を拡大する必要があり、フードデリバリーを行っています。今回、グリーに導入した牛丼の自動販売機は、フードデリバリーとともに、新しい販路拡大の施策の一つだと言えます。

グリーにはグループ全体で1,729人(2019年9月末時点)の従業員がおり、牛丼の自動販売機は確実な売上が見込めます。商品の補充にはコストは掛かりますが、コストを価格に上乗せしていて、利益を確保することができそうです。

店舗のオペレーションについては、自動販売機はフードデリバリーよりも管理が容易です。フードデリバリーはいつ、どれくらいの注文が入るか不確実ですが、自動販売機は補充する数量、時間が決まっていて、従業員は計画的に行動できます。

牛丼の自動販売機は大きなポテンシャルを持っていて、松屋フーズは新しい販路として期待しているのではないでしょうか。

松屋フーズの牛丼の自動販売機は導入台数を増やせるか

松屋フーズは店舗、フードデリバリーに続く新しい販路として、自動販売機の導入台数を増やして行きたいです。企業で社内ランチのニーズが高まれば、自動販売機の導入台数を増やせるチャンスが出てきます。

グリーは社内でランチを食べたいニーズに対応するため、松屋フーズの牛丼の自動販売機を導入しました。

グリーはオフィスが高層ビルにあり、業務内容はデスクワークが多いという特徴があります。同様の特徴を持つ企業には、社内でランチを食べたいニーズがあり、自動販売機を導入するチャンスがあります。

企業で生産性を向上させようとする機運が高まっていることも、松屋フーズの牛丼の自動販売機にとってはチャンスです。

企業で働くビジネスパーソンのランチは、近所の飲食店で食べる、小売店で買って来るというのが一般的です。これまでランチの時間が無駄という意識はあまりありませんでしたが、ビジネスパーソンは毎日ランチに一定の時間を費やしています。

企業で生産性を向上させようとする機運が高まれば、ランチを効率よく食べようと考える人も増えます。社外に出ずにランチを食べれるようになれば、ランチに費やす時間が減り、企業の生産性向上に繋がります。

松屋フーズの牛丼の自動販売機は、購入するタイミングによってはできたてではありませんが、必要な時にすぐに買えるという利便性があります。店舗やデリバリーのように待ち時間もないので、ランチの時間を計画的に使えます。

社内でランチを食べる方法の一つとして、自動販売機には確実なメリットがあります。社内でランチを食べるようにしようと考える企業が増えれば、松屋フーズは牛丼の自動販売機の導入台数を増やせるチャンスが大きくなります。

自動販売機はフードデリバリーとともに重要な販路になる

松屋フーズは牛丼の自動販売機をグリーに導入しました。自動販売機で商品を販売することは、飲食業界でも新しい試みです。フードデリバリーは市場規模の拡大が続いていますが、自動販売機もフードデリバリーのように普及する可能性があります。

フードデリバリーは飲食業界に起こった劇的な変化です。飲食店はお客んさんを店舗で待つだけなく、デリバリーを行うようになりました。デリバリーをやらない飲食店は、徐々にお客さんを失ってしまうリスクがあります。

フードデリバリーはお客さんとの接点を増やし、商品を販売する機会を増やすものです。自動販売機もフードデリバリーと同様に、お客さんとの接点を増やすもので、商品を販売する機会が増えます。

飲食店の販路を拡大するという点では、自動販売機はフードデリバリーと同じメリットがあります。さらに、自動販売機にはフードデリバリーにはないメリットもあります。

フードデリバリーと自動販売機の客層は異なっていて、自動販売機はフードデリバリーとは異なる客層にリーチできます。

自動販売機は企業内に設置されるため、需要予測が立てやすく、ほぼ確実に完売すると見込まれます。また、毎日の商品の製造・補充も計画立てて行われるため、店舗オペレーションへの負担も小さいです。

自動販売機はフードデリバリーとは競合せず、自動販売機、フードデリバリーともに、飲食店にとっては重要な販路になります。松屋フーズの牛丼の自動販売機がうまく行くかどうかは、松屋フーズだけではなく、飲食業界全体にとっても気になるものです。