高価格のアイスクリームで冬の売上を伸ばすセブンイレブン

高価格のアイスクリームで冬の売上を伸ばすセブンイレブン

セブンイレブンが2017年冬の新作アイスクリームを発表していて、アイスクリームの高価格化が目立つようになっています。セブンイレブンによると、冬に高品質・高価格のアイスクリームが売れるようになっていて、お客さんのニーズがあるとのことです。

アイスクリームと聞くと夏をイメージしますが、冬は夏よりは個数が出ないとしても、高価格の商品で売上を伸ばすことができます。日本は人口が減少しているので、販売数量を伸ばすよりも、高価格・高品質の商品を売る方に成長の可能性がありそうです。

セブンイレブンの冬の新作アイスクリームは自分へのご褒美

セブンイレブンは2017年冬のアイスクリームの新商品を発表していて、「冬のアイスクリームは自分へのご褒美。暖房が効いた温かい部屋でスイーツとして食べられる」がコンセプトです。新商品は全部で5種類で、「クリーミーコーン<キャラメル&マカダミア>」(税込350円)、「マカロンアイスクリーム」(税込248円)、「濃厚生チョコ 宇治抹茶」(税込238円)、「7プレミアム モンブランモナカ」(税込213円)、「7Pワッフルコーン『桔梗屋監修』桔梗信玄餅味」(税込246円)となっています。

価格は213円~350円と比較的高い商品が多く、350円というのはアイスクリームとしては高価格です。セブンイレブンの商品は有名メーカーと共同開発するものが増えていて、今回の新商品も、ハーゲンダッツ、ロッテなどと共同で開発しています。

セブンイレブンのデータによると、アイスクリームの売上の伸び率は、近年は上期よりも下期が大きいとのことです。2006年を100とした場合、2016年の上期が135.8(841億円増)であるのに対して、下期は143.5(519億円増)となっています。

冬は寒いのでアイスクリームが売れないと考えがちなのですが、売上の伸び率を見ると、冬の方が成長の余地が大きいです。冬は寒いのでアイスクリームを食べる個数自体は少ないものの、高価格のアイスクリームを好むお客さんが増えていることになります。

アイスクリームというと子供が食べるイメージがありますが、最近のコンビニのアイスクリームの価格は高いです。50円や100円で買える商品の方が少なく、大人が買い物をしていても、これはちょっと高いなと気後れする商品が増えています。

コンビニのアイスクリームの価格が高くなる理由に、お客さんの高齢化があるのではないかと思います。若い世代のお客さんが少なく、中高年のお客さんが増える中で、経済的に余裕のある、中高年のお客さんに高単価の商品を販売しようとする狙いです。

食べ物へのこだわりやプチ贅沢で高価格の商品が売れるようになる

ビジネスニュースを見ていると、食べ物に対して、積極的にお金を使いたいと考えている人が増えているように感じます。ファーストフードでは、シェイクシャック、カールスジュニアなど、高級ハンバーガー店が人気になっているそうです。

シェイクシャックのハンバーガーは、単品で580円~1,230円となっていて、1,000円を超える高額のハンバーガーが2つあります。数年前であれば高額のハンバーガーが売れるとは予想できなかったのですが、今では珍しいことではなくなっています。

人気がある高価格の食べ物の特徴は、原材料にこだわっていて、品質をお客さんから評価されていることが挙げられます。低価格でそこそこの品質の食べ物があふれている中で、こだわりのある商品へのニーズが生まれたのではないでしょうか。

また、次から次へと新しい商品を発売して、お客さんを飽きさせないことも、高価格の食べ物が売れる秘訣だと思います。コンビニのアイスクリームは、新商品が次々に発売されるので、お客さんは新商品を買うのを楽しみにしているところがあります。

セブンイレブンのコンセプトは「自分へのご褒美」ですが、こうした行動は数年前から「プチ贅沢」という言葉で定着しています。プチ贅沢の対象になるのは食べ物が多く、お菓子、スイーツ、カフェなどで、少し高価格の商品が売れるようになっています。

プチ贅沢が登場する理由としては、恋人がいない人が増え、金銭的な余裕がある人が増えていることが考えられます。あるいは、個人個人でスケジュール管理やタスク管理をする人が増えていて、自分にご褒美を与える機会が増えているのかもしれません。

お客さんへの訴求力があるコンビニのアイスクリーム売り場

食品スーパーで買い物をしていると、アイスクリームの売り場にあまり力を入れていないなと感じることがあります。商品が頻繁に入れ替わっている気配もなく、値引きのPOPにも変化がなく、お客さんにあまり関心を持ってもらえていません。

食品スーパーで買い物をするお客さんは、生鮮食品、加工食品が目的で、アイスクリームを買いに来ているわけではありません。忙しくて買い物に時間を掛けられないお客さんが増えるほど、アイスクリームへの関心も低下してしまいます。

食品スーパーと比較すると、コンビニのアイスクリーム売り場は、お客さんに関心を持ってもらいやすいです。食品スーパーよりもお店は狭く、お客さんも食品スーパーで買い物をする時よりは暇なので、たまにアイスクリームのゴンドラが気になることがあります。

コンビニのアイスクリームは商品の入れ替えが速いので、ふとした時に意識して見ると、いつ来ても新商品がある印象を持ちます。有名メーカーの商品で、パッケージが綺麗で、価格が高めだと、なとなく高級品に見えて、思わず買ってしまうことがあります。

コンビニを利用する高齢者のお客さんが、食品とアイスクリームを一緒に買っているのを見ることもあります。特にデータはないのですが、高齢者のお客さんは甘いものが好きで、お菓子やアイスクリームにお金をよく使っているような気がしています。

コンビニで買い物をしている高齢者のお客さんは、遠くの食品スーパーまで買い物に出掛けたくないお客さんです。こうしたお客さんはコンビニで多くのカテゴリをまとめて買おうとするので、比較的価格を意識しておらず、高価格の商品を買いそうです。

これまでの常識から離れると新しい売上を作るチャンスがある

セブンイレブンはアイスクリームは夏に売れるものという常識にとらわれず、冬のアイスクリームで売上を伸ばそうとしています。冬は寒いからアイスクリームは売れないだろうと考えるのですが、売れる数は少なくても、高価格のものが売れる可能性はあります。

商品にはよく売れる年齢、性別、時間帯、季節、場所があり、良い思い出のある成功体験から離れることは簡単ではありません。しかし、これまでの常識から離れることで、まったく新しい需要を掘り起こし、売上を伸ばせるチャンスはたくさんありそうです。

大きなポテンシャルがあると思うのは男女の偏りで、男性によく売れているもの、女性によく売れているものは、新しいマーケットを作るチャンスがあります。女性の社会進出が進み、家事に取り組む男性が増え、男女の生活スタイルが似て来ています。

男性に化粧品が売れる、男性に脱毛が売れる、女性にお酒が売れる、女性に自動車が売れるなど、従来とは反対の性別に売れている事例が増えています。これらのマーケットは今までになかった新しい売上を生み出すので、企業の売上アップに貢献します。

コンビニではイートインを設置するお店が増えて来ましたが、お客さんがコンビニの弁当に期待することの変化だと言えます。コンビニの弁当は自分で料理をしたくない人、料理をする時間がない人が、コンビニで買って家で食べるものでした。

今では、家に持って帰るとゴミを捨てるのが大変なので、コンビニで食べることで、ゴミを出さないようにしようとするニーズがあります。イートインを好むお客さんが増えて来ると、コンビニで店内調理の軽食が提供されることもあるかもしれません。