ぐるなびは飲食店の販売支援だけではなく業務支援にも取り組む

ぐるなびは飲食店の販売支援だけではなく業務支援にも取り組む

ぐるなびの社長のインタビュー記事の中で、飲食店の販売支援だけではなく、様々な業務支援を提供していることが紹介されています。ソーシャルメディアが普及したことで、お客さんが飲食店の情報を収集するソースも分散しており、ぐるなびがお客さんを囲い込み続けることが難しくなっています。

ぐるなびが2017年に開始した飲食店の業務支援サービスには、POSシステム、予約管理システム、ビバレージマネジメントがあります。飲食店では人手不足が問題になっていますから、ぐるなびが提供する飲食店の生産性を高めるサービスには需要があります。

人手不足の飲食店が販促費用を抑えるためぐるなびの業績は悪化

ぐるなびは2017年の10月30日に、2018年3月期の連結業績予想の大幅な下方修正を行い話題になりました。売上高の予想は38,200百万円から35,800百万円へと6.3%の減少、営業利益は6,900百万円から4,500百万円へと34.8%の減少です。

インターネットの飲食店集客ビジネスにおいては、ぐるなびと食べログが2強の状態で、それに続くのが実名制グルメサイトのRettyです。事業者が少ないので安定して成長を続けると見られていたため、予想外の大幅な下方修正には驚きがあります。

ぐるなびが連結業績予想の下方修正を行った理由には、飲食業界の深刻な人手不足が挙げられています。飲食店は人手不足に対応するために、採用コストを増やしたり時給を上げなければならないため、集客にお金を掛けることが難しい状況です。

人手不足が解消するような見通しも立っていないため、飲食店が集客にお金を掛けられない状況は続くのではないかと思います。飲食店の仕事はもともとブラックのイメージがありましたが、最近は激しいクレームを付けるお客さんも増えているため、アルバイト・パートを採用して定着させることが難しいです。

飲食店の集客に活用できるツールが次々に登場したことで、集客サイトとしてのぐるなびの地位が弱くなっているというのもあります。飲食店の口コミ情報はぐるなびや食べログだけではなく、ソーシャルメディアのFacebook、Twitter、Instagramにも投稿されるようになっているので、お客さんが飲食店の情報を得るソースも分散しています。

ぐるなびや食べログに店舗情報を掲載するサービスは有料ですが、ソーシャルメディアは無料で使えるので、集客費用を抑えたい飲食店はソーシャルメディアを積極的に活用するようになります。投稿を続けていればファンを獲得できますし、Instagramに1日1枚写真を投稿する程度であれば、毎日の業務としても大きな負担ではありません。

飲食店の販売支援だけではなく業務支援のサービスに取り組む

ぐるなびは飲食店の集客を支援するビジネスに加え、飲食店の業務を支援するサービスを拡大しています。人手不足のため、飲食店の販促費用がすぐに回復することは期待しにくいですから、さらに飲食店の業務に踏み込んだ支援ビジネスを行おうとしています。

ぐるなびはインターネット企業のイメージがありますが、1,000人規模の営業スタッフを抱えています。実際に営業スタッフが飲食店を訪問して、クライアントである飲食店の経営者・スタッフと接触することで、飲食店の業務課題の解決に貢献できます。

ぐるなびは2017年の4月より、飲食店の業務支援を目的にPOSレジシステム「ぐるなびPOS+(ポスタス)」の販売を開始しています。勤怠管理、売上管理の基本機能に加え、多言語・多通貨対応、免税対応、オーダーエントリーシステム、テーブルトップオーダー、決済サービス「ぐるなびPay」などの機能があります。

2017年の11月には、予約管理と顧客管理が電子化できる「ぐるなび台帳」の提供を開始しています。「ぐるなび台帳」はぐるなびのネット予約システム、POSレジシステム「ぐるなびPOS+(ポスタス)」とも連携していて、予約データとPOSデータを分析することで、マーケティング活動に活用することができます。

同じく2017年の11月より、ぐるなびは日本コカ・コーラと共同で、「ビバレージマネジメント」というプログラムの提供を開始しています。粗利益率の高いノンアルコールカクテルの「モクテル」を飲食店に紹介することで、飲食店のドリンクメニューを充実させるとともに、粗利益率を改善させる狙いがあります。

飲食店の集客だけを支援するのではなく、業務まで踏み込んで支援するサービスになっているのが特徴です。飲食店集客サイトを運営している競合他社には実施することが難しい、営業スタッフを抱えているぐるなびだからこそできるサービスだと言えます。

小規模の飲食店はテクノロジーを活用して生産性を高められる

日本全体で生産性の低さが話題になりますが、飲食店は特に生産性の低さが指摘される業界です。飲食業界は小規模の事業者が多いため、経営者やスタッフは日々の業務に精一杯で、テクノロジーへの投資も他の業界と比べると遅いです。

最近は人手不足でアルバイト・パートの採用が難しいこともあって、飲食業界ではテクノロジーの導入が加速しています。予約システム、モバイルオーダーシステム、電子マネー、スマートフォン決済、無人レジなど、大手チェーン店を中心に導入が進んでいます。

小規模の飲食店でも利用できるPOSシステム、クレジットカード決済など、生産性アップに貢献するサービスが登場していますが、導入するのは簡単ではありません。ハードウェアの設定、ソフトウェアのダウンロード・インストールを行わなければならないので、小規模の飲食店が自社で導入して運用するにはハードルが高い状況です。

小規模の飲食店には生産性を高めたいニーズがあるので、ぐるなびにはテクノロジーの導入を支援するビジネスチャンスがあります。POSシステム、予約システム、クレジットカード決済など、それぞれのシステムは連携して効果を発揮するものが多く、セットで導入されれば飲食店の生産性も大きく改善されます。

飲食業でも小売業でも当てはまりますが、現状は集客に力を入れるよりも、既存店の質を高めることに力を入れた方が良いのではないかと思います。上場企業の決算発表を見ると、飲食業でも小売業でも既存店の客数が落ち込んでいる企業が増えていて、既存店からお客さんが流出している状態です。

既存店の生産性を高めることが、お客さんの飲食体験の改善にも繋がり、リピーターになってもらいやすくなります。人口が減少する日本においては、新規のお客さんを獲得するよりも、既存のお客さんを長く繋ぎ止める方が利益アップに貢献します。

外国人観光客へ対応することで店舗の売上と生産性がアップする

外国人観光客対応支援サービスについては、外国語に翻訳した飲食店やメニューの情報が充実して来ているとのことです。多くの飲食店で複数言語が書かれているメニューが増えていて、少し見にくいですがあまり気にならなくなっています。

訪日外国人観光客のリピート率は高いので、外国人観光客に良い印象を持ってもらえれば、リピートが期待できます。また、外国人観光客はソーシャルメディアで積極的に情報を発信するので、お店の良い評判が広まれば集客効果が期待できます。

外国人観光客向けの新しい取り組みとして、来日前に飲食店の予約と決済を済ませるサービスが挙げられています。お客さんは飲食店に出掛けて食事をするだけで済むので、飲食店はお客さんとのやり取りが減らせ、ドタキャンを防止する効果もあります。

高額の飲食店で食事をする場合、日本に来る前に事前で調べるでしょうから、そこで予約を申し込んでもらうのはよい方法です。事前予約のメリットを考えると、割引やおまけなどの何らかのインセンティブを出してでも、事前予約をしてもらいたいところです。

日本人と比較して、外国人の方が新しいテクノロジーの活用に積極的であると言われています。外国人観光客を取り込むため、予約システムやクレジットカード決済を導入する店舗が増えていますが、このことによって店舗の生産性のアップにも繋がります。

外国人観光客に引っ張られる形で、日本人のお客さんも積極的に予約システムやクレジットカード決済を利用するようになるのではないかと思います。外国人観光客への対応は、外国人観光客から売上が得られるだけではなく、店舗の生産性アップにも貢献するため、積極的に取り組む価値があります。