ワコールが物流センターを拡張、自社ECの拡大と物流の効率化を目指す

7月16日、ワコールは守山流通センター(滋賀県守山市)を拡張して、2022年9月からの稼働を目指す計画を発表しました。

ワコールが物流センターを拡張する理由は、自社ECを拡大するためです。物流センターの拡張には、納期を短縮する効果、買い物体験を改善する効果があり、自社ECの拡大に繋がります。

ワコールは身体データを計測する「3D smart&try」を開発しています。「3D smart&try」をショールーム店舗にして、買い物はECサイトでしてもらえれば、生産性を劇的に向上させることができます。

ワコールが物流センターを拡張

7月16日、ワコールは物流センターを拡張する計画を発表しました。

ワコールは守山流通センター(滋賀県守山市)を拡張して、2022年9月からの稼働を目指します。

守山流通センターは2006年の稼働以降、主に国内の卸売事業の物流拠点として活用されてきました。守山流通センターの拡張後は、実店舗とECサイトが融合した、オムニチャネルに対応した在庫の一元管理が可能になります。

守山流通センターは拡張により、倉庫面積は従来の1.6倍、 発送能力は1.3倍に増強されます。また、現在、外部業者に委託している、一般顧客向けの配送業務を自社で運営できるようになります。

ワコールは守山流通センターを拡張することで、オムニチャネルの強化、物流効率の向上を実現して、自社ECの拡大を狙います。

ワコールはなぜ物流センターを拡張するのか

ワコールは物流センターを拡張します。

ワコールが物流センターを拡張する理由は、自社ECを拡大するためです。

自社ECの拡大は多くの企業が目指しているものです。

企業はECモールに売上を依存したくはありません。ECモールのルール変更・規約変更によって、自社のEC戦略が影響を受けるためです。

ECモールが手数料を上げると、収益性が悪化してしまいます。また、ECモールでは顧客情報をほとんど取得できず、マーケティングがやれないという問題があります。

ECモールは顧客接点を増やすという意味で、重要な役割を担っています。しかし、長期的には、ECモールの既存顧客を自社ECへと誘導して、ワン・ツー・ワン・マーケティングを強化することが望ましいです。

物流センターの拡張は自社ECの拡大に繋がります。

ワコールは一般顧客向けの配送業務を自社で管理することで、納期の短縮を実現できます。納期が早いことは、お客さんが自社ECで買い物をする理由になります。

ワコールは実店舗とECサイトの在庫を一元管理することで、オムニチャネルを強化して、お客さんに優れた買い物体験を提供できます。優れた買い物体験は、お客さんが自社ECで買い物をする理由になります。

ワコールの物流センターの拡張は、自社ECの拡大に繋がる効果的な投資です。自社ECが拡大した後、ワン・ツー・ワン・マーケティングを強化すれば、さらなる売上の増加が期待できます。

「3D smart&try」とショールーム店舗

ワコールは物流センターを拡張します。

物流センターの拡張により、オムニチャネルが強化されれば、「3D smart&try」を活用したショールーム店舗を実現できます。

「3D smart&try」はワコールが開発した、数秒で身体データを計測する3Dスキャンです。

お客さんは「3D smart&try」が設置された店舗で、セルフで身体データの計測を行います。店舗にはタブレットが設置されていて、計測した身体データと、設定した好みや悩みをもとに、AIが最適な商品を提案してくれます。

下着は品揃えが豊富なため、お客さんはどれを選ぶか迷ってしまいます。AIが商品を提案してくれれば、短い時間で快適に買い物ができます。

計測データは紙に出力され、自宅に持ち帰って、ECサイトでの買い物にも使用できます。今後、計測データはパーソナライズアプリとも連動する予定です。

ワコールは「3D smart&try」を活用して、ショールーム店舗の運営が可能です。

店舗に設置された「3D smart&try」で身体データを計測して、買い物はECサイトでしてもらいます。ECサイトでの買い物は、自分のスマホアプリ、または、店舗に設置されたタブレットで行います。

ショールーム店舗には、接客・在庫管理がありません。従来の店舗と比較すると、ショールーム店舗は非常に生産性が高いです。

ショールーム店舗は全国どこにでもに出店しやすく、商品は物流センターで一元管理できます。ワコールがショールーム店舗を多店舗展開すれば、生産性を劇的に向上させることができます。