ヤフーがZOZOの買収を発表、シナジー効果による客数・商品取扱高の増加に期待

ヤフーがZOZOの買収を発表、シナジー効果による客数・商品取扱高の増加に期待

ヤフーとZOZOは9月12日に会見を行い、ヤフーは約4,000億円を投資して、ZOZOを買収する計画を発表しました。ヤフーがZOZOを買収することになったきっかけは、ZOZOの前澤前社長がソフトバンクの孫社長に引退の相談を持ち掛けたことです。ヤフーによるZOZOの買収には、相互送客によるシナジー効果が期待されています。ZOZOはヤフーからの送客によって、商品取扱高を大きく伸ばす可能性があります。

ZOZOは新規事業であるPB商品の開発・販売、会員サービスで期待された成果を上げることができていません。ただ、ZOZOの主力事業である受託販売事業は順調で、ZOZOの売上高増加率は高く、営業利益率も高いです。ZOZOはヤフーに買収されることになりましたが、業績が悪化しているという訳ではありません。ZOZOがヤフーに買収されるのは、前澤前社長の意向によるもので、ZOZOの業績とは関係なさそうです。

ヤフーがZOZOを買収する理由は、国内のECでナンバーワンになるためです。お客さんはECで買い物するとき、最初に最も品揃えが豊富だと考えるECサイトで検索をします。EC企業が業績を拡大するためには、「ECサイトでナンバーワンの品揃え」であることが重要です。ZOZOTOWNは今秋にヤフーがオープンする「PayPayモール」への出店も決まっていて、ヤフーのEC事業の品揃えの強化に貢献することも期待されています。

今回発表されたヤフーによるZOZOの買収を見ると、EC業界の厳しさを感じます。ZOZOTOWNはファッションECでは人気のサイトですが、ファッション単体では将来的に成長が難しくなるのかもしれません。買い物をするお客さんの立場では、どのような商品であれ、まとめて一回で配達されるのが理想的です。ZOZOTOWNのような人気ECサイトであっても、より大きな物流網に組み込まれた方がいいのかもしれません。

ヤフーはファッション通販サイトを運営するZOZOを買収

ヤフーとZOZOは9月12日に会見を行い、ヤフーがZOZOを買収する計画を発表しました。ヤフーは10月上旬をめどに株式公開買い付け(TOB)を行い、ZOZOの株式の約50.1%を取得し、連結子会社化を目指します。ヤフーがZOZOの株式を取得するために投じる資金は、約4,000億円になる見込みです。ZOZOの前澤前社長はZOZOの株式の37%を所有していますが、将来的にはすべて売却する予定です。

ヤフーとZOZOの会見には、ヤフーの川邊社長、ZOZOの前澤前社長、ZOZOの澤田新社長が出席し、サプライズでソフトバンクの孫社長も登場しています。今年に入り、前澤前社長はTwitterで人気になり、ZOZOへの注目度も一気に高まりました。ヤフーによるZOZOの買収が注目されるのも、前澤前社長の人気と関係があります。ただ、前澤前社長の人気がなかったとしても、業界に大きな影響を与える重要な買収です。

ヤフーがZOZOを買収することになった背景

ヤフーとZOZOの会見において、ヤフーがZOZOを買収することになった背景が説明されました。ZOZOの前澤前社長がソフトバンクの孫社長に、ZOZOの引退を相談したことが買収のきっかけです。その後、ソフトバンクの孫社長の仲介で、ヤフーの川邊社長とZOZOの前澤前社長の話し合いが行われました。ヤフーとZOZOの話し合いが行われる中で、ヤフーによるZOZOの買収が決まったとのことです。

ヤフーとZOZOの会見の内容を見ると、前澤前社長が引退したかったというのが重要だったのではないかと思います。前澤前社長は2023年以降に宇宙旅行にする計画を持っていて、そちらの方に注力したいとのことです。また、ZOZOの社長を引退にした後は、複数の新しい事業を始める構想もあるようです。前澤前社長はZOZOを売却するにあたって、ECでシナジー効果が期待できるヤフーを選択したと見ることもできます。

ZOZOの澤田新社長は、前澤前社長によるトップダウンの経営から、社員一人一人の力を活かす経営に転換することを発表しています。ZOZOは創業者である前澤前社長の尽力により、ファッションEC大手としての地位を確立しました。一方で、トップダウン経営だったことで、社員が能力を十分に発揮できなかったというのはあるはずです。前澤前社長の引退により、ZOZOは大きく生まれ変わることになりそうです。

ヤフーによるZOZOの買収は、ZOZOを引退したかった前澤前社長と、EC事業を拡大したいヤフーの利害が一致したものです。前澤前社長はインターネットで人気があるため、ヤフーによるZOZOの買収の注目度は高いです。ただ、前澤前社長の人気がなかったとしても、ヤフーはインターネット大手企業、ZOZOはファッションEC大手企業です。大手企業による大手企業の買収であり、業界においても注目度は高いです。

ヤフーがZOZOを買収することで生まれるシナジー効果

ヤフーによるZOZOの買収により、ヤフーとZOZOの双方にシナジー効果が見込めます。ヤフーとZOZOによる会見では、四つのポイントが紹介されました。四つのポイントとは、ZOZOが今秋オープン予定の「PayPayモール」へ出店、ZOZOの購入者が爆増、ヤフーのEコマース取扱高が爆増、ヤフーのコマース事業の営業利益が爆増です。「爆増」という言葉が何度も使われていて、大きな成長を見込んでいることが分かります。

ヤフーとZOZOには顧客層に違いがあり、相互に送客することによって、双方が客数を増やせます。ヤフーの利用者は30~40代が中心、男性6割・女性4割という特徴があり、ZOZOの利用者は20~30代が中心、男性3割・女性7割という特徴があります。ヤフー利用者の中には、ZOZOを利用したことがない人が多数含まれていると推測されます。ヤフーからZOZOへ送客することで、ZOZOの購入者が増加する可能性は高いです。

ヤフーは今秋、プレミアムなショッピングモール「PayPayモール」をオープンする予定です。ZOZOTOWNは「PayPayモール」にも出店する計画になっていて、スマホ決済「PayPay」の利用者がZOZOTOWNに流れ込むことになります。「PayPay」の累計登録者数は1,000万人を超えており、キャンペーンに大金が投入されています。購入者を増やしたいZOZOTOWNとしては、「PayPay」との接触は大きなチャンスです。

ヤフーによるZOZOの買収により、双方が送客を行うことで、客数の増加が期待されています。ヤフー、ZOZOの両方で客数の増加が見込まれますが、ZOZOの客数は劇的に増加するのではないかと思います。ファッションはECサイトでの購入が難しく、購入経験がない人は多いです。ZOZOはヤフーを通じて、ファッションに敏感ではないお客さんを取り込むことができれば、大きく客数を増やせる可能性があります。

PB商品・会員サービスの失敗はあるがZOZOの業績は堅調

ヤフーはZOZOの買収を決め、ZOZOの創業者である前澤前社長は、ヤフーに株式を売却することになりました。ヤフーによるZOZOの買収について、ZOZOの現状をネガティブに評価する意見があります。PB商品が当初の計画通りに売れなかったこと、会員サービス「ZOZOARIGATO」が短期間で終了したこと、商品取扱高の増加率が鈍化したことなどが、今回の買収と関係しているのではないかという見方です。

ZOZOの現状にはいくつか不安な点はありますが、ZOZOの業績は堅調であり、ネガティブに評価するのは正しくないと思います。ZOZOの2019年3月期は、売上高は118,405百万円(前期比20.3%増)、営業利益は25,654百万円(前期比21.5%減)、営業利益率は21.7%でした。PB商品の不調で営業利益は減少したものの、売上高は大きく増加しており、営業利益率も依然として高く、ZOZOは高成長・高収益の優良企業です。

ZOZOTOWNのブランド数・商品取扱高は順調に増加

ZOZOはファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営して、受託販売事業を行っています。受託販売事業とは、ZOZOの物流センターでブランドの商品を受託在庫として預かり、販売・発送を代行することで、手数料を受け取るというものです。2019年3月期においては、受託ショップの商品取扱高は294,230百万円(前期比19.2%増)となっていて、ZOZO全体の商品取扱高の91.0%を占めています。

ZOZOの業績を評価するには、ZOZOの主力事業である受託販売事業の動向が重要です。「ZOZOTOWN」に出店するブランド数、商品取扱高が伸びていれば、ZOZOの業績は堅調であると言えます。「ZOZOTOWN」の2018年第4四半期末のブランド数は6,443、2019年第4四半期末は7,056(前期比9.5%増)です。ブランド数、商品取扱高ともに増加しており、ZOZOの業績は堅調であると評価できます。

ECサイトと実店舗を比較すると、ECサイトには無制限に商品を陳列できる利点があります。また、ECサイトは実店舗よりもお客さんに商品を見てもらいやすく、購入点数が増えやすいことも利点です。EC企業は在庫を保管する物流センターを増やすことにより、商品取扱高を拡大することができます。ZOZOは物流センター「ZOZOBASE」の拡張を続けており、今後も商品取扱高の拡大は続くと考えられます。

ZOZOと同じようにECでファッションを販売する企業には、Amazon、楽天、ロコンド、CROOZ SHOPLISTなどがあります。ロコンド、CROOZ SHOPLISTはZOZOと同じように、商品取扱高の増加率が高いです。ファッションECは市場規模の拡大が続いており、すべての企業が並んで商品取扱高を伸ばしています。将来的に、ZOZOの成長率が鈍化したとしても、ZOZOの危機ではなく、市場規模拡大の鈍化と見るべきです。

PB商品・会員サービスは失敗したが方向性は正しい

PB商品の開発・販売、会員サービス「ZOZOARIGATO」について、ZOZOは失敗したと評価されています。PB商品は初年度に200億円を販売する計画でしたが、2019年3月期のPB事業の売上高は2,763百万円と低調でした。「ZOZOARIGATO」はブランドとの関係に問題を抱え、開始から半年ほどで終了しました。ZOZOの二つの新規事業は失敗したと評価されていますが、依然として将来有望な事業です。

EC企業とPB商品の相性はよく、ZOZOだけではなく、AmazonもPB商品の開発・販売に取り組んでいます。EC企業は顧客の購買履歴を取得しやすく、顧客との関係性も途切れにくいです。さらに、EC企業は固定資産・従業員数が少なく、価格競争力に優れているという特徴もあります。EC企業は顧客のことをよく知り、価格競争力もあり、PB商品の開発・販売に向いています。ZOZOのPB商品は低調ですが、将来性のある事業です。

「ZOZOARIGATO」は有料メンバーになると、すべての商品が割引価格で買えるという会員サービスでした。これは現在注目されているサブスクリプションの仕組みで、お客さんとの関係性を強化するマーケティング手法です。「ZOZOARIGATO」はブランドとの関係が悪化したことにより、短期間で終了しました。ただ、サブスクリプションの仕組みには効果があり、ZOZOにおいても有効だったのではないでしょうか。

ZOZOのPB商品、会員サービスは失敗したと評価されていますが、どちらの事業も将来有望です。PB商品については、商品の品質が不十分、会員サービスについては、ブランドとの関係が不十分というのが失敗の要因ではないかと思います。PB商品、会員サービスの失敗は、ZOZOの評価を下げるものではありません。会員向けに優れたPB商品を販売することは、ZOZOを含め、EC企業が目指すゴールです。

ヤフーはZOZOを買収して国内ECでナンバーワンを目指す

9月12日に行われたヤフーとZOZOの会見の中で、ヤフーの川邊社長は、国内のECでナンバーワンになることがヤフーの悲願であるという話をしています。ヤフーのEコマース事業取扱高は1兆9,517億円(2019年3月期)、ZOZOの商品取扱高は3,231億円(2019年3月期)で、合計すると2兆円を超えます。買収のシナジー効果によって、ZOZOの商品取扱高が急増すれば、Amazon、楽天との差を縮めることができます。

ヤフーが国内のECでナンバーワンになることにこだわるのは、商品取扱高の規模が事業の成否に大きく関係しているからだと考えられます。よく利用するECサイトのアンケート調査を見ると、Amazonと楽天の間には差があり、楽天とYahoo!ショッピングの間にも差があります。ナンバーワンのECサイトに企業、商品、顧客が集中するため、ヤフーが品揃え、商品取扱高を拡大しようとするのは順当です。

ECでは品揃えが多いほど事業を有利に進められる

ヤフーがEC事業の品揃えを強化する目的は、品揃えが多いほど、EC事業を有利に進められるからです。品揃えが多いECサイトほど、お客さんを引き付ける魅力があり、商品が売れるチャンスが増えます。EC企業にとって、ECサイトは商品を販売する場所であるだけでなく、ビッグデータを蓄積する場所でもあります。品揃えはECサイトの売上を増やすだけではなく、ビッグデータを増やす意味でも重要性が高まっています。

お客さんはECサイトで買い物をするとき、最初に最も品揃えが豊富だと考えている店舗で検索をします。Amazonの品揃えが優れていると考える人は、最初にAmazonで検索をします。Amazonで良い商品が見つかったお客さんは、次回の買い物でも最初にAmazonで検索をします。Amazon、楽天を追いかけるヤフーとしては、品揃えを増やすことで、Amazon、楽天よりも先に検索されるECサイトになりたいです。

ECサイトで蓄積される、検索履歴、商品閲覧履歴、購買履歴などのビッグデータには価値があります。ヤフーはデータビジネスを拡大する計画を持っていて、ECサイトでもビッグデータの蓄積を進めたいです。ECサイトのビッグデータを蓄積するためには、多くのお客さんに検索・閲覧・購入をしてもらう必要があります。ECサイトの品揃えを増やせば、検索・閲覧・購入も増え、ビッグデータの蓄積も進みます。

ヤフーは連結子会社のアスクルと共同で、日用品通販サイト「ロハコ」を運営しています。ロハコはYahoo!ショッピングにも出店しており、Yahoo!ショッピングの品揃え強化に貢献しています。買収計画を発表したZOZOについても、ヤフーのEC事業の品揃え強化に貢献します。今後も、特定のカテゴリに強いEC企業を買収することで、EC事業の品揃えを強化するというのはあるのではないかと思います。

今秋に新規オープンを予定している「PayPayモール」

ヤフーは10月より、Yahoo!ショッピングのプレミアム版となる「PayPayモール」をスタートする予定です。「PayPayモール」の出店条件には、一定以上の売上規模があるなどの条件が設定されています。「PayPayモール」には、ロハコ、ZOZOTOWNも出店する予定です。「PayPayモール」はスマホ決済「PayPay」の決済金額の増加、ヤフーのEコマース事業取扱高の増加を狙うもので、ZOZOTOWNは重要な存在です。

Yahoo!ショッピングは2014年に手数料が無料化され、店舗数、商品数、商品取扱高は増加しました。一方で、Yahoo!ショッピングの出店者は中小規模の事業者が多く、スケールメリットが生まれにくいです。価格競争力がないこと、商品がまとめて届かないことは、Yahoo!ショッピングの弱点です。Yahoo!ショッピングで商品を販売するのは出店者であるため、ヤフーが主導して商品取扱高を伸ばすことが難しいという問題もあります。

ヤフーが「PayPayモール」を新設する目的は、Yahoo!ショッピングの成長スピードが遅いからではないかと推測されます。「PayPayモール」の出店者は一定以上の売上規模があるため、価格競争力、配送の利便性に優れています。スマホ決済「PayPay」が使えるので、大規模キャンペーンも実施しやすいです。「PayPayモール」はYahoo!ショッピングと比較すると、より早い成長スピードを期待できます。

ヤフーはスマホ決済「PayPay」のキャンペーンに大金を投じており、ヤフーにとって「PayPay」は重要な事業です。新たに「PayPayモール」を新設したことで、ヤフーのEC事業にも戦略の変更があるのかもしれません。中小規模の事業者の集合体であるYahoo!ショッピングでは、EC事業の拡大に時間が掛かります。「PayPayモール」に売上の大きな企業を集め、効率よくEC事業を拡大する狙いがあるのではないでしょうか。

ECは市場規模の拡大が続くがナンバーワンを目指す競争は厳しい

インターネットと宅配を使ったECは、新しい買い物方法です。従来の買い物場所であった実店舗から、ECサイトへと買い物場所のシフトが起きています。EC企業は順調に業績を伸ばしていて、今後も継続する見込みです。ZOZOの2019年3月期の売上高は118,405百万円(前期比20.3%増)で、売上高の増加率は非常に高いです。実店舗を持つ従来の小売業と比較すると、EC企業の売上高の増加率は際立っています。

ECは今後も市場規模の拡大が見込まれている有望なビジネスですが、一方で、ECならではの厳しさもあります。ECには店舗・商圏の制約がなく、Amazonのような品揃え、価格、配送の総合力に優れたECサイトに、お客さんが集中します。ECではナンバーワンの企業がお客さんを独占するため、ナンバーワンを目指す競争は激しいです。ヤフーによるZOZOの買収も、ECでナンバーワンを目指すためのものです。

お客さんは複数のECサイトで買い物をする意味がない

EC企業がナンバーワンを目指さなければならない理由は、お客さんが複数のECサイトで買い物をする意味がないためです。お客さんは一つのECサイトで幅広いカテゴリの商品が買え、一回の配達でまとめて届くことを望んでいます。ネットショッピングのアンケート調査を見ても、お客さんがよく利用するECサイトはAmazon、楽天、Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWNなど、少数の大手ECサイトです。

複数のECサイトで買い物をすることは、お客さんにとって負担です。初めてのECサイトで買い物をするには、アカウントを作り、クレジットカードを利用する場合は登録しなければなりません。このような作業は面倒くさいので、お客さんはなるべく買い物をするECサイトを増やしたくありません。アカウントがないECサイトで欲しい商品を見つけた場合、既にアカウントがあるECサイトで同じ商品を買います。

パソコンやスマートフォンを操作して、ECサイトで注文をすることは簡単です。しかし、注文が終わった後、自宅で商品を受け取ることは簡単ではありません。後日、決められた日時に自宅に居なければならないので、お客さんは行動を制約されるストレスを感じます。商品の受け取り回数を減らしたいと考えるお客さんは、幅広いカテゴリの商品が買え、一回の配達でまとめて届くECサイトを好むようになります。

現在、品揃えが豊富で、一回の配達でまとめて届くECサイトとして、ナンバーワンの評価を受けているのはAmazonです。Amazonは楽天やYahoo!ショッピングのように、ポイント獲得キャンペーンはありませんが、品揃え、価格、配送の総合力でナンバーワンの評価を受けています。Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングの状況を見ると、品揃えと配送は、価格(ポイント)よりも重要な要素であるとも言えそうです。

EC企業がナンバーワンになるカギは品揃えと物流

EC企業がナンバーワンになるために重要なのは、品揃えと物流になるのではないかと思います。ECの市場規模は拡大が続くと予想されていますが、同時に物流の処理能力の問題が出てきます。ECの市場規模が拡大を続けるには、何らかの方法でECの荷物を集約する必要があります。ヤフーはZOZOを買収する計画ですが、ZOZOは物流センターを運営しており、品揃えの強化・物流の集約の両方を期待できます。

経済産業省が発表している「電子商取引に関する市場調査」によると、2018年の日本国内のBtoCのEC化率は6.22%でした。将来的に、どこまでEC化率が上昇するのかは分かりませんが、2倍、3倍になる可能性はあります。EC化率が2倍、3倍になれば、同時に宅配個数も増加します。労働人口は減少が続いているため、宅配個数の増加に対応することは難しく、宅配個数の増加を抑制する仕組みが必要になります。

ヤフーが今秋にオープンする「PayPayモール」には、ロハコとZOZOTOWNが出店する計画です。「PayPayモール」の物流についての情報はありませんが、ロハコとZOZOTOWNの商品が一緒に届くようになるかもしれません。ロハコとZOZOTOWNの商品が一緒に届けば、お客さんは便利です。ヤフー、ロハコ、ZOZOTOWNにとっても、商品が売れやすくなること、物流コストが抑制できることはメリットです。

お客さんの利便性、物流コストを考慮すると、一つのECサイトでまとめて買い物をして、まとめて一回の配達で届くのが理想です。現状もそのような方向に進んでいて、Amazonは品揃えと物流拠点を増やしています。Amazonの品揃え、物流拠点の増加と、Amazonの人気には関連性があります。ヤフーがAmazonを追い掛けるためには、ZOZOの買収のように、品揃えと物流を強化する施策が効果的です。