小売業の店員の仕事は退屈そうに見えるがやりがいと楽しさもある

小売業の店員の仕事は退屈そうに見えるがやりがいと楽しさもある

小売業のお店で店員として働くことについて、自分の経験と最新の動向を踏まえ、やりがいや楽しさを挙げてみました。小売業の仕事は単調な繰り返し作業が多く、給料も他の産業に比べて安く、さらに転勤も多いため、どちらかと言うと人気のない就職先です。

単調な繰り返し作業が多いことは事実ですが、そうした中にもやりがいや楽しさもあり、気持ち良く働き続けている人も多いです。少子高齢化の進行、オンライン小売業の脅威など、不安材料もありますが、少しでも多くの店舗が閉店することなく生き残ってもらいたいです。

お客さんの生活に不可欠な商品を販売することにはやりがいがある

小売業では衣食住の商品を販売していて、お客さんは自分の生活に必要なものを買うためにお店にやって来ます。食品や日用品のように低価格で頻繁に買う商品から、家具や家電のように高価格で購入頻度が少ない商品もあります。

衣食住の商品は毎日快適に暮らすうえで不可欠なもので、こうした商品をお客さんに対して、責任を持って販売することには大きなやりがいを感じられます。家具や家電はお客さんの人生の節目で購入されることが多く、一人暮らし、結婚、出産など、お客さんの人生の節目に必要となる商品を販売できることは幸せなことです。

現在の日本社会は昔とは異なっていて、小売業に求められる役割も20年前、30年前とは変わっています。女性の社会進出の増加、高齢化社会の進行など、お客さんのライフスタイルは多様化しており、生活に必要とする商品も多様化しています。

食品スーパーでは惣菜のニーズが高まっていて、料理の時間がない女性のニーズに合わせた品揃えの充実、単身者のニーズに合わせた少量サイズのパッケージなど、時代に合った商品が登場しています。小売業は単に商品を棚に並べて販売するのではなく、お客さんのニーズを汲み取り、適切な商品を提案するビジネスへと変化しています。

Amazon、スタートトゥデイなど、オンライン小売業の売上が拡大していて、実店舗で商品を販売している従来の小売業の売上を奪うようになっています。しかし、買い物に関するお客さんのアンケートを見ると、ネットショップよりも実店舗での買い物を好むという意見が依然として多数派です。

ネットショップでの買い物には人間味がないため、実店舗の買い物では、店員の接客や店舗の賑わいで、お客さんに実店舗で買い物をする楽しみを提供したいところです。過剰な接客を好まないお客さんが増えていると言われていますが、商品知識が豊富で、お客さんの立場で商品を提案してくれる店員はお客さんからも信頼されます。

季節感のある商品でお客さんの生活を豊かにすることができる

小売業の商品管理にはいろいろな切り口がありますが、定番商品と季節商品という区分があります。定番商品は1年間いつでも安定的に売れる商品、季節商品は特定の季節だけにしか需要がない商品で、季節商品をうまく管理することがお店の売上を左右します。

ファッションストアは季節によって売れる商品が異なるので、夏と冬では全く異なる売り場になっています。家電量販店、ホームセンター、ディスカウントストアも季節感を感じさせるお店で、定番商品の売り場とは別に、季節商品の売り場が展開されています。

季節商品は特定の季節しか売れない商品ですから、お客さんも買い物をする気満々でお店にやって来ます。夏にホームセンターに行くと、キャンプ用のテント、水着、バーベキュー用の炭、花火など、夏を感じさせる季節商品がたくさん並んでいます。

これらの季節商品は友人や家族とレジャーを楽しむためのもので、お客さんが楽しい時間を過ごすための商品を販売できることは幸せです。お客さんが楽しそうに過ごす姿をイメージしながら売り場を作ることで、店員も楽しみながら作業をすることができます。

ソーシャルメディアのInstagramが女性に人気になっていて、食べたもの、買ったもの、見たものをインターネットに投稿する人が増えています。「インスタ映え」という、Instagramでの見栄えを大切にする意味の言葉があり、企業側も商品の見栄えを意識するようになっています。

小売業にとって重要であった季節感に加え、インスタ映えを意識することで、さらにお客さんに楽しい買い物体験を提供することができます。お客さんが写真に撮りたくなる、家族や友人に見せたくなる売り場を作ることで、実店舗での買い物を今まで以上に楽しいものにすることができます。

POSデータを使って売上を伸ばすことはゲームのように楽しい

お店の規模にもよりますが、小売業のお店に買い物にやって来るお客さんの多くは、お店の近くに住んでいる人、お店の近くで働いている人、お店の近くを何らかの理由でよく通る人です。お客さんの人数が大きく増えたり、大きく減ったりすることはないため、お店の売上は毎年数パーセントの増減で安定することが多いです。

お店の売上は商圏人口に依存する部分が大きいため、店員のお店の売上への貢献が小さく感じられることもあります。しかし、限られた数のお客さんに対して、いかにたくさんの商品を買ってもらい、売上を伸ばすかというのは楽しい仕事です。

小売業ではPOSデータを記録していて、店員は過去のPOSデータを見ながら、商品を何個発注するのかを決めます。商品がすぐに売り切れてもダメ、売れ残りすぎてもダメで、ちょうどいい数量を予測することに楽しさがあります。

常に先週の売上をクリアするという目標を持つことで、際限なく高みを目指すことができます。お客さんの人数が決まっているため、店員の努力だけではどうにもならない部分もあるのですが、客数の制約の中でどう売上を伸ばすかが楽しいです。

小売業の店員になると、パートやアルバイトであっても売り場の管理を任されることが多いです。最近は人手不足で店舗運営に必要な人材を確保することが難しいため、パートやアルバイトであっても重要な仕事を任されるようになっています。

POSデータを活用して売上を伸ばす能力があることは、パートやアルバイトであってもアピールになるスキルです。雇用形態にかかわらず、お店に貢献できる人材になることで待遇が良くなったり、他のお店で好条件で雇ってもらう機会も出てきます。

次々に登場する最新のテクノロジーを体験することができる

現在、日本では労働力人口の減少が社会問題になっていて、全産業で働き方改革に取り組む動きがあります。小売業は非正規労働者を多く雇用して来ましたが、採用が難しくなる中で、主婦、高齢者、外国人の採用を増やしています。

働き方改革には様々な方法がありますが、AIやロボットなどのテクノロジーの導入は一つの方法です。小売業は特にテクノロジーとの相性が良いとされていて、小売業向けのテクノロジーの開発に力を入るIT企業が増えています。

小売業ではロボットのPepperを店頭に試験的に導入して、お客さんの接客をロボットにしてもらおうとしています。また、インターネットに繋がったカメラを店内に設置して、店員やお客さんの行動データを記録するテクノロジーも注目されています。

小売業の店舗は新しいテクノロジーを試す実験場になっており、店員は最新のテクノロジーに触れながら仕事をすることができます。仕事でも日常生活でもテクノロジーの導入がどんどん進んで行きますから、時代に取り残されないためにも、最新のテクノロジーに触れる機会が多いことは良いことです。

便利な買い物体験を提供するオンライン小売業の存在感が大きくなる中で、実店舗を運営する従来の小売業の将来には悲観的な意見もあります。少子高齢化で人口減少が進んで行く日本の将来を考えると、実店舗の売上が大きく伸びることは期待しにくいです。

一方、テクノロジーの活用で店舗運営の効率化が図れれば、販売管理費の削減、営業利益の増加は期待できるのではないかと思います。もともとお店で働くことを楽しんでいる店員にとっては、テクノロジーの導入でさらにお店が働きやすい環境になります。