お客さんはドラッグストアでどのように買い物をしているのか

お客さんはドラッグストアでどのように買い物をしているのか

人材サービス企業のソフトブレーン・フィールドが行った、ドラッグストアに関するインターネットリサーチ、レシート分析の調査発表があります。売上規模の大きなドラッグストアチェーンで買い物をしているお客さんが多く、購入しているカテゴリは日用雑貨と食品の割合が大きく、医薬品、美容・健康がそれに続く形になっています。

お客さんが購入している食品の詳細を見ると、菓子類が圧倒的な人気商品ですが、一般食品(お米・加工・インスタント食品・調味料)、水・清涼飲料水、日配品(牛乳・乳製品・卵・豆腐など)、弁当・惣菜・パンなど、様々な食品を購入しています。お客さんはドラッグストアに対して、価格の安さ、食品・日用雑貨の豊富な品揃えを求めており、食品スーパーの代替えとして、時間を掛けずに買い物をしたいニーズが伺えます。

お客さんが利用するドラッグストアチェーン店と購入カテゴリ

もっともよく利用するドラッグストアは、マツモトキヨシ(15.6%)、サンドラッグ(15.5%)、ウエルシア(10.1%)、ツルハドラッグ(6.9%)、クリエイトSD(6.6%)となっています。ドラッグストアは地域でドミナント出店をしているため、近くにチェーン店がないことも少なくないですが、売上高の大きなチェーン店が上位に来ています。

その他という回答が27.0%もあり、トップのマツモトキヨシよりも大きく、ドラッグストアの競争が激しいことを表しています。ローカルのドラッグストアも多数あり、品揃えや価格で大企業に劣る点があっても、依然としてお客さんに必要とされています。

お客さんはドラッグストアで多くのカテゴリを購入していますが、日用雑貨と食品が2大人気カテゴリになっています。日用雑貨と食品を合計した構成比が最も大きいのがクリエイトSDの63.4%(日用雑貨27.2%、食品36.2%)で、構成比が最も小さいのがマツモトキヨシの48.6%(日用雑貨35.6%、食品13.0%)となっています。

日用雑貨の構成比が最も大きいのはツルハドラッグの40.4%、最も小さいのはクリエイトSDの27.2%で、その差は13.2%あります。食品の構成比が最も大きいのはクリエイトSDの36.2%、最も小さいのはマツモトキヨシの13.0%で、その差は23.2%となっており、食品は各チェーン店で力の入れ方が異なっていることが分かります。

ドラッグストアと聞くと医薬品をイメージしますが、買い物全体に占める構成比は日用雑貨、食品ほど大きくはありません。医薬品の構成比が最も大きいのはマツモトキヨシの24.3%、最も小さいのはクリエイトSDの7.8%となっています。

ドラッグストアは医薬品の販売で得た利益を原資にして、日用雑貨、食品の安売りを行っているとされています。高齢化社会の日本では医薬品の需要が増える可能性が高いため、ドラッグストアの日用雑貨、食品の安売りはこれからも拡大して行きそうです。

食品カテゴリではお菓子を筆頭に様々な商品を購入している

ドラッグストアで購入している食品の詳細を見ると、菓子類が85.1%でトップとなっていて、他の食品と比較して突出しています。菓子類はナショナルブランドがお客さんによく知られていますから、総合スーパー、食品スーパーと価格を比較しながら、ドラッグストアでも菓子類を購入しているのではないかと考えられます。

ドラッグストアで菓子類が購入されている理由としては、若い世代のお客さんが多いこと、女性のお客さんが多いこともありそうです。中学生や高校生が菓子類だけを買うために、ドラッグストアに立ち寄るといったこともあるのではないでしょうか。

菓子類に続くのは、一般食品(お米・加工・インスタント食品・調味料)の54.1%、水・清涼飲料水の53.9%、日配品(牛乳・乳製品・卵・豆腐など)の52.5%、弁当・惣菜・パンの36.9%となっています。生鮮食品(精肉・魚・野菜など)は11.1%と低い数字ですが、これは生鮮食品を販売している店舗が少ないからだと考えられます。

その他、酒類は23.7%、冷凍食品は23.4%、健康補助食品(サプリメント・ダイエット食品など)は22.4%と、様々な食品が幅広く購入されています。酒類、冷凍食品はお気に入りのナショナルブランドを指名買いすることが多いため、ドラッグストアの酒類、冷凍食品の価格がさらに安くなれば、購入するお客さんも増えるはずです。

ドラッグストアの食品カテゴリで注目する点は、生鮮食品の売上を伸ばすことができるかどうかです。生鮮食品は調達、管理が難しい商品ではありますが、お客さんからのニーズがあり、生鮮食品を取り扱うドラッグストアが増えてきています。

お客さんの立場からすると、ドラッグストアが品質の良い生鮮食品を販売できるのかという不安はありますが、買い物に多くの時間を掛けたくないという希望もあります。ドラッグストア1店舗だけで生鮮食品、加工食品、日用雑貨が買えるようになれば、生鮮食品の品質よりも、買い物時間の短縮を優先するお客さんもいると思います。

食品目的で来店したお客さんは食品以外の商品をついで買いする

食品のみの購入目的でドラッグストアに来店したことがありますかという問いに対して、あるが70.6%、ないが29.4%となっています。食品と日用雑貨が一つのお店で買えることがドラッグストアの強みですが、日用雑貨を購入しない場合であっても、お客さんに買い物に来てもらえるだけの食品の魅力があることになります。

生鮮食品は買えない店が多いものの、一般食品(お米・加工・インスタント食品・調味料)、水・清涼飲料水、日配品(牛乳・乳製品・卵・豆腐など)、弁当・惣菜・パン、酒類、冷凍食品、健康補助食品(サプリメント・ダイエット食品など)と、食品の品揃えは幅広いです。一人暮らしをしていて自炊をしない人の中には、ドラッグストアだけで必要な食品をすべて購入できるという人もいるのではないでしょうか。

食品のみの購入目的でドラッグストアに来店し、他のものをついで買いしたことがありますかという問いには、あるが82.1%、ないが14.0%、わからないが3.9%となっています。ドラッグストアは日用雑貨、食品、医薬品、美容・健康、飲料、酒と幅広いカテゴリを扱っているため、ついで買い、衝動買いが発生することもよくあります。

ついで買いのきっかけは、特売をしていたから(71.3%)で、ストックがないことを思い出したから(30.6%)、目についたから(15.1%)、店内のPOPや販促物が気になったから(15.0%)、などの意見があります。ドラッグストアに買い物にくるお客さんは、食品、日用雑貨を安く買おうとしている人が多いですから、特売との相性は良いです。

ドラッグストアが売上を伸ばすためには、食品の品揃え、価格の魅力を高めて、日用雑貨と合わせて購入点数を増やすやり方が良いです。忙しいので買い物に時間を掛けたくない、一人暮らしなので必要な食品は多くないといった理由で、ドラッグストアが食品の購入場所として、一番に選ばれているケースも増えていると思います。

共働き世帯が増える、単身世帯が増えるといった社会変化は続いていくため、食品と日用雑貨が一度に買えるドラッグストアの利用者はさらに増えるはずです。ドラッグストアの新規出店は順調に行われているため、自宅の近くに新しく店舗ができれば、ドラッグストアへのアクセスも一気に良くなり、買い物時間が短縮されます。

お客さんはドラッグストアに価格の安さと品揃えを求めている

今後ドラッグストアに何を求めるかという問いについては、価格の安さ(70.1%)、スーパーのような食品・日用雑貨などの品揃え(41.1%)、医薬品の品揃え(31.5%)、営業時間の延長(20.1%)、プライベートブランドの充実(16.2%)、健康や薬の相談ができる(13.7%)、などの回答があります。食品・日用雑貨に関するものと、健康に関するものの2つに大別でき、お客さんがドラッグストアに求めているものは明確です。

医薬品はドラッグストア以外のお店で買う理由が特にないため、今後もドラッグストアは医薬品で集客することができそうです。食品・日用雑貨に関しては、スーパー、コンビニに劣っている部分があるため、食品・日用雑貨の価格・品揃えを強化することで、食品・日用雑貨・医薬品をワンストップで買える便利なお店になれます。

お客さんはドラッグストアに価格の安さを求めていますが、食品・日用雑貨の価格はさらに下がる余地があるのではないかと思います。ドラッグストアの店舗は順調に増えているため、規模の拡大、効率化によって、さらなるコスト削減が期待できます。

食品・日用雑貨などの品揃えについては、売り場面積と地域のニーズを踏まえて、それぞれの商圏に合った品揃えを提供することがベストです。単身者は同じ買い物行動を繰り返すことが多いため、若い世代・高齢者世代の単身者をターゲットにして、品揃えを最適化すれば、お店の売上も安定するのではないでしょうか。

プライベートブランドの充実もドラッグストアに期待されていることの一つですが、これからどのような商品が登場してくるのか注目です。コンビニは有名メーカーと共同でプライベートブランドを開発していますが、ドラッグストアもコンビニと同じようにプライベートブランドを開発して、成功を収めることができると思います。

ドラッグストアがコンビニのようなプライベートブランドを販売している姿を、今すぐにイメージすることは難しいですが、10年後、20年後はどうなっているか分かりません。ドラッグストアは他の小売業にはない健康的なイメージを持っているため、健康に関連した高付加価値のプライベートブランドがヒットする可能性があります。