世帯構成の違いによって普段の食品を買うお店に違いが出ている

世帯構成の違いによって普段の食品を買うお店に違いが出ている

普段の食品をどのお店で買っているのか、世帯人数ごとの買い物場所の違いを示しているWEBアンケートの結果があります。総合スーパー、食品スーパーは食品を買うお店として歴史が長いですが、コンビニ、小型スーパー、ドラッグストアが新興勢力として台頭しています。

社会環境の変化により、「買い物に体力を使いたくない、買い物に時間が掛けたくない」というような省エネのマインドが、食品の購入において重要になっていると感じます。今後も単身世帯が増加することが予測されていますから、品揃えや安さだけではなく、自宅からの距離が近い、レジの待ち時間が少ないなど、買い物のしやすさもお店を選ぶ条件になって来そうです。

単身者はアクセスの良い小型スーパーで食品と生活用品を買う

小売業の主役であった総合スーパーが低迷していて、総合スーパーでは新しい業態の開発が行われています。イオンは「まいばすけっと」という小型スーパーを2005年から始めていて、決算書を見ると店舗数も増えており、小型スーパーの業績は順調のようです。

まいばすけっと以外にも様々な企業が小型スーパーに注目していて、食品を中心にしながら、各種生活用品を販売する業態を開発しています。まだ首都圏にしかお店がないのでなじみがないお店ではあるのですが、これから全国の主要都市に登場して来るはずです。

世帯人数が2人以上の世帯は、食品スーパー、ディスカウントストア、ホームセンターなど、複数の専門店を回って商品を買います。世帯人数が多いほどたくさんの商品が必要になりますし、節約できるチャンスも多いので複数のお店を買い回ることになります。

複数のお店を買い回ることは時間が掛かり大変ですが、良い商品を安く買いたいため、お客さんの意欲は高いです。最近は価格比較がしやすいチラシアプリがありますから、お客さんは簡単に価格チェックができるので、昔以上に楽しく安く買い物ができます。

普段食品を買うお店として小型スーパーと回答した割合では、世帯人数が2人以上の世帯よりも単身者がやや多い結果になっています。これは複数のお店を買い回ることが面倒くさいので、小型スーパーで食品と日用品を買ってしまおうという考えだと思います。

単身者は生活に必要な商品が相対的に少なく、調味料やティッシュといった消耗品の消費スピードも遅いです。小型スーパーが今後成長していくためには、単身者が必要とする生活用品がワンストップショッピングできるように強化することが重要になりそうです。

家族と同居している未婚者はコンビニで自分の好きな食品を買う

家族と同居している未婚者がコンビニを最も利用していることは、小売業全体にとっても注目しなければならない特徴です。現在、コンビニの食品が好調で業績が伸びていますが、コンビニで食品を買っているお客さんにはそれぞれの動機があります。

美味しいものが食べたい、調理する時間がない、お店が近いなど、コンビニで食品を買う理由は様々です。私は家族と同居している未婚者のお客さんが、少し価格が高いプライベートブランドを購入しているのではないかと推測しています。

実家で暮らすので家族と一緒に食事をするだろうと考えれば、家族と同居している人がお店で食品を買う機会は少ないようにも見えます。しかし、家族と一緒のものを食べるということは、自分の好きなものを好きなタイミングで食べれないことにもなります。

好きな時に好きなものを食べれないことがストレスになり、コンビニで自分が食べたいものを買ってしまうのはありそうなことです。弁当やパンは売れないかもしれませんが、ホットスナック、お菓子、スイーツ、お酒はよく売れそうな感じがします。

家族と同居する若い人が増えているとのニュースを見たことがありますが、これは小売業にとっては良いことではありません。家電や家具などの生活用品を家族と共同で使うため買う機会が少なく、食品や消耗品も効率よく消費するので無駄がありません。

実家で暮らす分だけお金に余裕が出ることになりますが、そのお金は「自分だけで消費するもの」に多めに使われることが多いと見ています。コンビニの食品もその商品の一つで、家族と同居しているお客さんには少し価格が高めの商品も売ることができます。

お客さんはコンビニと小型スーパーに異なる商品を期待している

コンビニと小型スーパーの使われ方には違いがあり、お客さんがそれぞれのお店に求めるものは異なっています。コンビニでは弁当やパンがよく売れていますが、商品の質もさることながら、お店のアクセスの良さ、買い物のしやすさに価値があります。

小型スーパーはコンビニよりも買い物が大変ですから、その分だけたくさんのカテゴリを買うことを希望しています。現在のところ、お互いにうまく住み分けができているとも言えますが、お互いにお客さんを奪われないように変化して行くことになります。

コンビニは昔も今もお客さんに支持されていて大きな問題はありませんが、将来的な不安要素としては売り場面積の狭さがあります。小型スーパーはアクセスがそこそこよく、売り場面積もそこそこ大きいため、コンビニは品揃えの点で劣勢になる可能性があります。

売り場面積の狭さを補う方法の一つとして、ネットショップとの連携はうまく行くのではないかと考えています。ネットショップで注文をしてコンビニで商品を受け取ってもらうことで、コンビニの売り場に商品を置かなくても売上を伸ばすことができます。

一方、小型スーパーの場合は売り場面積の優位性があるため、コンビニを意識することなく売り場面積の大きさを活かしたいです。弁当やパンだけを買うのに、近くにあるコンビニをスルーして、遠くにある小型スーパーまで買い物に行くことは考えにくいです。

弁当やパンを強化してコンビニからお客さんを奪おうとするよりも、コンビニが売っていない商品を増やす方が得策です。食品や生活用品を一つのお店で買えることは便利で、品揃えを常に地域の需要に合わせることでお客さんに頼りにされるお店になれます。

ドラッグストアはあらゆる世帯構成のお客さんに利用されている

アンケート調査の結果を見ると、お客さんの普段の食品の買い物場所は世帯人数によってある程度分かれています。世帯人数が多いほど品揃えが豊富な総合スーパー、食品スーパーを利用して、単身者はアクセスの良い小型スーパーやコンビニを利用します。

世帯人数が多いほど幅広いカテゴリの商品が必要になりますし、購入金額も大きいので、安く買い物をしようとする意識も高いです。単身者は必要な商品が少なく、それほど買い物には意欲的ではないため、すぐに行ける家から近い小さなお店を好んでいます。

食品と日用品を販売しているドラッグストアの使われ方は非常に特徴的で、世帯人数に関係なくすべてのお客さんの食品の買い物場所になっています。ドラッグストアは業績好調で新規出店も多いですが、このアンケートはドラッグストアの好調を物語っています。

世帯人数が多いお客さんを満足させる幅広い品揃えと安さがあり、一方で、単身者を満足させる買い物のしやすさがあることになります。すべての販売チャンネルで世帯人数によってバラツキがある中、ドラックストアだけがあらゆる世帯に支持されています。

ドラッグストアはコンビニや一部の小型スーパーよりも店舗面積が大きいため、将来的な拡張性の点でも有望だと言えます。現在、コンビニ各社はAmazonや楽天などのネットショップと提携して、注文した商品をコンビニで受け取ることができる便利なサービスを提供しています。

おそらく、ドラッグストアも同じことをやると思うのですが、店舗面積が大きい分だけ荷物量の増加に対応しやすいです。コンビニ、小型スーパー、ドラッグストアが似たような商圏、商品で競争する中で、店舗面積の差が重要な差別化要因になりそうです。