ライブコマースはお客さんのライフスタイルと買い物方法を変える

ライブコマースはお客さんのライフスタイルと買い物方法を変える

新規参入が増えているライブコマースについて、「Live Shop!」と「Interface by FIVE」が紹介されています。スマートフォンで動画を見る人が増えていることもあり、ライブ配信とネットショップを融合させようとするのは自然な流れです。

企業がライブコマースに期待できることは、インフルエンサーを通じた、新規顧客の獲得ではないかと思います。また、ネットショップの一部として活用するライブコマースでは、売れ筋商品を丁寧に紹介することで売上が伸ばせそうです。

ファッションやコスメをライブ配信で紹介する「Live Shop!」

株式会社Candeeの設立は2015年2月23日、行っている事業はメディア事業、動画マーケティング支援事業、タレントマネジメント事業の3つです。Candeeが6月にサービスを開始したのがライブコマース「Live Shop!」で、インフルエンサーがライブ配信の中で商品を販売する、新しいネットショップのスタイルとして注目されています。

お客さんは「Live Shop!」でライブ配信を見ながら、ライブ配信で紹介された、ファッションやコスメをアプリ上で簡単に購入できる仕組みです。お客さんはライブ配信にいいねやコメントを付けれるので、配信者とお客さんのコミュニケーションも活発です。

「Live Shop!」のホームページ、アプリを見ると、商品を紹介するライブ配信以外にも、バラエティ番組のようなものあります。ライブの配信開始時間は20時以降のものがほとんどで、お客さんが学校や仕事から帰って来てから見ることを想定しています。

「Live Shop!」では、ファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」が2つの動画を配信した実績があり、大手のネットショップも注目しています。ライブコマースがターゲットにしているお客さんは若い世代ですから、若い世代向けに商品を販売しているネットショップの動画は今後も増えそうです。

「Live Shop!」の課題には、お客さんをどうやってエンゲージメントして行くかが、重要なポイントとして挙げられています。ライブ配信を視聴中に商品を購入した人と、しなかった人では、いいねとコメントの数に2倍近くの差があるとのことです。

いいねやコメントをたくさん付ける人は、それだけライブ配信に興味を持って真剣に見ている人ですから、商品を購入する人が多いのも妥当です。ライブコマースで商品を売るためには、お客さんに興味を持ってもらえるコンテンツをしっかり作って、いいねやコメントをたくさん付けながら見てもらい、購入まで持って行くイメージです。

ライブ配信の中でスムーズに購入ができる「Interface by FIVE」

ファイブ株式会社の設立は2014年10月24日、行っている事業はスマートフォン向け動画配信プラットフォームの開発・運営です。ファイブ株式会社が今年サービスを始めたのが、アプリ内で便利に買い物ができる、ライブコマース「Interface by FIVE」です。

「Interface by FIVE」の特徴の一つは、ライブ配信や動画の中から、ネットショップに遷移することなく商品の購入ができることです。購入に掛かるお客さんの手間を減らすことで、途中離脱の可能性を減らし、エンゲージメント率を高める効果があります。

「Interface by FIVE」の課題には、若いお客さんが多いため、若いお客さんの好みに合った買い物体験を提供することが挙げられています。お客さんは買い物をするためではなくライブ配信を楽しむために見ている点、決済手段を持たない点が、ライブコマースで売上を作ることを難しくしている要因です。

若いお客さんはあまりお金を持っていませんし、クレジットカードも持っていないので、コンビニ後払いなどの決済方法の多様化は必要になりそうです。また、ライブ配信が楽しすぎて商品にあまり関心を持ってもらえなければ、良い動画を作ったにも関わらず、動画に掛かったコストにまったく見合わない売上結果になってしまう可能性もあります

ライブコマースと相性が良さそうなものに、サンプル配布のキャンペーンに使うことが挙げられています。「Interface by FIVE」の実績として、デオドランドスプレーのサンプリングでは、配信を見た人の25%がサンプルに申し込んだデータがあります。

お客さんはお金を払うわけではないので、ライブ配信で商品に興味を持てば、あまり悩むことなくサンプルの申し込みができます。サンプル用の配信に掛かるコストにもよりますが、ライブコマースは新規顧客を効率よく獲得する方法の一つになるかもしれません。

ライブコマースが持つポテンシャルは新しいマーケットの創出

ビジネスニュースを読んでいると、中国ではライブコマースで商品がよく売れているとの記事を見ることが多いです。中国は日本よりも人口が多いため、同じコストを使って動画を作成しても、人口が多い分だけ中国の方が費用対効果が良いというのはあります。

現在、日本でライブコマースがお客さんやネットショップから切実に求められているというより、中国で成功しているのでやってみようという雰囲気です。ライブコマースの成功に求められることは費用対効果で、動画制作に掛かったコストを毎回きっちり回収しなければ、ライブコマースを継続的に続けて行くことができません。

日本の若者はテレビを見ること、新聞や雑誌を読むことをやめて、インターネットで情報収集をする人が増えています。テレビ、新聞、雑誌などの従来のメディアと比較すると、インターネットの方が効率よく、たくさんの情報を得ることができます。

スマートフォンアプリで見るライブコマースが、従来のテレビの代替として楽しむメディアになる可能性があります。ライブコマースの中には商品紹介も含まれているため、毎日当たり前のようにライブコマースを楽しむようになり、新しい商品の情報もライブコマースの一部として仕入れることになります。

ライブコマースが持っているポテンシャルの一つは、インフルエンサーを通じた新規顧客の獲得だと思います。ライブコマースでインフルエンサーに商品を紹介してもらうことで、これまでであれば獲得が難しかったお客さんを獲得できるようになります。

一般的に商品には、男性によく売れる商品、女性によく売れる商品、若者によく売れる商品、高齢者によく売れる商品などの売れ方があります。例えば、男性に美容用品を売ることはこれまでの常識では難しいですが、美容用品を愛用する男性のインフルエンサーが登場すれば、そのインフルエンサーが新しいマーケットを開拓してくれます。

Yahoo!、メルカリ、BASEもライブコマースに取り組む

ライブコマースを始める企業が増えていて、「メルカリチャンネル」が7月、「BASEライブ」が9月、「Yahoo!ショッピング LIVE」が11月に、それぞれスタートしています。もともとネットショップとして商品の売買が行われているプラットフォーム企業が、新しくライブコマースを提供する形になっています。

全体的にとりあえずライブコマースを始めてみるという試験的な感じで、ライブ配信サービスを開始するにあたって、技術的な問題はない印象です。ライブ配信の先行者であるニコニコ生放送がサービスの品質向上に苦戦している状況にあるので、多くの企業が次々にライブコマースを始めるのには少し驚きがありました。

ライブコマースを始める企業が多い中で、一番注目したいのは「Yahoo!ショッピング LIVE」です。Yahoo!ショッピングには経験豊富なネットショップが多く、流通総額も大きいため、積極的にライブコマースに取り組むネットショップも多いと思います。

ライブコマースを始める上で課題になりそうなのは、ライブコマースに出演して商品を紹介する人材の育成、ライブコマースのコンテンツを制作する人材の育成、外注するための費用が考えられます。ネットショップの従業員はインフルエンサーではありませんから、お客さんがライブ配信をちゃんと見てくれるのかという不安もあります。

ライブコマースでネットショップの売上を伸ばすには、売れている商品をさらに売るために活用するのがよいと思います。売れている商品は既にお客さんにその価値を認められているため、多くのお客さんに知ってもらえれば、それだけ売上が伸ばせます。

ネットショップには売れ筋商品を紹介するランキングがありますが、1週間に1回、1ヶ月に1回など、売れ筋商品を丁寧にライブコマースで紹介するのは良い方法です。売れ筋商品にはお客さんからの質問、商品を購入したお客さんのレビューが多く付きますから、質問やレビューの内容を用いたライブコマースはお客さんにとっても参考になります。