セブンイレブンがナショナルブランドの日用品61品を値下げ

セブンイレブンがナショナルブランドの日用品61品を値下げ

競合店舗の実勢価格に合わせるため、主婦や高齢者のお客さんが増えたため、セブンイレブンがナショナルブランドの日用品61品の値下げを行うとの記事があります。日用品が安くて品揃えも豊富なドラッグストアと比較すると、品揃え、価格ともに劣勢のコンビニの日用品は、お客さんにとって魅力的であるとは言えません。

各コンビニチェーン店のナショナルブランドの価格に違いが出るようであれば、ナショナルブランドの価格もお店を選ぶ上での要因の一つになります。セブンイレブンは食品のカテゴリでプライベートブランドのセブンプレミアムの売上高を伸ばしていますが、日用品のカテゴリでも同じようにチャンスがありそうです。

日用品のお買い得感を出すためにナショナルブランド61品の値下

セブンイレブンが買い物頻度の高い日用品の価格を見直し、ナショナルブランドの日用品61品の値下げをすると発表しています。値下の理由は、ドラッグストア、ホームセンター、総合スーパーなど、競合店の実勢価格と合わせる狙い、主婦や高齢者のお客さんが増えたこと、お買い得感を出すこと、などが挙げられています。

日用品はドラッグストア、ホームセンター、総合スーパーでも売っており、積極的に値下げをして日用品を販売しています。また、ドラッグストアでは日用品のプライベートブランドが増えているため、ナショナルブランドとの価格差を感じることも多いです。

お客さんにとってのコンビニのイメージは、近くにお店があって便利ではあるものの、ナショナルブランドの価格は高いというものです。昔のコンビニは学生やサラリーマンなど、あまり価格に敏感でないお客さんをメインにしていたため、割高な価格であってもナショナルブランドを販売することができていました。

しかし、価格に敏感な主婦、あまりお金を使いたくない高齢者のお客さんが増えていることで、コンビニの客層も随分と変化しています。お客さんはコンビニの利便性を評価するものの、コンビニには他の業種のお店にある「お得感」がないため、このお得感を生み出すための値下げになっています。

値下げが行われる具体的な商品として、パンテーンデイリー補修トリートメント150gが768円(税込)を753円に、システマハブラシ レギュラー(ふつう)が265円を235円、コットンライフ綿棒200本が322円を258円に、などが紹介されています。全体的な値下げ幅は5%程度とのことですが、322円の商品が258円に値下げされるとお客さんはお得感を得られます。

試しに「コットンライフ綿棒200本」のネットショップでの値段をGoogleで検索してみると、90円~141円と低価格で売られています。実際に同じメーカーの商品かどうかは不明ですが、同じである場合、コンビニの価格はかなり割高な設定になっています。

競合店の増加によってナショナルブランドの定価販売が難しくなる

2000年以前のコンビニの立ち位置を考えると、主な競合店は食品スーパー、総合スーパー、ホームセンターの3つでした。食品スーパーは比較的良い立地にあるものの、日用品の品揃え、価格は悪く、総合スーパー、ホームセンターは品揃え、価格とも良いものの、遠くにあるので買い物に行くことが面倒くさかったです。

しかし、近年は日用品を低価格で販売するドラッグストアの店舗数が増えており、ホームセンターも店舗数が増加、日用品を売る食品スーパーも増えています。こうした競合店の増加によって、お客さんの日用品の買い物環境は良くなり、コンビニがナショナルブランドの日用品を定価で販売することが難しくなっています。

コンビニは小売業の中では比較的歴史の長い業種ですが、昔のコンビニの客層は「遠くのスーパーに買い物に行くのが面倒くさい人」というものです。今のようにコンビニ独自の商品も多くはなく、おにぎりや弁当程度で、それ以外のカテゴリではナショナルブランドが割高で販売されていました。

ナショナルブランドを割高な価格で買うお客さんは、学生、サラリーマン、忙しい、あるいは面倒くさい若いお母さんという感じでした。例えば、若いお母さんが子供連れでコンビニで大量の食品を買っているのを見ると、スーパーで買えば安いのにと考える人が多かったです。

最近のコンビニでは高齢者、主婦のお客さんが増えており、これは実際に買い物をしていても、各種アンケート調査を見ても感じるものです。主婦や高齢者のお客さんは価格に敏感ですから、来店者に占める主婦や高齢者の割合が増えるにしたがって、コンビニの価格政策も変化を求められるようになります。

コンビニでは食品と日用品を買うことが多いですが、この組み合わせはドラッグストアにも当てはまるので、コンビニとドラッグストアは競合関係にあります。お客さんは2つのお店を回るのは面倒くさいですから、できれば片方のお店で満足行く買い物ができればと考えているはずです。

お客さんはお店の選択にナショナルブランドの価格を意識する

コンビニの商圏は500メートル程度とされていて、お客さんは徒歩、自転車、バイク、自動車などを使って、おおよそ5-10分程度の範囲からやってきます。コンビニチェーン店では独自商品は違いがあるものの、多くのお客さんが一番楽に買い物ができる、最寄りの店舗を利用しているのではないかと思います。

しかし、各チェーンの間で、ナショナルブランドの商品の価格に差が付くようになれば、お客さんも価格でお店を選ぶようになる可能性があります。高齢者のお客さんの買い物範囲は狭いため、最寄りのお店で買い物をしそうですが、高齢になってもバイクや自動車で買い物に出かけている方もいます。

今回、セブンイレブンはナショナルブランドの日用品61品の値下げを行いますが、商品の仕入れ価格は企業の売上規模と関係しています。小売業が毎年毎年、積極的に出店を行い、店舗数を増やそうとする理由は、売上規模を増やして仕入れにおける価格交渉力を強め、売上原価を下げ、大きな利益を得るためです。

セブンイレブンの店舗数が約19,000店、ファミリーマートの店舗数が約18,000店、ローソンの店舗数が約13,000店と、ローソンの店舗数が上位2社よりも少ないです。店舗数を価格競争力として考えると、ローソンはナショナルブランドの価格でセブンイレブンとファミリーマートに付いて行けるのか、どうなるのかは気になるところです。

最近のニュースを見ていると、食品や日用品のメーカーは原材料の値上がりを理由に商品の値上げをする一方、小売業ではお客さんの節約志向に対応するため、商品の値下げをしています。メーカーと小売業の価格の変更を考慮すると、しばらくは小売業の粗利益率が悪化する可能性が高そうです。

食品や日用品などの消耗品については、性別や年齢関係なく、少しでも安く、賢く買い物をしようとする人が増えているのだと思います。これまで価格設定に強気だったコンビニが値下げを行うということも、最近の消費者の節約志向が強いことを現しています。

日用品のカテゴリでもセブンプレミアムの拡大が期待される

コンビニ各社ではプライベートブランドを拡大させていて、相対的にナショナルブランド商品の価値が小さくなっています。日用品はコンビニ以外でも、総合スーパー、ホームセンター、ドラッグストアでも買えますし、ネットショップでも買える他、Amazon定期便のような長期契約で割引が行われるものもあります。

コンビニは売り場面積が小さいため、日用品の品揃えも少なく、お客さんにとっては「急ぎ」の場合以外はコンビニで日用品を買う理由はありません。セブンイレブンは日用品の値下げを行うことで粗利益は減りますが、日用品のカテゴリからの粗利益がそれほど重要ではないと見ることもできます。

先日、セブンイレブンのプライベートブランドであるセブンプレミアムが10周年を迎え、売上高が1兆円を突破したとのニュース記事がありました。セブンプレミアムは商品の種類を増やすのではなく、質の高い商品を繰り返し購入してもらうことを意図していて、1兆円の売上に対して商品数は365品とのことです。

セブンプレミアムの売上高拡大を目指す中で、繰り返し購入する日用品も価格を下げて、お得感を出すことで、セブンプレミアムも日用品もセットでリピートされやすくなります。食品と日用品がセットで買いやすくなれば、遠くに出かけることが大変で、買い物量も少ない高齢者にとっては、セブンイレブンがさらに便利なお店になります。

今後は、日用品でもセブンプレミアムの商品が開発され、地域にあった品揃えになるのではないかと予想しています。コンビニの売り場面積の小ささを考えると、日用品の品揃えをアピールすることは難しく、「このセブンプレミアムがおすすめです!」と、自信の一品を売る方がやりやすそうです。

主婦や高齢者のお客さんはお店の近くに住んでいるリピーターですから、同じ日用品を繰り返し長く買い続ける可能性が高いです。食品のカテゴリでのセブンプレミアムの拡大のように、日用品のカテゴリでも数年で同じことが起こるのではないでしょうか。