カレーチェーン店ではなぜココイチだけがよく知られているのか

カレーチェーン店ではなぜココイチだけがよく知られているのか

カレーチェーン店と言えばココイチが有名ですが、なぜココイチがNo1なのかを解説している記事があります。業界トップのココイチは1,200店舗ありますが、2番手以降は50店舗以下と店舗数が少なく、ココイチ以外に大規模チェーン店がないことは意外です。

ココイチの営業利益率は10%を越えていて超高収益企業と言えますが、ライバルの不在やカレーの高い価格からすると順当な結果です。値段が高いと感じているお客さんも多いですが、味、量、清潔な店舗など全体的に満足度が高くリピートしてしまいます。

ハウス食品からルーを調達することでチェーン店の展開が可能

ファーストフード業界には様々なチェーン店がありますが、私はカレーチェーン店ではココイチとゴーゴーカレーしか知りません。業界トップのココイチは1,200店舗以上と巨大チェーンなのですが、ゴーゴーカレーなど2番手以降は50店舗以下と差があります。

ココイチは何度も利用したことがあるのですが、ゴーゴーカレーはビジネスニュースや雑誌で目にしたことしかありません。カレーは日本人が最も好きな食べ物だと言われていますが、その割にはチェーン店が少ないのは不思議な感じがしていました。

多店舗展開をするカレーのチェーン店が少ない理由ですが、美味しいルーを毎日安定的に製造することが難しいからだそうです。今日では世界中から様々な食材を輸入して消費していますが、カレーのルーの調達が難しいというのは知りませんでした。

毎日の仕込みが大変と聞くとラーメンをイメージしますが、ラーメンもカレーも個人の経営者が多いことに気が付きます。チェーン店を作って規模を拡大して儲けようとするよりも、自分の味にこだわって小さなお店を続けている経営者が多いのだと思います。

ココイチはハウス食品からルーを安定的に仕入れることで、チェーン店の規模の拡大を可能にしているとのことです。ココイチの成功を見ると、今後、食品メーカーによる飲食チェーン店の経営、既存の飲食店への食品の提供は新しいビジネスとして有望そうです。

多くのココイチのお客さんはココイチとハウス食品の関係を知らないでしょうから、これをアピールすればハウス食品の宣伝にもなります。ココイチのお客さんもハウス食品がココイチのルーの調達に協力していると聞けば、今まで以上にハウス食品の商品に好感を持つはずです。

トッピングやサイドメニューが充実していて客単価が高い

ココイチのカレーの値段は個人的には高いと思っていますが、これといったライバルがいないので安くする必要もありません。それでもお客さんから利用してもらえるのは、ココイチの味もありますが、カレーが日本人に人気の食べ物だからではないでしょうか。

「安いカレーを食べたい」というよりも、まずは「美味しいカレーが食べたい」ので、カレー屋さんも低価格をそれほど強くは求められません。例えば、牛丼の場合はお客さんがまずは価格を優先するため、牛丼屋さんには常に低価格化の圧力が掛かります。

ココイチで食事をしていて感じることなのですが、夜の時間帯のサラリーマンの注文点数は多いです。カレーのトッピングが豊富にあることは客単価アップに有効ですが、これに加えてサイドメニューやお酒など、追加で注文するメニューも充実しています。

仕事帰りのサラリーマングループが3,4人でやって来ると、1人1,000-1,500円程度の客単価になっていることもよくあります。お客さんの滞在時間はそれほど長くはないため、客単価と回転率の両方とも高くなっていて、10%を超える高い営業利益率も納得です。

トッピングを豊富に用意することで客単価を高めるやり方は、これから多くの飲食店で採用されるようになるのではないかと思っています。ピザ、うどん、お好み焼きなどでは昔からトッピングが多かったですが、このやり方はどんな業態でも客単価を高めることができます。

カレーやパスタはソース、ピザ、たこ焼きは生地、うどんはダシなど、料理のベースとなる部分でお客さんのハートを掴むことができれば、その後、長期に渡ってリピーターになってもらうことができます。料理のベースがしっかりしていれば、トッピングを入れ替えることでお客さんの飽きを防ぐことができ、季節限定のトッピングなども効果的です。

社員が独立してフランチャイズオーナーになるので失敗が少ない

商品の原価率を下げて利益率を高めるため、飲食チェーン店では新規出店の数を増やしてチェーンの規模を拡大することが基本戦略です。店舗の数が増えるほど仕入コストが下がり、加工・物流の効率が高まるため、チェーン店全体の収益性が高まります。

飲食チェーン店ではフランチャイズで店舗を増やしている企業もあり、外部からオーナーを募集する、経験を積んだ社員が独立開業する仕組みがあります。ココイチのウェブサイトにはフランチャイズに関するデータがあり、社員の独立開業の成功率の高さが強調されています。

フランチャイズの仕組みは企業側もオーナー側も双方にメリットがあるはずなのですが、トラブルが多いことがよく知られています。売上予測の精度が甘く、いざ始めると当初の計画ほど儲からないなどは、フランチャイズ関連の記事でよく見るトピックです。

フランチャイズオーナーの募集条件では経験を問わないものも多いため、お店がうまく行かない時に修正することが難しいというのもあります。フランチャイズの仕組みが抱えている問題を考えると、自社で人材を育成した後、独立開業してもらうやり方の方が成功率が高いのは説得力があります。

最近、飲食業の労働環境の悪さが指摘されることが増えていて、飲食業は不人気の職場になってしまいました。また、ソーシャルメディアの普及によりお店の情報がインターネットに書き込まれるため、飲食業の店長の仕事はさらにストレスが大きくなっています。

正社員の店長でもモチベーションを高くして働くことが難しい中で、気骨のあるフランチャイズオーナーへの期待が高まります。ココイチは元社員のフランチャイズオーナーが多いとのことで、このこともココイチの業績に貢献しているのではないかと思います。

外国人のお客さんに国内と海外の両方のお店を利用してもらえる

インターネットの普及で日本に関心を持つ外国人が増えていて、海外のニュースサイト、ソーシャルメディア、Youtuberなどで日本食の話題をよく見かけます。日本食では寿司、ラーメン、てんぷら、うどんなどが人気ですが、カレーはココイチしか有力なチェーン店がないため、外国人のお客さんからの人気が高まっています。

インターネットの情報は時間経過とともに蓄積されるので、数年後にはネット上で大きな存在感を持つことができます。今はまだ売上に占める外国人の割合は小さいと思うのですが、日本で活動する外国人が増えればココイチにとってはチャンスになります。

ココイチは既に海外へも出店していますが、国内と海外のお店両方で外国人のお客さんを獲得することができます。ココイチを知らなかったお客さんが日本に仕事や旅行でやって来て、ココイチで食事をすることでココイチの存在を知ってもらいます。

こうしたココイチを知っているお客さんが海外に増えれば、将来出店する時の見込み顧客として計算できます。売上を増やすために多くの飲食チェーン店が海外進出を狙っていますが、外国人に人気のココイチは知名度のない企業と比較して有利な状況です。

飲食店に外国人のお客さんが増えることの影響ですが、ココイチの場合、既存の日本人のお客さんを減らすことはないと思います。お客さんはココイチにくつろぎやリラックスを求めてはいませんから、店内の混雑や、話し声が気になることはありません。

高単価の商品を高い回転率で販売するココイチの成功パターンは盤石で、この成功パターンは外国人のお客さんが増えても変わらないはずです。ご飯やトッピングの増量で客単価も高めが期待できますから、外国人のお客さんが増えることで業績を伸ばしそうです。