ファミリーマートの店舗に併設したコインランドリー「Famima Laundry」が出店

ファミリーマートのコインランドリー「Famima Laundry」が出店

2018年3月31日、ファミリーマートが運営するコインランドリー「Famima Laundry」が、コンビニの店舗と併設する形で新規出店しています。コンビニは「ファミリーマート市原辰巳台西二丁目店」、コインランドリーは「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」で、お客さんはコンビニとコインランドリーが1箇所で利用できます。

コンビニでは既存店の客数の減少が続くことが問題になっており、ファミリーマートはコンビニの店舗にコインランドリーを併設することで、コンビニの客数を増やそうとしています。ファミリーマートは2018年2月末に公式通販サイト「famima.com」を閉店しており、既存店の客数を増やすため、実店舗へのさらなる投資が増えてきそうです。

コインランドリー1号店「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」

2018年3月31日、ファミリーマートはコンビニとコインランドリーが融合した、新しいタイプの店舗を出店しています。コインランドリーの名前は「Famima Laundry」となっていて、既存店である「ファミリーマート市原辰巳台西二丁目店」に併設する形で、「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」が1号店として出店しています。

「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」は無人店舗、24時間営業、年中無休で、駐車場は「ファミリーマート市原辰巳台西二丁目店」と共有する形になっています。「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」の主な設備は、洗濯機2台、洗濯乾燥機(小)2台、洗濯乾燥機(大)2台、乾燥機(小・2段式)3台、乾燥機(大)2台、スニーカーランドリー1台、集中精算機1台、ベンチ4台、整理台7台です。

「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」は「ファミリーマート市原辰巳台西二丁目店」と併設しており、お客さんは「ファミリーマート市原辰巳台西二丁目店」のイートインスペースを利用することができます。洗濯が終わるまでお客さんにどうやって過ごしてもらうかは、コインランドリーにとっても重要な買い物体験の一部ですが、ファミリーマートのイートインスペースは待ち時間を過ごす場所として悪くありません。

コインランドリーが週末によく利用されていて、家族連れでの利用も多いことを考えると、コインランドリーとファミリーマートのイートインスペースの相性は良さそうです。午前中にコインランドリーに来たお客さんがファミリーマートのイートインスペースで昼食を食べたり、午後に来たお客さんが、おやつを食べたり、軽食を食べたりなど、家族連れ向けにまとめた数量の食べ物が売れるのではないでしょうか。

お客さんはスマートフォンを使って、「Famima Laundry市原辰巳台西二丁目店」の洗濯機、洗濯乾燥機、乾燥機の1台ごとの稼働状況や予定終了時間を確認できるようになっています。現在、コインランドリーの利用者が増えているため、利用するにあたって混雑状況が心配ですが、混雑を避ける工夫がされているのはありがたいです。

様々なモノがインターネットに接続される「モノのインターネット(IoT)」は、これから多くの店舗で導入されるようになる技術です。店舗に行く前に混雑状況が分かる、在庫の状況が分かるといった仕組みがあれば、お店側はお客さんに迷惑を掛けたり、不満を持たれたりする可能性を減らせるので、お店のイメージアップにも繋がります。

フィットネスジムとコインランドリーでコンビニの集客力アップ

ファミリーマートは2018年2月14日、コンビニと併設する形で、24時間営業のフィットネスジム「Fit&GO」の1号店として、「Fit&GO大田長原店」をオープンしています。1階がファミリーマートのコンビニ、2階がフィットネスジムなっていて、一つの店舗で買い物とフィットネスジムの利用ができる利便性がアピールポイントです。

一般的に、フィットネスジムはアクセスの良い駅前、お客さんの多い商業施設の中にあることが多く、気軽に立ち寄れる場所にはありません。ファミリーマートは気軽に立ち寄れるコンビニにフィットネスジムを併設することで、お客さんに利便性を提供するとともに、コンビニとフィットネスジムのシナジー効果も期待しています。

ファミリーマートはコンビニとフィットネスジムが併設した店舗、コンビニとコインランドリーが併設した店舗を続けて出店しています。フィットネスジムは少子高齢化社会が進む中で、健康意識の高いお客さんのニーズがあり、コインランドリーは女性の社会進出が進む中で、家事に掛ける時間を減らしたいお客さんのニーズがあります。

ファミリーマートがフィットネスジムとコインランドリーを始める理由は、それぞれのサービスにニーズがあるだけでなく、コンビニの集客力を高める狙いもあります。フィットネスジム、コインランドリーに行くことが、同時にファミリーマートに行くことにもなり、ついで買い、イートインスペースの利用により売上増も見込めます。

ファミリーマートは既存店の客数を増やしたいですが、コンビニの店内を改良する方法では、お客さんを呼び込むことが難しい状況になっています。お客さんは身近にあるコンビニを利用することが多いので、例えば、安くて美味しい価値のある商品を開発したとしても、お客さんを遠くから呼び寄せる効果は期待しにくいです。

フィットネスジムとコインランドリーは、それ自体が出掛ける目的になり、お客さんは遠方から自動車や交通機関を使って店舗にやってきます。フィットネスジムとコインランドリーは、コンビニよりも広い商圏を持っているため、ファミリーマートの店舗と併設することによって、ファミリーマートのコンビニ店舗の商圏も拡大します。

既存店の客数を伸ばすためにはコンビニ以外の新しい価値が必要

日本フランチャイズチェーン協会が発表しているデータによると、コンビニの既存店は2018年2月まで24ヶ月連続で既存店の客数が前年割れになっています。ファミリーマートの既存店の客数も減少していて、2017年3月から2018年2月の12ヶ月間のうち、既存店の客数が前年を上回ったのはわずかに1ヶ月しかありません。

コンビニの既存店の客数が減少する要因には、食品を低価格で販売するドラッグストア、便利に買い物ができるネットショップの影響が挙げられます。コンビニは食品のオリジナリティ、品質ではドラッグストア、ネットショップよりも優れていますが、お客さんは価格や利便性を求めるようになり、コンビニの商品が評価されにくくなっています。

日本では少子高齢化が進んでいて、小売業のビジネスにも影響を与えていますが、コンビニは特に少子高齢化の影響を大きく受けます。小売業の既存店の客数が減少する最も大きな理由は、日本の人口が減少しているからだと考えてよいです。

コンビニは小売業の中でも売り場面積が小さく、集客力が弱いため、商圏の人口が減少すると、客数も一緒に減少してしまいます。既存店の客数の減少はファミリーマートだけではなく、セブンイレブン、ローソンにも共通しており、小さな商圏でビジネスを行うコンビニは、少子高齢化、人口の減少を受けやすいと言えます。

小さな商圏でビジネスを行うコンビニが既存店の客数を増やすには、本質的なコンビニとしての価値だけではなく、まったく新しい別の価値を生み出すことが効果的です。コンビニは価値のあるプライベートブランドがよく知られていますが、コンビニは店舗数が多く、同じチェーン店であれば品揃えに違いがないため、特定の商品を買うために遠方の店舗に出かけるということは起こりにくいです。

ファミリーマートが開始した、フィットネスジム併設店舗、コインランドリー併設店舗は、これまでのコンビニにはない新しい価値です。フィットネスジム、コインランドリーはお客さんの来店目的になり、併設するコンビニの商圏も広がるので、既存店の客数増加を狙った併設店舗の出店はこれからも続くのではないかと思います。

ファミリーマートは「famima.com」を閉店して実店舗へ集中

ファミリーマートは公式通販サイト「famima.com」を運営していましたが、2018年2月28日に商品販売、予約受付を終了して、閉店しています。「famima.com」ではアイドルグッズ、キャラクターグッズ、ファミチキなどの食品を販売していたのですが、品揃えは少なく、魅力的なネットショップとは言えない状態でした。

ネットショッピングには商圏がないため、すべてのネットショップがAmazon、楽天、ZOZOTOWNのような大規模店舗と競合します。大手小売業のファミリーマートが運営するネットショップであっても、豊富な品揃え、優れた買い物体験を提供することは難しく、「famima.com」の閉店もそれほど話題にはなりませんでした。

セブン&アイホールディングスは総合通販サイト「オムニ7」、ローソンはネットスーパー「ローソンフレッシュ」を運営しています。ファミリーマートはセブン&アイホールディングス、ローソンがネットショップを運営している中で、「famima.com」を閉店しており、今後、コンビニ各社でデジタルマーケティングに違いが出てきそうです。

「オムニ7」では購入した商品の一部をセブンイレブンの店舗で受け取ることができますが、これはお客さんにとって便利なだけでなく、セブンイレブンに送客する効果もあります。コンビニは実店舗とネットショップを融合させたオムニチャネルを構築して、お客さんに優れた買い物体験を提供できると考えられているのですが、ファミリーマートが「famima.com」を閉鎖したことは、少しショッキングな出来事でもあります。

ファミリーマートが「famima.com」を閉鎖したこと、フィットネスジム併設店舗、コインランドリー併設店舗を出店したことは、ファミリーマートの戦略が実店舗重視であることを意味しています。小売業はネットショップを有効活用したいところですが、実際にうまく活用できている企業は多くはなく、ファミリーマートも「famima.com」を有効活用することができず、閉店に至ったと考えられます。

ファミリーマートの強みは質の高いプライベートブランドを販売していること、アクセスの良い立地にあることで、他の小売業にはない強みを持っています。フィットネスジム併設店舗、コインランドリー併設店舗はコンビニの集客力アップに繋がり、プライベートブランドがさらに売れるチャンスを増やしてくれます。