2017年の外国人観光客数は2,869万人で安定した増加が続く

2017年の外国人観光客数は2,869万人で安定した増加が続く

日本政府観光局(JNTO)が2017年の外国人観光客数の速報値を発表していて、2017年に日本を訪れた外国人観光客は、前年比19.3%増の2,869万人と好調が続いています。ここ数年は韓国からの観光客数が急激に増加しており、2017年は前年比40%増の714万人と、日本の外国人観光客数の増加を牽引しています。

外国人観光客は小売業にとっても重要なお客さんで、美容家電、化粧品、医薬品など、一部のカテゴリは売れ続けています。現在、一部の都市に集中している外国人観光客に、地方も訪問してもらおうとする施策を実施しており、地方の中小小売業にも外国人観光客数に商品を販売するチャンスが出てきます。

2017年度の外国人観光客数はアジアからの旅行者が堅調に推移

2017年に日本を訪れた外国人観光客数は、前年比19.3%増の推計2,869万人となっています。2016年の外国人観光客数は、前年比21.8%増の2,403万9,000人でしたから、20%近い高い成長率を維持したまま増加を続けています。

政府は2020年には外国人観光客数4,000万人、外国人観光客の消費額8兆円を目標にしていて、今後も外国人観光客を取り込むために力を入れて行く計画です。2011年の外国人観光客数は622万人しかいませんでしたが、それから6年で2,869万人まで増えているため、2020年の4,000万人は達成可能な数字です。

外国人観光客を国別に見ると、中国が735.6万人、韓国が714万人、台湾が456.4万人、香港が223.2万人、アメリカが137.5万人、タイが98.7万人、その他が503.7万人です。中国からの観光客が依然として1番多いのですが、ここ数年は韓国からの観光客が急増していて、全体に占める割合も大きくなっています。

国別の増加率を高い順に見ると、ロシアが41%増、韓国が40%増、ベトナムが32%増、インドネシアが30%増、フィリピンが22%増、香港が21%増、中国が15%増などです。韓国は観光客数では中国に次ぐ2番目の規模があり、前年からの増加率も40%と高いため、数年で中国を追い抜いて国別外国人観光客数の1位になりそうです。

外国人観光客の増加はいつまで続くのか、2020年が過ぎれば、外国人観光客ブームも終わるという意見もあります。日本経済は少子高齢化により停滞していて、外国人観光客の消費に期待している部分もあるので、これからも外国人観光客は増え続けるのか、減るのか、多くの人が関心を持っています。

日本に観光に来た外国人観光客は、Facebook、Instagram、Twitter、Youtubeなど、ソーシャルメディアに旅行の体験を投稿しています。ソーシャルメディアのコンテンツは新規旅行客の獲得にも貢献しており、まだまだ増加の余地は大きいと思います。

近隣のアジアからやって来る観光客は買物代の支出に余裕がある

外国人観光客の1人あたりの支出額を見ると、中国人は230,382円を使っていて、全体のトップになっています。買物代の支出額の119,319円も全体のトップで、第2位のベトナムの72,303円と比較しても、約1.65倍と突出した数字です。

中国人観光客の爆買いは終わったという意見もありますが、上場企業の決算を見ていると、依然としてよく売れています。美容家電、化粧品、医薬品は中国の女性観光客から人気になっていて、中国人観光客の支出金額が急激に減少することはないと思います。

韓国人観光客の支出額は71,795円で、中国人観光客の約3分の1、全体平均の153,921円の半分程度です。買物代の19,530円は中国人観光客の約6分の1で、小売業の立場からすると、韓国人観光客からの売上はあまり期待できません。

韓国と日本は距離が近いため、何度も旅行をするリピーターも多いので、支出額が小さくなってしまうのは仕方がないことです。これは韓国を訪問する日本人観光客にも当てはまっていて、韓国で最も支出額が少ないのは日本人観光客です。

全体の支出額153,921円は前年から1.3%減少していて、買物代の57,154円は支出額全体の約37%となっています。コト消費からモノ消費へと変化している状況を考えると、今後、買物代が大きく増加するようなことは期待できないのではないでしょうか。

欧米など日本から遠く離れた国からやって来る外国人観光客の場合、交通費や宿泊費への支出額が多くなってしまうため、買物代の支出額が低く抑えられてしまう傾向にあります。交通費や宿泊費の負担が小さい、近隣のアジアからの観光客のニーズを分析して、商品を提案することが、小売業が売上を伸ばすためには効果的です。

外国人のソーシャルメディアを見るとこれから売れる商品がわかる

現在、外国人観光客によく売れている商品を調べてみると、化粧品、美容家電、医薬品、ファッション、雑貨、お菓子などが人気になっているようです。これらの商品を扱っている、百貨店、家電量販店、ドラッグストア、ディスカウントストア、100円ショップの決算を見ると、外国人観光客からの売上が堅調であるとのデータがあります。

外国人観光客の動向をチェックするには、これらの人気カテゴリの推移を観察することが効果的です。いつまでも売れ続けてくれれば嬉しいのですが、いつかは売上が減少する日がやって来るので、そこがターニングポイントになります。

化粧品、美容家電、医薬品、ファッション、雑貨、お菓子は人気の商品ですが、次にどんな商品が売れるのかは分かりません。買い物にお金を使っているのは主に女性ですから、今売れている商品と関連性があり、女性が好む商品にチャンスがありそうです。

Instagramに綺麗な写真を投稿する「インスタ映え」は、世界共通に見られている現象ですから、商品の華やかさは重要な要素です。また、「今日本人に売れている商品」であることも重要で、現地の人が買っているから買いたいというのは強い動機になるので、日本人向けに売れる商品を作ることも必要になります。

外国人観光客のソーシャルメディアを見ていると、小売業が新年に販売している福袋(主にファッション)は外国人観光客の間で人気になっています。日本ではYoutuberが福袋の中身を紹介する動画が人気ですが、同じことが外国人観光客の間でも起こっていて、福袋は日本人にも外国人観光客にも販売できる効率の良い商品になっています。

外国人Youtuberが福袋を紹介している動画には、海外に住んでいて、福袋を買いたい人がたくさんコメントを投稿しています。越境ECでの福袋の販売は成功する確率が非常に高いので、これから多くの小売業が取り組むようになるのではないかと予想しています。

地方の中小小売業にも外国人観光客に商品を売るチャンスがある

外国人観光客に買い物をしてもらうためには、外国人観光客が買い物がしやすい環境を作らなければなりません。外国人観光客に対するアンケートを見ていると、現金しか使えないお店が多いこと、外国語の説明が少ないことが、不満点として挙げられます。

中国人観光客からの売上を伸ばすために、「Alipay(アリペイ)」や「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」を導入する小売業が増えています。また、日本に留学に来ている外国人学生を採用して、外国人観光客の接客を担当してもらっているお店もあります。

外国人観光客に人気のスポットは、東京、大阪、京都など、一部の都市に集中しています。外国人観光客の消費効果が日本全体に波及するように、都市から地方へと外国人観光客を分散させようとする動きがあり、今後は地方でも外国人観光客の増加が見込めます。

地方の中小小売業も外国人観光客に商品を販売したいですが、果たしてそれが実現できるかどうかに注目です。地方には都市では買えない、地方ならではの商品、伝統的な商品もあるので、そうした商品を外国人観光客にアピールしたいところです。

外国人観光客との接点を増やす、接点を持った時に商品を販売できる可能性を高める、2つに分けると対策がやりやすいです。接点を増やすためには、外国語に対応したホームページを持つ、Facebook、Instagram、Twitter、Youtube、販売する商品を紹介するのに適したソーシャルメディアを持つなどです。

外国人観光客に来店してもらうことができれば、商品の価値をしっかり理解してもらえる方法を用意する、お客さんが利用したい支払い方法を用意するなどです。外国人観光客に販売したい商品を絞り込んで、商品を外国語で紹介するコンテンツを作り、便利な決済方法を用意することで、購入してもらえる可能性が高まります。