セブンイレブンが58の最新技術を導入した次世代店舗を公開

セブンイレブンが58の最新技術を導入した次世代店舗を公開

セブンイレブンが58の最新技術を導入した次世代店舗を公開していて、今後は全国の店舗に展開する計画になっています。セブンイレブンの次世代店舗のテーマは、「環境負荷の低減」、「働きやすさの向上」、「快適な店内環境づくり」の3つです。

エネルギーコストや人件費の上昇に対応するとともに、持続性のある店舗、永続する店舗を作ろうとしています。これまでのコンビニのイメージは便利なお店でしたが、人口が減少する時代においては、地域に無くてはならないインフラになっています。

最新テクノロジーの検証を行う次世代型店舗の千代田二番町店

セブンイレブンは本社が入居するビル内にある千代田二番町店を、次世代店舗として公開しています。セブンイレブンの次世代店舗では、「環境負荷の低減」、「働きやすさの向上」、「快適な店内環境づくり」の3つのテーマが挙げられています。

国内外の企業から提案を受け、38社から提案があった58種類の技術が採用された、テクノロジーのフラグシップストアになっています。導入された技術の内訳は、「環境負荷の低減」が22種、「働きやすさの向上」が26種、「快適な店内環境づくり」が10種です。

新しいテクノロジーの導入により、店舗全体の外部調達電力を約28%の削減、1日あたりの作業時間を約5.5時間の削減が見込まれています。店舗の電気代は本部8割、加盟店2割で負担しているとのことで、外部調達電力の削減は利益アップに繋がりそうです。

人口の減少により、1店舗あたりの日販を伸ばすことが難しくなる中で、費用をいかにして減らすかが重要になっています。エネルギーコスト、人件費は、今後も上昇することが予測されているので、次世代店舗ではコスト削減に力を入れています。

次世代店舗である千代田二番町店では、テクノロジーの試用、検証を行い、可能なものから全国展開して行く計画になっています。セブンイレブンの発表を見ると、全国展開が可能なのかどうかが、テクノロジーの導入において重要である印象を受けます。

この店舗では導入できるが、あの店舗では導入できないとなると、全国のセブンイレブンでオペレーションに違いが出てきます。店舗の管理コストを抑えるためにも、なるべく全国の店舗で違いが出ないようにしているのではないでしょうか。

店員の働きやすさを向上させる小さな改善をたくさん導入する

次世代型店舗では、働きやすさの向上がテーマの一つで、1日当たり5.5時間の作業時間の短縮が見込まれています。具体的には、商品整理・清掃・レジ袋詰めの作業時間が、現在の1日当たり15.7時間から10.2時間に短縮される計算です。

アルバイト・パートの採用が難しくなっていて、アルバイト・パートは労働環境の良い仕事を選別しています。企業側がお金を投資して、積極的に労働環境を改善しなければ、アルバイト・パートが簡単には採用できない状況が続いています。

次世代店舗の商品陳列棚や冷凍・冷蔵ケースには、スライド式のものが導入されていて、補充作業の効率アップが図られています。お客さんが商品を取り出すと、棚の後ろにある商品が自動的に前に押し出される仕組みになっていて、陳列商品のフェイスを見栄え良く整える作業も簡単になります。

かがまなくても立ったままでレジ袋が取れる、冷蔵庫の寒い風が当たらない、店内への外気の流入を減らすなど、細かい改善が取り入れられています。一つ一つは小さな改善であっても、まとめて導入されると、従業員が感じる効果も大きいと思います。

小売業が積極的に採用しようとしている人材は、子育てが一息付いた、終わった主婦、定年退職後の高齢者です。特に高齢者は若い世代と比べて人口自体が多いですから、高齢者を採用して、長く働いてもらうというのが、店舗を維持するためには不可欠です。

高齢者に長く働いてもらうという目標からすると、次世代店舗に導入されている、小さな改善の意味は大きいです。セブンイレブンの次世代店舗に導入されている、働きやすさを向上させる仕組みは、他の小売業の店舗にも導入されて行きそうです。

売り場面積と品揃えの拡大で高齢者のお客さんの需要に対応

コンビニは店舗は小さく、品揃えは少なく、商品の回転率は高く、小売業の中でも販売効率の良い店舗として評価されています。プライベートブランドやホットスナックは粗利益率も高いので、非常に高収益のビジネスになっています。

しかし、最近は社会環境の変化によって、コンビニの店舗がもっと大きければ、もっと稼げるのにと感じることもあります。お客さんがコンビニに求めるものが増えていますが、コンビニの店舗の小ささが原因で、うまく取り込めていない需要があります。

次世代店舗では、売り場面積は旧店舗の201.3平方メートルから213.3平方メートルに拡大、取扱商品数は3,000から3,300に増加しています。これまで需要があったのに置けなかった商品を置くことで、売上がアップすることは確実です。

ネットショッピングの商品をコンビニで受け取りたいニーズもあるので、店舗が大型化すれば、こちらのニーズにも対応できます。ネットショッピングの商品を受け取ったついでに買い物をするというのは、これから増えてくる買い物パターンだと思います。

コンビニが掴める最も大きな機会は、高齢者のお客さんに食品と日用品のワンストップショッピングを提供することです。高齢者のお客さんは体力の低下によって、買い物への積極性がなくなり、自動車で複数のお店を買い回ることも億劫になります。

最近、コンビニの弁当や惣菜を見ると、高齢者のお客さんの需要に合わせて、小さく小分けした商品が増えています。ティッシュペーパー、トイレットペーパーなども、小分けした商品が増えて来れば、高齢者のお客さんにとっては便利になります。

人口が減少する時代において買い物場所として重要になるコンビニ

コンビニはもう飽和状態だと言うのは、よく見聞きする話ですが、上位3チェーンの店舗数は増え続けています。今後は人口が減少して行くので、勢い良く店舗数が増えることはなさそうですが、堅調に増えて行くのではないかと予想しています。

コンビニは常に新しい弁当、惣菜、パン、お菓子、スイーツを開発しており、新商品を楽しみにしているお客さんも多いです。ただ、コンビニの商品への満足度は高いのですが、利用頻度の高いお店でもあるので、どこか停滞感を感じることもあります。

セブンイレブンの次世代店舗は、お客さんがコンビニに持っている従来のイメージを変える事ができるかもしれません。一番大きい変化は売り場面積の拡大で、店内の取扱商品数が増えれば、お客さんにも変化を印象付ける事ができます。

お店が大きくなって、イートインの座席数が増えれば、イートインでくつろぐお客さんも増えて来ます。座席に座ってお店に長く滞在するという利用方法は、これまでのコンビニにはないもので、新しい売上を生み出すことが期待されます。

セブンイレブンの次世代店舗のテーマは、「環境負荷の低減」、「働きやすさの向上」、「快適な店内環境づくり」の3つです。この3つのテーマを別の言葉で表すと、「長く存続できるお店、地域に貢献できるお店」ということではないかと思います。

地方では人口の減少でお店の閉店が増え、買い物難民問題も出てきているため、コンビニの重要性が高まっています。高いレベルで商品・サービスのクオリティが安定していて、同じ店員が長く働いているお店、こうしたお店が地域に求められています。