男性客が多いミニストップは新しい取り組みで女性客を増やす

男性客が多いミニストップは新しい取り組みで女性客を増やす

コンビニは昔から男性のお客さんに利用されてきたお店ですが、ミニストップの利用者に占める女性の割合は約2割と低いです。セブンイレブンの最新のデータでは女性の割合は5割近くになっていて、ミニストップでは女性の囲い込みが課題になっています。

2017年2月期のミニストップの決算資料から、ミニストップが行っている2017年度の重要な施策を抜き出してみました。食品や日用品の品揃えを充実、ワンストップで多くの食品、日用品が購入できる豊富な品揃え、ワオンポイント出のお客さんの囲い込み、などが重要な施策として実施されています。

ミニストップの購入客に占める女性の割合は約2割と小さい

ミニストップの購入顧客に占める女性客の割合は約2割となっていて、これを4-5割に高めることがミニストップの目標になっています。コンビニはもともと男性中心に利用されてきた中で、女性の社会進出とともに女性客を増やしてきた背景があります。

2010年度の国勢調査のデータでは、日本全体での男女比は1.05:1となっていることを考慮すると、ミニストップの女性客は少なく、女性から支持されない何らかの理由があると言えそうです。伸びて来て2割なのか、2割で停滞しているのかで違いがありますが、昨今の女性の社会進出を考えると少ないです。

品揃やお店の雰囲気的を見ると、どちらかというと女性を狙ったお店だと思っていたので、実際に男性のお客さんの方が圧倒的に多い点は意外でした。昔からイートインスペースが用意されていて、他社のコンビニにはない店内で食べるデザートも充実しています。

客層は立地によるところもありますが、私の行動範囲内にあるミニストップは男性のお客さんと男女の高齢者のお客さんが多いです。言われてみると確かに男性が多いなという感じもしますし、デザートのイメージほど女性のお客さんを見ることはありません。

セブンイレブンの決算資料の中に女性比率のデータがあって、2007年度から2016年度の10年間で、女性客比率が42.3%から47.4%にアップしているとのことです。セブンイレブンは惣菜やセブンプレミアムがよく売れていますが、女性客が増えていることとも関係しているのではないでしょうか。

セブンイレブンの女性比率約5割と比較すると、ミニストップの約2割は小さく、女性からの人気がないお店だと評価できます。コンビニはどのチェーンも似ているので違いを見つけることが難しいのですが、男女比にこれほどの差があるとは思いませんでした。

ミニストップが女性客の比率を高めるために行う数々の施策

ミニストップが女性の購入比率を高めるうえでベースにあるのは、女性は男性よりも買い上げ点数が多いという女性客が持つ特徴ですです。男性のお客さんは目的の商品をパッと買ってパッと帰るのに対して、女性のお客さんは店内を巡回しながら買い物をするので、男性のお客さんよりも買い上げ点数が多くなります。

もともとコンビニは男性のお客さんが中心でしたから、欲しい商品をさっと買えるようなレイアウトやサービスになっています。女性のお客さんを増やすためには、もっと女性のお客さんを満足させるような買い物体験、一つのお店でたくさんの商品を買えるお店になる必要があります。

女性客の比率を高めるための施策として挙げられているものの一つが、日用品の品揃えを充実させることです。コンビニはどちらかと言えば食品を購入するお店として使われていますが、同じお店で日用品を購入できればお客さんの利便性も高まります。

ミニストップはイオングループですから、日用品の品揃え、価格では競合他社よりも優位に立てるのではないかと思います。食品の満足では他社を評価するお客さんであっても、日用品の品揃えや価格で優っていれば、ミニストップの方を選ぶお客さんもいます。

米飯の量を減らしたり、野菜の量を増やしたりして、小容量を好む女性の需要を意識した商品を販売することも施策の一つです。これは他のコンビニで買い物をしていても感じることですが、女性や高齢者を意識した小容量の弁当や惣菜が増えています。

惣菜や冷凍食品の品揃えの拡充もあげられていますが、こちらも各コンビニに共通している基本戦略です。パッと見の品揃えでは各チェーンともにあまり差を感じませんから、最終的には、時間的、体力的に無理なく買い物に行ける範囲内で、お客さんは味で満足できるお店を選ぶことになります。

ワオンポイントの導入によるリピーターと買い上げ点数の増加

ミニストップは2016年12月にイオングループで使えるワオンポイントを導入しており、女性客の増加に繋がっているとのことです。コスト意識の高い女性はポイントを貯めて節約をしたいので、ミニストップで繰り返し購入するというものです。

ミニストップが大好きな女性には新しいインセンティブになりますから、他社に流出する可能性が減るという点で効果があります。ポイントシステムがなくても好きなお店で買い物をすることが多いですが、ポイントシステムがあるとお得感があり嬉しいものです。

イオンは毎月10日がポイント5倍デーになっていますから、そこでまとめ買いをしてポイントを貯めて、ミニストップでそれを消費するという流れができると良いです。ポイントが使えるお店がたくさんあるとそれはそれで迷うので、使えるお店は少なくても、ドカッとまとめてポイントが貯められる場所のあるポイントシステムの方が使いやすいです。

ワオンポイント導入の前後で買い上げ点数を比較すると、ワオンポイント導入後の方が伸びているというデータがあります。ワオンポイントを貯めたいお客さんは、ロイヤルティーの高いお客さんですから、買い上げ点数が多いというのは順当です。

日用品、惣菜、冷凍食品の品揃えを充実させることで、買い上げ点数を増やして、ワオンポイントを貯めてもらうのがベストなシナリオです。イオンとミニストップの両方で買い物をしてもらうことを考えると、お店を使い分けて利用する状況が好ましいです。

ミニストップが掲げている2017年度の三つの基本方針

ミニストップが掲げている一つ目の基本方針は、コンビニの枠を超えてスーパーマーケットの役割を果たすというものです。スーパーマーケットの特徴として挙げられているキーワードは、米・素材、生鮮・白物、店内加工惣菜、価格訴求、買いだめです。

単身世帯の増加、働く女性の増加、シニアの増加に合わせて、調理や買い物時間の短縮に貢献できるようなお店であろうとしています。お客さんは忙しくなればなるほど、一つのお店でまとめ買いをしたがりますから、客単価のアップも期待できます。

二つ目の基本は店舗の大型化、冷蔵・冷凍ケースの拡大により、選べる品揃えの幅を広げることで、お客さんの満足度を高めることです。サラダや惣菜で50品目の増加、おかず、素材、個食米飯、麺で15品目の増加、その他、在庫数量の増加も計画されています。

品揃えを増やすことでお客さんの多様化するニーズに対応でき、買い上げ点数の向上による売上アップも期待することができます。身近にあるお店で、便利に短時間でたくさんの商品を買いたいお客さんのニーズがあるため、品目数の増加はコンビニ各社共通の方針になっています。

三つ目の基本方針はNo.1商品の開発とワオンポイントの活用で、お客さんが来店したくなるお店になるというものです。No.1商品の開発については、ミニストップが持つノウハウと企画力、イオンが持つスケールメリットを掛け合わせるイメージになっています。

お客さんにとって「この商品を買いたい」と思って来店する商品があり、そこでポイントも貯めることができて満足してもらう感じでしょうか。お客さんは似たような商品であっても、各コンビニの味を比較してお店を選んでいますから、他社と差別化できる一品はどのチェーンにとっても欲しいものです。