ココカラとマツキヨHDが経営統合に向けた協議を開始、化粧品の販売で優位に

ココカラとマツキヨHDが経営統合に向けた協議を開始、化粧品の販売で優位に

ドラッグストア大手のココカラファインとマツモトキヨシHDは、経営統合に向けた協議を開始しています。ココカラファインはスギHDとマツモトキヨシHDの二社からの提案を検討した結果、経営統合の相手としてマツモトキヨシHDを選びました。ココカラファインはマツモトキヨシHDとの経営統合により、店舗作業の効率性、プライベートブランド商品の開発でのシナジー効果を見込んでいます。

ドラッグストアの売上高の大部分を占めるのが、医薬品、化粧品、食品です。医薬品、化粧品、食品の売上高構成比は、ドラッグストアによって違いがあり、化粧品に注力するドラッグストアと、食品に注力するドラッグストアの二つのタイプに分かれています。化粧品に注力するドラッグストアと、食品に注力するドラッグストアは、品揃えが異なるだけではなく、店舗の出店場所にも違いがあります。

最新の決算データによると、ドラッグストアで化粧品の売上高構成比が最も大きいのがマツモトキヨシHD、次に大きいのがココカラファインです。ココカラファインとマツモトキヨシHDの経営統合は、化粧品の売上高構成比で一位と二位の経営統合になります。ココカラファインとマツモトキヨシHDの経営統合が実現すれば、ドラッグストア業界において、化粧品の販売をさらに優位に進めることができます。

ドラッグストアは新規出店数が多いですが、人口の減少、ECの拡大の脅威はあります。人口の減少、ECの拡大が続けば、既存店の客数の減少に繋がります。新規出店だけではなく、M&Aで店舗数を増やすのは効率の良い方法です。新規出店で店舗数を増やすよりも、既にある店舗・従業員を有効に活用する方がリスクが小さいです。既存店が好調なドラッグストアも、人口の減少、ECの拡大に備えたいです。

ココカラファインはマツモトキヨシHDと経営統合の協議を開始

8月14日、ココカラファインはマツモトキヨシHDと経営統合の協議を開始したと発表しました。ココカラファインは6月1日に、スギHDと経営統合に関する検討及び協議を開始すると発表していました。ココカラファインはスギHDとマツモトキヨシHDを経営統合の対象として検討した結果、マツモトキヨシHDを選択しました。スギHDは同じく8月14日、経営統合に向けたココカラファインとの協議を終了するとコメントしています。

ココカラファインはマツモトキヨシHDと経営統合の協議を行う理由として、店舗作業の効率性やプライベートブランド商品の開発などについて、大きなシナジー効果が生じる可能性があるとしています。当初から、スギHDとマツモトキヨシHDを比較して、マツモトキヨシHDの方が選ばれる可能性が高いという意見が多かったです。店舗作業の効率性、プライベートブランド商品の開発力が評価のポイントではないかと思います。

ココカラファインが二社から経営統合を求められる背景

ココカラファインは同時期に、スギHDとマツモトキヨシHDとの経営統合の話が出ました。三社の最新決算期の売上高は、マツモトキヨシHDは575,991百万円、スギHDは488,464百万円、ココカラファインは400,509百万円です。スギHDとマツモトキヨシHDは、ココカラファインとの経営統合を望んでいて、ココカラファインには経営統合の対象として大きな価値があると評価していることになります。

ココカラファインとマツモトキヨシHDは、運営しているドラッグストアのカテゴリ別売上高構成比が似ている共通点があります。スギHDはデータがないものの、ココカラファインとマツモトキヨシHDは医薬品と化粧品の売上高構成比が大きいです。カテゴリ別売上高構成比が似ていれば、シナジー効果が生まれやすいです。カテゴリ別売上高構成比の類似性は、ココカラファインが評価された点の一つだと考えられます。

ココカラファインの店舗分布は、経営統合の評価のポイントになったと考えられます。ココカラファインは三大都市圏の東京、大阪、愛知に、まとまった店舗数を持っています。同じく三大都市圏にまとまった店舗数を持つスギHDから見ると、三大都市圏の店舗を増やすことができます。一方、東京の店舗が多く、大阪、愛知の店舗数が少ないマツモトキヨシHDから見ると、店舗数が少ない大阪、愛知の店舗を増やすことができます。

ドラッグストア業界はカテゴリ別売上高構成比、店舗分布に特徴があり、シナジー効果が期待できる経営統合の対象がたくさんあるわけではありません。スギHDもマツモトキヨシHDも、ココカラファインとの経営統合のチャンスを逃せば、代わりに経営統合をする企業はありません。ココカラファインをスギHDとマツモトキヨシHDが奪い合う形になったことは、経営統合の機会が少なさ、重要性を意味しています。

プライベートブランド商品と店舗作業の効率化に期待

ココカラファインがマツモトキヨシHDを経営統合の協議の相手に選んだ理由は、店舗作業の効率性やプライベートブランド商品の開発などについて、大きなシナジー効果が生じる可能性があるためです。経営の効率化については、小売業だけでなく、すべての業界の経営統合に期待されるものです。マツモトキヨシHDとの経営統合には、経営の効率化に加え、プライベートブランド商品への期待もあります。

マツモトキヨシはドラッグストアの中でも、優れたプライベートブランド商品を販売する店舗として知られています。マツモトキヨシはドラッグストア業界において知名度が高く、代名詞のような存在です。ココカラファインはマツモトキヨシHDとプライベートブランド商品で協力することで、店舗の魅力を高めることができます。ココカラファインとマツモトキヨシHDは、三大都市圏で店舗が被らないこともポイントです。

店舗作業の効率化という表現には、店舗の幅広い業務が含まれると考えられます。一般的なイメージとして、小売業が経営統合すれば、物流効率の向上が期待されます。経営統合により、地域の店舗数が増えるので、物流センター・トラックを共有すれば、効率よく商品の配送ができます。物流以外の店舗作業の効率化については、今のところ詳しい情報はありませんが、これから出てくるのではないでしょうか。

ドラッグストア業界では、多くの企業がプライベートブランド商品の開発に注力しています。ただ、お客さんに充分に認知されているのは、マツモトキヨシだけではないかと思います。ドラッグストアは製造業のイメージが弱く、プライベートブランド商品の価値が認知されるには時間が掛かります。ココカラファインは実績のあるマツモトキヨシHDと経営統合することで、短期間でプライベートブランド商品を強化できます。

ドラッグストアは化粧品を売る店舗・食品を売る店舗に分かれる

ドラッグストアと言えば、名前の通り医薬品を買う店舗のイメージです。昔のドラッグストアは医薬品が主力商品でしたが、医薬品以外のカテゴリも販売するようになっています。医薬品以外で売上高が大きいカテゴリは、化粧品と食品です。化粧品はドラッグストアでの販売の歴史が長く、食品は近年強化されているカテゴリです。化粧品、食品のどちらに注力するかで、ドラッグストアは二つのタイプに分かれます。

経営統合の協議を開始したココカラファインとマツモトキヨシHDは、化粧品のカテゴリ別売上高構成比が大きく、化粧品タイプのドラッグストアを運営しています。同じタイプの商品を販売するドラッグストアは、競合関係であり、経営統合による効率化の効果が大きい関係でもあります。今後も、ココカラファインとマツモトキヨシHDのように、カテゴリ別売上高構成比が似ている企業間で経営統合が行われると考えられます。

化粧品・食品の違いは経営理念の違い

ドラッグストアが化粧品に注力するか、食品に注力するかは、経営理念と関係があります。化粧品に注力するドラッグストアは、美や健康をサポートする経営理念です。一方、食品に注力するドラッグストアは、低価格の商品で節約志向をサポートすることが経営理念です。ドラッグストアは医薬品の粗利益率が高いため、カテゴリを拡大する余力があり、多様なストアコンセプトが生まれています。

化粧品に注力している代表的なドラッグストアはマツモトキヨシです。マツモトキヨシHDの2019年3月期のカテゴリ別売上高構成比は、医薬品は31.8%、化粧品は41.1%、食品は9.4%でした。マツモトキヨシHDの経営理念は、お客さんの美と健康に奉仕するというものです。マツモトキヨシHDは医薬品と化粧品が売上高全体の7割以上を占めており、経営理念を実現するための品揃えになっています。

食品に注力している代表的なドラッグストアはドラッグコスモスです。コスモス薬品の2019年5月期のカテゴリ別売上高構成比は、医薬品は15.6%、化粧品は10.5%、一般食品は56.3%でした。ドラッグコスモスのストアコンセプトは、コンビニエンス、スペシャリティー、 ディスカウントを高い次元に保った「小商圏型メガドラッグストア」というもので、特に食品の低価格販売に注力しています。

ドラッグストアの中心商品である医薬品は、購買頻度が低いです。ドラッグストアがビジネスを拡大するために、医薬品だけではなく、他のカテゴリも販売するのは順当です。化粧品を売るドラッグストア、食品を売るドラッグストアともに、ストアコンセプトを確立できていて、お客さんに支持されています。食品を販売するドラッグストアは、高齢化社会、節約志向など、社会変化に対応して売上を伸ばしています。

化粧品・食品の違いは出店戦略の違いにも繋がる

ドラッグストアは化粧品に注力する店舗と、食品に注力する店舗の二つのタイプに別れています。化粧品は購買頻度が低く、粗利益率が高いです。一方、食品は購買頻度が高く、粗利益率が低いです。化粧品と食品は購買頻度、粗利益率に違いがあり、利益の稼ぎ方が異なります。化粧品に注力するか、食品に注力するか、ドラッグストアは商品戦略の違いにより、出店戦略にも違いが出てきます。

化粧品は購入頻度が低いため、商圏人口・活動人口の多い場所に店舗があることが好ましいです。化粧品を販売するドラッグストアの理想的な出店場所は、人通りの多い駅前・駅近くです。マツモトキヨシの店舗は、人通りの多い駅前・駅近くでよく見かけます。人通りの多い駅前・駅近くは賃料が高いですが、医薬品、化粧品の粗利益率は高いため、ドラッグストアは充分な利益を確保しています。

食品は購入頻度が高いため、同じお客さんに何度もリピートで買い物をしてもらいやすいです。しかし、食品の粗利益率は低く、店舗は賃料の安い場所にあることが好ましいです。食品を販売するドラッグストアの店舗は賃料の安い郊外にあることが多く、近所に住むお客さんだけではなく、自動車での来店も想定しています。ドラッグストアは食品の価格が安いため、遠くからでも自動車で買い物に出掛ける価値があります。

化粧品を販売するドラッグストアと食品を販売するドラッグストアは、出店する地域が異なります。品揃えと出店する地域が異なれば、同じドラッグストアという呼び方であっても、激しく競合するとは言えません。マツモトキヨシとドラッグコスモスでは、お客さんが求めているものが異なります。ドラッグストア業界で業績を拡大している企業が多いのは、ドラッグストア各社がうまく差別化できているからではないでしょうか。

ココカラファインとマツモトキヨシHDは化粧品をさらに強化

8月14日、ココカラファインはマツモトキヨシHDと経営統合の協議を開始したと発表しました。最新の決算では、マツモトキヨシHDの売上高は575,991百万円、ココカラファインの売上高は400,509百万円です。ココカラファインとマツモトキヨシHDの経営統合が実現すると、売上高は1兆円規模に迫ります。経営統合後の売上高はツルハHDの782,447百万円を超え、業界トップになります。

ココカラファインとマツモトキヨシHDにとって、売上高が1兆円規模に迫り、業界トップになることに価値があります。それに加え、化粧品の売上高構成比が高いドラッグストア同士の経営統合であることにも価値があります。ココカラファインとマツモトキヨシHDは、化粧品を販売するドラッグストアとしての地位を固め、化粧品の販売で安定的に業績を拡大するチャンスを掴むことになります。

化粧品で追随して来そうなドラッグストアはない

化粧品の売上高構成比は、マツモトキヨシHDは41.1%(2019年3月期)、ココカラファインは30.2%(2019年3月期)です。カテゴリ別売上高構成比を発表しているドラッグストアの中では、マツモトキヨシとココカラファインが一位と二位になっています。三位以下には、キリン堂HD、サツドラHD、ツルハHD、ウエルシアHDなどがありますが、これらのドラッグストアが化粧品販売の脅威になるとは考えにくいです。

キリン堂HDの売上高は129,593百万円(2019年2月期)と大きくはなく、全店舗の約8割に当たる309店舗(2019年2月末時点)が関西地区にあります。サツドラHDの売上高は84,649百万円(2019年5月期)と大きくはなく、全店舗175店舗が北海道にあります。キリン堂HDとサツドラHDは、売上高に占める化粧品の構成比は高いものの、売上規模は大きくなく、ドミナント地域も異なるため、化粧品販売の脅威にはなりません。

ツルハHDとウエルシアHDは、ドラッグストア業界で売上高一位と二位の大手企業です。ツルハHDとウエルシアHDは東京、大阪、愛知に店舗数が多く、ココカラファインとマツモトキヨシHDの店舗と競合している地域も多いと考えられす。ただ、ツルハHDとウエルシアHDは化粧品よりも、食品の売上高構成比が大きいです。ツルハHDとウエルシアHDは総合的な品揃えを志向しており、化粧品販売の脅威にはなりにくいです。

経営統合が実現すると、マツモトキヨシはプライベートブランド商品の規模の拡大、ココカラファインはプライベートブランド商品の品揃えを強化できます。マツモトキヨシは化粧品のプライベートブランド商品で、既に他のドラッグストアと差別化できています。経営統合により規模を拡大すれば、価格・品質がさらに充実します。ココカラファインとマツモトキヨシHDは、化粧品で高収益が期待できるのではないかと思います。

食品タイプのドラッグストアとは激しく競合しない

ドラッグストアでは、医薬品・化粧品・食品を販売しています。ドラッグストアの医薬品・化粧品・食品の売上高構成比には違いがあり、化粧品タイプの店舗、食品タイプの店舗に分けることができます。化粧品タイプの店舗と食品タイプの店舗では、化粧品に対するお客さんのニーズが異なります。化粧品タイプの店舗と食品タイプの店舗の化粧品が激しく競合することはなく、どちらの店舗も化粧品の売上高を伸ばせるはずです。

マツモトキヨシで化粧品を購入するお客さんは、化粧品への関心が強い人です。マツモトキヨシのプライベートブランド商品を知っている、あるいは、マツモトキヨシは良い化粧品を売っていることを知っています。マツモトキヨシで化粧品を購入するお客さんが、食品タイプの店舗の化粧品を購入することは考えにくいです。マツモトキヨシで化粧品を購入するお客さんは、化粧品に品質を期待しています。

コスモス薬品は食品の売上高構成比が56.3%(2019年5月期)と高いですが、化粧品の売上高構成比も10.5%あります。ドラッグコスモスで化粧品を買うお客さんは、低価格の食品・日用品を買うついでに、化粧品を購入していると考えられます。ドラッグコスモスで化粧品を買うお客さんは、食品・日用品と一緒に化粧品も買えることに満足しています。食品タイプの店舗の化粧品には、品質ではなく利便性が求められています。

食品タイプの店舗を展開するドラッグストアにとって、化粧品は最重要商品ではありません。お客さんは食品を買うために店舗に来ていて、弁当・惣菜、生鮮食品、付加価値の高いプライベートブランド商品など、さらなる食品の強化を望んでいます。化粧品タイプの店舗と食品タイプの店舗では、化粧品に対するお客さんのニーズが異なるため、今後、化粧品販売の競争が激しくなるというのは起こりにくいです。

ドラッグストアは新規出店だけでなくM&Aでも業績を伸ばせる

ドラッグストア業界では、売上高の大きな企業が売上高の小さな企業を買収して来ました。ウエルシアHDはM&Aで売上高を拡大していて、直近の決算では、ツルハHDに続いて業界二位の売上高となっています。ココカラファインとマツモトキヨシHDの経営統合の協議は、業績が堅調な大手企業同士のものです。大手企業同士が経営統合することで、ドラッグストア業界内で優位なポジションを得ることが目的です。

人口の減少、ECの拡大は小売業にとってリスクです。人口の減少、ECの拡大により、小売業は既存店を維持することが難しくなります。小売業では新規出店で店舗数を増やすのではなく、既存店を強化しようとする戦略の変化が見られます。ココカラファインとマツモトキヨシHDの経営統合の協議には、新規出店で店舗数を増やすだけではなく、既存の店舗・従業員を有効に活用しようという意識もあるのではないでしょうか。

人口の減少とECの拡大はドラッグストアにも影響

人口の減少とECの拡大が続くと、既存店の客数は減少します。小売業は新規出店を続け、業種の垣根を超えた競争も激しくなるので、さらに既存店の客数は減少します。人口の減少、ECの拡大、店舗数の増加、業種の垣根を超えた競争の激化がセットになることで、既存店の客数の減少が加速します。小売業を取り巻くこのような厳しい環境は、ドラッグストアにも当てはまります。

ドラッグストアの決算を見ると、既存店の売上高は堅調です。低価格の食品・日用品を販売するドラッグストアは、コンビニ、スーパーマーケット、ホームセンターからお客さんを奪うことができています。化粧品を販売するドラッグストアは、インバウンドのお客さんを取り込んでいます。ドラッグストアの既存店の客数は安定していますが、これからも店舗数の増加が続けは、いつかは成長が鈍化するときが来ます。

ECの拡大の影響はドラッグストアにもあります。ドラッグストアは医薬品、食品、化粧品を販売していますが、これらの商品はECでもよく売れています。ECは市場規模の拡大が続くため、医薬品、食品、化粧品は値段が下がる可能性が高いです。ドラッグストアは業績が順調に拡大していて、ECにお客さんを奪われているような感じはありませんが、お客さんの奪い合いは既に起こっていると考えられます。

ドラッグストアは業績が好調なこともあり、新規出店に意欲的です。多くの小売業に影響を与えている、人口の減少とECの拡大のリスクも、業績が好調なドラッグストアには関係ないようにも見えます。しかし、このままドラッグストアの店舗数が増加すれば、既存店の客数が伸び悩むときが来ます。ドラッグストアは新規出店で店舗数を増やすだけではなく、既存店の強化にも取り組むべきではないでしょうか。

M&Aは店舗数の増加と収益性の向上が見込める

人口の減少が続くことが確定していて、小売業にとってもネガティブなものです。人口が減少すれば、小売業の店舗で買い物するお客さん、仕事をする従業員も減ることになります。新規出店は小売業の業績の拡大に不可欠なものですが、新規出店の不確実性が高まっています。M&Aは新規出店以外で、小売業が店舗を増やせる方法です。新規出店で店舗数を増やすよりも、既にある店舗を活用するM&Aは効率が良いです。

既存の店舗を有効活用するという意味では、ココカラファインとマツモトキヨシHDの経営統合の協議はポジティブです。経営統合により、店舗作業の効率性、プライベートブランド商品の強化が期待されています。店舗作業の効率性、プライベートブランド商品の強化は、既存店の収益性の向上に繋がります。粗利益率の高いプライベートブランド商品は、ココカラファインの既存店の収益性の向上に貢献しそうです。

小売業では収益の悪い店舗を潰して、別の地域に出店するスクラップアンドビルドが行われています。スクラップアンドビルドで店舗が閉店すると、従業員は別の店舗に転勤になります。このような転勤は以前であれば当たり前のことでしたが、今後は転勤が否定的に見られるようになる可能性もあります。M&Aで既存店の収益性を向上する取り組みは、従業員に働きやすい労働環境を提供する点でも価値があります。

人口の減少が続く環境においては、競合の店舗を潰してお客さんを奪うといった、昔のような競争意識は薄れていくのではないかと思います。他社と激しく競合しない程度に店舗数を増やしていき、いよいよ新規出店が難しくなれば、後はM&Aで既存店の収益性を向上させるのがよいです。ドラッグストア業界には、売上高が2,000億円を超える企業が10社以上あり、M&Aで効率を改善できる余地が多く残されています。