買い物難民を減らすためには地域に小型店・移動スーパーが増えることが効果的

買い物難民を減らすためには地域に小型店・移動スーパーが増えることが効果的

日々の生活に必要な食品、日用品の買い物に問題を抱えている、買い物難民が社会問題になりつつあります。高齢化社会が進むと、自動車を運転しない人、体力に不安のある人が増え、買い物に行く範囲が狭い人が増えます。また、小売業では老朽化した店舗を改装せず、閉店することが多くなっています。高齢者の買い物範囲が狭くなることと、小売業の店舗の閉店が重なり、買い物難民になってしまう高齢者が増えます。

お客さんに食品、日用品を販売することは、小売業の社会的な役割であり、小売業は買い物難民を解決しなければなりません。高齢者はこれまでのように店舗に買い物に行くことが難しくなるので、小売業が高齢者の方に近づいて行く施策が必要です。

小売業が買い物難民を減らすためにできることは、徒歩で買い物に行ける小型店を増やすこと、移動スーパーを増やすことの二つです。徒歩で買い物に行ける小型店については、コンビニ、ドラッグストアの店舗数が増えることが望ましいです。移動スーパーについては、「とくし丸」がスーパーマーケットと連携して稼働台数を増やしています。

コンビニ、ドラッグストアの店舗数、移動スーパーの稼働台数が、日本全国で順調に増加すれば、買い物難民対策になります。地域にコンビニ、ドラッグストア、移動スーパーが揃えば、高齢者は買い物がしやすいです。コンビニ、ドラッグストアの店舗数は順調に増加を続けていて、移動スーパーの稼働台数の増加がポイントになりそうです。

食品、日用品の買い物に問題を抱えている買い物難民が増加

小売業に関係がある社会問題がいくつかありますが、買い物難民はその一つです。買い物難民とは、小売業の店舗の閉店、公共交通機関の縮小・廃止などの理由により、日々の生活に必要な食品、日用品の買い物に問題を抱えている人たちのことです。買い物困難者、買い物弱者といった言葉も、買い物難民と同じ意味で使われます。

買い物難民は小売業の問題そのものであり、小売業は買い物難民を減らすための取り組みを進めたいところです。日々の生活に必要な食品、日用品の買い物に問題を抱えている人がいることは、小売業としては残念です。小売業はつまらない仕事、単調な仕事と評価されることも多いですが、人々の生活を支えている重要なインフラでもあります。

農林水産政策研究所は、食料品アクセス困難人口という言葉を定義しています。食料品アクセス困難人口とは、店舗まで500m以上かつ、自動車の利用が困難な65歳以上の高齢者のことを指しています。店舗には、食肉、鮮魚、野菜・果実小売業、百貨店、総合スーパー、食料品スーパー、コンビニエンスストアなどが含まれます。

65歳以上の高齢者であっても、自動車を運転できる人は、買い物に問題を抱えていないと考えられます。65歳以上の高齢者で、自動車を運転しない人にとっては、徒歩で買い物に行ける範囲に店舗がないことは問題です。自動車を問題なく運転している65歳以上の高齢者も、いつかは自動車の運転が難しくなる日が来ます。自動車がなくても、無理なく買い物ができる環境を作ることが、買い物難民問題の目指すべき方向性です。

農林水産政策研究所は平成27年国勢調査(2015)に基づき、2015年の食料品アクセス困難人口の推計値を算出しています。65歳以上の食料品アクセス困難人口は824万6,000人で、65歳以上の人口の24.6%です。75歳以上の食料品アクセス困難人口は535万5,000人で、75歳以上の人口の33.2%です。65歳以上の人口の24.6%、75歳以上の人口の33.2%という数字は大きく、身近に買い物難民がたくさんいることになります。

三大都市圏(東京・名古屋・大阪)の食料品アクセス困難人口は、65歳以上は377万6,000人(23.3%)、75歳以上は219万4,000人(29.5%)です。地方圏の食料品アクセス困難人口は、65歳以上は447万人(25.9%)、75歳以上は316万1,000人(36.4%)です。買い物難民と聞くと地方をイメージしますが、三大都市圏の食料品アクセス困難人口も多く、買い物難民は都市、地方の両方に存在している問題です。

買い物難民が増える要因は、お客さん側、小売業側の両方にあります。お客さん側の要因は、自動車を運転しない人が増えたこと、体力に不安のある人が増えたことです。小売業側の要因は、小売業同士の競争激化、ネット通販の拡大、店舗の老朽化により、店舗の閉店が増えていることです。自動車を運転しない高齢者の場合、近くの食品、日用品を販売する店舗が閉店してしまうと、すぐに買い物に難民になってしまいます。

高齢者の買い物範囲が狭くなること、小売業の閉店が増えることについて、進行を止めるのは簡単ではありません。高齢者は歳を取ると体力が落ち、自動車の運転が難しくなることは避けられません。小売業は既存の店舗を維持することが難しくなっていて、人口の減少、ネット通販の拡大を考えると、今後も閉店が増える可能性が高いです。

65歳以上の高齢者は若い頃から自動車を運転していて、総合スーパー、食品スーパー、ホームセンター、ディスカウントストアなど、複数の店舗で買い物をして来ました。昔からある小売業の古い店舗では、多くのお客さんが自動車を運転して買い物に来ています。現在、問題なく自動車を運転している高齢者も、10年、20年経つと、自動車の運転が難しくなり、買い物難民になってしまう可能性が高いです。

昔からある総合スーパー、食品スーパー、ホームセンター、ディスカウントストアの中には、開店から20~30年も経つものもあります。こうした店舗が老朽化すると、改装を選ばすに、閉店することが多くなっています。高齢者は購入する品目が少なく、若者は人口が少ないことに加え、ネット通販で買い物をする人もいます。小売業にとって、古い店舗を改装しても売上の増加が期待しにくく、閉店せざるを得ない状況です。

買い物難民は生活に必要な食品、日用品の購入に問題を抱えています。生活に必要な商品を販売することは、小売業の重要な役割であり、買い物難民問題を解決しなければなりません。小売業が買い物難民を減らすためにできる施策は、徒歩で買い物に行ける小型店を増やすこと、高齢者宅に商品を配達することの二つが考えられます。

高齢者の買い物の選択肢を増やすという意味では、小型店と配達の両方あった方が好ましいです。小売業が負担するコストを考えると、小型店を増やす方法が良さそうですが、配達には利便性・柔軟性があります。買い物難民問題を解決するためには、地域に食品、日用品を販売する小型店があり、そこから配達もできるのがベストではないでしょうか。

コンビニ、ドラッグストアの店舗数が増えれば買い物難民が減る

買い物難民対策として効果的なのは、徒歩で買い物に行ける範囲に、食品、日用品を販売する小型店が増えることです。高齢者は自動車を運転しない人が増え、体力が落ちるので、買い物に行ける範囲は徐々に狭くなります。高齢者の買い物範囲の縮小に対応するためには、店舗の方が高齢者の方へ近付いて行かなければなりません。

買い物難民対策として期待されるのは、コンビニとドラッグストアの店舗数の増加です。コンビニ、ドラッグストアは店舗数が多く、徒歩で買い物に行ける範囲にあり、食品、日用品を販売しています。コンビニ、ドラッグストアの店舗が増えれば、高齢者は徒歩で食品、日用品の買い物ができるようになり、買い物難民が減少します。

コンビニの商圏は約500Mだとされていて、農林水産政策研究所が定義している、食料品アクセス困難者が買い物に行ける範囲と同程度です。高齢者の立場では、店舗は近ければ近いほど良いですが、500M程度であれば、体力的にも十分ではないかと思います。

コンビニは食品、日用品を販売していて、店舗までの距離も近いです。コンビニは買い物難民対策問題に貢献できますが、不満な点もあります。食品は品揃えが豊富、新商品の開発サイクルが短い、プライベートブランド商品などに優れていますが、価格は高く、食品をコンビニで買い続けることは経済的な負担が大きいです。また、日用品は価格が高いことに加え、品揃えが少なく、コンビニで日用品を買い揃えることは難しいです。

セブンイレブンにはミールキット、日替わり弁当、日替わりおかずセット、生鮮食品、スイーツ、お酒などの食品を、お客さんの自宅に届ける「セブンミール」のサービスがあります。注文金額1,000円(税込)から配送を行なっていて、配送料は216円(税込)、注文金額3,000円(税込)以上で配送料が無料になります。商品の配送は、正午頃までに届く昼便と、午後7時頃までに届く夕便の二便があります。

セブンミールのホームページを見ると、高齢者向けのサービスというよりは、仕事・家事が忙しいファミリー向けのサービスのようです。注文はパソコン、スマートフォンから行うので、高齢者が利用するハードルは高いです。ただ、食品をお客さんの自宅に届けることには価値があり、買い物難民問題に貢献できるかもしれません。

ドラッグストアはコンビニと同様に、買い物難民問題に貢献できます。ドラッグストアは食品、日用品、医薬品を販売しており、ワンストップで生活に必要なものが多く買えます。一部のドラッグストアでは、健康関連のサービスを提供している店舗もあり、買い物難民問題だけではなく、高齢者の生活全般を支援する役割も期待できます。

ドラッグストアは食品、日用品の品揃えが豊富で、価格の安さは小売業の中でもトップクラスです。高齢者は購入する食品、日用品の品目が少ないので、ドラッグストアの品揃えは、高齢者のニーズに十分に対応できるはずです。支出を抑えたい高齢者にとっては、食品、日用品が安いドラッグストアは、買い物に最適な店舗です。

ドラッグストアは食品、日用品、医薬品の品揃えが豊富で、価格は安く、高齢者のニーズを満たしています。ただ、コンビニほど店舗数が多くはないので、コンビニのように気軽に買い物に行けるとは言えません。ドラッグストアの駐車場スペースの広さを見ても、遠くから自動車で買い物に来ることを想定しています。

ドラッグストアの店舗数については、日本チェーンドラッグストア協会の正会員の店舗数が19,942店舗(平成30年6月1日現在)、経済産業省の商業動態統計では15,660店舗(平成30年)といったデータがあります。ドラッグストアの店舗数が増えれば、お客さんとの距離が近くなり、徒歩、自転車でも買い物に行きやすくなります。

コンビニ、ドラッグストアは食品、日用品を販売していて、店舗数が多く、店舗はお客さんの身近にあります。コンビニは価格が高い、品揃えが少ない、ドラッグストアは距離が遠いといった不満点はあるものの、高齢者が生活必需品を買う店舗として好ましい条件をが揃っています。コンビニ、ドラッグストアの店舗数は順調に増加しており、今後も店舗数が増え続ければ、買い物難民を減らすことに貢献できます。

コンビニとドラッグストアを比較すると、ドラッグストアにはより大きなポテンシャルがあります。ドラッグストアは食品、日用品の品揃えが豊富で価格は安く、医薬品もあり、健康関連のサービスも受けられます。高齢者が徒歩で買い物に行ける範囲にドラッグストアが増えることは、買い物難民対策として大きな効果があると思います。

移動スーパーの稼働台数が増えれば買い物難民が減る

買い物難民対策の一つとして、移動スーパーへの期待は大きいです。移動スーパーとは、販売事業者が軽トラックに食品、日用品を積んで、お客さんのところまで出向き、買い物をしてもらうというものです。お客さんが店舗に買い物に行くことが普通でしたが、高齢化社会が進んだことで、新しい買い物方法として移動スーパーが注目されています。

買い物をするお客さんの立場では、自宅まで来てくれる移動スーパーは便利です。企業にとっても、移動スーパーはこれから市場拡大が見込めるため、売上を伸ばせる有望な事業です。移動スーパーは買い物難民を減らす確実な効果があるため、企業は収益モデルを確立して、移動スーパーの台数を増やしたいところです。

徳島県に本社がある、株式会社とくし丸が運営する移動スーパー「とくし丸」は、メディアで取り上げられることが多いです。とくし丸の軽トラックには冷蔵庫が搭載されていて、刺身、寿司、総菜、お肉、野菜、果物、パン、お菓子などの食品を販売しています。また、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの日用品も販売しています。

とくし丸は移動スーパー事業の収益性を確保するため、「+10円ルール」を導入しています。「+10円ルール」とは、お客さんに商品を販売するにあたって、商品価格に10円をプラスするというものです。とくし丸によると、軽トラック1台の1日の商品販売点数は200~400点とのことです。「+10円ルール」により、軽トラック1台あたり、1日2,000~4,000円の収益が増え、移動スーパー事業の収益性が強化されます。

移動スーパー「とくし丸」は、株式会社とくし丸、スーパーマーケット、販売パートナー(個人事業主のオーナー)の三者で運営されています。株式会社とくし丸はスーパーマーケットと契約を結び、移動スーパーのノウハウを提供して、契約金・ロイヤリティを受け取ります。スーパーマーケットは販売パートナーと契約を結び、移動スーパー業務を委託して、商品を提供します。販売パートナーはスーパーマーケットから提供された商品を軽トラックを使って販売して、販売した商品の粗利益から収益を受け取ります。

とくし丸の稼働台数は380台(2019年3月19日)となっていて、全国各地のスーパーマーケットがとくし丸と契約をして、移動スーパー事業を行なっています。とくし丸と契約しているスーパーマーケットには、いなげや、ベルク、近商ストア、関西スーパー、天満屋ストア、サンリブなど、売上規模が大きなチェーン店もあります。

買い物をするお客さんの立場では、コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケットに買い物に行くよりも、近所まで来てくれる移動スーパーの方が負担が小さいです。例えば、コンビニ、ドラッグストア、スーパーマーケットが近くにあっても、天気の悪い日は買い物に出掛けることが大変です。実店舗の買い物の代替手段として、移動スーパーがあれば、体力に自身のない高齢者は安心して買い物をすることができます。

移動スーパーは軽トラックが店舗になるので、品揃えが少ないのではないかという不安はあります。とくし丸の場合、軽トラック一台の品目数は400、在庫数は1,200~1,500とのことです。とくし丸はスーパーマーケットから商品を供給されているので、軽トラックには積めなくても、販売できる品目数は豊富です。御用聞き形式で販売を行えば、軽トラックに積める品目数の少なさは、問題にはならないと思います。

とくし丸で導入されている「+10円ルール」は、お客さんが支払う買い物手数料だと言えます。とくし丸の利用者の買い物一回あたりの購入点数は5~10点で、買い物の回数を月10回とすると、利用者が支払う「+10円ルール」の金額は月額500~1,000円となります。多くのお客さんは買い物の金額を節約したいと考えているはずですが、月額500~1,000円程度の金額であれば、大きな負担にはならないのではないでしょうか。

とくし丸がメディアで取り上げられる時に、「+10円ルール」も紹介されますが、お客さんの反応は全体的に好意的です。移動スーパーは軽トラックに商品を積んで、近所まで来てくれるので、お客さんにとってもありがたいサービスです。便利なサービスの対価として、「+10円ルール」があることは、多くのお客さんにとって納得できるものです。

買い物難民対策の一つとして、移動スーパーには確実な効果があります。地域にコンビニ、ドラッグストアの店舗が増えることに加え、移動スーパーの稼働台数も増えれば、買い物難民は減ります。移動スーパーは地域の高齢者と定期的に顔を合わせるので、高齢者を見守るという点でも、重要な役割を担っています。高齢者の見守りは、従来の店舗ではできない、移動スーパーならではの付加価値です。

日本全国で移動スーパーの稼働台数が増えることが望ましいですが、課題になるのは収益性の確保ではないかと思います。地域にある程度まとまった見込み客がいなければ、利益を確保することが難しいです。また、移動スーパーを行う事業者が増えれば、供給過多になってしまう可能性もあります。各地域に適切な台数の移動スーパーが稼働して、各移動スーパーが十分な利益を確保できる状況が好ましいです。

小売業には品揃え、価格に加え、買い物の利便性が求められる

農林水産政策研究所の推計では、2015年の食料品アクセス困難人口は全国で824万6,000人となっています。今後、高齢化社会の進行に合わせて、買い物難民が増え、社会問題として認識されるようになるのではないかと思います。小売業にとっても、買い物難民の増加は売上・客数の減少に繋がるため、重要な問題です。

人間は歳を取るにつれて、自動車を運転しなくなり、体力が落ち、買い物に行ける範囲が狭くなります。高齢者の買い物範囲の縮小も、ライフスタイルの変化であり、小売業は販売方法を多様化させなければなりません。お客さんの買い物範囲が狭くなれば、実店舗だけではお客さんとの関係性を維持することが難しくなり、売上・客数は減少します。

買い物難民対策として効果が期待できるのは、コンビニ、ドラッグストアの店舗数が増えること、移動スーパーの稼働台数が増えることの二つです。コンビニ、ドラッグストアへは徒歩で買い物に行き、移動スーパーは自宅の近所で買い物をします。この二つの買い物方法が揃えば、高齢者も買い物がしやすく、買い物難民は減ります。

コンビニ、ドラッグストアについては、既存のビジネスであり、これまで通り店舗数が増えることが買い物難民対策です。一方、移動スーパーは新しいビジネスであるため、収益を確保できるか、お客さんは利用しやすいかなど、様々な課題があります。コンビニ、ドラッグストアの店舗数は順調に増加しているため、移動スーパーの稼働台数を安定的に増やして行けるかというのが、買い物難民対策において重要になります。

高齢化社会の進行に合わせて、買い物難民の増加が続きますが、ある時点で買い物難民問題はなくなると予想されます。現在の40~50代以下が高齢者になった時は、ネットスーパーで食品、日用品を購入する可能性が高いからです。現在、買い物難民対策に移動スーパーが必要な理由は、高齢者がネットスーパーを利用することが難しいためです。

とくし丸の販売パートナー(個人事業主のオーナー)の募集ページには、移動スーパー事業の将来の予測が書いてあります。移動スーパーは今後15~20年は需要が増加して、その後は少しずつ需要が縮小する可能性があるとしています。将来的にネットスーパーが普及すれば、買い物難民対策は不要になり、移動スーパーの需要も減るかもしれません。

買い物難民問題は高齢者の生活の問題であるだけでなく、小売業の収益の問題でもあります。店舗に買い物に来てくれていたお客さんも、自動車を運転しなくなったり、体力が落ちれば、行動範囲が狭くなり、これまでのように店舗に買い物に来れなくなってしまいます。小売業はお客さんを競合店舗に奪われることには慣れていますが、お客さんが買い物難民になることは想定していなかったのではないでしょうか。

スーパーマーケットは店舗に買い物に来れなくなったお客さんに商品を販売するため、新たに移動スーパーをやらなければならなくなっています。これまではお客さんが自動車で店舗まで買い物に来てくれていましたが、これからはスーパーマーケットが自動車でお客さんのところまで販売に行くことになります。移動スーパーは店舗にはない販売コストが掛かるため、店舗よりも収益性が低くなります。

スーパーマーケットの立場では、買い物難民が増え、移動スーパーが増えることは、収益性の悪化に繋がります。移動スーパーが増えるということは、店舗で買い物をするお客さんが減るということです。小売業の客数が減少する要因には、業種の垣根を超えた競争、少子化、高齢化社会、人口減少、所得の二極化、ネット通販の拡大などが考えられますが、買い物難民の増加も小売業の客数が減少する要因の一つです。

総合スーパーの業績が低調ですが、これは総合スーパーの品揃え、価格など、小売業の本質的な部分だけに問題があるのではなく、買い物難民とも関係していると思います。高齢者にとって、遠くにある店舗、大きな店舗は買い物がしにくいです。高齢者から見て、遠くにある店舗、大きな店舗は、客数の減少が続くことは避けられません。

買い物難民の増加は社会問題ですが、同時に食品、日用品を販売する小売業のビジネスが難しくなることを意味しています。高齢者の買い物の負担が小さい、コンビニ、ドラッグストア、移動スーパーには買い物難民問題への貢献が期待されています。買い物に負担を抱えている高齢者にとっては、品揃え、価格よりも、買い物の利便性が重要です。

小売業はネット通販の拡大によって、買い物の利便性を強化しなければならなくなっています。さらに、買い物難民問題においても、買い物の利便性が求められます。これまで小売業は品揃え、価格で差別化をして来ましたが、ここに買い物の利便性も加わります。品揃え、価格で優れた店舗であっても、買い物の利便性がない店舗は客数を増やすことが難しく、お客さんの奪い合いがますます激しくなって行きそうです。