KDDIグループの集客力を活かしたネットモール「Wowma!」

KDDIグループの集客力を活かしたネットモール「Wowma!」

KDDIグループのネットモール「Wowma!」を運営するKDDIコマースフォワードの社長、「Wowma!」に出店しているコージィコーポレーションの担当者のインタビュー記事があります。「Wowma!」は1年前に「DeNAショッピング」と「auショッピングモール」が統合して誕生した新しいネットモールで、これからの成長が期待されています。

「Wowma!」の強みは携帯電話契約数5,000万件を越えるauからの送客、クレジットカードなしでも決済が行えるauかんたん決済も便利です。物流サービス企業が運賃の値上げを行ったことで、ネットショップ事業者の負担も大きくなっていて、「Wowma!」がこの問題にどのように対応するのかも注目ポイントです。

auからの送客が期待できることは「Wowma!」の強み

「Wowma!」の強みの一つは、多くの契約者を抱えるauからの送客が期待できる点です。au携帯電話サービスの契約者数は、2017年12月までの累計で50,638,200人となっていて、キャンペーンを行うことで「Wowma!」に大量のお客さんを送客できます。

携帯電話の契約者を取り込んでいるのはYahoo!ショッピングも同じで、ソフトバンクの契約者はポイントが10倍になるインセンティブもあります。「Wowma!」がauが持つ会員基盤を活かせる点は、他のネットモールにはないアピールポイントです。

他のネットモールと比較して、「Wowma!」のお客さんの特徴として、auかんたん決済(キャリア決済)で支払いをするお客さんが多いことが挙げられています。「Wowma!」のお客さんはauの会員が多いので、auかんたん決済の利用者が多いことも順当で、auのお客さんをうまく送客できていることが分かります。

auかんたん決済は、パソコンやスマートフォンで購入したデジタルコンテンツ、ネットショッピングの代金を、月々の通信料と合算して支払える便利な決済方法です。未成年のお客さんでもauかんたん決済を利用することができ、12歳以下の利用限度額は1,500円、13歳~19歳は10,000円、20歳以上は10,000~100,000円となっています。

また、他のネットモールと比較して、「Wowma!」では新規顧客を獲得しやすい環境にあることが指摘されています。他のネットモールのお客さんが増えない中で、「Wowma!」だけお客さんが増えている状態であるなら、「Wowma!」の客層は他のネットモールとは異なっていると見ることができます。

初めてスマートフォンを契約する若い世代、高齢世代のお客さんが、「Wowma!」で買い物をしているのではないかと推測できます。auでスマートフォンを契約するときに「Wowma!」の存在を知り、買い物をして、auかんたん決済で支払いをする感じです。

日本のEC市場は上位3サイトで50%近いシェアを占めている

日本貿易振興機構(JETRO)が発表した、2017年度の「ジェトロ世界貿易投資報告」によると、日本のEC市場シェアは、Amazonが20.2%、楽天が20.1%、ソフトバンク(Yahoo!ショッピング)が8.9%となっています。上位3つのECサイトでシェアの50%近くを占めており、今後も上位3サイトのシェアが高まって行くことが予想されています。

Amazonと楽天の2強になっているところに、Yahoo!ショッピングが急速に流通総額と店舗数を増やして追い掛けています。Yahoo!ショッピングは、初期費用、毎月の固定費、売上ロイヤリティをすべて無料にして、出店無料を強くアピールしています。

Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングで商品を検索すれば、ほとんどの場合、希望していた商品を見つけることができます。上位3サイトの品揃えはますます充実していて、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピング以外のお店の必要性は薄れて行きます。

上位3サイトの存在感が大きい中で、「Wowma!」で買い物をするお客さんは、ネットショッピングの経験が少ないお客さんではないかと推測できます。「Wowma!」としては、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングからお客さんを奪うことよりも、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングへのお客さんの流出を防ぐことの方が大事になりそうです。

ネットモールに出店する事業者の立場から見ると、「Wowma!」に出店することには価値があります。auかんたん決済の利用者が多いことからも、auで初めてスマートフォンを契約して、初めて「Wowma!」でネットショッピングを経験するお客さんもいます。

「Wowma!」はお客さんに自社の商品を認知してもらう場になり、仮にお客さんが「Wowma!」以外のネットモールで買い物をする場合でも、自社の商品を検索してもらえます。「Wowma!」は立ち上がったばかりで、上位3サイトとは集客力で差がありますが、競合が少ない分だけ、自社の商品を見てもらえる可能性が高いとも言えます。

実店舗(auショップ)から「Wowma!」への送客も行える

KDDIは実店舗(auショップ)とネットを使って買い物ができる、「au WALLET Market」というサービスを2015年より開始しています。スマートフォンの契約者数の伸びが鈍化する中で、全国にあるauショップと接客力のある店員を活かした新規事業です。

お客さんはauショップで店員の案内を受けながら、ネットショップの商品を購入できるようになっています。auショップで「au WALLET Market」を使って買い物をするお客さんは、インターネットに詳しくない40~60代のお客さんが多いとのことで、店員がサポートすることでネットショップで買い物をしてもらっています。

実店舗(auショップ)とネットを活用した「au WALLET Market」は、「Wowma!」にも活用できるものがあります。ネットショップを利用したことがないお客さんに対して、店員が「Wowma!」での買い物方法を説明することで、新規顧客になってもらえます。

インターネットに詳しくない、クレジットカードを持たない、使いたくないお客さんには、「Wowma!」はピッタリのネットショップです。高齢者のネットショップ利用率は低いため、auショップ経由で高齢者のお客さんを獲得することにはチャンスがあります。

ネットショップは便利に買い物ができると考えている人は多いですが、ネットショップを必要としていない人は、自発的に使うようになることはありません。こうしたお客さんにネットショップに関心を持ってもらうには、チラシ、パンフレット、インターネットの広告よりも、人間が対面で説明することの方が効果的ではないかと思います。

実店舗からネットへと送客することは、新しいマーケティング手法として拡大する可能性があります。スマートフォン、ネットサービスはどんどん複雑になっていて、高齢者はもちろん、若い世代でも説明を必要としているお客さんはたくさんいるはずです。

問題になっている物流を「Wowma!」がどのように扱うか注目

物流サービス企業が運賃の値上げを実施したことで、ネットショップの運営にも大きな影響が出ています。低単価の注文では利益を確保することが難しいので、送料無料を廃止したり、送料無料の金額を引き上げるネットショップが増えています。

楽天はこれからの2年間で独自の配送ネットワークを構築することを発表していて、送料も安くなることが見込まれています。ネットモールには中小企業の事業者が多数出店していて、物流サービス企業の運賃の値上げは死活問題になっています。

楽天は独自の配送ネットワークの構築に取り組むことを決め、Yahoo!ショッピングもおそらく同様の施策を実施すると思います。ネットモール事業者が中小規模の出店者の利益を確保するために、自社で配送ネットワークを構築することは順当な流れです。

「Wowma!」が物流の問題に対して、どれくらいの熱意で取り組むかで、今後の「Wowma!」の方向性も分かります。KDDIグループのサービスとして、auをはじめとしたKDDIグループのお客さんに商品を販売できれば充分なのか、あるいは、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングの3強に追い付こうとするのかです。

ネットモールで買い物をしていると、様々なカテゴリを見るので、あれも欲しい、これも欲しいとなることが多いです。しかし、実際に複数の店舗で買い物をするのは手間が掛るので、結局は買わずに、いつのまにか忘れてしまうことになります。

決済、配達を含めて、複数店舗をまたいだ買い物のしにくさはネットモールの弱点ですが、ここを改良できれば売上を大きく伸ばすチャンスにもなります。「Wowma!」は資本力のあるKDDIグループですから、物流をどのように扱うのかに注目です。