プライベートブランド商品を強みに成長を続ける西松屋チェーン

プライベートブランド商品を強みに成長を続ける西松屋チェーン

日本は少子化が続いてるため、子供向けのビジネスの成長が不安視されていますが、ベビー・子供用品を販売する西松屋チェーンは店舗数を増やしています。少子化がマーケットに与える影響、プライベートブランド、出店戦略、ネットショップについて、西松屋チェーン社長のインタビュー記事があります。

西松屋チェーン社長の強みは、低価格のプライベートブランドで、プライベートブランドの商品構成比を高めて、粗利益率を改善しようとしています。実店舗でも売れているプライベートブランドを、ネットショップでも販売することで、さらなる売上の拡大と粗利益率の改善が期待できます。

少子化により市場の成長に疑問がある中でも売上を伸ばせる

日本では少子化が進んでいるので、赤ちゃんや子供向けに商品・サービスを販売する企業の将来は不安視されます。国内の出生数は、1949年の第一次ベビーブーム期が約270万人、71~74年の第二次ベビーブーム期が約210万人、直近の2015年は約100万人となっていて、ここ数年は毎年3万に近く出生数が減少しています。

お客さんである赤ちゃんの出生数が減少していますから、客数、購入点数は減少していると考えてよいと思います。客数、購入点数は減少しているとしても、単価の高い商品を販売することで、売上を維持したり、伸ばしたりすることは可能です。

ベビー・子供用品の市場規模は、衣料品が約1兆円、育児用品が約1兆円で、全体では2兆円の規模があるとのことです。市場全体は縮小傾向にあったとしても、企業は市場内で競争をしてシェアを伸ばすことで、売上を拡大して成長して行くことができます。

西松屋チェーンの過去3年の売上高は、136,273百万円(2017年2月期)、132,810百万円(2016年2月期)、128,526百万円(2015年2月期)と増加傾向にあります。市場規模が2兆円であることを考えると、まだまだ店舗と売上を伸ばす余地は充分にあります。

小売業が売上を増やすために効果的なのはカテゴリの拡大で、成長している小売業はカテゴリを拡大し続けています。お客さんから信頼を得られている小売業では、新しいカテゴリを増やす場合でも、問題なくお客さんに受け入れてもらえています。

西松屋は赤ちゃんから小学校入学前くらいを対象にした商品が多いですが、小学生以上向けの商品を増やすことも可能です。赤ちゃんの頃から西松屋で買い物をしているお客さんは、子供が小学生になってからも、西松屋で買い物をすることに問題はありません。

大手電機メーカー出身の技術者を採用して独自商品の開発を行う

西松屋チェーンは大手電機メーカー出身の技術者を採用して、プライベートブランドを開発していることで知られています。リーマンショック時は、大手電機メーカーのリストラがニュースになりましたが、その中で西松屋チェーンの採用も話題になりました。

家電とベビー用品はまったく異なる商品ですが、生産管理などのモノ作り共通のノウハウは活かせるのではないでしょうか。最初の技術者が採用されたのは2009年ですが、その後も採用を続け、開発部門の人員は90人まで増えているとのことです。

西松屋チェーンのプライベートブランドは、必要な機能を確保しつつ、無駄な機能をカットして開発されています。西松屋でプライベートブランドとナショナルブランド商品を比較すると、プライベートブランドにはかなりの割安感があります。

初めて子育てをする場合、ベビー用品の購入経験がないので、どんな機能のものをいくらで買えばいいのかの判断が難しいです。あまり必要ではない機能をカットしてコストを抑えることで、買い物経験の少ないお客さんも安心して買い物ができます。

西松屋チェーンのプライベートブランドは、育児用品、衣料、生活関連用品などで、約1,500品目となっています。2018年2月期の上半期の実績では、プライベートブランドの売上高構成比が1割弱、荒利益構成比が1割強で、将来的には売上高構成比を5割まで引き上げることを目標にしています。

プライベートブランドは粗利益率が高いため、プライベートブランドの売上高構成比を高めることは、多くの小売業が目標にしています。プライベートブランドの品揃えが増えると、お客さんへの訴求力も高まり、購入点数が増える効果もあります。

順調に店舗数を増やしながら売り場面積を拡大して競争力を高める

西松屋チェーンの店舗数は平成29年12月15日時点で937店舗で、1,000店舗に到達する時もすぐにやって来ます。西松屋チェーンは1店舗あたり商圏人口10万人を設定しており、1,300~1,500店舗まで店舗数を増やすことを見込んでいます。

少子化や人手不足の影響で、出店ペースが落ちているチェーンも増えて来ているのですが、西松屋チェーンは順調に店舗数を増やしています。販売している商品と客層を考えると、女性のアルバイト・パートを採用しなければならないので、店舗数の増加に合わせて従業員を確保することが難しくなりそうです。

西松屋チェーンでは売り場面積200坪の店舗が全体の6~7割を占めていますが、300坪の店舗を標準フォーマットにする計画です。売り場面積を増やすことで、取り扱い商品を増やすことができるので、ターゲットにする客層を拡大することができます。

一般的には小型の店舗で効率よく運営した方がいいのですが、小型の店舗で人気のあるチェーンでは、売り場面積を拡大する企業が増えています。セブンイレブンは食品の販売で人気のチェーン店ですが、ニーズのある日用品や生活用品の品揃えを充実させるために、売り場面積を増やした新しい店舗フォーマットを開発しています。

出店形態はフリースタンディングではなく、ショッピングモールへの出店に力を入れていく方針です。若い世代で自動車を持たない人が増えている、ネットショップの品揃えが充実しているなど、お客さんが遠方に買い物に出掛けることは期待しにくい状態です。

これまでは郊外にフリースタンディングで出店していた企業も、ショッピングモールなどの商業施設に出店する動きがあります。10年、20年の長いスパンで考えると、出店コストは高くても、集客力が落ちにくい商業施設は出店先としての価値が高まっています。

ネットショップ専用の物流センターを整備して売上拡大に備える

西松屋チェーンのネットショップの売上は約35億円で、楽天市場、Wowma!(ワウマ)などに出店しています。2017年2月期の売上高が136,273百万円ですから、西松屋チェーンのEC化率は約2.6%で、ネットショップには売上を伸ばす余地があります。

ネットショップ経由での売上拡大を見据えて、茨城県守谷市にネット通販専用物流センターを整備しており、ネットショップの商品は専用の物流センターから配送しています。今後、実店舗とネットショップの両方を使って、どのようにお客さんの買い物体験を改善させ、売上を伸ばすのかにも注目です。

全国のお客さんに商品を販売できるネットショップの特性を活かして、店舗が少ないエリアの売上を伸ばすことも期待されています。人口が多いエリアは出店コストが高いですが、出店コストが高いエリアでは実店舗ではなくネットショップを使って商品を販売することで、収益性を高められるかもしれません。

上場しているオンライン小売業の販売データを見ると、地域別の売上構成比では、東京や大阪など都市部の売上が大きいです。都市部は給与が高いので購買力が高く、店舗はあっても買い物に出掛ける余裕がないので、ネットショップの利用者が多いです。

西松屋チェーンとしては、ネットショップでもプライベートブランドをたくさん販売して、売上規模を拡大させたいところです。売上規模の拡大に合わせて原価が下がるので、プライベートブランドの価格も下がり、お客さんのお得感も増します。

西松屋のお店は通路も広々していて買い物がしやすいのですが、その分だけ、商品数が少ないような印象もあります。ネットショップでは制限なく商品を陳列することができるので、実店舗で陳列できない商品はネットショップへ誘導することで、お客さんに多くの商品を見てもらうことができます。