小商圏・若年層をターゲットにすることが小売業の新しい経営戦略になる

小商圏・若年層をターゲットにすることが小売業の新しい経営戦略になる

スーパ-ーマーケットを運営するヤオコーは、30期連続で増収増益を達成していて、小売業の中でも営業利益率が高い優良企業です。ヤオコーの経営戦略は、1km商圏シェアを高めること、若年層への対応を強化することを重視しています。小売業の経営戦略は商品・顧客によって異なりますが、小商圏・若年層をターゲットにすることは、小売業の経営戦略として、多くの企業で採用されるようになるのではないかと思います。

小売業が小商圏をターゲットにしなければならない理由は、ECの拡大と高齢化社会の進行です。ECで買い物をする人、自動車を運転しない人、一人暮らしをする人が増えれば、遠くにある大型店に買い物に行く動機が弱くなります。お客さんが遠くまで買い物に出掛けなくなれば、店舗の商圏は自然と縮小します。また、人手不足で非正規雇用の従業員が不足すると、大型店の運営・維持が難しくなるといった問題もあります。

人口に占める高齢者の割合が高くなっていて、小売業の売上に貢献しているのも高齢者です。高齢者は安定的に店舗で買い物をしてくれますが、支出の拡大は見込めず、長期的には若年層の取り込みが不可欠です。若年層は実店舗だけではなく、ECサイトでも買い物をしています。若年層が実店舗よりもECサイトでの買い物を好むようになると、実店舗の存在意義がなくなり、店舗が存続できなくなります。

小売業が小商圏をターゲットにするには、店舗の小型化と生産性向上、若年層をターゲットにするには、コスパの良い商品と買い物体験のデジタル化が必要です。小売業には停滞感もありますが、これらの施策をすべて実現できれば、高収益の店舗が誕生する可能性もあります。人口が減少する状況においては、店舗数を増やして業績を拡大することは難しいため、一つ一つの店舗の収益性を高めて行かなければなりません。

ヤオコーの経営戦略は1km商圏・ヤングファミリーを重視

ヤオコーは買い物でポイントが貯まる「ヤオコーカード」を使って、1km商圏シェア、来店率、月間来店回数などの経営指標を管理しています。近年、ヤオコーの1km商圏シェアは増加傾向にあり、地域でのお客さんの囲い込みが順調に進んでいます。コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアの店舗数の増加により、スーパーマーケットの商圏は徐々に狭くなっているため、小商圏でシェアを高めて行く戦略は適切です。

ヤオコーは49歳以下の顧客を「ヤングファミリー」と定義して、ヤングファミリー向けの販売を強化しています。ヤングファミリーは時短商品、コスパの良い商品を求めていて、惣菜、冷凍食品に新しいニーズがあります。単身世帯が増加していることもあり、スーパーマーケットでは、単身世帯への対応の方が優先順位が高いと考えられています。しかし、ヤングファミリーには購買力と将来性があり、依然として重要な顧客です。

ヤオコーカードを使って1km商圏を管理

ヤオコーには200円の買い物ごとに1ポイントが貯まり、500ポイントが貯まると500円分のお買い物券が発行される「ヤオコーカード」があります。ヤオコーはヤオコーカードの会員情報をもとに、1km商圏に関する指標を管理しています。ヤオコーは1km商圏シェアを高めることを経営戦略にしていて、1km商圏を管理するための指標は、1km商圏シェア、来店率(順客数/世帯数)、月間来店回数の三つです。

2019年3月期のヤオコーカードの累計会員数は224万人(前期比9万人増加)、会員売上比率は80.4%(前期比0.8ポイント増加)となっています。1km商圏の指標は、1km商圏シェアは18.8%(前期比0.6ポイント増加)、来店率は58.8%(前期比0.9ポイント増加)、月間来店回数は6.54回(前期比0.01回減少)です。2016年3月期の1km商圏シェアは17.7%となっていて、緩やかに1km商圏シェアが増加する傾向にあります。

スーパーマーケットは食品を購入する際に最も利用される店舗ですが、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアなど、食品を販売する小売業との競争が激しくなっています。コンビニ、ドラッグストアはスーパーマーケットによりも店舗が小さく、商圏も狭いです。ヤオコーが同業種、異業種との競合状況を分析するにあたって、1kmの狭い商圏で管理するのは、コンビニ、ドラッグストアを意識したものではないかと思います。

小売業では同業種、異業種との競争激化、ECの拡大、人口減少などの理由により、既存店の客数が減少しつつあります。既存店の客数が減少する中で、小売業が気になるのは、リピーターがいつもと同じように買い物を続けてくれているかどうかです。ポイントカードでお客さんの来店状況を管理する仕組みがあれば、リピーターの離脱を早期に把握することができ、対策を打てるため、店舗運営を安定化させる効果があります。

ヤングファミリー向けに時短・コスパの良い商品を強化

ヤオコーは49歳以下の顧客を「ヤングファミリー」と定義して、ヤングファミリーの取り込みに注力しています。ヤングファミリーを取り組むための具体的な施策は、コスパの良い商品、時短商品の強化です。消費者のライフスタイルが多様化したことにより、スーパーマーケットで買い物をするお客さんのニーズも多様化しています。ヤオコーは様々なお客さんのニーズがある中で、ヤングファミリーを重視しているということになります。

ヤオコーがヤングファミリー対策で具体的に強化している商品は、惣菜と冷凍食品です。惣菜と冷凍食品は女性の社会進出、高齢化社会により需要が拡大していて、多くのスーパーマーケットが販売に力を入れています。惣菜はメニューが少なく、差別化が難しいですが、冷凍食品は品揃えの拡大が期待されます。ヤオコーは競合他社にはない、オリジナルの冷凍食品を開発できれば、差別化要因になります。

ヤングファミリーが食品に求めているものは、時短とコスパの二点であると考えられます。時短については、ネットスーパーが販売するミールキットの販売数量が急増しているというデータがあります。ネットスーパーが販売するミールキットは時短の訴求力はあるものの、コスパの訴求はありません。ヤオコーが実店舗でコスパの良いミールキットを販売できれば、売上を伸ばすチャンスがありそうです。

スーパーマーケットの顧客は、高齢者夫婦・高齢単身者、ファミリー、若者単身者の大きく三つに分けることができます。これまでのスーパーマーケットの経営戦略はファミリーを対象にして来ましたが、これからは単身者への対応が重要であるとされています。単身世帯が増加する中でも、ヤオコーがヤングファミリーへの対応を強化する理由は、ヤングファミリーが持つ購買力、将来性を評価しているからではないかと思います。

なぜ小売業は小さな商圏をターゲットにしなければならないのか

小売業が小さな商圏をターゲットにしなければならない理由は、ECの拡大、高齢化社会の進行のためです。若年層はECサイトでの買い物に慣れていて、単身者が多く、自動車離れもあり、遠くにある大型店に買い物に出掛けるモチベーションが低いです。高齢夫婦・高齢単身者は生活に必要なものが少なく、自動車の運転を控えるため、遠くの大型店に買い物に出掛けるよりも、近くの小型店での買い物を好むようになります。

人手不足によって、非正規雇用の従業員の採用が難しくなっていることも、小売業の商圏が縮小する理由です。仕事を選ぶ、有利な立場にある非正規雇用の従業員は、同じ時給であれば、通勤の負担の小さい、近くにある小型店で働くことを選択します。大型店はECの拡大による客数の減少に加え、人手不足によって、非正規雇用の従業員の確保が難しくなっているため、店舗の小型化が進む可能性があります。

ECの拡大・高齢化社会で店舗の商圏は縮小する

小売業の商圏は店舗の大きさと関係していますが、ECの拡大と高齢化社会の進行により、すべての店舗の商圏が縮小すると考えられます。実店舗ではなく、ECサイトでの買い物を好む人が増えれば、実店舗に買い物にやって来る人は減ります。また、高齢化社会が進めば、自動車を運転する人が減るとともに、日々の生活で必要な商品の数も少なくなるため、近くにある店舗で買い物を済ませるようになります。

若年層は高校生、大学生の頃からスマートフォンを持っていて、実店舗だけではなく、ECサイトでも買い物をします。若年層は自動車を持っていないこともあり、遠くにある実店舗に時間を掛けて買い物に出掛けるよりも、スマートフォンを使ってECサイトで素早く買い物を済ませます。大型店舗は広域から集客することを想定していますが、自動車を持たず、ECサイトでの買い物を好む若年層の集客は難しいです。

高齢者は若年層のようにECサイトで買い物をする人は多くはありませんが、遠くの店舗に買い物に出掛ける機会は少なくなります。高齢者の自動車運転事故のニュースを目にすることが増えていて、高齢者ますます自動車を運転しなくなります。高齢者は長い間自動車を運転して、遠くの店舗に買い物に出掛けていました。しかし、自動車を運転する高齢者が減れば、大型店の集客力は落ち、客数は減少します。

小売業の歴史を見ると、百貨店、総合スーパー、専門店と、時間経過とともに店舗・商圏が小さくなっています。小売業の商圏が縮小することは必然ですが、もともとあった店舗の小型化の流れに加え、ECの拡大、高齢化社会の進行により、店舗の小型化はさらに加速します。これまでは大型店を出店して来た業種においても、商圏の縮小に対応するため、小型の店舗フォーマットの開発に取り組む動きが見られます。

人手不足で大型店の運営・維持が難しくなる

小売業では接客、商品補充、レジの単純労働が大量にあり、多くの非正規雇用の従業員を採用しています。現在、人口の減少により、非正規雇用の従業員の採用が困難になり、小売業では人手不足の問題が顕在化しつつあります。小売業の中でも、大型店は特に非正規雇用の従業員を採用することが難しいと考えられます。人手不足により、大型店の運営・維持が難しくなれば、店舗は小型化して行かざるを得なくなります。

ショッピングセンター、ホームセンター、家電量販店、総合スーパーは店舗規模が大きく、ロードサイドに店舗があることが一般的です。ロードサイドにある大型店は、買いものをするお客さん、仕事をする非正規雇用の従業員ともに、遠方から店舗にやって来ることを想定しています。人手不足の影響は立地に関係なく起こりますが、特に自動車が必要なロードサイドにおいて、非正規雇用の従業員の採用が難しくなると予想されます。

小売業は当たり前のように非正規雇用の従業員を大量に採用して来ましたが、人手不足により、非正規雇用の従業員の価値が高まっています。一般的に、どこの店舗で働いて働いていも、非正規雇用の従業員の賃金には違いがありません。仕事を選べる、有利な立場にある非正規雇用の従業員が、遠くにある大型店を選ぶというのは期待しにくく、通勤に掛かる労力を節約できる近所の店舗を選ぶはずです。

人口減少による人手不足によって、既存の大型店は運営・維持が難しくなるとともに、大型店の新規出店も難しくなります。ショッピングセンター、ホームセンター、家電量販店、総合スーパーは店舗規模が大きいですが、今後は店舗の小型化を強いられるかもしれません。大型店にはECの拡大によるお客さんを失うリスク、人手不足により店舗の運営・維持が難しくなるリスクがあり、デメリットが大きくなっています。

なぜ小売業は若年層の取り込みに注力しなければならないのか

人口に占める65歳以上の高齢者の割合が増加傾向にあり、小売業のお客さんも高齢者の割合が増えています。高齢者は若年層よりも人口が多く、小売業の売上への貢献も大きいですが、支出が伸びないという問題もあります。小売業は現状の売上を維持するため、高齢者中心のマーケティングを展開していますが、長期的に店舗を存続させるためには、若年層の客数・売上をいかにして伸ばすかというのが重要です。

小売業は実店舗の価値を守るという意味でも、若年層を取り込まなければなりません。若年層は実店舗だけではなく、ECサイトでも買い物をしています。ECサイトで商品を見ずに買い物をする人が増えれば、実店舗が存在する意義がなくなってしまいます。商品を体験できること、店員の接客が受けられることは、実店舗ならではの価値であり、小売業はこれらの利点をしっかり訴求して、若年層の取り込みを進めたいです。

高齢者は売上に貢献してくれるが支出は伸びない

人口に占める高齢者の割合が増加傾向にあることは、小売業のマーケティングに影響を与えるようになっています。総務省統計局の2018年のデータによると、全人口に占める高齢者(65歳以上)の割合は28.1%と過去最高です。小売業の店舗で買い物をしているお客さんも高齢者の割合が多く、店舗は賑わっているようにも見えます。しかし、高齢者が生活に必要なものは少なく、長期的な支出の増加は期待しにくいです。

百貨店、総合スーパーは小売業の中でも業績が低迷していて、高齢化社会の影響を強く受けています。百貨店、総合スーパーのマーケティングはファミリーを前提にしていて、ファミリーへの販売で業績を拡大して来ました。高齢になったお客さんは百貨店、総合スーパーで買い物はしますが、昔のように多くのお金を使いません。高齢者は生活に不可欠な食品、日用品など、少数の商品しか買わないので、客単価は伸びません。

高齢化社会が進むと、人口に占める高齢者の割合が大きくなるとともに、高齢者の単身世帯も増えます。小売業でも高齢単身者への対応が進められていて、食品、惣菜、日用品など、一人でも消費しやすい容量のものが増えています。高齢単身者の立場では、消費しやすい、無駄のない商品が増えるのは嬉しいことです。一方、小売業の立場では、客単価が下がる、在庫回転率が高くなるなど、収益性の悪化に繋がります。

小売業の売上に貢献しているのは高齢者なので、小売業は高齢者を中心にしたマーケティングを実施します。このような取り組みは小売業の売上を維持するためには効果があるものの、将来的には売上が縮小してしまうという問題もあります。若年層は少数派であり、現在のところ、売上への貢献も小さいです。しかし、小売業が長期に渡って店舗を運営して行くためには、若年層も取り込まなければなりません。

若年層を取り込まなければ実店舗の意義がなくなる

小売業が若年層を取り込むことは、実店舗が存続し続けるためにも不可欠なことです。高齢者は実店舗での買い物を続けますが、支出が拡大することはなく、客数も減少して行きます。若年層は実店舗だけではなく、ECサイトでも買い物をするため、高齢者よりも実店舗で買い物をしてもらうことが難しいです。小売業にとって最悪のシナリオは、若年層をうまく取り込むことができず、高齢者だけの店舗になってしまうことです。

ECにはいつでも買い物ができる、自宅に商品を届けてくれる、品揃えが多い、商品レビューが参考になる、価格が安いなど、様々なメリットがあります。商品を体験してから購入できる、店員に相談してから購入できることは、ECサイトにはない、実店舗ならではのメリットです。実店舗かECサイトのどちらかで買い物をするのではなく、実店舗とECサイトの両方を使って買い物した方が、時間的、金銭的にもメリットがあります。

小売業が若年層を取り込むことは、売上を増やすためだけではなく、実店舗の価値を保つためにも必要です。ECサイトで買い物をする若年層が増えれば、実店舗で買い物をする機会が減ることになり、実店舗の売上は減ります。このような傾向は既に小売業の一部で起こっていて、問題として認識されています。小売業はECへの対策を考えるよりも、どのようにして若年層を取り込むかという視点が良いのではないかと思います。

これまでの実店舗の役割は、商品を体験して、購入する場所でした。高齢者はこのような買い物体験で暮らして来たので、実店舗での買い物に不満はありません。一方、若年層は必ずしも商品の体験を求めておらず、ECサイトでの買い物に満足すれば、実店舗そのものを必要としなくなるかもしれません。実店舗を必要としない若年層が増えることは、実店舗の閉店を意味するので、若年層の取り込みは小売業にとって死活問題です。

小売業はどのようにして小商圏・若年層への対応を進めて行くか

小売業が小商圏に対応するために必要なものは、店舗の小型化と生産性の向上です。コンビニ、ドラッグストア、100円ショップは業績が堅調で、商圏の縮小により店舗の価値が高まっています。店舗の小型化と生産性の向上をセットにすることで、小売業の収益性が改善する可能性があります。小売業の主流であった大型店の将来は予測が難しくなり、大型店から小型店へのシフトして行く流れが出て来るかもしれません。

小売業が若年層の取り込みに必要なものは、コスパの良い商品と買い物体験のデジタル化です。所得の低い若年層はコスパの良い商品を求めており、スマホを使ったクーポン、決済など、便利でお得なデジタル化された買い物体験に興味を持っています。コスパの良い商品、買い物体験のデジタル化は若年層の取り込みに効果的ですが、より本質的な価値があるのは、高齢者にも若年層にも評価されるコスパの良い商品です。

少商圏に対応するには小型店舗・生産性向上

ECの拡大、高齢化社会、人手不足の状況を考慮すると、小売業はより狭い商圏をターゲットにして行くことが好ましいです。小売業がより狭い商圏をターゲットにするために必要なことは、小型の店舗フォーマットを開発すること、ITを活用して店舗の生産性を向上させることです。すべての小売業が店舗の小型化を進めるわけではありませんが、ITを活用した生産性の向上については、すべての小売業で必要になるものです。

コンビニ、ドラッグストア、100円ショップは小売業の中でも業績が堅調な業種ですが、店舗が小さく、商圏が狭いという共通点があります。小型店舗を展開する小売業の業績が堅調であるのを見ても、小売業の商圏が狭くなっていることが分かります。家具・インテリアを販売するニトリは、都市部へ小型店「ニトリデコホーム」の出店を増やしており、ビジネスの比重が大型店から小型店へとシフトする動きが見られます。

小売業の店舗が小さくなると、それに合わせて店舗で働く従業員の数も減少します。少ない従業員数でいかに店舗を運営するか、収益性を高めるかというのも小売業の課題で、ITの活用が期待されます。コンビニは既に高収益の店舗ですが、スマホ決済、調理ロボットの導入などが進められています。坪効率を高める意味でも、大型店よりも小型店の方が都合がよく、少ない従業員数とITの活用で収益性を改善したいです。

小売業では売り場面積が大きいほど良いとされて来ましたが、ECの拡大、高齢化社会の進行、自動車離れ、晩婚化・非婚化などを考えると、大型店の将来には不安があります。一方、小型店には売り場面積が小さいデメリットがあるものの、従業員が採用しやすい、生産性を向上させやすいメリットがあります。これまで大型店を出店した小売業の中にも、小型の店舗フォーマットを開発しようとする企業もあると思います。

若年層に対応するにはコスパの良い商品・デジタル化

人口に占める高齢者の割合が大きく、増加傾向にあるため、社会全体が高齢者を中心に回っています。小売業の店舗においても同様で、高齢者のお客さんが多く、高齢者のお客さんが買い物がしやすい店舗作りが行われています。しかし、店舗の存続を考えると、小売業は若年層の取り込みにも注力しなければなりません。若年層が小売業に期待しているものは、コスパの良い商品、便利で快適なデジタル化された買い物体験です。

若年層は所得が低いため、コスパの良い商品へのニーズが強いです。100円ショップ、ドラッグストアはコスパの良い商品の販売で評価を高めていて、個別の企業では、業務スーパーの食品が人気です。インターネットメディアを見ても、コスパの良い商品を紹介する記事、動画の視聴回数が多いです。小売業がコスパの良い商品を提供することは簡単ではありませんが、コスパの良い商品があれば若年層に買い物をしてもらえます。

買い物体験のデジタル化も、若年層の取り込みに有効な方法です。スマホでクーポンを使って買い物をしたり、決済することは、若年層が小売業に期待しているものです。例えば、ある店舗が自分が好きな商品のクーポンを定期的にくれるのであれば、その店で買い物をしようとするお客さんは増えるはずです。店舗のデジタル化は若年層の取り込みに必要なだけでなく、小売業がビッグデータを蓄積するためにも必要です。

若年層の取り込みには、コスパの良い商品、買い物体験のデジタル化が効果的ですが、コスパの良い商品の方がより重要です。コスパの良い商品は、若年層、高齢者の両方を満足させることができるため、小売業の競争力の強化になります。買い物体験のデジタル化については、高齢者に使ってもらうことの難しさ、事例の少なさといった不確実性があり、先行企業について行く姿勢が好ましいのではないかと思います。