楽天とウォルマートが提携を行い共同でネットスーパーを運営

楽天とウォルマートが提携を行い共同でネットスーパーを運営

楽天と西友の親会社であるアメリカのウォルマート・ストアーズが提携の発表を行い、日本でネットスーパーを共同で運営する計画です。「楽天西友ネットスーパー」は2018年度第3四半期(7~9月)のサービス開始を予定していて、配送能力の拡大、品揃えの拡充、利便性の強化の3つが、新しいネットスーパーの特徴として挙げられています。

食品はEC化率は2%程度で、ネットで食品を購入する人は少ないものの、時短ニーズに対応したミールキットの売上は伸びています。買い物に時間を掛けたくない人は増えているので、「ネットスーパーの利用=時間の節約」という価値観が理解されるように慣れば、ネットスーパーで食品を購入する人も増えるのではないかと予想しています。

楽天と西友が共同で運営する「楽天西友ネットスーパー」

楽天と西友が共同で運営する「楽天西友ネットスーパー」は、2018年度第3四半期(7~9月)にサービス開始を予定しています。楽天は「楽天マート」、西友は「SEIYU ドットコム」を運営していますが、「楽天西友ネットスーパー」に統合されます。

「楽天西友ネットスーパー」では、配送能力の拡大、品揃えの拡充、利便性の強化の3つを重視しています。ネットショップで実績のある楽天と、実店舗で実績のある西友が連携することで、ネットスーパーとして質の高いサービスをお客さんに提供する狙いです。

商品の配送は西友の実店舗から行うことに加え、2018年内にネットスーパー専用の配送センターを設立して、配送件数を大幅に増やす計画です。品揃えは西友が持つ生鮮食品、日用品に加え、時短ニーズに対応したカット野菜、半調理品、ミールキットの品揃えを拡充し、楽天に出店している事業者のお取り寄せグルメも取り揃えます。

利便性の強化については、ネットスーパーの構築に楽天が培ってきたECノウハウを活用すること、ビッグデータやAIを活用した最適な商品の提案を行うなどです。「楽天西友ネットスーパー」の3つの強化ポイントを見ると、お客さんは良い買い物ができそうです。

未来の小売業は、実店舗とネットショップが融合していて、お客さんに便利な買い物体験を提供するお店になるという意見が多いです。今回、ネットショップの楽天と実店舗の西友が連携することは、未来の小売業へ向けた新しい動きだと言えます。

ネットスーパーの物流については、実店舗とネットスーパー専用の配送センターの2つの物流拠点を持つことで、多くのお客さんに対応できるようになります。実店舗だけでも、ネットショップだけでも、事業を拡大することが難しくなれば、実店舗とネットショップが連携するケースも増えて来るのではないかと思います。

西友は楽天と提携することでネットショップの課題を解決

楽天の会員数は9,300万人となっていて、「楽天西友ネットスーパー」は多くの顧客を抱えてスタートできます。楽天の会員はネットショッピングのヘビーユーザーが多いため、ネットスーパーで食品を買うことに抵抗がないお客さんも多いと思います。

「楽天西友ネットスーパー」で楽天スーパーポイントが使えれば、ポイントの消費先として利用されることもあります。ネットスーパーでは特に目立った事業者がいない状況ですが、「楽天西友ネットスーパー」はネットスーパーの主役に躍り出るかもしれません。

「楽天西友ネットスーパー」は楽天のECのノウハウを取り込むことで、お客さんに便利なネットスーパーになることが期待されています。「SEIYU ドットコム」のどこかが悪いというわけではないのですが、サイトのユーザービリティ、パーソナライゼーションの精度など、楽天の知見を活かして改善できる点は多いはずです。

小売業各社はネットショップ、ネットスーパーの運営を行っていますが、テクノロジーに強い人材を採用することが難しいです。西友は楽天と共同で「楽天西友ネットスーパー」を運営することで、技術的な問題がなくなり、商品に集中することができます。

従来の小売業の立場からすると、楽天が持っている9,300万人の顧客基盤、最新のテクノロジー、ノウハウには大きな価値があります。楽天と提携することによって、ネットショップの課題である、集客力と技術力を補強することができます。

家電量販店のビックカメラと楽天は、今年の4月に楽天市場に「楽天ビック」をオープンする予定になっています。具体的にどのようなサービスを提供するのかはまだ分かりませんが、ビックカメラも西友と同様に、楽天の持っているECのノウハウが得られます。

楽天は実店舗を持つ小売業と連携することで物流網を強化

最近はAmazonと楽天を比較するケースが増えていて、Amazonの方が楽天よりも優れているという意見が多いです。ネットショップで買い物をすることが当たり前になったことで、Amazonと楽天の両方で買い物をする人が増えているからではないかと思います。

Amazonは取り扱いカテゴリを増やし続けているため、お客さんに一度の配達で届く商品も増えています。Amazonでは利便性を感じる一方、楽天ではそうした体験がないため、Amazonは楽天よりも便利だと感じるお客さんが増えているのではないでしょうか。

楽天は西友と連携することで、物流拠点として、西友が持っている実店舗と新設する予定のネットスーパー専用の配送センターを活用することが出来ます。「楽天西友ネットスーパー」では楽天のお取り寄せグルメも取り扱うので、西友と楽天の両方で買い物をしていてお客さんは、1度で両方の商品が買えるようになる可能性があります。

楽天が対Amazonで解決しなければならない課題は、1回の配達で多くの商品を届けることではないかと思います。楽天の買い物では、それぞれのお店から商品が届くことになるので、Amazonと比較すると、商品を受け取る回数が多くなってしまいます。

ECは市場の拡大が約束されている魅力的なマーケットですが、ネットショップ同士の競争はますます激しくなっています。商圏が存在しないネットショップでは、同じ商品を販売している店舗が複数存在する理由はなく、最も優れた店舗にお客さんが集中します。

事業者が複数のネットショップで商品を販売することが増えていて、Amazonと楽天の両方で販売されている商品が増えています。Amazonと楽天のどちらで買おうかとなった場合、商品が1回の配達で届くケースが多い、Amazonが選ばれやすいです。

食品をネットスーパーで買う人は多くはないがミールキットは人気

食品スーパーがネットスーパーに取り組んでいますが、ネットスーパーの将来がどうなるのかは不確かです。実店舗から商品を配達するため負担も大きいですが、対応店舗を積極的に増やそうとするチェーン店もあれば、そうでないチェーン店もあります。

経済産業省のデータによると、食品、飲料、酒のEC化率は2.25%となっていて、他のカテゴリと比較すると低いです。食品を買えるお店が近場にたくさんあり、品質を確認してから買いたいので、ネットスーパーを利用する必要性を感じない人が多いです。

しかし、買い物に時間を掛けたくないと考える人が増えれば、ネットスーパーの利用者も増える可能性があります。食品の買い物は楽しむというよりは、行わなければならない作業といった感じで、買い物時間が節約できればそれに越したことはありません。

お客さんがネットスーパーの利用に感じている不安な点には、価格が高いこと、送料が高いこと、品質が確認できないこと、商品の受け取りが難しいことなどがあります。価格や送料は売上の規模が拡大すれば下がり、商品の受け取りは店頭受け取りや宅配ボックスがあるので、品質の確認をどうやって解決するかが重要です。

簡単に調理ができるミールキットが人気になっていて、インターネットで検索するとたくさん情報が出てきます。ミールキットの価格は安くはないものの、買い物に時間が掛からない、調理に時間が掛からない、食材の管理に時間が掛からないなどのメリットがあり、お金で時間を買っていると考えることもできます。

ミールキットを買うために初めてネットスーパーを利用して、その後、ネットスーパーで食品を買うようになる人はいると思います。ミールキットの品質に満足することができれば、そのネットスーパーで販売している食品の品質への不安もなくなります。