料理・買い物に時間を掛けない人が増えたことで冷凍食品の市場規模が拡大

料理・買い物に時間を掛けない人が増えたことで冷凍食品の市場規模が拡大

小売業では売れないという話が多いですが、冷凍食品は販売が好調な商品の一つです。日本冷凍食品協会が公表している統計資料によると、家庭向けの冷凍食品の生産量はここ10年間で2割ほど増加しています。冷凍食品はお弁当のおかず、食事のおかず、軽食で消費されますが、近年は特に食事のおかずとして消費されるようになっています。

冷凍食品の市場規模が拡大していることは、料理・買い物に時間を掛けない人が増えたということです。仕事を持つワーキングマザーは料理・買い物に時間を掛けられず、単身世帯は料理・買い物に時間を掛けるモチベーションが小さいです。料理・買い物に時間を掛けないというのは、多くの人が好むライフスタイルになりそうです。

冷凍食品の販売を強化している小売業には、セブンイレブンと業務スーパーがあります。セブンイレブンは既存店の売上を伸ばすためにレイアウトの変更を行っており、新レイアウトでは冷凍食品の売り場を増やしています。業務スーパーは低価格・大容量で、コスパの良い冷凍食品を販売しています。セブンイレブンは高付加価値・高価格、業務スーパーは低価格・大容量を強みにしており、どちらの冷凍食品も人気です。

幅広い食品を販売しているスーパーマーケットにとっては、料理をしない人が増えていること、冷凍食品を購入する人が増えていることは危機的状況です。料理をしない人が増えると、生鮮食品を購入する人が減るため、スーパーマーケットの優位性が失われます。スーパーマーケットは、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアに食品のお客さんを奪われる厳しい状況にあり、冷凍食品でもお客さんの流出が起こりそうです。

家庭向けの冷凍食品の生産量は10年間で20%増加

小売業ではこれが売れているという話を聞くことが少なくなっていますが、冷凍食品は販売が好調な商品の一つです。食品は生活に不可欠な商品であるため、売上が大きく増えたり減ったりすることがなく、近年の冷凍食品の販売好調は注目すべきものです。冷凍食品の市場規模が拡大している要因には、冷凍食品のお客さんのニーズが高まっている、冷凍食品の品質が高まっているなどが考えられます。

冷凍食品がよく売れているというのは、スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアで買い物をしていても分かります。冷凍食品を販売する店舗では、冷凍食品の売り場・ゴンドラが増えています。また、インターネットの記事を見ていても、冷凍食品のおすすめ、売れ筋ランキングを紹介するものが多いです。

冷凍食品市場を分析するにあたって、日本冷凍食品協会が公表している統計資料が参考になります。日本冷凍食品協会が2018年4月26日に発表したデータによると、2017年の冷凍食品国内生量は1,600,968トン(前年比3.0%増)、金額(工場出荷額)は7,180億円(4.5%)となり、冷凍食品の市場規模は安定的に拡大しています。

日本冷凍食品協会のデータでは、冷凍食品は業務用と家庭用に分類されています。2017年の業務用の生産量は949,472トン(前年比3.5%増)、家庭用は651,496トン(前年比2.3%増)です。10年前の2007年と2017年を比較すると、業務用は3.4%減少、家庭用は19.7%増加しており、業務用が減って家庭用が増える傾向にあります。

2017年の冷凍食品の品目別生産量ランキングは、コロッケ(182,166トン)、うどん(157,625トン)、炒飯(84,462トン)、餃子(68,648トン)、ハンバーグ(66,605トン)、カツ(66,168トン)、ピラフ類(53,089トン)、たこ焼き・お好み焼き(47,464トン)と続いています。冷凍食品はお弁当のおかず、食事のおかず、軽食で消費されており、消費シーンがイメージしやすい品目がランキング上位に入っています。

2017年に生産量が増加した品目は、スパゲッティ(前年比13.4%増)、カツ(前年比13.3%増)、炒飯(前年比10.4%増)などです。一方、生産量が減少した品目は、魚類(前年比13.2%減)、たこ焼き・お好み焼き(前年比4.7%減)、うどん(前年比3.2%減)などです。増加した品目は増加幅が大きく、減少した品目は減少幅が小さいです。全体的に生産量が増加した品目が多く、冷凍食品市場は堅調に推移していると言えます。

消費者が冷凍食品に期待するものは、調理が簡単・時間が掛からない、長期間保存できる、セールで安く買える、美味しいといったものです。日本社会に起きている、女性の社会進出、単身世帯の増加、高齢化社会、自動車離れといった変化を考えると、冷凍食品を購入する人が増えているのは順当です。冷凍食品を購入しているのは特定の年齢層・性別だけではなく、多くの人に冷凍食品を購入する動機があります。

冷凍食品の市場規模が拡大する背景には、料理に時間を掛けられない、掛けたくないという価値観・ライフスタイルの変化があるのではないかと思います。仕事を持つ女性は料理に時間を掛けられませんし、単身者は自分のためだけに調理をするモチベーションがありません。料理をできない人、しない人が増えたことで、弁当・惣菜・冷凍食品などの中食市場が拡大しており、こうした傾向はこれからも続いて行きそうです。

冷凍食品の市場規模が拡大する理由として、ネット通販の普及も考えられます。インターネットで冷凍食品を検索すると、ネット通販サイトの冷凍食品特集、冷凍食品のおすすめランキングの記事が多数出てきます。ネット通販サイトで冷凍食品を買うことは、単なる買い物ではなく、エンターテイメント性のあるショッピングです。

実店舗で冷凍食品を見ると、よく知っているメーカーのよく知っている商品しかありません。しかし、ネット通販サイトで冷凍食品を見ると、今まで見たことのないオリジナル商品、コスパに優れた商品、有名飲食チェーン店の商品など、魅力的な商品がたくさんあります。冷凍食品は長期保存ができ、衝動買いをしても無駄にならないので、ネット通販サイトで冷凍食品を購入している人が増えているのではないでしょうか。

料理に時間を掛けられない、掛けたくない人が増えたことによって、冷凍食品は市場規模の拡大が続いています。冷凍食品は昔からある商品ですが、最近は味が良くなったり、コスパが良くなっている印象があります。冷凍食品市場の拡大は、消費者の需要が拡大しただけではなく、メーカーの企業努力もあると思います。

冷凍食品は主に弁当のおかず、食事のおかず、軽食で消費されて来ましたが、今後は特に食事のおかずとしての重要性が高まります。ワーキングマザーがいる世帯、単身世帯では、食事のおかずとして、冷凍食品が週に何度が消費されることが増えると考えられます。弁当・惣菜は冷凍食品の競合商品になりますが、冷凍食品には長期保存できるというメリットがあり、すぐに食べる弁当・惣菜とは消費の仕方が異なります。

セブンイレブンは新レイアウトで冷凍食品の売り場を増やす

冷凍食品の主な購入場所はスーパーマーケットでしたが、スーパーマーケット以外の小売業も冷凍食品を強化しています。コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアでも冷凍食品が買えますし、ホームセンターの一部の店舗でも買えます。店舗の売上・客数を増やすことが難しい中で、冷凍食品は小売業にとって注目のカテゴリの一つです。

コンビニ各社は中食需要を取り込もうとしており、弁当・パン・ホットスナックに加え、惣菜、冷凍食品を強化しています。大手コンビニの中では特にセブンイレブンが冷凍食品の売り場、品揃えを拡大していて、店舗に行くとレイアウトの変更に気が付きます。コンビニ業界は飽和だと言われ、既存店の客数も減少傾向にあります。コンビニ各社は既存店の日販を増やす必要があり、中食需要に対応する冷凍食品への期待は大きいです。

セブンイレブンの決算説明会資料によると、2008年の一店舗あたりの冷凍食品の平均販売額を100とした場合、2018年上期は536と5倍以上に拡大しています。10年の間にセブンイレブンが行った冷凍食品の取り組みには、100円シリーズ発売(餃子・炒飯・グラタン)、商品開発体制強化、具付き麺・ピザ・小龍包発売、平型冷凍ケース導入、惣菜(肉系)・冷凍果実・ミックス野菜発売、新レイアウト冷食売場拡大などがあります。

セブンイレブンは2017年から新レイアウトへの変更を進めていて、新レイアウトの目的の一つは冷凍⾷品の強化です。2018年8月度のデータでは、冷凍食品の全国既存店平均の売上増加率が11.0%であったのに対し、新レイアウト店舗の増加率は39.1%増となっています。新レイアウトの店舗では、冷凍食品を販売するゴンドラの設置数が増え、容量も大きくなっているので、冷凍食品の販売を強化していることがすぐに分かります。

冷凍食品に対する需要が拡大しているため、セブンイレブンが冷凍食品の販売を強化するのは順当です。冷凍食品は単に需要があるだけでなく、セブンイレブンにとって都合の良い商品でもあります。冷凍食品の賞味期限は1~4ヶ月程度と長いため、食品ロスが少なく、商品管理がしやすいです。また、弁当・惣菜・パンなどとセットで購入してもらうことも期待できるので、1回の来店で2食・3食分の商品を販売するチャンスもあります。

弁当・惣菜・パンとセットで冷凍食品を購入してもらうことは、日販を伸ばす最高の戦略ではないかと思います。お客さんはコンビニに利便性を求めていて、すぐに食べる食品、できたての食品を求めています。しかし、お客さん一人あたりのすぐに食べる食品は需要が小さいので、販売数量を伸ばすことが難しいです。冷凍商品はすぐに食べず、ストックして食べる食品であるため、ついで買いで客単価が伸びる可能性は高いです。

セブンイレブンの冷凍食品には、XO醤のうま味極上炒飯(税込300円)、牛カルビ焼き(税込298円)、レンジで牛肉コロッケ(税込192円)、レンジで焼き餃子(税込138円)、小籠包(税込199円)、4種チーズのマルゲリータ(税込498円)、ホットビスケット(税込300円)、ミートソーススパゲッティ(税込213円)などがあります。

セブンイレブンはプライベートブランド「セブンプレミアム」が人気になっていて、高付加価値・高価格の商品がお客さんに評価されています。セブンプレミアムに対するお客さんの良いイメージは、冷凍食品の販売でも強みになります。冷凍食品は美味しさよりも安さ、コスパを訴求していますが、セブンイレブンの冷凍食品は美味しさを訴求することで、他社の商品よりも高価格で販売することができます。

一般的な冷凍食品の購入店舗であるスーパーマーケットと比較すると、コンビニは商圏が狭いです。スーパーマーケットは家族の食品を買いに来る人が多いのに対して、コンビニは自分の食品を買いに来る人が多いです。自分向けの冷凍食品のニーズを刺激できれば、コンビニは新たなマーケットを開拓できるかもしれません。

仕事帰りのお客さんに、お酒と冷凍食品をセットで購入してもらうのは良いアイデアです。仕事帰りにスーパーにふらっと立ち寄ることは面倒くさいですが、コンビニにふらっと立ち寄ることはそれほど面倒くさくはありません。また、コンビニは商圏が狭いため、客数は少なく、お客さんの多くはリピーターです。高付加価値・高価格の冷凍食品をリピーターに効率よく販売できれば、店舗に収益性アップにも繋がります。

コンビニはこれまですぐに食べる食品、できたての食品を販売してきました。から揚げ、コロッケなどのホットスナックは粗利益率が高く、コンビニの利益に貢献する商品です。ホットスナックは今後も有望な商品ではありますが、一度に消費する数量には上限があるため、ホットスナックで客単価を伸ばすことにも上限があります。

ストック型の商品である冷凍食品は、コンビニの客単価を伸ばす重要な商品です。冷凍食品の賞味期限は1~4ヶ月と長いため、まとめて複数個購入してもらえるチャンスがあります。粗利益率の高いホットスナック、購入点数が増えやすい冷凍食品をセットで強化することは、売上・客数アップにも効果的です。冷凍食品のニーズが高まっていることは、飽和状態にあるコンビニにとっては日販を増やす大きなチャンスです。

業務スーパーの低価格・大容量でコスパの良い冷凍食品が人気

神戸物産が運営するスーパーマーケット「業務スーパー」は、低価格・大容量の食品を販売しています。消費者の節約志向が強まっていることもあり、コスパの良い食品を販売する業務スーパーが人気になっています。2018年10月期末の業務スーパーの店舗数は813店舗となっていて、店舗の純増数は33店舗(出店41店舗・退店8店舗)と多いです。

業務スーパーは低価格・大容量の食品が注目されていて、冷凍食品も人気商品の一つです。スーパーマーケットで販売している冷凍食品はナショナルブランドの商品が多く、多くの店舗の品揃えは似ています。業務スーパーはプライベートブランドの冷凍食品を販売しており、他のスーパーマーケットでは買えない個性的な冷凍食品があります。

業務スーパの冷凍食品が人気になる理由は、低価格・大容量の商品が多く、コスパが良いためです。500グラム、1キログラムといった大容量の冷凍食品の品揃えが豊富で、コスパの良い冷凍食品を大量に買うと、よい買い物をしたという満足感も大きいです。

冷凍食品は賞味期限が長く、ストックできる商品であることも、業務スーパーの冷凍食品が人気になっている理由だと思います。コスパが良い商品でも、賞味期限が短ければ、大量に購入することはできません。冷凍食品は長期保存できるので、業務スーパーでコスパの良い商品を見つけると、ついつい大量に購入してしまうというのはありそうです。

スーパーマーケットの冷凍食品の品揃えを見ると、コロッケ、うどん、炒飯、餃子、カツ、から揚げ、たこ焼き・お好み焼きなどが一般的です。業務スーパーでもこのような定番の冷凍食品を販売していますが、他のスーパーマーケットにはない個性的な冷凍食品もあります。冷凍食品というと、お弁当のおかず、食事のおかず、軽食のイメージですが、業務スーパーでは冷凍食品のデザートを多数販売しています。

業務スーパーの冷凍食品のデザートの品揃えを見ると、ずんだ餅、たい焼き、白玉団子、スイートポテト、リッチショコラケーキ、リッチチーズケーキ、スコーン、ベルギーワッフル、チューロスなどがあります。リッチショコラケーキ、リッチチーズケーキは500グラムが299円(税込)で販売されていて、圧倒的な人気商品になっています。

インターネットにどれくらい商品に関するコンテンツが投稿されるかというのは、小売業のブランド価値を測定する方法の一つです。人気のある小売業は、商品のおすすめ・ランキングの記事が書かれ、YouTubeにレビューが投稿され、ソーシャルメディアで言及されます。インターネットで人気の小売業には、セブンイレブン、ユニクロ、しまむら、ニトリ、良品計画、セリアなどがあり、リアルの人気とネットの人気は連動しています。

業務スーパーもインターネットで商品が紹介されることが多く、セブンイレブンと並んで人気があります。「業務スーパー+おすすめ」、「業務スーパー+ランキング」で検索をすると、業務スーパーの商品を紹介する記事・動画がたくさん出て来ます。YouTubeでは業務スーパーで大量に食品を買ってきて、それを食べる、あるいは冷蔵庫に保存する動画が人気で、再生回数が数万・数十万を超える動画がたくさんあります。

インターネットに商品を紹介するコンテンツが多数投稿されていることは、業務スーパーにとっては嬉しいことです。インターネットには小売業の商品を紹介するコンテンツがありますが、食品を販売する小売業では、セブンイレブンと業務スーパーくらいしかありません。業務スーパーのことをあまり知らない人も、インターネットで検索をすると、業務スーパーのコンテンツが多いこと、人気であることに驚くと思います。

業務スーパーの冷凍食品は低価格・大容量でコスパが良いですが、初めて買う人は品質に対する不安があります。インターネットで検索をして、多くの人が購入しているのを見ると、業務スーパーの冷凍食品の品質に対する不安も解消されます。

お客さんの価値観・ライフスタイルの変化によって、冷凍食品の需要が拡大していることは、業務スーパーにとって大きなチャンスです。スーパーマーケット、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアは冷凍食品を販売していますが、品揃えはどこの店舗でも買えるナショナルブランドが中心です。業務スーパーの冷凍食品はオリジナリティがあり、コスパにも優れていて、冷凍食品を販売する他の小売業と差別化できています。

今後も冷凍食品の需要が拡大すれば、多くのお客さんが業務スーパーの存在を知り、買い物にやって来ます。業務スーパーの新規出店数、インターネットでの人気を見ると、冷凍食品の販売数量は伸びそうです。冷凍食品を購入するお客さんは、調理時間を減らすだけではなく、買い物時間、買い物金額も減らしたいです。業務スーパーの低価格・大容量でコスパの良い冷凍食品は、お客さんのニーズにマッチしています。

料理をしない人が増えることはスーパーマーケットには危機的状況

冷凍食品の市場規模が拡大する理由は、料理・買い物に時間を掛けたくないと考える人が増えているからです。また、メーカー・小売業もこうしたニーズを取り込むために、新商品を開発したり、売り場を拡大しています。冷凍食品は弁当・惣菜とともに中食市場に含まれますが、弁当・惣菜はすぐに食べる、冷凍食品はストックしてから食べるというニーズの違いがあり、弁当・惣菜とは競合せずに販売数量が伸びそうです。

冷凍食品の市場規模が拡大することは、食品を販売する小売業の競争にも影響を与えます。食品はスーパーマーケット、コンビニが競争しているところに、ドラッグストア、ディスカウントストアが参入する形になっています。冷凍食品を購入するお客さんが増えることは、スーパーマーケットにとってはネガティブなこと、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアにはポジティブなことではないかと思います。

スーパーマーケットは食品を購入する店舗として長い実績がありますが、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアにお客さんを奪われる状況です。スーパーマーケットにとって残念なことは、料理・買い物に時間を掛けたくないと考える人が増えていることです。料理をしない人が増えると、スーパーマーケットの強みである生鮮食品の価値が下がり、食品を購入する店舗としてのスーパーマーケットの価値も下がります。

コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアは食品を販売していますが、ほとんどの店舗は生鮮食品を販売していません。生鮮食品を販売するノウハウがあることは、スーパーマーケットの強みで、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアが追い付くには時間が掛かると考えられています。しかし、お客さんが生鮮食品そのものを買わなくなれば、スーパーマーケットが持つ生鮮食品の優位性も失われます。

スーパーマーケットは幅広いカテゴリの食品を販売していますが、コンビニ、ドラッグストア、ディスカウントストアにカテゴリを切り取られ始めています。パン・菓子・カップメンなどは、ドラッグストア、ディスカウントストアで購入した方が安いです。お客さんはスーパーマーケットとそれ以外の店舗を使い分けて食品の買い物をしていて、スーパーマーケットの客単価は徐々に減少して行く可能性が高いです。

惣菜はスーパーマーケットに優位性があるものの、コンビニ各社は惣菜の販売を強化しています。これに冷凍食品が加わると、コンビニは惣菜・冷凍食品をセットで購入できる店舗になります。生鮮食品を買わないお客さんは、遠くのスーパーマーケットに行かず、近くのコンビニで惣菜・冷凍食品を買うようになるというのは考えられることです。

冷凍食品市場の拡大で一番売上を伸ばせるのは、ドラッグストアではないかと思います。ドラッグストアはアクセスの良さ、低価格の食品、食品・日用品がセットで買える利便性を武器に、店舗数を増やしています。ドラッグストアはすでに冷凍食品を販売しており、今後、需要が拡大すれば、売り場をさらに拡張することもできそうです。

生鮮食品をどうやって強化するかというのはドラッグストアの課題の一つですが、料理をしない人が増えていることは、ドラッグストアにとって好都合です。ドラッグストアは生鮮食品を販売せず、料理をしない人向けの食品販売に特化するべきではないでしょうか。お客さんはスーパーマーケットとドラッグストアの両方で買い物をしているので、ドラッグストアに生鮮食品があれば嬉しいですが、なくてもそれほど困りません。

コンビニとドラッグストアは食品の販売で競合しつつあります。お客さんにとって、食品を販売している最も身近な店舗はコンビニですが、ドラッグストアも店舗数が増えています。ドラッグストアはコンビニほど近くにあるとは言えませんが、お客さんとの距離は年々近くなっています。ドラッグストアが今後も店舗数を増やして行けば、将来的にはコンビニとドラッグストアを使い分けて食品を買うようになります。

冷凍食品の販売では、コンビニは商品開発力があること、ドラッグストアは売り場面積が大きいことが強みです。弁当・惣菜・パンなどと比べると、冷凍食品は品質の差が認識されにくい商品ではないでしょうか。お客さんが冷凍食品の品質をそれほど重視しない場合は、売り場面積が大きいドラッグスストアで冷凍食品を買う人が多そうです。

料理・買い物に時間を掛けないというのは、価値観・ライフスタイルの大きな変化です。料理をしない人が増えると、スーパーマーケットの生鮮食品の売上が減少します。弁当・惣菜・冷凍食品は昔からある商品ですが、近年、弁当・惣菜・冷凍食品の販売が伸びていることは、料理をしない人が増えていることの証明でもあります。

中食需要の拡大に対して、スーパーマーケット以外の小売業は食品の品揃えを増やしたり、売り場を拡大しています。一方、生鮮食品・弁当・惣菜・冷凍食品すべてを販売して来たスーパーマーケットは、生鮮食品は需要が減る、弁当・惣菜・冷凍食品は競合に流出することになり、対応が難しいです。冷凍食品は弁当・惣菜よりも差別化が難しく、スーパーマーケットがお客さんの流出を食い止めるのは難しいです。