カメラと人工知能を使った無人レジを開発しているサインポスト

カメラと人工知能を使った無人レジを開発しているサインポスト

無人レジ「ワンダーレジ」と「スーパーワンダーレジ」を開発している、サインポストの社長のインタビュー記事があります。米Amazonの無人コンビニ「Amazon Go」の注目度が高いですが、サインポストが開発している「スーパーワンダーレジ」も、カメラと人工知能を活用することで、無人レジを実現するソリューションです。

小売業は無人レジを導入することで、レジ業務の簡素化による人件費削減、レジの待ち時間減少による買い物体験の改善効果が期待できます。日本では少子高齢化が社会問題として認識されるようになっていて、お客さんの負担が増える施策も受け入れられやすく、小売業は最新のテクノロジーを導入して変革を行なうチャンスを迎えています。

カメラで買い物行動を認識する無人レジ「スーパーワンダーレジ」

サインポストは2007年に創業した企業で、金融機関、行政機関向けのシステム開発のコンサルティング事業を行っています。また、サインポストは小売業向けに、無人レジ「ワンダーレジ」と「スーパーワンダーレジ」を開発しており、小売業のニュースを見ていても、サインポストの名前を目にすることが増えています。

「ワンダーレジ」と「スーパーワンダーレジ」はカメラと人工知能を活用して、レジの無人化を実現するソリューションです。「ワンダーレジ」と「スーパーワンダーレジ」がどの小売業に導入され、どのような効果をもたらすのかは気になるところです。

サインポストは2017年11月に、JR東日本の大宮駅におにぎりや飲料、菓子などを陳列したコンビニタイプの店舗を用意して、「スーパーワンダーレジ」を使った無人店舗の実証実験を行っています。「スーパーワンダーレジ」を導入した店舗では、天井と商品棚にカメラが設置されていて、お客さんの店内での買い物行動をカメラと人工知能で認識することで、誰がどの商品を買ったのかを記録するシステムになっています。

店内にカメラを設置してお客さんの買い物行動を認識、記録する「スーパーワンダーレジ」の仕組みは、米Amazonの無人コンビニ「Amazon Go」と似ています。「Amazon Go」では会計をするためにAmazonのアプリを使って入店(ログイン)する必要がありますが、「スーパーワンダーレジ」はアプリを必要とせず、「Suica」など、様々な電子マネーを使って買い物ができるようになっています。

「スーパーワンダーレジ」を導入することによって、レジの人件費の削減、お客さんのレジ待ち時間の削減の両方が実現できます。レジの人件費の削減は効果が分かりやすいですが、レジの待ち時間が減ることで店舗の買い物体験が改善され、レジからの離脱が減る、お客さんの来店回数が増えるといった、売上アップへの効果もあります。

また、どの順番で商品を手に取ったのか、手に取ったけど買わなかった商品は何かなど、お客さんの買い物行動を認識することができます。お客さんの買い物行動データを陳列替え、在庫数量の変更、POPの作成などの店舗業務に活用することで、お客さんの買い物体験の改善とお店の売上アップが期待できます。

コンビニの人手不足を解決するための無人レジ「ワンダーレジ」

サインポストは無人レジ「スーパーワンダーレジ」とは別に、より機能がシンプルな無人レジ「ワンダーレジ」を開発しています。「ワンダーレジ」はコンビニの人手不足解消を解決することを目的に開発された無人レジで、コンビニのレジ業務を無人化することで、従業員の労力を他の業務に割り振ろうとするものです。

「ワンダーレジ」は50~60センチ四方の箱形のレジで、箱の中に商品を置くと、カメラと人工知能を使って商品を一括で認識して合計金額を表示します。「ワンダーレジ」には事前に商品の画像が登録されていて、カメラで撮影した商品の画像と事前に登録されている商品の画像を比較して、それがどの商品なのかを識別する仕組みです。

「ワンダーレジ」の特徴は、導入にあたってレジ以外への投資、作業が必要なく、導入コストが安いことです。また、「ワンダーレジ」は既存のPOSシステムにも繋ぐことが可能ということなので、中小規模の小売業でも導入があるかもしれません。

既存のレジとは別に「ワンダーレジ」を設置することで、セルフレジとして使ってもらうやり方はよさそうです。購入点数が少ないお客さんは、有人レジに並ぶことなく無人レジの「ワンダーレジ」で決済をしてもらえれば、店内の混雑解消に効果的です。

コンビニの仕事には次々に新しい業務が追加されていて、コンビニでアルバイト・パートをするのは大変だと考えられるようになっています。コンビニが人材を採用するためには、業務負担を軽くして、誰でも働けるような環境にしたいところです。

レジで商品をスキャンする作業も、高齢者にとっては体力のいる大変な業務で、高齢者がコンビニで働くことを躊躇する要因になっています。カメラと人工知能を使って一括で商品を識別する「ワンダーレジ」のような仕組みがあれば、コンビニのレジ業務は従業員にとって負担の小さいものになり、より働きやすい店舗になることができます。

「ワンダーレジ」はどのようなお店で活躍することができるか

商品に値札を付けることが難しい商品を販売している店舗では、「ワンダーレジ」が効果的です。例えば、パン屋では商品に値札を付けることが難しいため、レジの従業員に商品と価格を覚えてもらい、従業員の記憶力を使ってレジ業務を行っています。

カメラと人工知能を使った「ワンダーレジ」があれば、レジの従業員は商品と価格を記憶する必要がなくなります。レジの従業員はレジ業務から開放され、パンの包装業務に集中することで、ミスが減ったり、お客さんへの印象が良くなることが期待できます。

お客さんが自分で商品をカスタマイズするセルフタイプの飲食店では、「ワンダーレジ」が有効です。例えば、うどんチェーン店では、お客さんが各自で食べたいてんぷらをお皿に乗せて、最後にレジで会計をするレーン式の店舗があります。

レジの従業員はお客さんのお皿を確認しながらレジ業務を行うので、昼食時など混雑する時間帯では、お客さんの流れが遅くなってしまうことがあります。「ワンダーレジ」があればお客さんのお皿を確認する作業が減り、お客さんの流れがより早くなるので、待ち時間の少ない利用しやすいお店になることができます。

「ワンダーレジ」を個別の店舗、個別の業務に実際に導入しているところをイメージしてみると、レジ業務が簡素化されること、レジの待ち時間が解消されることのメリットは大きいです。労働者はレジ業務が大変なお店ではアルバイト・パートをしたくはありませんし、お客さんはレジの待ち時間が長いお店を利用したくはありません。

レジ業務が簡素化されることによって、余力が生まれた従業員が別の業務を行なうことができる点もポイントです。接客を丁寧に行なう、お店の掃除を丁寧に行なうなど、従業員に余力が生まれると、店舗全体のクオリティアップにも繋がります。

小売業はテクノロジーの導入で生産性を高めて利益を増やせる

毎日ニュースを読んでいると、何かしら人口減少に関連した話題を目にすることが多くなっています。人手不足で採用が難しい、少子高齢化が進んで社会保障が危機、人口が減少して地方の市町村が消滅するといった、ネガティブなものがほとんどです。

少子高齢化で人口が減少していることは社会問題として認識されていて、多くの人に知られるようになっています。少子高齢化によって発生する問題を解決するために、みんなで協力して行こうとする機運が高まってきているように感じます。

小売業では人手不足が問題になっていますが、アルバイト・パートの採用が難しいことは、大きな変革を行なうチャンスでもあります。小売業がお客さんの負担が増える施策を実施した場合でも、人手不足だから仕方がないと考える人が増えていて、お客さんへの負担の増加を受け入れられてもらいやすい社会環境になっています。

セルフレジは昔から存在していましたが、人手不足の問題が大きくなったことで、ここ数年はセルフレジの導入が拡大しています。セルフレジを導入する店舗が増えている事実は、店舗に協力的なお客さんが増えていることを証明しています。

小売業は最新のテクノロジーを導入することで、体力に不安のある高齢者でも働ける店舗、少人数でも運営できる店舗にしたいところです。また、お客さんに対して過剰サービスになっているものは、人手不足を理由に廃止するチャンスを迎えています。

人口の減少が続く日本の将来を考えると、長期に渡って客数の増加を期待することは難しいです。しかし、小売業の店舗業務には非効率なものが多く、店舗の生産性を高めることで、高収益の店舗に生まれ変わることができると思います。