セブンイレブンのヒット商品「セブンカフェ」がリニューアル

セブンイレブンのヒット商品「セブンカフェ」がリニューアル

セブンイレブンのコーヒー「セブンカフェ」は大人気商品になっていますが、3月上旬より大幅なリニューアルが行われる予定です。セブンカフェは2013年1月の販売以降、2018年2月の時点で累計販売数39億杯を達成しており、年間11億杯が販売目標です。

セブンカフェと一緒に購入してもらうドーナツも販売されていますが、こちらはヒット商品になることができず、セブンカフェと一緒に購入してもらう新メニューも欲しいところです。セブンカフェはお客さんにコーヒーマシンを操作して、コーヒーを注いでもらう販売方法ですが、アルバイト・パートの採用が難しい状況を考えると、お客さんに調理してもらうスタイルの商品が今後増えてくるのではないかと思います。

価格は据え置きで豆を1割増量することでコーヒーの質を改良

セブンイレブンのコーヒー「セブンカフェ」は2013年1月より販売がスタートしていますが、今回、初めて大幅なリニューアルが行われます。リニューアルのポイントは大きく3つで、豆の使用量を1割増量したこと、焙煎の方法を2種類から3種類の変更したこと、マシンの総抽出時間45秒は変えずに、蒸らす工程の時間を延長したことです。

価格はこれまで通り100円(税込み)から変更がないので、コーヒーの品質の改良により、お客さんの満足度を高める狙いがあります。原価率を高めてでも、コーヒーの品質を改良しようとすることには、セブンイレブンのコーヒーへの意欲を見ることができます。

お客さんの立場で食べ物のリニューアルと聞いて一番嬉しいのは、量が増えることではないでしょうか。価格が変わらずに量だけが増えると、これまでと同じ価格で多くの量を食べられるようになるので、ほとんどのお客さんが満足感を得られます。

今回、コーヒー豆は増量されていますが、コーヒーの量には変化がないので、お客さんは増量で満足感を得ることはありません。コーヒーの味が変わることでお客さん離れが起こる可能性もあるので、単に量を増やすよりもリスクのあるリニューアルです。

セブンイレブンのコーヒーは老若男女、すべてのお客さんに支持されているということですが、個人的な印象では中高年の男性が多い気がします。自動車で来店するお客さんが多いロードサイドの店舗では、営業のサラリーマン、トラックドライバー、建設作業員、近所に住んでいる高齢者のお客さんがコーヒーを買っている姿をよく見かけます。

コーヒーの豆を増量する狙いは、より本格的なコーヒーを求めるお客さんのニーズの変化に対応したものです。濃いコーヒーを好むのは中高年の男性のイメージがありますから、セブンカフェは中高年の男性のお客さんを重視しているのではないかと思います。

セブンカフェは累計で39億杯を販売していてリピーターも多い

セブンカフェは2018年2月で累計販売数が39億杯となり、19年2月期は11億杯を販売して、累計販売数50億杯を目標にしています。コーヒーの販売数が1日1店舗で平均130杯とのことで、1日の来店者数を1,000人程度とすると、購入率は約13%になります。

コンビニ各社がコーヒーの販売を開始した時には、スターバックス、ドトールなど、既存のカフェとの競合も話題になりましたが、そうした影響は特にないようです。低価格で充分な品質のコーヒーを、簡単に立ち寄れるアクセスの良いコンビニで販売することで、新しいコーヒーのマーケットを開拓することに成功しています。

セブンカフェはセブンイレブンにとって重要な商品の一つで、タバコを除けば、最もリピート率の高い商品になっています。セブンイレブンを利用していると、自動車で来店して、コーヒーだけを買ってお店を出るお客さんもよく見かけます。

コンビニは既存店の客数減少が問題になっていますから、お客さんに目的買いをしてもらえる、集客力のある商品を増やしたいところです。セブンカフェをリニューアルすることで、既存のお客さんの飽きを防ぐことが出来ますし、ローソン、ファミリーマートでコーヒーを買っているお客さんの関心を誘うこともできます。

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの3社は新規出店を続けていて、各チェーン店が競合する商圏が増えています。少子高齢化が進めば、暮らしやすいエリアに人口が集まることになるので、それに合わせてコンビニの店舗も同じエリアに集まります。

複数のチェーン店に簡単にアクセスできるような立地では、コーヒーの品質の差が集客力の差になることも考えられます。今後も狭い商圏で各チェーン店が競合することが増えますから、商品でライバルチェーン店に負けないことが重要になりそうです。

セブンカフェとセットで購入してもらうメニューの開発が課題

セブンイレブンはコーヒーと一緒に買ってもらうドーナツを開発しましたが、こちらは成功しているとは言えない状況です。多くの人がコーヒーとドーナツは相性が良いはずだと考えたのですが、実際にコーヒーとドーナツをセットで買う人は多くはないようです。

セブンイレブンは2016年の11月にドーナツの全面リニューアルを行なっていますが、それ以降も特に大きな話題になることはありません。最初はカウンターで販売されていたドーナツは、パン売り場に移動になり、売り場から外されているお店もあります。

売れていないのはセブンイレブンのドーナツだけではなく、ミスタードーナツも売上が減少していますし、クリスピー・クリーム・ドーナツも数年前に大量の閉店を行なっています。ミスタードーナツは全店の約4割の店舗でドーナツの店内調理を止める予定で、昨年の11月からは軽食メニューの「ミスドゴハン」の販売を始めています。

ドーナツは誰もが好む商品というイメージがありますが、お客さんのニーズは変化していて、ドーナツ自体の人気がなくなって来ていると言えます。セブンイレブンへは簡単に買い物にいけますし、ドーナツの価格や品質に大きな問題があったわけでもないので、お客さんのドーナツのニーズがそれほどないと考えるのが自然です。

セブンカフェとドーナツのセット販売は成功しませんでしたが、人気商品のセブンカフェとセットで販売できる商品の開発は続くと思います。コーヒーが100円(税込み)というお得感のある価格ですから、セットで購入する食べ物の予算は充分にあります。

コーヒーのセットと聞くと甘いスイーツをイメージしますが、午後の時間帯の小腹を満たす軽食メニューは良いのではないでしょうか。ミスタードーナツの「ミスドゴハン」では、170円から270円くらいの価格帯で、パイ、トースト、ホットドッグを販売していますが、これらの商品はセブンイレブンでも売れそうです。

調理ロボットがホットスナックを調理するようになれば儲かる

セブンカフェがヒット商品になった理由の一つとして、お客さんが自分でコーヒーマシンを操作する買い物方法もあると思います。ファミリーレストランのドリンクバーでは自分で飲み物を注ぎますが、コンビニで自分で飲み物を注ぐことには新しさがあります。

レジが混雑している時でも、自分でコーヒーを買うことができるので、せっかちなお客さんには好まれます。セルフレジの利用に関するアンケート調査を見ても、自分でやることで待ち時間が短縮できるのであれば、自分でやりたいと考える人も少なくありません。

人手不足でアルバイト・パートの採用が難しくなっていて、コンビニを含めて、小売業では高齢者や外国人の店員が増えています。高齢者は体力的な問題、外国人は言葉や文化の違いの問題があり、若い日本人の店員と同じような働き方を求めることが難しいです。

高齢者や外国人の店員が働きやすい店舗を目指すうえで、お客さん自身で様々な作業をやってもらおうとする動きが出てくると思います。1日130杯のコーヒーを店員が入れることを考えると、お客さんにやってもらうことで人件費の大きな削減効果があります。

店内で調理するホットスナックはお客さんへの訴求力があり、粗利益率も高いので、コンビニの最重要商品だと言えます。コンビニにとって一番理想的なやり方は、粗利益率が高いホットスナックをお客さんが自分で調理する方法で販売することです。

現在、調理ロボットの開発が行われていますが、機械にお金を入れてボタンを押せば、フライドチキンを揚げてくれる装置などは可能性がありそうです。イートインに対応している店舗も増えていますから、調理ロボットがホットスナックを調理するようになれば、店内で食事をしてもらうスタイルの拡大にも繋がります。