イオンのプライベートブランド商品のトップバリュが高品質路線へ

イオンのプライベートブランド商品のトップバリュが高品質路線へ

イオンがプライベートブランドのトップバリュの改革を行い、高品質路線へと転向するとのことです。セブンイレブンが販売しているセブンプレミアムがお客さんから高品質と評価をされていて、イオンのトップバリュは低品質だと見られてしまっています。

しかし、セブンプレミアムとトップバリュでは商圏や客層が異なっていて、必ずしも競合する商品ではないとも言えます。トップバリュには価格の安さ、容量の多さのお得感があり、インターネット上の悪いイメージとは異なり売上も安定して伸びています。

プライベートブランドの魅力は価格の安さと容量の多さ

プライベートブランドとは、メーカーのパッケージではなく小売業のパッケージで販売されている商品のことです。小売業がまとまった数量をメーカーに発注する、メーカーは製造するだけなので販促費がかからない、返品されることがない、などの理由から製造原価が安く、メーカーの商品よりも低価格で販売されることが多いです。

プライベートブランドの品質は発注先のメーカーに依存しますが、有名メーカーの商品よりも品質で劣ることが普通です。小売業にとってプライベートブランドは粗利益率が高く、自社のブランドイメージを高める効果もあるのでメリットが大きいです。

私が初めてプライベートブランドを買ったのは2000年くらいでしたが、その頃はまだ売り場におけるプライベートブランドの存在感は小さかったです。ダイエーのバナナ牛乳をよく買っていたのですが、500MLの大きな容器に入っていて、130円くらいで売られていました。

パッケージのデザインが有名メーカーほど洗練されてはおらず、パッと見は非常に怪しい外見をしていて、製造元を見ると聞いたことがないメーカーが作っている商品でした。味についても特別おいしいわけではないのですが、品質、価格、容量を総合的に見ると、個人的にはとてもお得感のある商品でした。

最近はプライベートブランドがメディアで紹介されることが増えていて、プライベートブランドが多くのお客さんに認知されるようになっています。プライベートブランドは有名メーカーの商品よりも品質では劣ることが多いですが、低価格で容量が多いので節約をしたいお客さんには人気の商品です。

商品の生産量が多いほど1個当たりの原価が小さくなりますから、規模の大きな小売業ほど低価格でお得感のあるプライベートブランドを売れます。日本で最大規模の小売業であるイオンのトップバリュは、日本のプライベートブランドの中で最もお得な商品の一つです。

セブンプレミアムがプライベートブランドのあり方を変える

セブンイレブンのセブンプレミアムが人気になっていて、プライベートブランドとは何なのかを説明するときの代名詞のような存在になっています。セブンプレミアムが従来のプライベートブランドと違う点の一つは、有名メーカーと共同開発している点です。

有名メーカーはプライベートブランドに消極的だったのですが、自社の商品と売上を奪い合ったり、ブランドイメージが傷つくことを嫌がったからです。しかし、セブンイレブンの売上規模が拡大して影響力が強くなり、有名メーカーも取り込まれるような状況になっています。

セブンプレミアムは高価格、高品質、少量の商品が多く、これまでのプライベートブランドにあったお得感がありません。セブンイレブンはセブンプレミアムの売上を伸ばしていて、店頭からは徐々に有名メーカーの商品が減っているそうです。

セブンプレミアムがお客さんに支持される理由ですが、お客さんからのセブンイレブンへの信頼ではないかと思います。弁当、おにぎり、パンなどの商品で長年培って来た信頼があるため、高価格の商品でも買ってみようかという気にさせます。

高価格、高品質のセブンプレミアムが人気になったことで、プライベートブランドのあり方にも影響を与えています。これまでは低価格、大容量を売りにして来たプライベートブランドですが、セブンプレミアムは高価格でも売れる可能性を示しました。

小売業としては低価格の商品よりも高価格の商品を売った方が儲かりますし、企業イメージも良いので高価格の商品を売りたいです。セブンプレミアムの成功に続こうとして、高価格のプライベートブランドを開発する小売業が増えています。

セブンプレミアムとの比較でトップバリュの評価が悪くなる

セブンプレミアムとトップバリュは日本を代表する小売グループのプライベートブランドですから、何かと比較されることが多いです。セブンプレミアムが高価格、高品質で人気になっているために、価格の安いトップバリュは低品質に見られてしまいます。

トップバリュに何か落ち度があったというよりは、セブンプレミアムが一気にプライベートブランドのあり方を変えました。特にインターネット上にはトップバリュに対するネガティブな意見が多くなっていて、インターネットでトップバリュについて調べるお客さんに悪い印象を持たれてしまいます。

セブンプレミアムは有名メーカーと共同開発しており、有名メーカーの良いイメージをプライベートブランドのそきゅポイントとして使っています。一方、トップバリュはどこのメーカーが作っているのか分からない商品が多く、セブンプレミアムと比較して怪しい感じが否めません。

ただ、もともとプライベートブランドはそうしたもので、どこのメーカーが作っているのか分からないからこその価格の安さと容量の多さでした。セブンプレミアムと比較すると低品質に思われてしまいますが、それ以外の小売業のプライベートブランドと比較してトップバリュが劣っているわけではありません。

リンク先にセブンプレミアムとトップバリュの売上のグラフがありますが、もともとはトップバリュの方が売上が大きい状況でした。しかし、ここ数年でセブンプレミアムの成長が加速していて、トップバリュの売上を抜き去り、今後も差が拡大しそうです。

セブンプレミアムの人気拡大、インターネットに投稿されるトップバリュの低い評価が原因で、高価格路線へと転換するのではないかと思います。セブンプレミアムほどではないものの、トップバリュの売上も堅実に伸びていて、これを失敗と評価することには違和感があります。

トップバリュの値段が上がると節約志向のお客さんを失う

小売業、飲食業ではお客さんが高価格の商品を求める動きがあり、企業側としてもこれ幸いと高価格の商品の開発が増えています。しかし、節約志向の強い、食品、日用品の分野ではどうかと言えば、低価格の商品を求めるニーズも強くなっています。

食品、日用品を安く販売している、ディスカウントストア、ドラッグストアが好調で、新規出店も他の業種に比べると勢いがあります。トップバリュは価格の安やさと容量の多さが商品価値ですから、低価格の食品、日用品を求めるお客さんには魅力的な商品です。

セブンプレミアムとトップバリュは比較されることが多いですが、売っている場所も購入しているお客さんも異なっています。セブンイレブンはもともと高価格の商品を販売して来ており、時間のない忙しいお客さんがある意味「適当」に買い物をする場所です。

一方、イオンは低価格の食品、日用品を販売するお店であり、お客さんも安い商品を求めてお店にやって来ています。個人的にはセブンプレミアムは美味しさ、トップバリュはお得感で買っていて、期待しているものが違うので両者が競合することはありません。

トップバリュが低価格から高価格へと戦略を変えると、今までお得感を目当てに来店していたお客さんがより安いお店に流出します。そうすると、販売効率が悪くなっている大型の総合スーパーのお客さんが減り、さらに販売効率が悪いお店になってしまいます。

トップバリュの収益性が良くないとしても、お客さんに来店してもらうためには必要な商品ではないかと思います。インターネット上にはトップバリュのイメージを悪くする情報がありますが、実際に買い物をしていると問題があるようには見えません。