ライフコーポレーションは2021年度に売上高8,000億円を目標

ライフコーポレーションは2021年度に売上高8,000億円を目標

ライフコーポレーションが第6次中期経営計画を発表していて、「2021年度売上高8,000億円、経常利益200億円」が数値目標になっています。第6次中期経営計画の内容について、ライフコーポレーション社長のインタビュー記事があります。

女性の社会進出や高齢化社会の到来により、お客さんが食品スーパーに求めるものは、「時短」や「節約」が強くなっています。お客さんにとって価値がある商品を提供することに加え、買い物の利便性がますます重要になって行くのではないかと思います。

ライフは売上構成比は大きくない衣料品や生活関連用品も強化

ライフコーポレーションでは、衣料品、生活用品など、食料品以外のカテゴリも強化して行く方針です。スーパーマーケット「ライフ」のお客さんの中には、生活関連用品をライフで買ってない人が半数程度いて、食品以外の商品を売る伸びしろがあります。

平成30年2月期の第2四半期の資料によると、食品の売上高が276,787百万円(前期比103.6%)、生活関連用品の売上高が29,982百万円(前期比105.4%)、衣料品の売上高が14,145百万円(前期比100.2%)となっています。食品の売上と比較すると非食品の売上規模は小さいものの、専門店の存在が大きい中で、かなり健闘していると言えます。

現在、総合スーパーでは食品以外のカテゴリが苦戦していて、食品以外のカテゴリの取り扱いで転換期を迎えています。以前は総合スーパーで売れていた、生活関連用品、衣料品などの売上も、専門店にお客さんが流出するため減少が続いています。

総合スーパーのユニーは、ディスカウントストアのドン・キホーテと提携することで、食品以外のカテゴリを強化しようとしています。ユニーと比較すると、ライフは食品以外のカテゴリも堅調に推移しており、食品の売上とともに安定感があります。

総合スーパーが食品以外のカテゴリの売上を専門店に奪われてしまう理由は、専門店の方が商品の品揃え、商品の質が良く、価格も安いからです。幅広いカテゴリを扱う総合スーパーは、特定のカテゴリに特化する専門店に勝つことは難しいです。

しかし、最近は女性の社会進出や高齢化社会が理由で、総合スーパーのワンストップショッピングの利便性が再評価されているように感じます。少々、商品の質や価格で劣っても、一つのお店でまとめて買える利便性を選ぶお客さんが出てきています。

出店戦略は首都圏・都市部へのドミナント出店と小型店舗の増加

新店の出店計画は今後の4年間で、首都圏で30店、近畿圏で20店、合計50店舗の予定になっています。ライフの店舗数は2017年2月のデータでは264店舗ですから、4年間で50店舗を出店する計画は、「積極的な出店」と言ってよいと思います。

ライフが出店している都道府県は多くはなく、大阪、兵庫、奈良、京都、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏、近畿圏に集中しています。狭いエリアに出店するドミナント戦略を採ることで、地域での存在感を強め、物流の効率化でも効果が大きいです。

小型の店舗の出店も計画されていて、来年以降は年間で10店程度の出店を続けて行く予定になっています。コンビニが食品スーパーの競合になっているため、小型の店舗フォーマットを作って、お客さんの方へと距離的に近付いて行く必要があります。

高齢者のお客さんの中には、自動車の運転を止める人も増えるので、全体的に買い物範囲が狭くなります。食品スーパーは対策を行わなければ、コンビニやドラッグストアにお客さんを奪われてしまうため、小型の店舗を増やさなければならなくなります。

ライフコーポレーションの出店戦略を見ると、少子高齢化が進み、人口が減少する日本の現状にうまく対応しています。小売業の出店戦略では、人口の多い都市部に店舗をドミナント出店すること、高齢者のお客さんが来店しやすい小商圏に対応した小型店舗を増やすこと、この2つが生き残るためのカギではないかと考えています。

ライフコーポレーションは2014年2月期の売上高534,923百万円から、2017年2月期には652,974百万円(約22.1%増)と大きく伸ばしています。少子高齢化に対応した出店計画を見ると、今後の数年間も安定して売上高を伸ばす可能性が高いです。

惣菜とプライベートブランドには高い粗利益率が期待できる

ライフの弁当では売れ筋価格が398円となっていますが、498円、598円など高単価の商品を強化する計画です。食品や外食では高価格の商品が売れているカテゴリもあるため、節約志向の強い弁当や惣菜でも、高価格帯の需要はありそうです。

弁当は過去10年から15年の間に低価格が固定化されていて、一時は298円の弁当が価格帯の中心になった時期もありました。現在は400円前後の弁当が多い印象ですが、弁当の低価格を受け入れて放置するのは、業界全体の損失にもなります。

ライフのプライベートブランドの売上は600億円ほどで、平成29年2月期の食品の売上高539,211百万円の約11.1%です。ライフはヤオコーと共同でプライベートブランド「スターセレクト」を開発しているほか、自社のプライベートブランド「ライフプレミアム」を販売しています。

お客さんのプライベートブランドへの認知も高まっていて、小売業としてのブランド価値を高めるうえで、プライベートブランドが不可欠になっています。消費者の節約志向でナショナルブランド商品は価格競争にさらされますから、当店でしか買えないプライベートブランドの価値が重要になります。

商品スーパーが販売している、惣菜とプライベートブランドには、お客さんの新しいニーズが生まれています。惣菜とプライベートブランドは高い粗利益率を確保できるので、お客さんのニーズに対応することで大きな粗利益を獲得できます。

惣菜には子育て世代や高齢者からのニーズがありますが、お客さんが飽きないように、継続的に新商品を投入したいです。プライベートブランドには低価格が期待されますから、店舗数を増やすことで販売個数を増やし、原価を下げたいです。

ネットスーパーの店舗数を増やす予定はあるが売上規模は小さい

ライフはネットスーパーを4年前から始めていて、現在対応している店舗数は38店舗、売上は20億円程度とのことです。平成29年2月期の食品の売上高が539,211百万円ですから、EC化率は0.4%と食品全体の売上への貢献はほとんどありません。

38店舗の中で黒字化している店舗は4店舗で、大きく儲けるものではないものの、お客さんのニーズはあるという評価です。今後4年間でネットスーパーに対応した店舗を100店まで増やし、売上高は100億円程度を目標にしています。

今年の4月21日からAmazonはAmazonプライムの会員向けに、東京の一部地域で「Amazonフレッシュ」のサービスを開始しました。「Amazonフレッシュ」は野菜、果物、鮮魚、精肉、乳製品など17,000点以上の食料品のほか、キッチン用品、健康・美容用品、ベビー用品、ペット用品などの日用品・雑貨も取り扱い、品揃えの合計は10万点を越えているとされています。

「Amazonフレッシュ」のサービス開始は話題になりましたが、従来の総合スーパー、食品スーパーにどのような影響を与えるのか注目されています。「Amazonフレッシュ」の食品はお客さんには未知の商品で、従来の総合スーパー、食品スーパーでの買い物に問題のないお客さんは、今まで通りの買い物を続けるのではないかと思います。

今のところ、食品をネットスーパーで購入している人は少ないものの、今後、全世界でネットスーパーで食品を買う人が増えると予想されています。アメリカや中国はもう確定的な感じの雰囲気で、日本でもアメリカや中国と同じように増えるという話です。

特にネットスーパーで買い物をする理由がなくても、試しに1回使ってみると便利で、そのまま使い続けるようなケースはありそうです。ナショナルブランドは安いネットスーパーで買って、生鮮食品は実店舗で買うという、使い分けもあるかもしれません。