コンビニ大手三社が共同配送の実証実験、物流効率化の効果を検証

7月22日、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ大手三社は、共同配送の実証実験を実施すると発表しました。共同配送の実証実験では、物流効率化の効果を検証します。

コンビニ大手三社が共同配送の実証実験を実施する理由は、共同配送で生産性向上が期待できるからです。コンビニは店舗数の増加、人口の減少、時給の上昇などにより、生産性向上が不可欠になっています。

コンビニ大手三社が一つの物流センターを共有して、すべての在庫を管理すれば、大きな生産性向上が期待できます。重要な情報が漏洩するといったリスクはありますが、やってみる価値はあります。

コンビニ大手三社が共同配送の実証実験

7月22日、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ大手三社は、共同配送の実証実験を実施すると発表しました。

実証実験の内容は、都内湾岸エリアの三社の近接した店舗(ローソン14店舗、セブン‐イレブン13店舗、ファミリーマート13店舗の合計40店舗)について、同じトラックで商品の納入を実施し、共同配送による物流効率化の効果を検証します。

江東区にある物流倉庫に共同物流センターを設置し、各社の常温配送商品(飲料・菓子・日用雑貨など)をそれぞれのセンターから移送します。共同配送では、チェーンを横断し、効率化したルートで配送します。

共同在庫の可能性も検討するため、一部商品は共同物流センターにおいて保管し、店舗別にピッキング等も実施します。

共同配送の実証実験は、8月1日から8月7日までの1週間行われます。

なぜ共同配送の実証実験を行うのか

コンビニ大手三社は共同配送の実証実験を実施します。

コンビニ大手三社が共同配送の実証実験を実施する理由は、共同配送で生産性向上が期待できるからです。

コンビニは生産性向上が不可欠です。

コンビニは飽和状態になっています。店舗が多いことに加え、人口の減少も始まり、既存店の売上は減少して行きます。既存店の売上が減少する中、時給の上昇が続くので、収益性は低下します。

コンビニが既存店が売上を伸ばすことは難しいです。店舗数は増えなくても、人口が減少するため、既存店の売上の減少を止められません。

コンビニが生産性を向上させるためには、既存店の売上を増やそうとするよりも、コストを削減した方が効果的です。売上が減っても、コストを削減できれば、生産性向上を実現することは可能です。

共同配送は生産性向上に繋がります。

コンビニ大手三社は、同じ地域に複数の店舗を出店しています。同じ地域には各社の物流センターがあり、同じ地域を各社の配送トラックが走っています。

これまで、コンビニ各社が配送を共同で行うといった発想はありませんでした。ただ、同じ地域に各社の店舗、物流センター、配送トラックがたくさんあるのは、効率が悪いと考えることもできます。

共同配送は配送に掛かる時間は長くなるものの、ドライバーを3人から1人に削減できます。共同配送で物流が効率化され、生産性が向上する可能性は高いです。

コンビニ大手三社で一つの物流センターを共有したい

コンビニ大手三社は共同配送の実証実験を実施します。

コンビニ大手三社が一つの物流センターを共有して、すべての在庫を管理すれば、大きな生産性向上が期待できます。

店舗への商品の配送は、コンビニの差別化要素ではありません。

コンビニ各社はそれぞれの物流網を使って、地域の店舗に商品を配送しています。配送の効率については、チェーンごとに大きな違いはないと考えられます。

コンビニにとって重要な差別化要素は、オリジナル商品です。お客さんはコンビニのオリジナル商品を比較して、買い物をする店舗を決めています。

店舗への商品の配送はお客さんへの差別化とは関係のない業務です。コンビニ大手三社は共同配送で効率化を進め、オリジナル商品の開発に注力するべきです。

コンビニ大手三社は一つの物流センターを共有したいです。

メーカーはコンビニ各社に同じ商品を納品しています。コンビニ大手三社が一つの物流センターを共有すれば、メーカーの納品先は3箇所から1箇所になり、物流が効率化されます。

コンビニ大手三社が一つの物流センターを共有することは、新しい取り組みで、情報漏えいなどの不安もあります。どの店舗にどの商品がどれくらい配送されているかというのは、他のチェーンに知られたくないものです。

店舗数の増加、人口の減少により、コンビニの既存店の収益性は低下しています。コンビニは業界全体で生産性を向上させる必要に迫られており、一つの物流センターを大手三社で共有するのは一つの方法です。