スマートフォン決済の普及でキャッシュレス社会が進んでいる中国

スマートフォン決済の普及でキャッシュレス社会が進んでいる中国

中国でスマートフォン決済がどのように利用されているのか、メリット、デメリットを紹介している記事があります。全世界でキャッシュレス社会の実現に取り組んでいる中で、中国は進んでいて、日本は遅れているという状況になっています。

キャッシュレス社会で先を行っている中国から学ぶことで、日本はうまくキャッシュレス化を進めることができるのではないでしょうか。日本は高齢者の人口が多いですから、中国の高齢者がどのように買い物をしているのかは参考になります。

「Alipay(アリペイ)」と「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」

中国ではスマートフォン決済が普及していて、日本はキャッシュレスで世界から遅れているという記事をよく見ます。よく使われている中国のスマートフォン決済は2つで、Eコマース企業のアリババが運営する「Alipay(アリペイ)」と、インターネットサービス企業のテンセントが運営する「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」です。

中国人の観光客がたくさん日本にやって来るようになったことで、日本の企業でも「Alipay(アリペイ)」や「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」を導入するところが増えています。中国人の観光客が買い物がしやすい環境を整えることで、日本の企業は売上を伸ばそうとしています。

「Alipay(アリペイ)」と「WeChat Pay(ウィーチャットペイ)」はクレジットカードとは異なり、導入者から決済手数料を取らない仕組みです。アカウントは利用者の銀行口座と繋がっていて、利用した金額が銀行口座から引き落とされるようになっています。

決済手数料が掛からない点は、中国でスマートフォン決済が急速に普及する要因の一つになっています。日本にも様々なクレジットカード決済のサービスがありますが、導入者は3~3.5%程度の決済手数料を支払わなければならないたため、決済手数料の負担が大きいことが普及の障害になっています。

アリババとテンセントは決済手数料を受け取っていませんから、直接受け取る決済手数料以外のところで利益を得ていることになります。アリババとテンセントはスマートフォン決済を利用してもらうことで、お客さんの購買履歴を取得することができ、このデータを使ってビジネスを行おうとしています。

スマートフォン決済の普及が進めば進むほど、お客さんの購買履歴の取り逃しがなくなり、データの完全性が高まります。アリババとテンセントは決済手数料を取って売上を作るよりも、決済手数料を取らないことで導入を促し、お客さんの購買履歴データの完全性を高めることを選択しています。

焼き芋を販売する屋台でもスマートフォン決済が使われている

記事の中では、屋台の焼き芋屋さんでスマートフォン決済が導入されていることが紹介されています。屋台の焼き芋は1個170円程度で高額な商品ではないのですが、こうした低価格の商品であっても、スマートフォン決済で購入するようになっています。

日本ではどうかと考えると、170円の商品を買うのであれば、財布から現金を出した方が簡単だと考える人が多いと思います。この焼き芋屋さんではお客さんの8割がスマートフォン決済を利用しているとのことですから、中国人と日本人ではスマートフォン決済に対して、異なった意見がありそうです。

スマートフォン決済を導入するメリットとして、お金を管理する業務が減ることが挙げられています。現金を受け取る・お釣りを渡す作業がなくなる、閉店後の売上を数える作業がなくなることによって、仕事の生産性を高める効果があります。

お金を管理する業務は1日1日では大した作業量ではありませんが、1年、5年、10年と考えると、膨大な時間をお金の管理に費やしています。スマートフォン決済によってこうした作業がなくなれば、社会全体が効率化して、すべての労働者が楽になります。

スマートフォン決済はお金を管理する作業を減らすことに加え、お客さんの支出を増加させる効果もあります。スマートフォン決済のアカウントはお客さんの銀行口座と繋がっていますから、お客さんは常に十分な支払い能力を持っていることになり、この恩恵はすべての企業が受け取ることができます。

1個170円の焼き芋を購入する場合でも、財布の中に1,000円しかない時と、銀行口座に100,000円ある時では、お客さんの心境も違います。支払い能力にゆとりがあれば、お客さんは消費に積極的になりますから、現金と比較して、スマートフォン決済では客単価が高くなる事が期待できます。

キャッシュレス社会が進んで行くことで出てくる様々な問題

スマートフォン決済のメリットはたくさんありますが、デメリットについても考えなければいけません。スマートフォン決済を利用するお客さんの立場からすると、自分のすべての購買履歴を企業に管理されることは気持ちが良いものではありません。

中国でスマートフォン決済の普及が進んでいる理由の一つに、お客さんが個人情報の取り扱いに寛容である点がよく挙げられます。自分の個人情報を収集されてもあまり気にならない人が多いので、社会全体でスマートフォン決済が使われるようになります。

お客さんの購買履歴を活用した新しいサービスとして、個人向けの金融が注目されています。お客さんの購買履歴があれば、その人のおおよその収入、ライフスタイルを推測することができるので、企業は融資をするしないの判断を短時間で行うことができます。

効率の良い便利なサービスではありますが、個人の経済力が数値化される点は複雑な感じがします。社会のいろいろな場面で経済力スコアが活用されるようになれば、スコアの高い人は優越感を感じることができますが、スコアが低い人は寂しい思いをします。

キャッシュレス社会が進んで、現金が使えないお店が増えて来ると、スマートフォンを買えないお客さんは消費ができなくなってしまいます。先進国でもスマートフォンを持っていない人、買えない人は一定数いるので、そうした人たちはどうやって買い物をするのかという問題があります。

日本は高齢化社会が進んでいますが、スマートフォンを使ったことがない高齢者が、簡単にキャッシュレス社会に適応できるとは思えません。今後、日本でキャッシュレス社会が進んで行くにあたって、中国のスマートフォンを持ってない人たちがどうやって買い物をしているのかは、参考になる点が多いはずです。

日本ではクレジットカード決済と企業独自の電子マネーに期待

日本では昔からクレジットカード決済が普及することを強く希望している人が一定数いて、クレジットカードのメリットを紹介するブログ、メディアも増えています。クレジットカードの仕組みについて勉強をして、メリットを理解した人は、クレジットカードが使えるお店が増えることを希望するようになります。

一方、クレジットカードや電子マネーに関するアンケートを見ると、キャッシュレス社会を望んでいる人はどちらかと言えば少数派です。キャッシュレス社会を望んでいない理由としては、現在の現金の支払いで特に問題がないというものが多いです。

クレジットカード決済を導入するお店側はどうかというと、以前よりもクレジットカード決済の導入に積極的な印象です。決済手数料の負担については大きいものの、少子高齢化が進む中で、お客さんを増やすためには導入しなければならないという感じです。

クレジットカード決済を導入した結果、客単価が増えた、リピーターが増えたなど、お店の売上アップに繋がっている事例が増えています。また、現金管理の業務が減ることのメリットも知られるようになり、人手不足で生産性を高めたいお店では、クレジットカード決済を導入しようとする機運が高まっています。

日本でキャッシュレス社会が進むには、お客さんの知識を増やすことが効果的ではないかと思います。日本全体で働き方改革に取り組んでいますから、現金を扱わないことでお店側の業務負担が軽くなることを説明して、お客さんに理解してもらいたいところです。

日本ではカード型の電子マネーがよく利用されていますから、電子マネーの利用にインセンティブを付けるのは効果的です。小売チェーン店、飲食チェーン店が独自に発行する電子マネーが増えていますが、リピーターのお客さんが電子マネーを使ってくれるようになれば、店舗の現金管理の業務を大きく減らすことができます。