ホームセンターには他の小売業から狙われるカテゴリーが多い

ホームセンターには他の小売業から狙われるカテゴリーが多い

ホームセンターでよく買い物をするのですが、売り場を見ていると競合他社に狙われる商品がたくさんあります。ホームセンターは小売業の中では比較的営業利益率が高く、激しい競争はこれからという感じですが、業績が不安定になる企業も出てきています。

ホームセンターのカテゴリから気になるものを4つ、どの小売業とライバルになるのかをあげてみました。ホームセンターはプライベートブランドの訴求力が弱いため、勢いのある専門店やネットショップとお客さんの奪い合いになれば苦しそうです。

利益率が高いプロ向けの商品はネットショップから狙われる

ホームセンターは様々なカテゴリを扱っていますが、プロ向けの工具や資材は売上工施肥が大きく、高い粗利益率を確保しています。一般的に、プロとプロの取引では経験や情報の差がないため、高い粗利益率を確保することは難しいとされています。

ホームセンターがプロ向けの商品で高い粗利益率を保てている理由は、品揃えの豊富さと納期にあると考えています。お客さんは必要となった時にすぐに目的の商品が買えるので、その利便性が付加価値となって高く商品を販売できているのだと思います。

単価が高く、高い粗利益率が期待できる商品は、ネットショップにとっては是非とも販売したい儲かる商品になります。最近はネットショップの納期がどんどん早くなり、BtoBの分野でも当日配達、数時間での配達が当たり前になるのは確実な状況です。

ホームセンターと品揃えが被るアスクル、MonotaROは急速に売上を伸ばしており、既にホームセンターから売上を奪っています。ネットショップでは実店舗と比較して品揃えの拡大が容易で、ホームセンターよりもネットショップの方が品揃えが良いです。

ホームセンターだけの問題という訳ではないのですが、小売業はこれまでほとんど顧客管理をやって来ませんでした。一方、ネットショップではすべての取引が記録されているため、買い物履歴を活用することでお客さんとの関係を強いものにできます。

過去の買い物履歴から新商品を提案したり、よく買う商品の品切れを起こさないように在庫管理を行い、お客さんの満足度を高められます。ネットショップには品揃え、価格、納期、買い物のしやすさなどの強みが多く、ホームセンターにとっては強敵です。

日用品と生活雑貨はドラッグストアや100円ショップと競合する

日用品や生活雑貨の買い物場所としてホームセンターは人気があり、総合スーパーやディスカウントストアと並び歴史も長いです。ティッシュペーパー、シャンプーなどの日用品は集客力があり、それ以外の単価の高い商品も一緒に買ってもらえます。

ホームセンターは生活雑貨全般においても主要な買い物場所になっており、幅広い品揃えとそこそこの価格で買い物がしやすいです。食品は販売していないお店も多いのですが、日用品、生活用品を買うお店として多くのお客さんを獲得してきました。

日用品は最近勢いがあるドラッグストアが強敵で、徐々にドラッグストアにお客さんを奪われていると思います。ドラッグストアは医薬品で大きな粗利を稼いでいて、その粗利で食品や日用品の安売りを行っているため、ホームセンターよりも安い印象があります。

また、住宅街の近くにも新店舗が多く作られていて、立地的にもホームセンターよりお客さんに近いケースもあります。仕事帰り、休日にちょっとした生活用品の買い物をするのであれば、ホームセンターよりもドラッグストアの方が便利でお得になっています。

100円ショップもドラッグストアと同様に勢いがあり、生活雑貨が充実していてホームセンターのライバルです。ネット上でも「100円ショップの商品でできる○○」といったコンテンツが増えていて、安いだけはなくオシャレだと見ているお客さんもいます。

100円ショップでは自社で企画・開発している商品が多く、今後も品質の改善やカテゴリの充実が続きます。客層は若い女性や主婦が多いのですが、男性や高齢のお客さんも買い物をしており、幅広い層のお客さんに支持されるお店になっています。

家具とインテリアはIKEAとニトリの2強の価格競争力が強い

家具やインテリアはホームセンターにとって儲かるカテゴリで、競合する店舗はニトリ以外にほとんどありません。総合スーパーには一部インテリアや家具の売り場もあり、ローカルの家具屋もありますが、ホームセンターのライバルになるほどではありません。

この分野ではニトリがライバルになる専門店ですが、ニトリが近くになければお客さんはホームセンターで買い物をします。ニトリが近所にないホームセンターは家具とインテリアを独占していて、競合のプレッシャーを感じることなく楽に売上を得ています。

家具製造小売業のニトリは強力な存在で、20年以上増収増益を続けていて、店舗を作ればそのほとんどが成功して地域の需要を吸収します。ホームセンターにとってはニトリの存在は気になるところで、ニトリが出店して来れば売上を失う可能性が高いです。

ニトリは自社で商品を企画、開発していて、売上が増えれば増えるほど原価が下がり安売りができます。ニトリはどちらかと言えば目立たない地味な企業だったのですが、最近はネットでも言及されることが増えていてブランドイメージが良くなっています。

ニトリと同じくホームセンターの強敵になるのが外国からやって来たIKEAで、超大型店を作って広域から集客しています。ただ、高齢化社会が進んでいる日本では商圏の設定が広すぎて、遠方からのお客さんはあまり拾えていないのではないかと見ています。

IKEAは世界規模で商品を製造しているため規模が桁違いで、日本のホームセンターは価格で太刀打ちできません。現在のところはいかにも外国の企業といった感じで買い物がしにくいですが、日本になじんで来ればニトリと同様に価格面では勝てません。

リフォームには家電量販店が生き残りを掛けているので手強い

高齢化社会を迎える中でリフォームは注目されるビジネスで、市場規模が拡大することが期待されています。私の記憶では2000年代の初め頃から、ホームセンターにトイレ、洗面台、キッチンなど、リフォーム商品の売り場ができはじめました。

ホームセンターは昔から、物置、車庫などのエクステリア商品を販売していましたから、リフォームも売りやすい商品です。ホームセンターはリフォーム販売の経験を10-15年近く積んで来ていて、来たるべき高齢化社会を満を持して待つという感じでした。

2000年代の終盤くらいからだと思うのですが、新規事業として多くの家電量販店がリフォームを開始しました。当初はそれほど目を引くものではなかったのですが、家電の売上が伸びないこともあって、ここ数年でリフォームの売り場が急拡大しています。

家電量販店の売り場から家電が減ってリフォームが増えている状況を見ると、家電を売ることが難しくなっていることが分かります。家電事業の先行きが不透明になる中で新規事業が必要になっていて、家電と同じ住宅設備であり、需要が見込めるリフォームに力を入れています。

ホームセンターに一日の長があることは事実なのですが、家電量販店の取り組み姿勢を見るとホームセンターを凌駕しそうです。ホームセンターには家電量販店ほど売り場の余裕はないですから、売り場を見比べるとお客さんは家電量販店を気に入ると思います。

家電量販店がこれほどまでにリフォームに力を入れるとは計算外で、ホームセンターには都合が悪いです。リフォームは高齢化社会が進む中で注目のビジネスなのですが、新規参入して来る企業も多く、ホームセンターも大きな利益は見込めないかもしれません。