非正規雇用の従業員に店舗運営を依存している小売業は人手不足に対応できるか

非正規雇用の従業員に店舗運営を依存している小売業は人手不足に対応できるか

少子化で若年層の人口が減っているため、多くの企業で人手不足が発生しています。小売業は非正規雇用の従業員に店舗を運営を依存していて、人手不足の影響が大きいです。小売業は主婦の女性を非正規雇用の従業員として採用して、店舗数を増やして来ました。女性の社会進出、非婚化により、正社員で働く女性が増えるため、これまでのように、女性を非正規雇用の従業員として採用することができなくなります。

小売業では人手不足の影響が出始めていて、非正規雇用の従業員の採用コスト・時給が上昇したことにより、営業利益率が悪化する企業が増えています。コンビニは深夜の時間帯のアルバイト・パートが不足して、24時間営業の見直しを始めました。非正規雇用の従業員の採用が難しくなると、新規出店ができなくなる、既存店の運営ができなくなる、営業利益率が悪化するなど、小売業には多くの問題が起こります。

企業は人手不足に対応するため、テクノロジーを活用した省人化を進めています。小売業においては、非正規雇用の従業員を多く投入している、商品の補充、レジが省人化の対象です。100円ショップ、コンビニなどの小型店は商品の回転率が高く、商品の補充業務に多くの人員を割り当てる必要があります。省人化はすべての小売業にとって重要なものですが、特に商品の回転率が高い小型店にとって重要です。

レジの省人化では、セルフレジ、セミセルフレジを使う人が増え、一定の効果が見込めそうです。レジ担当者がいない無人レジの開発も行われていて、こちらはさらに大きな効果が期待されています。商品の補充については、今のところこれといったソリューションが出て来ていません。ドローン、自動搬送ロボットなど、省人化の輸送ツールがあるので、これらを店内で利用すれば、省人化の効果が得られるかもしれません。

小売業は店舗の運営を非正規雇用の従業員に依存している

東洋経済は定期的に上場企業のデータを分析する記事を出していて、最近、「非正社員の多い会社トップ500社ランキング」、「非正社員への依存度が高い500社ランキング」という記事がありました。これは上場企業の有価証券報告書に記載されている、正規雇用・非正規雇用の従業員に関するデータを集計・分析したものです。非正社員への依存度とは、全従業員に占める非正規雇用の従業員の割合を計算したものです。

小売業、飲食業、サービス業は非正規雇用の従業員を多く抱えており、小売業、飲食業、サービス業が順当に上位にランクインしています。「非正社員の多い会社トップ500社ランキング」、「非正社員への依存度が高い500社ランキング」の中で、どのような小売業が上位にランクインしているのか、トップ10を調べてみました。

非正規雇用の従業員が多い小売業のランキングトップ10は、イオン(262,958人)、セブン&アイホールディングス(92,808人)、ファーストリテイリング(71,840人)、ユニー・ファミリーマートホールディングス(31,758人)、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(20,516人)、ライフコーポレーション(20,075人)、エイチ・ツー・オーリテイリング(17,792人)、ウエルシアホールディングス(16,455人)、バローホールディングス(15,114人)、アークス(14,470人)となっています。

非正規雇用の従業員数のランキングでは、売上規模の大きな小売業が上位にランクインしています。業種別で見ると、食品、日用品、雑貨など、低単価・在庫回転率の高い商品を販売している小売業が多いです。低単価・在庫回転率の高い商品を販売する店舗では、商品の補充、レジの作業量が多いため、非正規雇用の従業員がたくさん必要です。

小売業では業種、売り場面積、従業員数、商圏が決まると、店舗の売上もおおよそ決まります。一つの店舗の売上が決まれば、従業員一人あたりの売上も決まります。一つの店舗の売上の上限は決まっているので、小売業は売上を増やすために店舗数を増やします。店舗と従業員はセットになっていて、店舗数が増えれば従業員数も一緒に増えます。

小売業の成長戦略は店舗数を増やして、経営効率を高め、売上原価率、販売費及び一般管理費率を下げることです。店舗に必要な従業員数は一定であるため、店舗で発生する人件費の額も一定です。店舗数を増やしても店舗で発生する人件費の額は変わりませんが、売上原価率、販売費及び一般管理費率を下げることで、各店舗の収益性が改善します。

非正規雇用の従業員への依存度が高い小売業のランキングトップ10は、セリア(95.73%)、パレモ・ホールディングス(91.17%)、東武ストア(87.3%)、マックスバリュ東北(86.8%)、ワッツ(86.53%)、藤久(86.21)、西松屋チェーン(85.37)、キャンドゥ(85.12%)、ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(84.95%)となっています。

非正規雇用の従業員への依存度が高い小売業のランキングトップ10には、非正規雇用の従業員が多い小売業のランキングトップ10の企業は入っていません。非正規雇用の従業員が多くても、非正規雇用の従業員への依存度が高いわけではありません。非正規雇用の従業員への依存度は、売上規模ではなく、商品の補充、レジの作業量と関係しています。

100円ショップのセリア、ワッツ、キャンドゥの三社は非正規雇用の従業員への依存度が高く、セリアは95.73%と小売業の中でも突出しています。100円ショップは商品の価格が安い、客数が多い、購入点数が多いといった特徴があります。商品の補充、レジの回数も多くなるので、100円ショップの運営には非正規雇用の従業員が多数必要です。

小型店で在庫回転率の高い商品を販売することは、ローリスクで販売場効率・収益性に優れているとされて来ました。100円ショップ、コンビニは小型店を大量に出店していて、営業利益率も小売業の中では高いです。在庫回転率が高いということは、商品を補充する回数も多いということです。非正規雇用の従業員の採用が難しくなり、時給が上昇すると、在庫回転率の高い小型店は収益性が悪化するリスクがあります。

小売業で働いている非正規雇用の従業員は、学生、主婦が中心です。若い時に正社員で働いていた女性は、結婚や出産のタイミングで退職することが多いです。一度正社員の仕事を辞め、ブランクが開くと、正社員で復帰することが難しくなります。小売業の店舗は自宅の近くにあり、非正規雇用であれば勤務時間も柔軟です。小売業は正社員で働けない女性を非正規雇用で採用することで、店舗数を増やして来ました。

これまで、小売業は非正規雇用の従業員に女性を多く採用できましたが、今後は女性を非正規雇用で採用することが困難になります。少子化で若年層の人口が少なく、正社員で働く女性、結婚・出産をしない女性が増えているためです。非正規雇用の従業員に依存した店舗運営も難しくなるので、小売業は店舗運営方法を見直さなければなりません。

非正規雇用の従業員は商品の補充とレジの業務を担当

小売業は非正規雇用の従業員が多いですが、その理由は、小売業の仕事は付加価値の小さい、単純労働が多いためです。小売業は非正規雇用の従業員が多いというよりは、非正規雇用でしか、従業員を雇えないといった方が適切かもしれません。

非正規雇用の従業員が店舗で担当する業務は、商品の補充、レジ、接客の大きく三つです。商品の補充とレジは非正規雇用の従業員が担当していて、正社員が担当することはほとんどありません。商品の補充、レジは単純労働なので、小売業は人件費の安い非正規雇用の従業員を多数投入したいと考えています。業種によっては、非正規雇用の従業員が接客を行うこともありますが、商品の補充、レジが非正規雇用の従業員の主たる業務です。

小売業には総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストア、ホームセンター、100円ショップ、家電量販店、衣料品店など、様々な業種があります。食品、日用品、雑貨のように、低価格・高在庫回転率の商品を販売する店舗では、従業員が常に商品を補充しています。家具、家電のように、高価格・低在庫回転率の商品を販売する店舗では、従業員が商品を補充しているのを見る機会は少ないです。

単価が安い商品ほどたくさん売れるので、商品を補充する回数も多くなります。従業員一人あたりの作業量に大きな差はないので、商品の補充作業の量が多い店舗ほど、多くの従業員が必要です。小型店は従業員が少なイメージがありますが、商品の補充作業が多いため、従業員の数はイメージほど少なくはありません。

セリアの2018年3月末の従業員数を見ると、従業員(正社員)は407人、臨時雇用者(非正規雇用の従業員)は9,119人です。2018年3月末の直営店の店舗数は1,455店舗です。一店舗あたりの正社員、非正規雇用の従業員の人数を計算すると、正社員は0.3人、非正規雇用の従業員は6.3人となります。セリアの正社員数は店舗数の三分の一となっていて、正社員がいない店舗がたくさんあることになります。

100円ショップはセリアだけでなく、ワッツ、キャンドゥも非正規雇用の従業員の割合が大きいです。100円ショップは商品の回転率が高いため、商品の補充業務が多く、非正規雇用の従業員が多いのは順当です。100円ショップで買い物をしていると、従業員は熱心に商品の補充を行なっていて、忙しそうに働いています。

商品の補充はお客さんに商品を買ってもらうために不可欠なものですが、商品の代金を受け取るレジも、商品の補充と同様に不可欠なものです。レジ業務を担当するのは男性よりも女性が多く、高額商品を販売する店舗を除けば、正社員がレジ業務を行うことはほとんどありません。スーパーマーケット、ディスカウントストアなど、客数・購入点数が多い業種では、レジに非正規雇用の従業員が多数配置されています。

レジではお客さんが購入した商品の会計を行うので、レジと商品の補充は連動しています。商品がよく売れるほど、商品の補充が増え、レジの回数が増えます。100円ショップは商品の回転率が高いため、商品の補充、レジの両方で忙しいということになります。

商品の補充とレジは店舗に不可欠な業務で、どちらも非正規雇用の従業員が行なっています。商品の補充、レジはどちらも重要な業務だと言えますが、商品の補充よりもレジの方がストレスの大きい業務です。商品の補充はお客さんとの接触がありませんが、レジはお客さんとの接触があるので、レジの方が従業員の負担は大きいです。

レジに並ぶお客さんの列が長くなると、レジの担当者は急がなければならないというプレッシャーが大きくなります。また、商品のスキャンを間違えたり、代金・お釣りの受け渡しを間違える可能性もあります。レジ業務をしたくない、できないという人も多く、レジ業務になれるためには一定の時間がかかります。

小売業の店舗では、お客さんに商品を買い物カゴに入れてもらい、レジでお金を受け取ることで売上が生まれます。お客さんが購入する商品を補充している人、お客さんが購入した商品の会計をしている人は、非正規雇用の従業員です。小売業の店舗は非正規雇用の従業員に依存しているというよりは、非正規雇用の従業員が運営しているという方が適切で、非正規雇用の従業員がいなければ店舗を運営できません。

これまでは非正規雇用の従業員を採用することが当たり前でしたが、これからは少子化、女性の社会進出、非婚化などの理由より、非正規雇用の従業員の採用が難しくなります。100円ショップ、コンビニのような小型店舗は、商品の回転率が高く、多くの非正規雇用の従業員を必要とします。コンビニは人手不足の問題が顕在化していますが、100円ショップも、コンビニのように人手不足の問題が出て来るかもしれません。

非正規雇用の従業員への依存度が高い小型店はリスクが大きい

小売業の店舗は少数の正社員、多数の非正規雇用の従業員で運営されています。小売業は既存店を維持するため、新規出店をするため、従業員を採用しなければなりません。今後、非正規雇用の従業員を確保できるかどうかで、小売業の業績は左右されます。非正規雇用の従業員を必要としているのは小売業だけではなく、飲食業、サービス業も同様で、小売業、飲食業、サービス業で非正規雇用の人材の奪い合いは激しくなります。

非正規雇用の従業員の採用が難しくなると、小売業では大きく二つの問題が発生すると考えられます。一つは収益性の悪化で、非正規雇用の従業員の採用コスト・時給が上がれば、小売業の収益性は悪化します。二つ目は店舗運営に関する問題で、非正規雇用の従業員が採用できなくなると、新規出店ができなくなります。また、既存店でも非正規雇用の従業員が不足すると、店舗のサービスレベルが低下してしまいます。

アルバイト・パートの求職者は、自分が希望するエリアで働ける場所を探します。WEBサイト、アプリを使うと、自分が希望するエリアの求人をリスト化することができます。求職者はエリアの求人の労働条件を比較して、条件が一番良い場所に応募します。小売業、飲食業、サービス業は求職者に時給を比較されるので、競合に負けないように時給を高くしなければならず、時給は上昇して行くことになります。

新規のアルバイト・パートの時給を上げる場合、既に雇用しているアルバイト・パートの時給も上げる必要があります。以前であれば、5年、10年働いても、アルバイト・パートの時給が上がらない、上がっても10~20円といったことは普通でした。しかし、人手不足の状況では、新規採用のアルバイト・パートの時給を上げなければならないので、それに合わせて、既に雇用しているアルバイト・パートの時給も上げなくてはなりません。

コンビニは人手不足によって、24時間営業が難しい状況になっています。コンビニは小売業の業務である、商品の補充、レジに加え、様々なサービス業務があります。業務の大変さの割に時給が安く、アルバイト・パートで働く場所としては人気が下がっています。

地域にはコンビニの店舗がたくさんあるため、アルバイト・パートの採用競争は激しいです。コンビニでアルバイト・パートをしたい求職者は、近くに複数の店舗があるので、最も条件の良い店舗で簡単に仕事が得られます。コンビニはアルバイト・パートを採用するために時給を上げる必要がありますが、そうすると、既存のアルバイト・パートの時給も上げる必要があり、時給の上昇で収益性が悪化することは避けられません。

非正規雇用の従業員への依存度が高い小売業は、人手不足により、急速に収益性が悪化する可能性があります。すべての小売業が非正規雇用の従業員へ依存していますが、特に非正規雇用の従業員の割合が大きい業種は影響が大きいです。コンビニ、100円ショップは店舗が小型で、販売効率が良い業種だと考えられて来ました。しかし、非正規雇用の従業員の採用が難しくなると、収益性が悪化するリスクは他の業種よりも大きいです。

小売業が店舗を運営するためには、商品の補充、レジを担当する非正規雇用の従業員が多数必要です。商品を補充する非正規雇用の従業員を増やすことはあっても、減らすことはありません。店舗を運営するにあって、非正規雇用の従業員が減るというのは考えにくいので、時給の上昇に合わせて、小売業の収益性はジワジワと悪化しそうです。

正社員のモチベーションが低下することも、小売業が人手不足で抱える問題です。小売業では少数の正社員と多数の非正規雇用の従業員が働いていて、少数の正社員の給料は、多数の非正規雇用の従業員の労働によって支えられています。正社員は上、非正規雇用の従業員は下という階層構造も、人手不足によって変化が出て来ます。

小売業は非正規雇用の従業員の時給を上げなければならないので、正社員の待遇改善は後回しにされる可能性が高いです。商品の補充、レジを担当する、非正規雇用の従業員がいなければ、店舗は運営できず、正社員の給料も払えません。非正規雇用の従業員の価値が高まるので、相対的に正社員の価値は低下することになります。

食品、日用品、雑貨にように、低価格・高在庫回転率の商品を販売する小売業は、商品の補充、レジに非正規雇用の従業員が多く必要です。コンビニ、100円ショップのように、小型店で低価格・高在庫回転率の商品を販売する手法は、経営効率が良いと考えられて来ました。小型店で低価格・高在庫回転率の商品を販売する場合、非正規雇用の従業員が多数必要ですが、そうした前提条件はあまり話されて来ませんでした。

非正規雇用の従業員が不足する、非正規雇用の従業員の時給が上昇するといったことは、ほとんどの小売業が想定していなかったのではないでしょうか。低価格・高在庫回転率の商品を販売する小売業は、従来の方法では店舗を維持できなくなるかもしれません。

小売業が人手不足に対応する方法は商品の補充・レジの省人化

若い世代の人口が高齢の世代の人口よりも少ないため、高齢者の退職による従業員の減少を、若者の入社による増加で補うことができなくなっています。人手不足は小売業だけの問題ではなく、すべての業種に共通するものです。人手不足を解決する方法は「省人化」で、多くの企業がテクノロジーを活用して、業務の人員を減らそうとしています。

小売業における省人化とは、非正規雇用の従業員が担当している、商品の補充、レジ、接客の人員を減らすことです。接客は店舗イメージの向上、売上アップに繋がる、付加価値のある業務であるため、省人化の優先度は低いです。商品の補充、レジの人員をいかにして減らすかというのが、小売業における省人化の目標です。

レジの省人化については、昔から一部の店舗ではセルフレジが導入されていました。最近はいよいよ人手不足が厳しくなったことで、スーパーマーケットを中心にセルフレジを導入する店舗が増えています。セルフレジを嫌う人も少なくありませんが、セルフレジが好きな人もいます。セルフレジが好きな人は、小売業が特にインセンティブを出さなくても、積極的に利用してくれるので、店舗の省人化に貢献してくれます。

セルフレジはお客さんが自分で商品をスキャンする必要があり、利用のハードルが高いです。商品のスキャンはレジのスタッフが行い、支払いだけをお客さんが精算機を使って行う「セミセルフレジ」は、セルフレジよりも利用されるのではないかと期待されています。小売業の立場では、支払いだけであっても、省人化できるのは嬉しいことです。

セルフレジ、セミセルフレジがさらに進化したものが無人レジです。無人レジはお客さんがスマホアプリを使って自分で商品のスキャン・決済をするもの、店内に設置したカメラと人工知能がお客さんの購入商品を識別して、お客さんがスマホアプリで決済をするものがあります。現在のところ、無人レジは一部の小売業が実証実験を行なっている状況で、全国の店舗で導入されるのはまだ先のことになりそうです。

無人レジは小売業の省人化に貢献しますが、テクノロジーが苦手な高齢者のお客さん、スマートフォンを持たないお客さんに対応できないといったデメリットもあります。技術的に無人レジが実現できたとしても、実際に広く利用されるかは分かりません。

レジはセルフレジ、セミセルフレジ、無人レジと省人化のソリューションがありますが、商品の補充についてはこれといったソリューションがありません。ドローン、自動反訴ロボットなど、輸送ツールが開発されているので、これを商品の補充にも使えば、省人化ができるかもしれません。バックルームから売り場まで商品を運ぶ作業をドローン、自動配送ロボットが行えば、人間は商品を棚に補充する作業に専念できます。

商品の補充業務をバックルームから売り場まで商品を持って来ること、商品を棚に補充することに分けると、バックルームから売り場まで商品を持って来ることの方が、より時間が掛かるのではないかと思います。商品の搬送は体力的な負担も大きいので、女性・高齢者が働きやすい環境を作るためにも、ドローン、自動配送ロボットを使いたいです。

ネット通販で買い物をする人が増えていて、多くのカテゴリが実店舗からネット通販サイトへと流出しています。ネット通販での買い物が増える中、お客さんが実店舗で買い物を続けるのは、食品、日用品など、すぐに消費する商品、価格が安い商品です。食品、日用品がしっかりと在庫されていることは、お客さんが実店舗に期待しているものです。

非正規雇用の従業員の採用が難しくなったことで、小売業は商品の補充業務に問題が出て来るかもしれません。一方で、ネット通販の拡大により、実店舗の在庫の価値が高まり、商品を補充する業務の重要性が高まっています。商品の補充に問題があると、競合店やネット通販サイトにお客さんが流出するきっかけになるため、小売業は非正規雇用の従業員の時給を上げてでも、商品を補充する人員を確保しなければなりません。

商品の補充を省人化することは難しそうですが、レジの省人化は効果を得られると思います。無人レジまでは行かなくても、セルフレジ、セミセルフレジを利用してくれるお客さんが増えれば、レジ業務を削減することができます。また、セルフレジ、セミセルフレジと合わせて、キャッシュレスも進めば、現金管理業務の削減もできます。

女性の社会進出、非婚化、少子化を考慮すると、これまでのように主婦を大量に非正規雇用の従業員として雇用することはできなくなります。小売業は非正規雇用の従業員への依存を減らし、少数の人員で運営可能な店舗オペレーションを確立したいところです。