ローソンとパナソニックが完全自動セルフレジを共同開発

ローソンとパナソニックが完全自動セルフレジを共同開発

ローソンとパナソニックが自動セルフレジの実験を行うというニュースがあり、日本はもちろん海外のニュースサイトでも話題になっています。AIやロボットが人間の仕事を奪うようになると考えられていて、日本人に身近なお店であるコンビニでもその動きが始まっています。

人材の採用が難しくなる中で、コンビニの新サービスは増え、店員の業務量も増え、自動化による業務の効率化が必要になっています。コンビニにおいては発注業務は人間の勘と経験に基づいて行われて来た最重要業務ではありますが、発注業務においても自動化が進んでいて、テクノロジーの導入による店舗の効率化、収益の向上が期待されています。

バーコードの読み取りから支払いまでを完全に自動化するレジ

ローソンとパナソニックが開発した完全自動セルフレジは話題性があり、インターネットのニュースサイトでもたくさん紹介されています。Youtubeの動画再生数も多いですし、海外ニュースでも紹介されていて、テクノロジーが人間の仕事を奪うのではないかという脅威は世界的な関心事です。

ローソンは次世代コンビニの開発に取り組んでおり、今回の完全自動セルフレジもその動きの中の一つのようです。動画が短いのであまり具体的なことはわからないのですが、会計と袋詰めが自動で行われる様子は見慣れないものなので面白いです。

購入点数が多く、レジ業務に時間が掛かる食品スーパーではセルフレジ(セミセルフレジ)の導入が進んでいて、新しく導入するとの記事を見ることが多いです。食品スーパーではレジ業務を完全にお客さんに頼むのではなく、セミセルフレジという新しいやり方でセルフレジの導入を進めています。

セミセルフレジではこれまで通り従業員が商品をスキャンして、会計部分だけをお客さんにお願いするやり方です。お客さんも自分でスキャンと会計の両方をするのは面倒くさいですが、会計分だけであれば協力できるので、セミセルフレジの方が使いやすいです。

今回のローソンのセルフレジはそうしたセミセルフレジではなく、ロボットがスキャンと袋詰めまで行ってくれる便利なものです。セルフレジになるのか、セミセルフレジになるのかは、販売する商品の種類、買い上げ点数、レジ時間など、小売業の中でも業種によって異なって来そうです。

食品スーパーの場合は扱いが難しい生鮮食品がありますし、買い上げ点数も多く、完全セルフレジにするには障害が多いです。一方、ローソンの場合は買い上げ点数が少なく、生鮮食品も少ないため、完全セルフレジが実現しやすいのではないかと思います。

コンビニを取り巻く競争環境と店舗の効率化が必要になる背景

コンビニ業界は随分前から飽和状態であると言われ続けているのですが、そうした中でも上位3チェーンの出店数は増加傾向にあります。下位チェーンのお客さんを奪う形で上位チェーンが売上を伸ばして、コンビニ業界全体が拡大しているような状況です。

上位3チェーンの出店数を見るとコンビニ業界は好調であると言えますが、コンビニ同士が近接している商圏も増えていて、店舗同士の競争は厳しくなっています。最近では同じチェーン同士のお店が近接していることも増えていて、チェーンの外でも内でも競争が発生しています。

コンビニは近隣に住んでいる人、活動している人、通行している人をお客さんにしており、その商圏はとても狭いです。コンビニはそこら中にお店がありますから、お客さんもわざわざ時間を掛けて遠くのお店に買い物に行くこともありません。

狭い商圏内のお客さんが高齢化するとコンビニと言えども来店することが億劫になりますが、この変化に対応するには追加のコストが掛かります。商圏の高齢化に合わせて配達サービスを行うお店が増えていますが、お店で働く店員の業務が増えることになります。

コンビニ各社は1店舗当たりの日販を増やそうとするのですが、競争が激しくなる中で日販を伸ばすことも難しくなります。売上を伸ばすことが難しくなれば、販売管理費を減らそうとする方向性になりますが、こうした動きは多くの小売業で見られます。

コンビニは販売効率が良い店舗運営をしていますが、無人レジのような画期的なテクノロジーは期待を持てます。コンビニのPOSシステムはその後に多くの小売業でも使われるようになりましたが、新時代のテクノロジーでもコンビニが小売業をリードしそうです。

コンビニは商品を買うだけではなくサービスも利用するお店

お客さんは何のためにコンビニに訪れるのかと考えると、昔からの利用者にとっては、食品、雑誌、たばこなどを購入するためです。しかし、近年は各種サービスも充実しているため、買い物をするお店に加え、何らかのサービスを利用するお店になっています。

コンビニでチケットを買ったり、お金を下ろしたりする人も増えていて、サービスを利用するついでに買い物をするようなパターンもあります。また、ネットショップの受け取り場所にもなっていて、Amazonや楽天で注文した商品の受け取りができます。

コンビニで利用できるサービスが増えるのは良いことですが、最初のうちはお客さんも店員もサービスに慣れていません。店員はサービスについて勉強する時間が必要になりますし、お客さんは店員にサービスの利用方法を教えてもらいたいです。

数年前からコンビニではお客さんが自分で購入するコーヒーを始めましたが、最初のうちはお客さんも買い方が分かりません。店員に質問をしたり、説明を受けながら購入方法を理解するので、店員はお客さんが慣れて来るまで説明を続ける必要があります。

これからも新しいサービスがどんどん増えることを考えると、コンビニの店員は今以上に業務が忙しくなります。店員の業務の中で優先順位の低いものは機械によって自動化して、店員は接客などの人間がやるべき業務に集中した方が良いです。

地域のコンビニ同士はなかなか差別化が難しいのですが、店員が丁寧に接客をする、説明をするというのは差別化ポイントになります。自動化によって生まれる店員の余力を、いかにお客さんに対して注げるかということが重要になるのではないでしょうか。

ローソンでは発注業務にもテクノロジーが活用されている

コンビニは小売業の中でも特に店舗運営が効率よく行われていて、1店舗当たりの売り場面積は小さいものの売上は大きいです。小売業に関する専門書はコンビニ関係のものが多く、小売業で働いている人たちが勉強をするのもコンビニがいかにうまくやっているかということです。

コンビニ各店の店舗運営が悪くなっているとは特別感じないのですが、まだ改善の余地はあるのではないかと感じることがあります。様々な新しいテクノロジーの開発が活発になっている中で、これらのテクノロジーを活用すれば今以上にコンビニは良くなることができます。

小売業では商品を発注する業務が重要だと考えられていますが、発注に関してはコンビニは特に重視しています。発注は手を抜いてはならない、発注には時間を掛けなければならない、発注はデータに頼りすぎてはいけない、発注に関する様々な鉄則があります。

発注の個数を誤れば売り逃しや廃棄の損失が生まれますし、売り場面積の小さいコンビニにとっては発注のミスは大きいです。発注は最重要業務で人間が時間を掛けてやらないといけないと考えられて来たからこそ、無条件にマンパワーが注がれ、そこに改善の余地が存在します。

コンビニにとって最重要業務の発注ですが、ローソンは2015年にセミオート発注システムを導入しています。これはポイントカードの購買履歴などのビッグデータ、過去の販売データを活用して、適切な発注個数を計算するという仕組みです。

発注のような重要な業務にもテクノロジーが活用されるようになり、機会損失や廃棄を減らして利益を増やすとともに、店員の業務負担も減らせます。セミオート発注システムの導入の狙いとして、発注を個人のスキルに依存しないものにする、店員の余力を接客に向けるなどが挙げられています。