家電量販店は来店頻度が少ないことが問題、増やすにはどのような方法があるか

お客さんの来店頻度が少ないことは、家電量販店が抱えている問題の一つです。業種の垣根を超えた競争、ECの拡大、人口の減少により、小売業では既存店の客数の減少が始まっています。家電量販店の来店頻度は昔から少ないですが、客数の増加が見込めないため、来店頻度を増やさなければなりません。

家電量販店が来店頻度を増やすための施策として効果的なものは、ECサイトとの連携、品揃えの拡大、サービスの提供です。家電量販店はこれらの施策を既に行っており、一層の強化を進めたいところです。

単身世帯の増加、高齢者の増加、働く女性の増加、家事をする男性の増加により、家電の重要性は昔よりも高まっています。お客さんは生活の質を高める家電を必要としており、家電量販店は家電の魅力を伝えることで、もっと来店頻度を増やせるはずです。

家電量販店は来店頻度が少ない

お客さんが家電量販店に出掛ける頻度はそれほど多くはありません。これは家電を購入する機会が少ないからです。お客さんが家電量販店に出掛けるのは、数ヶ月に一度、数年に一度が多いのではないでしょうか。

家電を購入する機会は、進学、就職、結婚、出産など、引っ越しやライフイベントと関係しています。現在、結婚、出産の件数が減少していることから、引っ越しやライフイベントで家電を購入する機会が減っていると考えられます。

家電を購入するのは今使っている家電が故障したときで、家電が故障しなければ、普段の生活の中で家電量販店を意識することはありません。

家電量販店は来店頻度が少ないですが、これまで特に問題視されて来ませんでした。家電を購入する機会は少ないので、来店頻度が少ないのも順当です。

しかし、近年は小売業全体で来店頻度を増やそうという動きが見られています。家電量販店においても、来店頻度を増やすことは重要です。

来店頻度の重要性が高まった背景には、業種の垣根を超えた競争、ECの拡大、人口の減少が関係しています。小売業の既存店の客数は減少しており、来店頻度を増やすことは、売上を増やすために不可欠なものです。

来店頻度が少ないことが特に家電量販店で問題になる理由は、家電量販店は大型店が多いからです。家電量販店は売り場面積が広く、従業員は多く、在庫も多いです。

お客さんの来店頻度を増やさなければ、売り場、従業員、在庫も余り、店舗の生産性は悪化してしまいます。

来店頻度が少ないことは家電量販店が解決したい問題の一つで、来店頻度を増やす施策を強化したいです。

来店頻度を増やす方法 – ECサイトとの連携

ECサイトと店舗の連携は、家電量販店が来店頻度を増やす方法の一つです。ECサイトに店舗の在庫情報を表示することで、ECサイトから店舗へと送客できます。

ネット通販における家電の買い物体験は改良を続けています。ネット通販で家電が買いやすくなったことは、家電量販店の来店頻度の減少と関係があります。

ネット通販には家電の幅広い品揃えがあり、近年はレビューが充実して来ました。ネット通販で家電を買う場合、価格、機能、レビューを見て商品を絞り込み、価格比較サイトで価格が妥当かどうかを調べます。価格、機能、レビュー、すべてに問題がなければ、ネット通販で家電の購入は完結します。

お客さんはネット通販の快適な買い物体験に慣れてしまうと、家電量販店には行かずに、ネット通販で家電を買うようになります。

ECサイトに店舗の在庫情報を表示することは、ネット通販への対抗策になり、家電量販店の来店頻度を増やす効果も期待できます。

お客さんはネット通販で家電を買うときに、近所にある家電量販店のECサイトも調べます。ECサイトに店舗の在庫情報が表示されていれば、すぐにネット通販で買わず、家電量販店に出掛けて、商品を見てみようと考えるお客さんもいます。

大手家電量販店のECサイトを見ると、ビックカメラ、ヨドバシカメラのECサイトには店舗の在庫情報が表示されています。ビックカメラ、ヨドバシカメラはテクノロジーへの投資に積極的で、業績も堅調です。

ECサイトに店舗の在庫情報を表示することは、家電量販店の来店頻度を増やし、売上を増やすことに貢献します。

来店頻度を増やす方法 – 品揃えの拡大

家電以外の品揃えの拡大は、家電量販店が来店頻度を増やす方法の一つです。品揃えが増えれば、お客さんの来店動機も増え、来店頻度も増えます。家電量販店は以前から品揃えの拡大を進めており、新しいものではありません。

家電量販店が来店頻度を増やすためには、引き続き品揃えの拡大が重要です。

ビックカメラの2019年8月期の売上高は894,021百万円(前期比5.9%増)で、カテゴリ別の売上高、構成比は次のようになっています。

カテゴリ別売上高と構成比
  • 情報通信機器商品 – 263,817百万円(31.3%)
  • 家庭電化商品 – 261,110百万円(30.9%)
  • 音響映像商品 – 138,601百万円(16.4%)
  • その他の商品 – 166,399百万円(19.7%)

ビックカメラの売上高のうち、19.7%が家電以外の商品になっています。その他の商品は、ゲーム、時計、スポーツ用品、玩具、メガネ・コンタクト、酒類・飲食物、医薬品・日用雑貨です。

家電量販店はあらゆる商品を販売することが可能ですが、家電と相性が良さそうなのは、生活雑貨、インテリア、家具などの商品です。ヤマダ電機は生活に必要な商品をトータルで提供する、新業態「家電住まいる館」の店舗数を増やしています。

食品は家電量販店の来店頻度を増やせる商品です。ドラッグストア、ディスカウントストアは食品の安売りで来店頻度を増やしており、同じことは家電量販店でもできます。

業種の垣根を超えた競争が進んでおり、お客さんはどこの店舗で何を売っているかについて、以前ほど意識しなくなっています。家電量販店が家電以外の品揃えを増やしても、家電の専門性が薄れたり、イメージが悪くなることはありません。

品揃えの拡大は来店頻度を増やす確実な効果があり、家電量販店にとっては引き続き、重要な施策です。

来店頻度を増やす方法 – サービスの提供

物販以外のサービスの提供は、家電量販店が来店頻度を増やす方法の一つです。サービスには、教室の運営、イベントの開催、ゲーム大会の開催などがあります。家電量販店はサービスの提供で新しい来店機会を作り出すことで、来店頻度を増やせます。

教室の運営は家電量販店との相性がよく、来店頻度の増加が期待できます。

家電量販店の中には、パソコン教室を運営している店舗があります。家電量販店が自ら運営する、または、パソコン教室がテナントとして入居しています。パソコンは家電量販店で販売しているため、パソコン教室との相性は良いです。

テクノロジーが重要な社会になったことで、近年はプログラミング教室のニーズが高まっています。家電量販店はパソコン教室を運営してきた実績があり、プログラミング教室でもお客さんから選ばれやすいです。

プログラミングは仕事にも活かせるため、子供から大人まで、幅広い客層が見込めます。

エディオンは2019年11月23日に、プログラミング教室の運営などを手掛ける、夢見るを子会社化しています。今後、エディオンは店舗内にプログラミング教室を増やして行くのではないかと考えられます。

家電量販店は店舗面積は広く、従業員も多く、サービスを提供する余力は他の業種の店舗よりもあります。品揃えの拡大と同様に、家電量販店はあらゆるサービスを提供することが可能です。サービスの提供は物販とは異なるもので、新しい来店機会を作り出せます。

家電の魅力が伝わる店舗作りで来店頻度は増える

家電量販店の来店頻度は少なく、数ヶ月に一度、数年に一度が多いのではないかと考えられます。家電を買う以外に家電量販店に行く理由がないからですが、家電量販店がそのような店舗作りをしてきたと見ることもできます。

家電量販店は家電の安売りに注力してきたため、お客さんに家電の魅力を伝えるという点では、改善の余地があるのではないかと思います。

家電量販店はお客さんにもっと家電の魅力を伝えることができれば、家電を買わないときでも、家電を見るために店舗に来てもらうことができます。

単身世帯の増加、高齢者の増加、働く女性の増加、家事をする男性の増加により、昔よりも家電の重要性が高まっています。お客さんは家電に生活の質を高めることを期待しており、生活の質を高めることができる家電を必要としています。

洗濯機にはどれくらい時間を短縮できるのか、電子レンジにはどれだけ美味しく調理できるのか、エアコンにはどれだけ電気代を節約できるのかなど、強い関心を持っています。

お客さんは昔よりも家電に強い関心をもっており、家電量販店が家電の魅力が伝わる店舗作りをすれば、来店頻度は増えるはずです。

ECサイトとの連携、品揃えの拡大、サービスの提供は、家電量販店の来店頻度を増やすための施策です。これらの施策には効果が期待できますが、最も好ましいのは、家電を見に来てもらう回数を増やすことです。