収益アップが期待されるモバイルオーダーシステム「O:der」

収益アップが期待されるモバイルオーダーシステム「O:der」

事前にスマートフォンから注文をして店舗で商品を受け取る、便利な買い物体験を提供する、モバイルオーダーシステムの「O:der」が紹介されています。テイクアウトの飲食店では店舗の混雑と待ち時間が大きな問題ですが、モバイルオーダーシステムにはこれらの問題を解消することが期待されています。

混雑と待ち時間の解消以外にも、店舗オペレーションの効率アップ、現金を扱わないことによる負担の軽減、客単価の上昇などの効果もあります。現在、比較的客単価の高い飲食店では予約システムの導入が進んでいますが、客単価の低いお店ではモバイルオーダーシステムの導入が進み、飲食店の収益性の改善に貢献しそうです。

売上に貢献するリピーターのお客さんに便利な買い物体験を提供

O:derはお店に行く前にスマートフォンで注文と決済を済ませて、店頭では待ち時間も支払いもなく、商品を受け取るだけの便利な買い物体験を提供するモバイルオーダーアプリです。ネットショッピングは便利で簡単に買い物をすることができますが、実店舗もモバイルオーダーシステムを取り入れることで、ネットショッピングと同様の買い物体験を提供することができます。

お客さんは注文時に受け取り予定時間をお店に通知するので、お店はその時間に合わせて商品の準備を行います。お店で商品が準備できれば、お客さんのアプリにプッシュ通知を行い、それを見たお客さんはお店に商品を受け取りに行く流れになります。

O:derがターゲットにしているお客さんはリピーターで、リピーターの買い物体験を改善することを狙っています。飲食業のお店は商圏が狭いため顧客数、潜在顧客数が少なく、相対的に集客力のある小売業と比較するとリピーターの存在がさらに重要です。

リピーターのお客さんはお店の提供する商品・サービスを気に入ってくれているため、どんな理由であってもリピーターを失ってしまうことはお店にとって損失です。お客さんの買い物体験を改良することはリピーターの離脱を防ぐための施策の一つで、モバイルオーダーシステムには期待が集まります。

お客さんがお気に入りのお店を利用しなくなる理由は様々ありますが、テイクアウトのお店を利用しなくなる一番の理由は待ち時間ではないかと思います。実際にお店に行くまでどれだけ混雑しているか分からないですし、2,3回連続で混雑が続くと、あのお店はお客さんが多いから買えない、もう行くのをやめようとなってしまいます。

待ち時間以外では女性からの意見で多いものとして、子供を連れていると財布を出しにくい、手が離せないというものがあります。これらの理由と混雑が一緒に起きると女性のお客さんにとっては大きなストレスになるため、ここの問題を解消できれば、子供連れの女性が利用しやすいお店になることができます。

接客用チャットボットを使ってお客さんの希望に合った商品を提案

O:derを導入している一部の店舗には接客用のチャットボットが導入されていて、実験的にお客さんとやり取りを行っているとのことです。お客さんから「今日のおすすめ」「温かい飲み物」「がっつり系」などの言葉を受けて、お客さんの希望に合った商品を提案する仕組みになっています。

取り扱う商品にもよりますが、飲食店のテイクアウトの場合は品揃えも少ないため、お客さんからの希望も予測しやすいです。お客さんがチャットボットに対してどんなキーワードを使うのか、それに対してどの商品を提案するのか、あらかじめ設計しておくと効果がありそうです。

チャットボットは24時間お客さんに対応することができ、人間と比較してコストも安いため、業種や企業の規模を問わずに導入事例が多いです。何人に話しかけられても、何時間話しかけられても追加コストが発生しないため、費用対効果に優れています。

お客さんが面白がってどんどんチャットボットに話しかけてくれれば、それだけ多くの商品やサービスを提案できます。時間を掛けて商品やサービスを見てもらえれば、それに合わせて売上に繋がるチャンスも増えるため、チャットボットを利用した売上アップには大きなチャンスがあります。

飲食店のテイクアウトにおけるチャットボットの活用を考えると、買い上げ点数のアップで大きな効果が期待できます。「メインで買われる商品」と「メインで買われる商品とセットで買われるための商品」をあらかじめ用意しておき、メイン商品単品注文に対して提案を行うと良いです。

お店のおすすめ商品、ディスカウント商品は絶対にお客さんに知ってもらいたいのですが、チャットボットを使えばこうした情報をお客さんに確実に伝えることができます。店頭で人間からあれもこれもと情報を押し付けられると嫌なのですが、時間がある時にチャットボットを通じてであれば、店頭よりも情報を受け入れてもらえます。

モバイルオーダーシステムの導入には計算できる効果が多数ある

O:derを導入すると一部の店舗オペレーションを変更することになりますが、その効果の一つとしてキッチンの生産効率が1.7倍に改善したとあります。O:der経由の注文はiPadなどの端末で一元管理されるため、注文されている商品の全体を把握したうえで作業ができるので、生産効率がアップするのは順当です。

これは飲食店向けの予約システムでも当てはまることですが、お客さんからの注文を担当者の頭の中だけで記憶していたり、紙や台帳にメモをして管理しているお店が多いそうです。お客さんからの注文や予約をデジタルデータで一元管理することで、作業ミス・注文ミスが減る、生産効率が上がるなどの改善が見込めます。

O:derを導入したことによる売上アップの効果として、客単価が30%アップしたお店があるとのことです。O:derからの注文では、他のお客さんを気にすることなくじっくりと注文ができるので、店頭での注文よりも客単価が高くなります。

テイクアウトのお店で混雑していると、後ろに並んでいる客さんに気を使うのでパパッと注文を済ませるお客さんが多いです。店舗が混雑することによって注文数が減る機会損失はこれまであまり意識されて来なかったため、この問題を解消できればお店の売上を増やすことができます。

モバイルオーダーシステムを導入する飲食店も増え、導入にどのようなメリットがあるのか情報が出揃って来ました。お客さんの待ち時間が減る、お金を管理する負担が減る、注文ミスが減る、店舗オペレーションの効率が上がる、客単価が上がるなど、こうした効果は確実に計算できると言えます。

短期的には店頭とモバイルオーダーシステムからの注文が混在するので、お店で働く店員の負担は増えることになります。人件費の上昇が飲食業の利益を圧迫していますから、早期にモバイルオーダーシステムを定着させることで、お店の収益性を改善させたいと考えるお店も多いと思います。

モバイルオーダーシステムは飲食業だけではなく小売業にも有効

モバイルオーダーシステムと聞くとテイクアウトをイメージしますが、飲食業だけではなく小売業での利用も想定されています。モバイルオーダーシステムの導入によるメリットを考えると、飲食業だけではなく小売業でも効果が出るものが多いです。

お客さんの買い物時間を短縮して便利にするという点では、飲食業でも小売業でもお客さんに喜ばれます。レジに掛かる時間の短縮、お金を管理する負担の軽減は小売業においても効果がありますし、飲食業や小売業以外の業界でも効果があります。

具体的に小売業のどの業種でモバイルオーダーシステムが有効かと考えると、食品スーパーはメリットがあるかもしれません。買い物頻度が多い、購入点数が多い、店舗が大きい、お店が混雑するなど、食品の買い物はお客さんにとっても大変な作業です。

加工食品をモバイルオーダーシステムから事前に注文しておけば、お客さんは店頭で生鮮食品を選ぶことに集中することができます。ただ、店舗で商品をピックアップする店員の作業負担が増えますし、お客さんの購入点数も毎回毎回多いわけではないので、うまく機能するかは疑問もあります。

節約志向のお客さんが増えて低価格競争が加速したり、似たような商品が増えて差別化が難しくなったりと、小売業も利益を確保することが大変な状況になっています。そうした中で差別化できるのが買い物のしやすさで、駐車場が広い、お店が明るい、通路が広い、POPがたくさんある、店員が親切などは差別化要因になります。

モバイルオーダーシステムもそうした買い物のしやすさの一つで、お店を選んでもらうための差別化要因として貢献します。今でもネットショップもショッピングアプリも持っていない小売業も少なくないのですが、お客さんの買い物体験を改善するためのソリューションは次々に登場しています。