ファミリーマートとユニーの統合でどんな効果が生まれるのか

ファミリーマートとユニーの統合でどんな効果が生まれるのか

総合スーパーが停滞気味のユニーグループ・ホールディングスと、コンビニの店舗数を増やしたいファミリーマートが経営統合の予定です。ユニーグループ・ホールディングスとファミリーマートだけの話ではなく、総合スーパーとコンビニのシナジーについて考えてみました。

コンビニの店舗数が増えることによるメリットは確実にありますが、コンビニと総合スーパーとのシナジーについてはほとんど言及されていません。中高年のお客さんは特に総合スーパーには思い入れがあるので、閉店せずにコンビニと一緒に生き残る道があればうれしいです。

総合スーパーとコンビニには現在のところシナジーがない

総合スーパーのアピタ、ピアゴ、コンビニのサークルKサンクスは同じユニーグループ・ホールディングスで、近年はともに業績が頭打ちになりつつある状況です。ユニーグループ・ホールディングスと経営統合する予定のファミリーマートはサークルKサンクスの店舗を取り込むことで、コンビニ事業の規模の拡大を狙っているとされています。

総合スーパーとコンビニのシナジーも期待されるのですが、今のところこれといった新しい施策は発表されていません。グループ内に総合スーパーとコンビニの両方を持つ小売業はすでにあるのですが、これまでの実績を見ると特にシナジーはないような感じです。

セブン&アイ・ホールディングスには、総合スーパーのイトーヨーカドーとコンビニのセブンイレブンがあります。セブン&アイ・ホールディングスの戦略は、利益率の高い高品質の商品である、自社プライベートブランドのセブンプレミアムを売ることです。

イトーヨーカドーはセブンプレミアムを販売する販路の一つであり、セブンプレミアムの売上拡大に貢献しています。しかし、イトーヨーカドーは業績不振が続いていて、セブンプレミアムの販路として貢献しているものの、計画的な閉店が予定されています。

イオングループは総合スーパー、食品スーパーのイメージがありますが、コンビニのミニストップはイオングループです。イオングループもプライベートブランドのトップバリュを売る戦略ですが、セブンプレミアムほどの人気商品にはなっていません。

ミニストップの店舗数は上位チェーンと比べて少なく、総合スーパーのイオンとの間でもこれといったシナジーがありません。コンビニが店舗数を増やすにはオーナーが必要ですが、上位の人気チェーンに希望者が集まるため、下位チェーンは思うように店舗数を増やせません。

コンビニの店舗数が増えることによるメリットは計算できる

コンビニは全国のあちこちにお店がありますが、狭い地域でお店を増やすドミナント戦略と呼ばれる出店戦略を持っています。各店舗が近接することでお客さんの目に留まる機会が増え、認知度が高まりお客さんのブランドイメージが良くなります。

また、コンビニは各店舗に1日2,3回商品の配達を行っていますが、こちらについても各店舗が近接していると配達効率が高まります。今回の統合ではファミリーマートの店舗数が増えることで、ドミナント戦略の効果が高まることが期待できます。

コンビニは工場で弁当、おにぎり、惣菜などを生産しているため、規模の拡大によって工場の稼働率が高まり、生産効率が高まります。工場は生産量が増えるほど効率が良くなるというのはよく言われる鉄則なので、この点においては良い影響しかありません。

規模が拡大しても食品が美味しくなるわけではないというツッコミを見ましたが、規模の拡大が食品の品質改善につながらないこともあるかもしれません。ただ、規模が大きくなること自体にはデメリットはないため、味が良くならなかったとしても経営統合の効果はあります。

Amazonや楽天などのネットショップで注文した商品を受け取る場所として、コンビニの店舗が利用されるようになっています。経営統合によって店舗数が増えれば、ネットショップの商品の受け取り場所として選ばれる機会が増えます。

特定のコンビニチェーンが好きだというお客さんがいれば、コンビニはどこで買っても一緒だと考えているお客さんもいます。コンビニにこだわりのないお客さんを獲得する方法の一つにもなり、ネットショップの商品受け取りには価値があります。

総合スーパーの持つ経営資源をコンビニを活かす形で利用する

コンビニは商品がいっぱいで売り場面積がもっと欲しい一方、総合スーパーは商品が売れずに売り場面積が余っています。総合スーパーの余った売り場面積を何らかの形でコンビニのために活用することで、双方の弱点を補うシナジーがあるかもしれません。

倉庫機能、調理機能を持っている総合スーパーを拠点にして、コンビニを支援するようなやり方は良いのではないかと思います。総合スーパーは歴史が長いので店舗が老朽化していますが、好立地にあることが多く物流の拠点としては価値があります。

高齢化社会の進行、晩婚化・非婚化の拡大、ネットショップの普及により、お客さんは遠方にあるお店への買い物が億劫になっています。商圏の狭いコンビニ、ドラッグストアが業績を伸ばす一方、商圏の広い総合スーパーは集客に苦労します。

総合スーパーはコンビニを通じて商品の販売ができれば、遠方にあることによる利便性の悪さを補強できます。総合スーパーからコンビニに商品を供給したり、ネットショップで総合スーパーの商品を販売して、コンビニで受け取ってもらうようなやり方です。

コンビニは近くで便利なお店ではありますが、売り場には空きがなく、お客さんの立場からするとコンビニで買えればと思う商品はまだあります。コンビニは食品が充実していますが、生鮮食品、惣菜、パンなど、総合スーパーの食品も買えるようになれば、お客さんはさらに便利になります。

また、ティッシュ、トイレットペーパーなどの日用品、お酒の箱買い、下着などの衣料品、お客さんそれぞれに欲しい商品は異なります。豊富なカテゴリがある総合スーパーの商品を販売することで、より地域のニーズに適合したお店になることができます。

総合スーパーの高齢者のお客さんにコンビニで商品を売りたい

総合スーパーの業績が低迷する原因はいくつか言われていますが、一番大きな原因は商圏の高齢化による需要の縮小だと考えています。30年、40年と歴史がある古いお店の周辺は小さな子供も少なく、お客さんの多くは子育てが終わっている高齢者です。

いくつかの古い総合スーパーで買い物をしてみると、食品売り場にはお客さんがいますが、それ以外の売り場は人気がありません。お客さんの需要が縮小していく中で、お店の売り場が余る状況が続いていますが、高齢者のお客さんの客単価を伸ばすことは難しいです。

難しい話ではあるのですが、総合スーパーの高齢者のお客さんをどうにかしてコンビニに引き継ぐことができるとよいです。現在、お客さんが総合スーパーで買っているような商品が、様々な方法でコンビニでも買えるようになれば便利です。

ネットショップ、店頭受け取り、宅配、定期購入、御用聞き、いろいろな方法を組み合わせる必要があると思います。総合スーパーをコンビニ支援の拠点として活かしながら、買い物場所を総合スーパーからコンビニへと移動してもらいます。

総合スーパーのコンセプトは大きなお店で衣食住の商品をワンストップで便利に買うというもので、1970-1990年代は機能しました。しかし、その時代に買い物をしたお客さんも高齢者になっていて、いま必要なのは食品、日用品などの消耗品が中心です。

昔に比べて買い物場所も増え、総合スーパーの役割は終わろうとしていると言えますが、総合スーパーの閉店が続くと残念な気持ちにもなります。総合スーパーとコンビニが連携することによって、総合スーパーが生き残れるような展開が生まれて欲しいです。