ファミリーマートが「famima.com」の閉鎖予定を発表

ファミリーマートが「famima.com」の閉鎖予定を発表

ファミリーマートが公式通販サイト「famima.com」の閉鎖を発表していて、商品販売、予約受付終了予定日は2018年2月28日(水)の13時です。「famima.com」では、ファミリーマートコレクションやファミチキなどの食品が購入できるほか、キャラクターグッズやアイドルグッズが人気になっていました。

セブン&アイホールディングスとローソンはそれぞれ「オムニ7」と「ローソンフレッシュ」を運営しており、ファミリーマートだけがネットショップを持たないことになります。小売業では実店舗とネットショップが融合したオムニチャネルが重要になって来ていますが、ファミリーマートがネットショップを閉鎖することは意外な動きです。

アイドルグッズとキャラクターグッズで人気の「famima.com」

ファミリーマートは、ファミリーマートの公式ネットショップ「famima.com」の閉鎖を発表しています。商品販売、予約受付終了予定日は2018年2月28日(水)の13時、マイページ閲覧期限予定日は2018年5月15日(火)となっています。

小売業のニュースを見ていると、セブン&アイホールディングスの「オムニ7」はよく目にしますが、ファミリーマートの「famima.com」を目にすることはほとんどありませんでした。どれくらいの期間、運営にされて来たのかは分からないのですが、ファミリーマートはネットショップの運営にあまり力を入れて来なかった印象です。

「famima.com」で販売しているカテゴリは、エンタメ・スポーツ、キャラクター、CD・DVD・ゲーム、食品、ファミリーマートコレクション、サッカー日本代表の6つとなっています。キャラクターグッズやアイドルグッズのキャンペーンを行っていたので、それらの商品を買いたいお客さんから支持されていました。

プライベートブランドの「ファミリーマートコレクション」はあるものの、キャラクターグッズ、アイドルグッズを除くと、品揃えは弱いです。ファミチキが10個入り(1,300円)、20個入り(2,200円)のお買い得価格で販売されていて、ファミリーマートのプライベートブランドを大量購入したい人は寂しくなります。

インターネット上の反応はあまりなく、「famima.com」の存在自体を知らなかった人もいます。ネットショッピングの競合は、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングになりますが、「famima.com」が大手ネットショップに勝つことは簡単ではありません。

お客さんが買いたくなるような商品を揃えた上に、ネットショップのシステムも継続的に開発・改善して行かなければなりません。「famima.com」を今後成長させて行く事が難しいと判断して、閉鎖することになったのではないかと思います。

セブン&アイホールディングスとローソンはネット通販を強化

セブン&アイホールディングスはネットショッピングに力を入れていて、グループ企業の商品を集めたネットショップ「オムニ7」を運営しています。2017年中間期の業績発表によると、EC売上は前年同期比10.6%増の526億7300万円となっています。

また、11月下旬より、アスクルと共同で生鮮食品のネットスーパー「IY FRESH」をスタートさせています。「IY FRESH」では、野菜・果物・肉・魚・乳製品などの生鮮食品に加え、ミールキット、加工・カット済みの食材を販売しています。

ローソンはネットショップ「ローソンフレッシュ」を運営していて、「カラダにやさしい&おいしい」をテーマにしたネットスーパーです。小売業のニュースを見ていてもほとんど話題に出てきないのですが、2014年6月にサービスが始まっています。

「ローソンフレッシュ」のプレミアム会員限定サービスの首都圏限定「週イチ宅配」では、2,500円以上の買い物で送料が無料になるなど、いくつかの特典があります。生鮮食品、加工食品、専門店の商品、ミールキット、日用品、医薬品など、品揃えは豊富で、便利な定期便を提供することで、客単価を伸ばそうとしています。

セブン&アイホールディングスとローソンに共通している点は、生鮮食品やミールキットの販売に積極的に取り組んでいることです。食品のネット通販でお客さんと継続的な関係を築く事ができれば、そこを入口にして様々な商品を販売する事ができるため、Amazonや楽天も生鮮食品やミールキットの販売に力を入れています。

生鮮食品やミールキットのネット販売が、将来有望であると見込まれているにもかかわらず、ファミリーマートが「famima.com」を閉鎖することは意外です。セブン&アイホールディングスとローソンは生鮮食品のネット通販を強化しているため、ファミリーマートだけがやらないことになります。

ネットショッピングの商品受け取り場所として期待されるコンビニ

ネットショッピングの荷物が増え続ける中で、再配達の問題が浮上していて、再配達を減らそうと多くの企業が頑張っています。再配達を減らす方法の一つが宅配便の受け取り方法の多様化で、コンビニは受け取り場所として期待されています。

コンビニの立場からすると、ネットショッピングの商品を受け取りにお店に来てもらえるため、集客効果があります。せっかくコンビニに来たわけですから、ネットショッピングの商品を受け取るだけではもったいないので、お客さんはついでに買い物もします。

セブン&アイホールディングスは「オムニ7」で本を販売していて、セブンイレブンの店舗で受け取ることをお客さんに勧めています。「オムニ7」で注文してセブンイレブンで受け取ると、コーヒーやスイーツがもらえるキャンペーンを時々行っています。

ローソンやファミリーマートも同様のことをやれればと考えているはずですが、ネットショップの品揃えを強化することは難しいのだと思います。ネットショッピングで本を買いたいお客さんはセブンイレブンを利用するので、ローソンやファミリーマートは利便性の点で、セブンイレブンに劣ってしまうことになります。

ファミリーマートは自社でネットショッピングを運営しなくても、他社の商品の受け取り場所になることで、集客をすることができます。ファミリーマートで商品を受け取る事ができる主なネットショップは、Amazon、楽天ブックス、ユニクロオンラインストア、ドコモオンラインショップ、SHOPLIST.com by CROOZとなっています。

自社でのネットショップの運営を止めるので、今後は、人気のネットショップとの提携が増えるのではないかと思います。自社のネットショップと競合することがないので、セブン&アイホールディングスやローソンよりも、提携先を増やしやすいです。

ネットショップではなく実店舗の集客力を高めることへ投資

小売業では、実店舗とネットショップが融合したオムニチャネルへ投資して、お客さんとの接点を増やしましょうという動きがあります。オムニチャネルが重要視されている理由は、お客さんとの接点が増えるほど、企業全体の売上が増えるからです。

ネットショップやショッピングアプリがあれば、お客さんは実店舗に来る前に下調べを行うので、より購買意欲を高めてお店にやって来ます。あるいは、実店舗ではいらないと思った商品を、家に帰ってからやっぱり欲しいと考え直した時に、ネットショップやショッピングアプリがあれば、その場で注文をもらうことができます。

小売業でオムニチャネルの重要性が高まる中で、ファミリーマートはネットショップ「famima.com」の閉鎖を決定しました。「famima.com」の利用者も少なかったことは推測できますが、ネットショップ自体がなくなってしまうのは意外です。

コンビニのミニストップをグループに持つイオンは、グループ全体でデジタル化を推し進めることを発表していて、ネットショップも新しく始める計画です。コンビニの上位チェーンの中で、ファミリーマートだけがネットショップがないことが、今後、コンビニ業界におけるファミリーマートのビジネスにどう影響してくるのか気になるところです。

ファミリーマートは店舗の集客力アップとして、コインランドリーやスポーツジムを併設した店舗を計画しています。コインランドリーやスポーツジムを利用するお客さんを取り込むことで、コンビニでも買い物をしてもらう狙いがあります。

「famima.com」の閉鎖、コインランドリーやスポーツジムを併設した店舗を見ると、インターネットよりもリアルという印象です。インターネットについては、これからどういう投資を行うのか、行わないのか、次の動きが注目されます。