ミスタードーナツがチャージ式のプリペイドカードを全国で導入

ミスタードーナツがチャージ式のプリペイドカードを全国で導入

ミスタードーナツがチャージ式のプリペイドカードを、全国のお店で導入するとの記事があります。プリペイドカードの導入が食品スーパーで増えていますが、今後はお店の規模に関係なく、多くの小売店、飲食店で導入されるようになると思います。

少子高齢化によって客数の増加が難しくなり、客単価、来店回数を伸ばして行くことが売上を増やすための基本的な方向性になります。プリペイドカードにはお客さんを囲い込むための様々なメリットがあり、これからの時代に不可欠な販促ツールになっています。

食品スーパーを中心に独自プリペイドカードの導入が増えている

小売業ではプリペイドカードの導入が増えていますが、ドン・キホーテのプリペイドカードのmajicaは利用者が大きく伸びているようです。ドン・キホーテのプリペイドカードが人気になる理由はポイント付与率の高さで、年間の入金金額が大きいほど付与率が高くなるお得な仕組みになっています。

年間50万円の入金で2%、100万円の入金で3%となっており、ドン・キホーテでたくさん買い物をする人にとっては非常にお得なプリペイドカードです。たくさんのカテゴリを販売しているドン・キホーテならではのプリペイドカードになっていて、入金金額、ポイント付与率ともにスケールが大きいです。

全国の食品スーパーでもプリペイドカードの導入が増えていて、狙いはドン・キホーテと同じようにお客さんの囲い込みです。ポイントの付与率は1%のものが多いのですが、食品は年間の購入金額が大きいので、1%のポイント付与率でも金額は大きいです。

食品は生活必需品で少しでも安く購入したいですから、プリペイドカードのポイント還元の仕組みはお客さんに喜ばれます。お客さんを囲い込むためのポイントカードは昔からありましたが、プリペイドカードはそれをより便利にしたものだと言えます。

ミスタードーナツが導入するプリペイドカードについても、小売業と同じような効果を期待することができます。ミスタードーナツの年間利用金額は食品スーパーほど大きくはありませんから、還元されるポイントも大きな金額にはなりません。

それでも、従来からミスタードーナツをよく利用しているファンにとっては、何もしなくてもポイントがもらえるのでお得です。ミスタードーナツは累計利用金額に応じてもVIPチケットを出すとのことで、新しいお店のファンを育てる効果もあります。

プリペイドカードの買い物履歴を使うことでパーソナライズが進む

お店はプリペイドカードを導入することによって、お客さんの買い物履歴を蓄積することが可能になります。小売業、飲食業でもビッグデータが重要になりますが、プリペイドカードの導入はお客さんの買い物履歴を収集する方法の一つです。

ポイントカード単体ではお客さんに面倒くさがられ、クレジットカードとセットにするとお客さんに負担になり嫌がられて来ました。プリペイドカードは便利で簡単に会計ができるメリットがあるため、使ってみようかと考えるお客さんも多いと思います。

買い物履歴を使ってお店側がやりたいことは、買い物履歴に基づいて、お客さんごとに販促を行うことです。ミスタードーナツはプリペイドカードを作ってもらい、WEB会員になってもらうことで、お客さんと個別に繋がろうとしています。

お客さんに新商品やキャンペーンの情報を送る場合でも、最も反応が得られる可能性が高い情報を狙って送ることができます。チョコレートのドーナツをよく買っているお客さんには、チョコレートのドーナツの情報をたくさん送ることができます。

これまでの企業の販促はお客さんを全体でとらえて、企業が届けたい情報をチラシなどですべてのお客さんに画一的に届けていました。これ以外の方法がなかったのでしかたがないことですが、情報に興味がないお客さんとのミスマッチが起こります。

例えば、ホームセンターのチラシには様々な商品が載っていますが、お客さんはすべての商品に興味があるわけではありません。お客さん個別に関心がある商品の情報を絞り込んで送ることができれば、販促の効果が大きくなることは確実です。

お客さんの多くがプリペイドカードを使うお店は快適なお店

プリペイドカードなどの電子決済に期待される効果として、会計時間の短縮による買い物のしやすさの改善があります。理論上は会計時間が短縮すると思うのですが、実際に大きな効果があったというような報告はまだ見たことがありません。

会計効果の短縮が感じられるようになるには、少数のお客さんではなく、大多数のお客さんがプリペイドカードを使う必要があります。バスの運賃では電子マネーを利用する人が増えていますが、昔と比較するとバスの利用が快適になっていると感じます。

商品の差別化が難しくなっていて、例えば、ドーナツであればそこそこおいしいドーナツがコンビニやスーパーでも買えます。ミスタードーナツは専門店としての歴史があり、美味しいドーナツ屋さんとしてお客さんに認知されていますが、いつまでもドーナツのトップ企業として安泰ではありません。

小売店でも飲食店でも当てはまることですが、商品や価格以外での差別化、具体的には「買い物のしやすさ」「お店の使いやすさ」が重要になっています。会計の時間が短いというのも飲食店としての一つの強みになり、飲食店を快適に使いたいお客さんにとってはお店を評価するポイントの一つになります。

プリペイドカードを使うお客さんが多いお店というのは、リピーターのお客さんが多い素晴らしいお店だと言えます。プリペイドカードを持っているお客さんは、そのお店をことを気に入っていて、たくさん買い物をしていることを意味しています。

また、プリペイドカードを持っているお客さんが多いということは、同じお店を愛するお客さんがたくさんいることを意味しています。自分と同じようにお店を愛しているお客さんが多いわけですから、トラブルも少なく快適に買い物や飲食ができます。

ミスタードーナツはお客さんを囲い込んでファンを育てたい

コンビニ各社がドーナツの販売を開始しましたが、ミスタードーナツの売上に影響を与えることは確実だと思います。ドーナツのような低価格の商品を買う時に重要になるのは「近さ」であり、ドーナツが好きな人でもなければ遠くまで買いに行く人は少ないです。

買いやすいコンビニのドーナツを買っているうちに、遠くのミスタードーナツに行くのは時間が掛かるから近くのコンビニでいいかと考えるようになります。似たようなことはすでにフライドチキンで起こっていて、ケンタッキーフライドチキンはコンビニのフライドチキンの影響を受けています。

上場している飲食チェーン店の決算発表を見ていると、売上の伸ばし方に一つの特徴が出てきています。多くの飲食チェーン店で客数が減少しているのですが、一方で客単価は上昇しており、これは今後の飲食店の方向性を示唆しています。

少子高齢化でお客さんが減っていく中で、コンビニなど異業種との競争も激しくなり、客数を増加させることが難しくなっています。継続してお店を利用してくれているのはお店のファンで、全体に占めるファンの割合が増えるほど客単価が高くなります。

お店を繰り返し利用してくれている既存顧客を大切にして、来店回数、注文点数を増やすことが飲食チェーン店の生き残り戦略だと考えています。ミスタードーナツの場合は、月の来店回数を1回増やす、来店当たりのドーナツ注文個数を1個増やす、こうしたことが目標です。

プリペイドカード導入により、ポイントの付与、買い物履歴を使ったパーソナライズ、会計時間の短縮など、お客さんがもっとお店を利用したくなるような効果が期待できます。積極的にプリペイドカードを提案して利用者を増やすことで、さらに利用しやすい快適なお店になることができます。